第六話
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「勝った…」
炎にのまれ、瀕死の重傷を負い倒れている唾切。
激闘の末、四季は唾切に勝利したのだ。
「凄い…」
『本当に…勝った』
命は芽衣とともに足を引きずりながら四季に近づいていく。
すると、激しい戦いで損壊した天井から瓦礫が落ちてくるのを見て四季が声を上げた。
「チヨ先!芽衣!ここもヤバいから逃げよう…!とりあえず出入り口に…!」
フラ…
急に四季の体が傾いてそのまま倒れてしまう。
「お兄ちゃん!」
『四季君!?』
命が倒れた四季の様子を見ると、彼は口からおびただしい量の血を吐いて意識を失っていた。
明らかにまずい状況に命と芽衣は言葉が出なかった。
「お姉ちゃん…どうしよう…このままじゃ…」
『うん…』
命は芽衣に助けを求められるが、運ぼうにもこの足では四季を抱えられない。
手に負えない状況の中、命は背後に気配を感じた。
新手と思い、咄嗟にナイフを手に振り返った彼女は驚きで固まってしまった。
『え…』
「わー!ストップストップ!命ちゃん、俺だよ俺!」
なんと、そこにいたのは死んだと思っていた京夜だったのだ。
彼はナイフを向ける命に対して両手をあげて訴える。
『京夜さん!?』
「はいはーい、愛しの京夜お兄ちゃんだよ〜。四季君は俺が診るからね」
四季に近づいて、彼の治療を始める京夜を見て命は目頭が熱くなった。
『…死んじゃったと思いました』
「実際死にかけたけどね」
彼は唾切に頸動脈を切られたものの、天井から落ちてきた自分の血を飲んで復活できたという。
その後はこっそりこっちに戻って怪我人の治療にあたっていたのとこと。
本当に運の良い男だ。
命が堪えきれず、一筋の涙を流すと京夜は安心させるように彼女の頭を撫でた。
「ごめんね、もう大丈夫だから」
『うんっ…』
「後で命ちゃんも診てあげるからね」
その間も京夜はテキパキと処置を行っていく。
「これでバッチリ!」
「お前…!」
処置が終わると、タイミング良くそこに皇后崎と無陀野が合流した。
命は無陀野を見た瞬間、思わず顔を逸らした。
護衛を任されていたのにこの有様だ。合わせる顔がない。
一方で無陀野は責めるでも叱るでもなく、複数の流血痕がある命を見て僅かに眉間にシワを寄せる。
彼女に近づくと、膝をついて軽く肩に触れた。
「痛むか?」
『…大丈夫です』
それだけ言葉を交わすと無陀野は立ち上がり、まだ僅かに息がある唾切の方へ向かう。
「無様だな」
「自分でもそう思うよ」
「(あいつ…唾切を倒したのか…?あんなザコがどーして…?)」
皇后崎は瀕死の唾切を見て、ずっと格下に思っていた四季が唾切を倒したこと少なからず驚いていた。
そんな中で、無陀野はとどめを刺すために血の傘を生成する。
「最後に、一ノ瀬四季の鬼神の力はどうだった」
「…凄まじかったよ。けど僕には、命そのものを燃やしているように見えたけど…?」
核心を突いた唾切の言葉に、無陀野と京夜はしばらくじっと黙り込んでいた。それは重たい沈黙だった。
命は気の毒そうな顔で、四季の頭を撫でてあげていた。
「それから…"邪眼の鬼"…」
「「!?」」
「…生き残りがいるとわかった以上…桃太郎は総力を挙げて殺しにかかるよ…その目は厄介だからね」
『……』
無陀野は何も言わずに、唾切の体を傘で一突きする。
その一撃で唾切は息を引き取った。
ようやくこの殺戮に終止符が打たれることとなった。
一人、事情を知らない皇后崎だけが困惑した様子で京夜を問い詰める。
「おい!鬼神の力って一体…?それに邪眼の鬼ってなんだよ?」
「ちゃんと説明するよ。その前にとりあえず、ここを出よう」
『芽衣ちゃんは私が…ぁ』
ぐらっ
ドサ
命は芽衣を抱えようと立ち上がろうとするが、足はまだ治りきっておらずバランスを崩して倒れてしまう。
「お姉ちゃん!」
「命ちゃん!?」
「おい、あんた足が…!」
皇后崎は命の怪我に気づいた。
京夜が患部を見ると、珍しく怒りを込めて声を上げる。
「アキレス腱切れてるじゃん!なんで言わないの!」
『すみません、不覚を取って…ふぁっ!?』
突然、命は浮遊感に襲われたと思えば無陀野の顔がドアップで視界に映る。
一瞬何が起こったかわからなかったが、体勢からして無陀野に横抱きされていることに彼女は気づいた。
『無人さん!?あ、あの…///』
「京夜、四季を運べ。皇后崎はその子を」
「りょーかい」
「ああ…」
無陀野を先頭に京夜は四季を担ぎ、皇后崎は芽衣を抱えて脱出することとなった。
抱えられている間、命は気恥ずかしさと申し訳無さで無陀野の顔を見ないように俯いていた。
一方で無陀野は足を進めながら腕に抱く命を見つめていた。
「(生きてる…)」
体温、呼吸、動作、その全てが彼女がまだ生きているという事実を示している。
無陀野の目に安堵の色が浮かび、命の頭に少しだけ頬を寄せた。
2人の様子を後ろから観察していた皇后崎は悟った。
「あいつ等…そういうことかよ」
「そういうことだよ、正式に付き合っては無いけどね」
隣にいた京夜が皇后崎の疑問に答えた。
無陀野の肩越しに見え隠れする命の顔はほんのりと赤く色づいている。
それを見た皇后崎は形容しがたい妙な感情を覚えるのだった。
