第九話
夢小説設定
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それから少しの時間が経った。
「いいかげん皇后崎探しに行こうぜ!」
進展しない現状に、ついに四季が痺れを切らして皇后崎捜索を志願する。
「確かに時間経過的に動くべきですね。戦闘部隊に応援要請しましょう」
「戦闘部隊は動かねぇぞ」
話し合いをしていると第三者の声が介入する。
背後から現れた男を見た瞬間、命はヒュッと息を呑んだ。
「お疲れ様です!真澄隊長」
男を視認した瞬間、馨は慣れた様子で挨拶をする。
そこには黒髪で、命と大差ない身長の小柄な男が立っていた。
彼は淀川真澄、練馬区偵察部隊隊長である。
そして…命が今一番会いたくない人物だった。
「大体書き置きしてんだ。どうなろうと自己責任だろ」
真澄は皇后崎の書き置きを指でつまみながら指摘する。
それに黙っていないのは四季だった。
「おい!じゃあ見捨てんのかよ?」
「勝手な行動する奴は勝手に死ね」
「だからって戦闘部隊動かさねぇのかよ!ありえねぇぞ!」
「お前も周りに迷惑かけそうなタイプだな」
真澄はおもむろに無陀野に近づいて、彼に話しかける。
無陀野の隣に立っていた命はヒヤヒヤしながら真澄の一挙一動を見守っていた。
「久しぶりだな、無陀野。今はこんな糞ガキどもの子守か?人は変わるな」
「言いたい事があるならハッキリ言え、真澄」
親しげに言葉を交わす2人だが、真澄の様子がおかしい。
明らかに怒りを含んだ言い方だった。
「よくも
最大戦力…?
まさかと、生徒の視線が一斉に命に向けられる。
「許可は得ている。問題ない」
「大アリだこの野郎、コイツが抜けるだけでどんだけ穴が空いたと思ってんだ」
『ま、真澄さん!』
「テメェもだ命、ホイホイついて行ってんじゃねぇ尻軽」
『し…尻軽』
「隊長、女の子に失礼ですよ」
流石にショックを受けて涙目になる命を馨が慰めていた。
やはり、何も言わずに練馬を出たことを怒っている。
自分にも非があるので、命は何も言い返せなかった。
「テメェ、散々面倒見てやったのに除隊したってメッセージだけってどういう了見だ?」
『いや…急だったし、真澄さん絶対怒るだろうから』
「当たり前だこのカス、そうやって報連相もロクにしないから昇進できねぇんだろ」
『……』
暴言のオンパレードにしょも…と落ち込んでいると、無陀野が真澄から庇うように命の前に立ちはだかる。
「戦闘部隊が動かない理由は?」
「チッ…相変わらず命に甘いな」
その様子を見た真澄は仕方なしに話を戻す。
「まぁ、順を追って話すとすでに調査してわかったことが3つある。1、生徒は拉致られた。2、一般人の関与。3、練馬の桃の仕業じゃねぇ」
彼は指で数えながら調査してわかったことを命達に教える。
話をまとめると、どうやら皇后崎は一般人に攫われたらしい。
「あいつ一般人に拉致られたのかよ」
『…ただの一般人じゃないですよね』
「生徒拉致ったのは関東ナッツ連合っつう半グレどもだ。さらうまでの手口は素人だが、姿の隠し方は多分桃が関与してる」
「やっぱ桃が絡んでるんじゃ」
「半グレといえど一般人巻き込むことは練馬の桃はやらねぇ。となると別の桃が動いている可能性がある。しかもそいつは一般人を余裕で巻き込むカスだ」
『なるほど…』
「確かにそうなるとこの地区の戦闘部隊は迂闊に動かせないな」
命と無陀野が納得の声を上げている中で、四季は理解できず頭を抱えていた。
「え?なんでなんで?全然わからんて」
「練馬の桃以外がさらったとなると、もし助けに行ったら練馬を守れる鬼が減っちゃうでしょ。その間に練馬の桃、まぁ22部隊が仕掛けてきたらこっちは当然手薄。大勢の鬼が死ぬことになる」
「教えるのうまいなー」
『この人めちゃくちゃ頭いいの』
「はは」
馨の説明で、四季もようやく理解する。
すると遊摺部が挙手をして真澄に質問した。
「じゃあこっちも別の所から戦闘部隊を呼べばいいのでは?」
「その呼んだ部隊の本来の管轄は誰が守るんだ?鬼は桃と違って常時人手不足、んなことできねぇ。けど今回は無陀野がいる、東京都の戦闘部隊でもエリートだった無陀野無人君が」
真澄は説明しながら、隣に立つ無陀野を見やる。
無陀野は腕を組んだまま何も言わないでいた。
