第七話
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羅刹に戻った命は無陀野とともに授業に参加していた。
と言っても、授業を進めるのは無陀野なので命はプリントの配布をしたり必要なものの準備等の雑務がメインだった。
『鬼ごっこはもういいんですか?』
「必要ない。時間の無駄だ」
授業開始前に一応聞いてみたが、返ってきた言葉に一蹴されてしまう。
彼なりに四季達を認めたということだろう。
結局、退学者は1人も出ずに済むこととなった。
「鬼機関は大きく分けて戦闘部隊、偵察部隊、医療部隊となっている。細かくもっとあるが、大体このどこかに卒業後は入隊する。自分の血の特性に合った隊に入るのが…」
「ヴヴヴヴ…」
無陀野が鬼機関の説明していると、どこからか携帯のバイブ音のような音が聞こえてくる。
無陀野の隣に立つ命がキョロキョロと見渡すと、すぐに音の出どころが判明する。
「ヴヴヴ…!」
犯人は四季だった。
彼はウトウトと眠りそうになるのを必死に我慢して、バイブ音のような唸り声を出していた。
ウトウト
ハッ
「ヴヴヴ…」
この繰り返しである。
他の生徒は大人しく授業を受けている者が殆どだが、ただ一人矢颪は堂々と大口を開けて居眠りをしていた。
ガーガーといびきまでかいている矢颪に、無陀野が歩み寄っていく。
矢颪の耳元で彼が親指と中指の腹をくっつけたのを見た命は思わず両手で耳を塞ぐ。
パァン
爆発にも近い音の指パッチンは、矢颪の目を覚ますのに十分の威力だった。
「やる気ないなら帰っていいぞ。あと四季、お前もうるさい」
「ぐおぉぉぉ…」
「ヴヴヴ…」
耳を押さえている矢颪の隣では、相変わらずバイブ音みたいな唸り声を上げる四季がいた。
軽いお咎めはあったものの、懸命に授業を聞こうとしている四季は大したペナルティはない。
キーンコーンカーンコーン
無陀野が教壇に戻ってくると同時に、授業終了の鐘が鳴った。
「今日の授業はここまでだな」
『みんなお疲れ様』
授業が終わると、HRの時間になる。
「HRではお前らで寮の部屋決めをしてもらう」
「部屋決め?」
『全寮制だからね。2人部屋だからペアを作って』
「何それ!修学旅行みてぇ!おもろ!」
「人と生活とか勘弁しろよ!」
その時、遊摺部が手を挙げて質問した。
「先生!一人余りますけど!」
遊摺部の言う通り、男子は奇数のため一人余ってしまう。
すると無陀野が驚愕の一言を言い放つ。
「余った一人は"俺と同室"だ」
『(うわぁ…)』
担任の先生と同室…普通の学校ならありえないことである。
しかし、ここは普通じゃない…何より無陀野は無駄を嫌う効率厨だ。
部屋数を無駄に増やすのも嫌なのだろう。
「おぉお!俺は死んでも嫌だぞ!」
「てめぇバカなんだからむしろ行っとけ!」
「(先生と同室ならいざって時に救助してくれそう)」
「私に発言権はない…」
「(二人部屋…夜の一人遊びが出来ない…)」
予想通り、不満で大騒ぎする四季と矢颪。
それ以外にも不満そうな顔をしてる者やそうでもない者、関係ない者やらで一気に教室内が騒がしくなる。
そんな中で、ロクロの隣に座っていた水鶏が静かに言い放つ。
「いや、うちはこいつと一緒だから」
「え…?」
彼女はロクロを親指でさす。
当のロクロは意味がわからない様子で困惑している。
「えぇぇえ!?何それ、どーゆうこと?どーゆうこと?」
「え?あいつらそーゆう感じなん?」
「話しかけんなカス」
「殺すぞてめぇ!」
当然ながらこの発言に黙っていないのが他の男子生徒(特に遊摺部)。
どうやら漣水鶏はダメな男が好みで、ロクロがどストライクな様子。
「いや…僕は…」
訂正を入れようとするロクロの肩を遊摺部がガッと掴む。
そして唇を噛み締めてさも憎らしげな表情でロクロを睨みつける。
「君はこっち側だと思ってたよ…」
「どっち側?」
『(ほんと気持ち悪いなーあの子)』
そんな遊摺部を命は冷めた眼差しで静観する。
「ダメだ、男女は分かれてもらう」
「じゃあ誰がこいつの面倒見んだよ」
「なんだよ面倒見るって」
『ご飯でも作ってあげるの?』
「まず起きて✕✕✕して朝飯食べさせた後歯を磨いてやって着替えをさせた後弁当を作ってあげてトイレの手伝いをして出発前に✕✕✕して帰宅後は夜飯を準備して一緒に風呂に入って飯を食わせてやった後歯を磨いてやって寝る前に✕✕✕した後寝かしつけてやる…」
「『こっわ』」
最早拷問にも近い水鶏の世話焼き計画に命と四季は思わず本音を漏らした。
「なんか羨ましいとゆーか、むかつくな…」
「ほぅ…気が合いますな」
水鶏の恐ろしい計画を聞いても尚、四季と…異性に特に関心が強い遊摺部はロクロに対してジェラシーを感じていた。
二人はそのままロクロに詰め寄る。
「お前調子にのんなよ?」
「え…?」
「で?どこまでいったんだ?」
『止めなさい、みっともないよ』
そんな二人を命が歩み寄って宥めようとすると、突然矢颪がバンと机を叩いて言い放つ。
「男と女が同じ部屋で暮らしていいわけねぇだろ!」
「(こいつがまともなこというんだ)」
『急にどしたの?』
「そーゆうのは二十歳超えてからやんのが常識だ糞馬鹿どもが!」
「汚い言葉で常識語ってる」
『前から思ってたけど君って案外
足を机に投げ出して頬を赤らめて常識を語る矢颪はなんだか滑稽だった。
そういう話が苦手なのだと命は悟った。
「あいつぜってぇ童貞だよな(俺もだけど)」
「だね(僕もだけど)」
『推測でもの言うんじゃないの(絶対この二人も童貞だろうな)』
強がる二人だが、命にはお見通しだった。
因みに命は…一度だけ経験がある。
相手は…言わずもがな、だ。
『(お互い明日死ぬかもしれないんだし、間違ってないよね)』
花を散らしたことに悔いはない。
むしろよかったとさえ思っている。
それはさておき、今は部屋決めの時間である。
