第十話
夢小説設定
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―同時刻―
真澄率いる皇后崎救出チームはビルの屋上にいた。
「あのキャバクラが半グレの溜まり場だ」
彼等が見下ろす先には、皇后崎が捕らわれているキャバクラの店舗があった。
「んじゃあサッと乗り込もうぜ!」
「馬鹿かお前は、頭使え。まずは状況の確認と整理だ。眼鏡!索敵ができんだろ?やってみろ」
「え!はい!」
遊摺部は言われるがままに、血蝕解放をして索敵をするが…すぐに異変が起こる。
「…あれ?」
「どした?」
「なんか見えにくいというか…」
「だと思ったよ。お前の能力はいくつかデメリットがある。まず動けない、それと建物とか階層がたくさんある所だと重なって正確な位置が掴めない」
「(京都の時は人がいなくなればいいだけだったから気にならなかったのか…)」
「テメェはまだ発展途上ってことだ」
自分でも気づかなかった弱点に気づき、遊摺部は強張った表情を浮かべる。
「じゃどーすんだよ?」
「バーカ!だから俺らがいんだろ。役に立たねぇことは百も承知だ、だったらせめて吸収しろ。お前らは待機だ」
真澄、馨はそれぞれ片手の手袋を外すと指を傷つける。
「偵察部隊の仕事ってやつをしっかり見とけ」
2人の偵察部隊としての仕事が始まった。
「ここならカメラの死角だ。馨、まずは店内の人数と構造を調べろ」
「わかりました」
「ど…どうやるんですか?」
「これ」
遊摺部の問いに、馨はあるものを見せてやる。
それは血の入った小瓶だった。
「小瓶?」
「僕の血が入った小瓶。これを振る」
パッ
小瓶を振った瞬間、馨の脳内に建物の構造と中にいる人や屋外にいる人の人数が浮かび上がる。
「この血の音が反響して、周辺の人数や建物の構造を教えてくれる。コウモリやイルカが音を発して物の位置などを察知するの聞いたことない?あれの最上級って感じかな」
「人だけじゃなく建物の構造もですか…?」
「簡略化した物が見えるよ」
自分の能力とは段違いの、卓越した馨の能力を目の当たりにした遊摺部は唖然とした。
「しかもこれは他の人も使える能力なんだ」
「え!やるやる!やらせて!」
『やめたほうが…』
命が止めるのも無視して、受け取った小瓶をチャカチャカと思い切り振る四季。
「デメリットは情報処理が大変なところ。一気に凄い量の情報が脳に飛び込んでくるから」
小瓶を振った四季を、遊摺部と矢颪が見守る。
遊摺部が「どう、見える?」と聞いた瞬間…。
ケポケポ…
「情報酔いする」
「うわー!吐いた!」
情報処理しきれなかったのか、その場に嘔吐して蹲る四季。
命は彼に近づくと、優しく背中をさすってやる。
『言わんこっちゃない…』
「全然わかんねぇのにすんげー頭がパンクしそーになる…」
「経験上IQが高い人は使えるみたいだよ。命ちゃんは使えたよね」
『ちょっと気持ち悪くなりましたけど』
「ちょっとってどんぐらい?」
『車酔いくらい?吐きはしなかったよ』
「そんだけかよ…やっぱ頭いいんだな」
「お前!IQ!!低い!!」
『やめなさい!』
四季がIQが低いとわかると矢颪があからさまに馬鹿にし始めた。
そんな矢颪を、命は背中をさすりながら窘める。
「遊摺部は似た能力だし大丈夫だろ」
チャプチャプ
今度は遊摺部が小瓶を持って、馨の能力を使ってみるが…。
ケププ
案の定、彼もその場に嘔吐した。
