第四話
夢小説設定
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『死体に毒は効かないけど、あんたには通用するでしょ。全身麻痺と大量出血、どっちで死にたい?』
「毒で死にたくないなぁ。アグリ、気絶させて」
唾切が指示を出すと、隣に控えていた化け物が動き出す。
『…ねぇ、なんなのその化け物』
「犬、猿、雉のミックス。研究の賜物だよ。名前はアグリ」
『桃太郎がそんなお供連れてたら子供泣くわよ』
アグリは命に近づくと、いきなり腕をしならせてムチのように拳を飛ばす。
シュンッ
命は瞬時に反応して、それを避ける。
背後にあった襖は破壊されて、そのまま廊下まで吹っ飛んだ。
『…!』
その威力に命は目を見開く。
負けじと周囲を飛ぶ蝶に指示を出す。
『行け!』
動き出した蝶はアグリに群がっていく。
しかし蝶では致命傷を与えられず、さっきと同じように注意をそらすしかできない。
「ちょうちょだけじゃアグリは倒せないよ、どうするのかな?」
『…私が操るのは、蝶だけじゃない』
「!!」
腕を振り回して蝶をはたき落としていたアグリの背後に、フヨフヨと血で作られた拳大の球体が現れる。
「(なんだ…球体…?)」
『ボンッ』
ザンッ
命が握りしめていた拳をパッと広げると、球体から無数の針が生えてアグリに突き刺さる。
血蝕解放
「グ…ギ…」
『動くと折れるよ、その針は脆いから』
命が言う通り、針はアグリが少し動いただけでポキポキと折れていく。
折れた針はアグリの体内に残ることになるのだが…
「ギッ…ア…」
『毒になった私の血液が、体内に入ればどうなると思う?』
アグリは苦しみ出したと思えば、その場に倒れてもがき苦しみながら息絶えたのだった。
「あーあ、やっぱ死体じゃないとダメかぁ」
『残りはあんただけよ、唾切。どうするつもり?』
アグリを倒して、唾切に話しかける命。
当の唾切は焦ることなく、悠々と腰掛けたままでいた。
『(あの棺桶ものすごく嫌な感じがする…)』
そもそも、棺桶を戦場に持ってくること自体おかしい。
早くかたを付けようと、命は次の技を繰り出そうと集中し始めるが…。
「まあ、好都合か」
『…は?』
唾切が指パッチンをすると、命のすぐ側にあるアグリの死体が膨れていく。
その意味を理解した命は咄嗟に跳ねて距離を取った。
ボンッ
爆発した。
しかし、爆発は小規模ですぐに離れた命が巻き込まれることはなかった。
しかし…
ヒュンッ
ザッ
ザッ
飛び上がる命の足元に
ドサッ
それを確認するまもなく、床に着地した命は何故か立てずにその場に崩れ落ちてしまう。
「アハハ、大当たり」
何が起こったのか分からない命は起き上がり、足を確認した。
『……!』
アキレス腱から血が流れていた。それも両足ともだ。
立ち上がれないはずだった。
鬼なので時間が経てば回復するが、目の前には殺意マシマシのマッドサイエンティスト。
詰んだ、命は全てを察した。
『(死んだな…)』
そう言えば無陀野は無事だろうか…生きていればそろそろ戻って来るだろうか。
それなら自分の死は無駄にならずに済む。
色々と考えが巡り、不思議と先ほどまでの恐怖心は消えていた。
「最後にもう一度聞こう。僕の実験体になるなら助けてあげる」
『……死ね』
「そう…じゃあ仕方ない。蝶だし標本にしよう。その前に君の死体を存分に利用させてもらうよ。無陀野君は君がお気に入りみたいだし、君の死体を見てどんな顔するか楽しみだ」
自分が死んだ後の体がどうなろうと知ったことではないが、無蛇野に迷惑をかけるのが心苦しかった。
『(無人さん…私はここまでみたいです)』
「じゃあね、"死を呼ぶ蝶"。次はせいぜい人間に生まれてきなよ」
ヒュンッ
唾切が自分に向けてナイフを投げたのを見て、覚悟を決めて目を瞑った。
その時だった。
パァン
キン
「!?」
『…え!?』
投げられたナイフは空中で跳ね返って、見当違いの方向へ飛んで行く。
何が起きたのかわからず、動揺する命の耳に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「チヨ先!大丈夫か!?」
『四季君!?』
それは隠れているように指示したはずの四季だった。
四季は広間に入ると、すぐに彼の視界は唾切を捉える。
「誰かな?」
「お前その服桃太郎だろ?唾切ってお前か?よくもチヨ先を傷つけたな!」
「もう一度聞く、君は誰だ?」
「一ノ瀬四季!桃太郎どもをぶっ潰す男だ!」
唾切の前に現れた四季は臆することなく、彼に立ち向かうのだった。
つづく
