第十二話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
アジトに戻り、命は先ほど起きた事柄を真澄に説明する。
その後落ち込む四季の隣に寄り添って慰めていた。
「半グレは壊滅、練馬の桃は警戒を強化。これで俺らは完全に受け身状態だな。唯一の収穫は神門って桃と、その上司の存在だな。さっき命から聞いた話だと、皇后崎をさらった桃はその神門って桃の上司だな。多分隊長で一連の放火もそいつの仕業だろう」
真澄は命から聞いた情報を元に推測を始める。
「恐らく放火の目的は最初から神門って奴に誤解させるため。とにかく神門って桃とお前を意図的にぶつけたかったって感じか?狡猾な奴だ、病院を放火するだけじゃなく姉妹の家を燃やすなんて。しかも全部一ノ瀬に疑惑が向くように計画されてる。とどめは凄惨な現場で出会わせて、一ノ瀬を極悪な鬼に仕立て上げた」
『(とんでもなく策略に長けてるな…)』
あの上司は手間も時間もかけて、神門という青年を自分の操り人形にした。
一筋縄ではいかない相手であることはよくわかった。
「おかげで向こうはやる気満々になったみてぇだな」
「となると、ここもいつ攻められるかわかりませんね」
「あぁ、他の隊員は別アジトへ行ったろ?俺らも移動しねぇとな」
真澄はおもむろに四季に近づいて彼に声をかける。
「一ノ瀬、お前ははめられたってことだ。知り合いが実は桃だったって話はなくもねぇ。つってもよくある話でもねぇけどな!はは!」
『真澄さん!』
さすがに茶化し過ぎだと命が怒ろうとした途端、四季が動き出して真澄の胸ぐらを掴む。
「何が面白ぇんだよ!ヘラヘラしやがって!俺は別に神門が桃だからショック受けてんじゃねぇ!誤解して話も聞かず一方的に殺意向けられたことに腹がたってんだ!」
一気にまくし立てると、四季は掴んでいた襟を力なく離す。
今起きている理不尽を嘆くように。
「なんで…話聞いてくれねぇんだ…俺はあいつと戦いたくねぇのに…」
「戦いたくねぇけど話は聞いて欲しい?馬鹿かお前。お前の話なんか誰も聞かねぇよ」
弱々しく語る四季の目を見据えながら、真澄は現実を突きつけた。
「なんでかわかるか?お前が弱いからだ、弱い奴の話なんか聞いちゃくれねーんだよ」
「どーゆーことだよ…?」
困惑する四季に、ずっと傍観していた無陀野が声をかける。
「四季、俺たち鬼はなんで桃と戦うかわかるか?」
「そりゃ、桃が鬼を殺そうとしてくるからだろ…?」
「確かに鬼を絶滅させようとする桃に抵抗するためでもあるが、本質はそこじゃない」
『話し合いの席に座らせるためだよ』
そこに命も会話に横入りして、四季に説明してあげた。
『鬼と桃双方が納得できるこの戦争の、"落とし所"を決めるための話し合いよ。このままいけば、鬼も桃もただじゃすまない。殺し合いの末、双方絶滅する可能性もある』
その為、鬼機関が求めるのは桃の殲滅ではなく、話し合いの末の和平協定を結ぶことである。
「けど厄介なのは、桃たちは自分たちが"正義"で自分たちが"格上"だと思っていること。言ってしまえば"弱者に耳を貸す必要はない"と考えていることだ」
『だからこそ戦って、武力を見せつけるの。このまま戦争を続けることが得策じゃないと理解させる。その時はじめて、戦争以外の決着の付け方を決めるための話し合いの席が設けられるの。わかる?戦わないと話し合いの席にすら座ってもらえない。弱いと話も聞いてもらえない。弱者の話を聞いてくれる程、世界は優しくできていない』
「どんな理由であれ、お前は誤解され殺意を向けられた。そうなったらもう今のままじゃ話は聞いてもらえないだろうな。じゃあどうする?声をかけ続けるか?一度向けられた殺意を収めるのは簡単じゃない。戦わなければ殺されて終わりだ、極悪のレッテルを貼られたまま死ぬだけだ」
無陀野は四季の胸に人さし指を立てて押し当てた。
「嫌なら戦え!耳を引っ張ってでも話を聞かせるんだ。戦わない奴の言葉は誰にも届かない、話し合いの席に座ってほしいなら戦う覚悟を決めろ」
四季は納得しきれていない顔をしていたが、無陀野達の話を聞いて一応は決心した様子だった。
「残ってる隊員はいねぇな!?別アジトに行ったな!?したら俺らも移動すんぞ!」
準備が整い、一同は移動を始める。
その間も、四季は腑に落ちない感情を抱えていた。
「("話を聞いてほしいなら戦え!"ってムダ先言ってたけど、戦いたくねぇ奴と戦う意味がわかんねぇよ。ちゃんと話せばぜってぇわかってくれるっつーの!)」
『(心配だなぁ…)』
命は四季が甘いことを考えていると悟り、不安視した。
どうかその甘さが命取りにならないことを願った。
「なぁ、俺らこれからどーすんだ?新しい場所行ってその後何すんだよ?相手探してカチコミとかしねーの?」
矢颪の問いに対する真澄の答えはこうだ。
「こっちはこのまま受け手だ」
「まーた受け手かよ」
「ばーか、受け手は受け手でも"受け取り方"ってもんがあんだよ」
「?」
「詳しくは向こうで話す」
真澄は足を進めながら、これから起こるであろう出来事を説明した。
「あっちも手札が揃ったなら動くだろ、桃とのご対面も近い。お前らは未熟だ、本来なら引っ込んでろと言いてぇが、練馬の桃が100%動く確証が無い限り練馬の戦闘部隊は動かせねぇ。つまりお前らが頼りだ。だから一つだけ言っておく、死ぬんじゃねぇぞ、ちんちくりんども!」
最後に笑うのは桃か…鬼か…
つづく
