第八話
夢小説設定
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四季がいなくなった。
連れ去られたというわけではなく、恐らく勝手な行動をしているだけと判断された。
「連れ戻して来い」
無陀野の圧の籠った一言を得て、命は四季捜索に向かった。
『もうっ!手間がかかるんだから!』
東京の夜空の下で一人不満をもらす命。
ふぅっと深いため息をついた後、彼女は暗い顔を浮かべた。
『(やっぱり…ナメられてるのかな)』
生徒から無陀野に比べて軽く見られていることは薄々感じていた。
教官として由々しき事態だ。
『(今までずっと平の隊員だったから、上司とかの経験が無くて上に立つって感覚がイマイチ掴めない)』
同期たちには既に役職をもらっている人もちらほらといる。
命だけがそのままで、何処か取り残された気持ちになる時もあった。
『(戦績も悪くないし、十分貢献してるはずなんだけどな。女だからかな)』
鬼機関全体を見ても女性隊員は少ない。
それに女性隊員の大半は援護部隊等の危険が少ない部隊に入る。
実際、戦闘部隊に女性は命一人だけだった。
『(それとも…私じゃダメなのかな)』
ー蝶世さんって怖いよな、能力が毒だなんて
ー巻き添えはゴメンだよ
心無い過去の言葉が命の心を抉る。
暗澹とした気持ちになり、視線が下がった時だった。
ー何辛気臭ぇしてんだよ
耳元でぶっきらぼうで優しい言葉が聞こえた気がした。
驚いて顔を上げて周囲を見渡すが、誰もいない。
見渡していると、遠くに見知った人影を見つける。
『あっ、四季君…』
そういえば探している最中だったことを思い出して、命は歩き出した。
彼は広めの公園のベンチで誰かと話していた。
相手は柔らかい色の金髪を、胸の高さまで伸ばした、一見女性のようないで立ちだが、体格からして男性とわかった。
命は気づかれないように気配を消して、後ろから彼らに近づいていく。
『みーつけた!』
「うおっ!先生ぇ!?」
「…!?」
真後ろまで来ると、命は彼等の間からニュッと顔を出して驚かせる。
案の定、四季は飛び上がるほど驚き、一緒にいた青年も目を見開いていた。
『勝手な行動しちゃダメでしょ』
「すんません…」
『ほら、帰るよ』
「…うっす」
『うちの生徒がご迷惑お掛けしてすみません』
「いえ、こちらこそ(先生なんだ…同級生かと思った)」
命の幼気な容姿に内心驚きつつ、青年は立ち上がり四季に声をかける。
「じゃあありがとう!楽しかったよ」
「おーう!しっかり働け公僕!(笑)」
『コラ!』
四季の茶化しに対して、青年は余裕の笑みを浮かべながら立ち去って行った。
「おもしれーお巡りだったなー。あいつとはいい友達になれそーだ」
『彼は?』
「ん?ああ、祭りの射的で知り合ったお巡り」
『名前聞いた?』
「神の門で
『…いや、なんでもない。行こう(一応覚えておこう)』
青年に妙な引っかかりを覚えた命は名前を覚えておくことにした。
こうして見つけ出した四季を連れて、ホテルへと向かう命だった。
「チヨ先とムダ先って付き合ってんの?」
ホテルまでの道のりを歩いている際、唐突に四季に聞かれ命は目を見開いた。
まさか四季にそんなことを言われるとは思わなかったからだ。
『なんで?』
「仲よさげじゃん」
『付き合ってはないよ(キスされたり、S○Xした仲だけど)』
それらを説明するのは流石に未成年に刺激が強すぎる。
それよりもずっと昔の話をすることにした。
『両親が殺された時、鬼機関に保護されたんだけど、その時無人さんと京夜さんが現場にいたの』
「え?ムダ先達が?」
『まだ学生だったんだけど実習で駆り出されてたんだって。その後私、羅刹に預けられたんだ。だから、あの人とは他の人より仲良し…だと思う』
「なんで羅刹?」
『私は他の鬼とちょっと違うから、安全が確認できるまではって。数ヶ月もしたら鬼機関の孤児施設に移されたけど、その後も交流は続けてたよ』
「それって…唾切が言ってた"邪眼の鬼"ってやつ?」
『覚えてたんだ。そうだよ、私は"邪眼の鬼"』
命は邪眼を開眼させて、四季に見せてやる。
怪しげに光る目を見て、彼は息を呑んだ。
「なんなの?鬼神の子ってのと同じ?」
『いや、ちょっと違うかな。私のことはいずれ話すよ。まずは…』
「?」
『ホテルで無人さんのお説教受けようか!』
「んがっ!」
ホテルに着いた後のことを想像して、ガックリと項垂れる四季。
そんな彼を命は可笑しそうにクスクスと笑うのだった。
