第五話
夢小説設定
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ボォ
「!?」
突如、四季がいた場所から天井に届くほど巨大な火柱が現れる。
それに驚いた唾切は思わず手を止めた。
『芽衣ちゃん!』
その隙にやっとの思いで芽衣にたどり着いた命は、彼女を守るように抱きしめる。
「お姉ちゃん…あれって」
『うん…私も初めて見た』
上がり続ける火柱を見つめながら、命は息を呑んだ。
鬼神の子は普通の鬼には無い属性を持っている
炎、氷、水、風、雷、土、光、闇
この8つの属性を一人一つずつ受け継いでいるのが大きな特徴である
そして、四季が受け継いだのは"炎"
炎の鬼神、名を…
『
火柱が消えて、その中から現れたのは赤い髪に赤い瞳と姿を変えた四季であった。
「なんだ!?これ…!」
覚醒した鬼神の力に、四季炎本人も驚いていた。
しかし、彼は確信した。
まだ戦えると。
「決着つけんぞ糞野郎!テメェの全部を否定してやる!」
体に炎を纏いながら、四季は仇敵ー唾切を睨みつける。
一方で唾切もこの状況に危機感を覚えていた。
「(これが鬼神の子、炎鬼…威圧感でその厄介さがわかる…しかしさっきまで死にかけだった体だ…!回復する前に圧し潰せば問題ない…)」
バッ
唾切は再び四季を重圧で動きを封じようとするが…次の瞬間、彼の肩を四季の一撃が掠めた。
ゴォ
撃たれた箇所から血とともに炎が燃え広がり、唾切にダメージを負わせる。
流れ弾が当たった、彼の背後の壁や襖もまたたく間に炎にのまれた。
「…っっ!」
唾切は痛みと熱さに耐えきれず、隊長の証であるマントを脱ぎ捨てる。
「(よし!まだ戦える…!)」
四季は初めて唾切に攻撃が当たったことで、僅かに希望を見出す。
しかし…
ズキッ
突然彼を全身の痛みが襲い、四季は血を吹き出して膝をついてしまう。
すると機関銃と炎もどんどん小さくなって消えてしまった。
『四季君!』
芽衣を抱きしめたまま、命は顔を強張らせる。
鬼神の力が目覚めたとはいえ、重傷に変わりないのだ。
「はは…!万全なら違った運命だったかもな!また暴れられても厄介だからな…仕方ない。死体として持ち帰らせてもらうよ!」
ズン
唾切は負傷した右肩を庇いながら、死体を操って四季に重圧をかける。
「重力増!増!!増!」
鬼神の力を直接受けた唾切に最初の余裕は残っていない。
本気で四季を殺そうとしていた。
「あのガキといい迷惑な存在だ、鬼の分際で親子愛を語るな。日陰しか歩けない害虫が!死んで喜ばれる存在なんだよ君たちは!君の両親は本当にみっともない死に方だったよ!君も同じ様に殺してやるよ!」
余裕がないからか、唾切の口から聞くに堪えない罵詈雑言が溢れ出る。
そんな暴言に芽衣は口をへの字に曲げて耐えようとした。
「黙れっっ…!芽衣の家族が何かしたかよ!」
四季は重力を受けながら、その言葉を真っ向から否定する。
もう戦えないはずなのに、彼はまだ立ち上がろうとしていた。
「ゲホッ、芽衣たちは…静かに暮らしていたはずだ…!そんな寂しい生き方しなきゃいけないのかよ!幸せを望んじゃいけねぇのかよ!」
「鬼に幸せになる資格はない!」
「幸せに資格なんかいらねぇだろ!芽衣!お前は笑顔で生きていい!!好きな場所に行っていい!見たい景色を見ればいい!」
唾切に対抗するように、四季は芽衣の幸せを全肯定してくれる。
そんな四季の言葉は、芽衣の中で何かを変えようとしていた。
「鬼が理想を語るな!お前らの未来もろとも…最大級の技で潰してやる!」
唾切は四季にとどめを刺すために、巨大な重力の球体を生成した。
当たればひとたまりもないような球体に、四季は機関銃を出して対抗する。
ガギャ
「かろうじて出してどうする!?空っぽの状態で!?もう弾丸作る血も残ってないだろ!?」
優勢を保っていた唾切だったが、彼の身に異変が起こる。
グラ…
「!?」
突然、彼の視界が歪み手足が痺れ始めた。
「(なんだ…これは…!)」
『やっと効いてきたみたいね』
芽衣を腕に抱いたまま、命は静かにほくそ笑んだ。
その笑みを見た唾切は納得したように声を上げる。
「お前…まさか…!」
『さっき手にナイフ掠ったでしょ?あれに少量の
「クソアマが…!」
『毒には毒ってね』
これで唾切の動きを制限できた。
しかし、ごく少量だったので殺せるわけではない。
だから…命は四季に託すことにした。
『四季君!負けちゃ駄目!!』
「チヨ先…任せろ!」
四季は思いに応えるように、銃口を球体に向ける。
そして再度、芽衣に呼びかけた。
「芽衣…お前の人生…これから絶対に最高になる…お前は…!幸せになっていい!!お前の未来を俺は応援してんぞ!」
"幸せになっていい"
両親が残した言葉と、四季の言葉と重なり、芽衣は目頭が熱くなり涙が溢れ出る。
そして芽衣は力一杯叫んだ。
「頑張れぇぇえ!」
耳をつんざくような大きな声援が、その場に響き渡る。
その声援は、四季の耳にしっかりと届いていた。
ゴォッ
「!?」
四季の体から再び炎が出現した。
その炎は、唾切が操る死体へ燃え移る。
「さっさと潰れろ!」
唾切は毒に侵されながらも、死体を操って四季を殺そうする。
だが、燃え上がる炎の威力に押されて重力の球体にヒビが入っていた。
「芽衣…約束守ってくれて…」
「(空っぽのはずなのに…ありえない…)」
「ありがとなぁぁ!」
再度放たれた炎は、球体を完全に破壊した。
「そんな馬鹿な…うわぁぁああ!」
ショックを受ける唾切に追い打ちをかけるように、炎が襲う。
彼は死体ごと四季の炎にのまれて、その身を業火に焼かれることとなった。
「芽衣…お前…デカい声出せるじゃん…届いたぜ…お前の声…心にしっかり」
いまだに炎を纏いながら、四季は芽衣に語りかける。
壮絶な戦いの末、四季は唾切から勝利をもぎ取ったのだった。
つづく
