第四話
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鬼機関京都支部にて。
ドサッ
生身の体が床に倒れる鈍い音が響く。
最後の1体の対処を終えた命は急いで部屋へ戻った。
『みんな!』
部屋に戻った命は絶句した。
壁には血しぶきが飛び、床も血まみれのうえ足の踏み場がないほど死体で埋め尽くされていた。
地獄絵図だ、命は歯を噛み締めた。
「命ちゃん」
『…廊下に出た死体は全て止めました。もう大丈夫です。そっちは?』
「患者たちは別の広間に移せたよ。君たちがいてくれてマジで助かったよ」
2人が会話をしていた時、部屋に誰かが入ってきた。
別の部屋に避難させた芽衣だった。
「芽衣ちゃん。まだ入っちゃ…」
京夜の制止を無視して、芽衣は彼の横を通り過ぎて両親の死体が倒れる場所へと向かう。
その姿に京夜を含め誰も言葉が出なかったが、四季だけが芽衣に話しかけた。
「芽衣…ごめん…俺がお前の…」
母親を撃ってしまった四季は謝罪の言葉を述べようとするが、芽衣から発せられた言葉は意外なものだった。
「いいよ…ずっと学校も行かないで…隠れて生きてきたもん。隠れて逃げて、転々としながら生きてきたから、なんとなく思ってた…いつかこーいう日が来ると思ってた。だから…気にしなくていいよ」
涙の跡が残る頬で無理やり笑う姿に命は無理が張り裂けそうだった。
こんな言葉を言わせたくなかった…言わせたのはいまだに戦争をとめることができず、この子の両親を死なせた大人達だ。
重苦しい空気が漂う中、突然四季が芽衣を強く抱きしめて言った。
「大丈夫だ…!俺が!この先笑って暮らせる世界にしてやる!だから大丈夫だ…!」
四季の言葉に根拠はない。
所詮力を持たない子供の願望が籠ったただの言葉だ。
しかし、四季の"大丈夫"という言葉を聞いた瞬間、命の脳裏にある記憶が蘇る。
ー命、大丈夫よ
ーきっと、鬼も桃太郎も人も仲良く暮らせる時代が来るからね
ーだから…
『きっと、大丈夫』
「!?」
側にいた皇后崎は思わず命へと視線を向ける。
四季達を見守るその眼差しには、ひとかたならぬ決意が
「どうした?」
『ああ、なんでもない。気にしないで』
皇后崎に声をかけられた命はフッと表情を和らげて彼に笑いかけた。
"きっと大丈夫"
彼女のその言葉に、どんな想いが込められているかを皇后崎が知ることになるのはこれから少し経ってからのことだった。
「仲間たちの遺体を処理してやらないとな」
アクシデントはあったものの、死者が出なかったのは不幸中の幸いだった。
みんなて後処理をすることになり、まずは死体の後片付けをすることとなった。
「四季君は芽衣ちゃんを頼むよ。皇后崎君、遺体を運ぶ場所案内するから一緒に行こう。他の人は遺体を一か所に集めておいてちょうだい」
『京夜さん、私も行きます!』
命は皇后崎を連れて部屋を出ていこうとする京夜に付き添いを立候補する。
「命ちゃんは引き続き此処の警護を頼むよ」
『でも…』
「すぐ戻ってくるから」
京夜はカラリと笑って、不安げな命の頭を撫でて皇后崎と共にその場を後にした。
…これから少しして、命は自分がついて行かなかったことをひどく後悔することとなった。
「君らが遠った通路の途中に火葬場があるのよ。つーか彼女とかいんの?」
「…」
「命ちゃんが気になる?」
「あぁ?」
「可愛いよねーあの子」
「興味ねぇよ、あんなペーペー」
「(この子か、言う事聞かない生徒って…命ちゃんも大変だな)」
そんな会話をしながら2人は火葬場へと向かっていった。
………____。
残された生徒や隊員達は死体の片付けに勤しんでいた。
「重すぎ…ん?」
死体を引きずって移動させていた矢颪は、命と遊摺部が作業もせずに何か話し込んでいるのに気づく。
「おい!眼鏡と先公のくせにサボってんじゃねーよ!」
「サボってるわけじゃないし、すごい偏見だな…」
『違うのよ、遊摺部君にちょっとお願い事してたの。攻め込まれたってことはここも安全ではないと思って』
「?」
「僕の能力は警備にもってこいだから」
そう言って遊摺部は歯で自分の親指を傷つけた。
血蝕解放 汝、何処へ
彼が床に血を垂らして血蝕解放をすると、床にレーダーのような模様が浮かび上がる。
「僕の血は垂らした場所から5キロ圏内の生物を確認できる。索敵ってやつだ。桃太郎かどうかもわかるようになってる。まぁ、熟練度が低いから力量や顔の確認まではできないけどね」
『(知ってはいたけど、偵察向きの能力だな)』
「!」
突然、索敵をしていた遊摺部の表情に焦りが浮かぶ。
明らかに異変が起きている反応である。
「これって…」
「…なんだよ…?」
『どうしたの?』
「先生!まずいです!桃太郎がすぐそこまで来てます!」
『え…!』
