第三話
夢小説設定
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翌日命は無陀野と生徒達とともにフェリーに乗っていた。
桃太郎に襲撃に遭っている鬼機関京都支部へ応援に行くためだ。
鬼ごっこは中止、急いで生徒達にツノの消し方を教えることとなったのだが…
「よぉっし!ツノ消せたぞ!見ろほら!」
『(疲れた…)』
意気揚々とツノが消えたとみんなに報告する四季の隣で、命はグッタリと手すりに体を預けていた。
他の生徒は割とすんなりツノを消せたのだが、この四季だけはどうにもコツを掴めず今日になってやっと消せたのだ。
命は一応、鬼ごっこで組んだよしみで四季にツノの消し方を教えるように皇后崎に言ってみたが…
ー教えるのはお前の仕事だろ、それぐらい自分でやれよペーペー教官
と返答された時は、思わず血蝕解放を使いそうになった命。
どうにか感情を抑えて、四季に懇切丁寧に教えてようやくコツをつかんでくれたという訳である。
「うるせーよ、もうみんなできてるよビリっけつ」
「あ?殺すぞ?」
「やってみろ雑魚」
短気な矢颪と四季が喧嘩になりそうになるが、最早止める気力がない命は好きにしろと言わんばかりに、四季たちから離れて無陀野の傍らに移動した。
「ご苦労」
『ホントですよ…』
「先生!」
すると四季達の近くにいた遊摺部が挙手をして無陀野に質問をしてきた。
「桃太郎機関と交戦中の所に僕らが行って大丈夫なんですか?」
『大丈夫じゃない…と言いたいんだけどね』
「仕方がない。教師含めて他のクラスも実習でいないし、それに行くといってもお前らは雑務の手伝いだ。戦場には行かない」
それを聞いた一部の生徒が騒ぎ出す。
主に四季と矢颪だが。
「はぁ!?戦わないのかよ!?」
「俺ら鬼ごっこの実習もやらずその上パシリかよ?」
「雑務もれっきとした仕事だと思うぞ?」
「俺は戦いの実績を積みてぇんだよ!黙れ眼鏡!」
「はい、これで眼鏡じゃありませんけど」
眼鏡と揶揄する矢颪に、遊摺部は眼鏡を外して屁理屈で返す。
一方で四季はいまだに無陀野と命に噛みついていた。
「マジで手伝いだけ?」
「そうだ。死体を増やすつもりはない」
『むしろ戦場に出なくてよかったと思えるよ』
「…」
教師二人に言い切られ、四季は黙るしかなかった。
「どーでもいいけど、なんでこんな制服で行くんだよ?」
漣がヤンキー座りで質問する。
今の四季達の服装は羅刹の制服ではなく、一般の高校生の制服を模したものを着用していた。
「前の服は目立つ。ツノもな。それと、煙草は吸うな。匂いがするぞ」
『あと前開けすぎ。足も閉じなさい、女の子でしょ』
「は…はぁ!?うっせーし!私の体心配してくれたのか…?いや別に嬉しいとかじゃねーけど…」
漣は頬を染めてブツブツと呟い始める。
矢颪や四季と同類に思えた彼女だか、どうやら少し違うらしい。
「先生…」
「なんだ手術岾」
「雑務って何するんですか?人数も多すぎると心臓がバクバクしちゃうんです。心臓病かもしれないし…」
「今説明する」
「気持ち悪くて吐きそうなんですが胃癌ですかね…?僕は死ぬんですかね?」
「それは船酔いだ」
『酔い止め飲む?』
命は手術岾に酔い止め薬と水を手渡してやった。
「そもそも鬼機関は全国市町村にそれぞれ何隊か配属されている。そこで任務をこなすが、主に二つの任務がある」
一つは"戦闘部隊"
桃太郎が攻めて来た時前線で戦う
もう一つは"援護部隊"
街にいる身寄りのない鬼を保護したり、生活する鬼の相談にのったり体や心の診察もする
桃太郎が攻めてきた時救護などもする
「今回行くのは援護部隊の方だ。それと屏風ヶ浦は学園で休みだ、数日は動けないだろう」
「(強くなれるチャンスなのに納得いかねぇ…それに…あいつがいるかもしんねぇのに…!)」
『四季君が捜してる桃太郎って五月雨でしょ?京都にいないよ』
「え?」
「桃太郎機関も鬼機関同様に管轄がある」
『(まあ、五月雨なんて大物が地方にいるわけないし…)』
四季は羅刹学園に来る前に養父を桃太郎に殺されている。
その仇が桃屋五月雨という桃太郎なのだが、この男は隊長より上の総士隊長という立場にいるため、彼がいるのは首都である東京の本部だ。
無論実力も半端ないため命は勿論、無陀野も容易に手を出せる相手ではない。
「京都にいる桃太郎はどんな奴なんですか」
「『ヤバい奴』」
無陀野と命の言葉が同時に揃う。
それほどヤバい奴なのだ、京都の桃太郎は。
『(よりによって唾切なんて…最悪)』
今回京都支部を襲撃しているのは、桃宮唾切と桃草蓬という男女の桃太郎だ。
特に唾切がヤバい男で有名だった。
桃太郎は鬼の血で戦うのに対抗するように、体から出る黒い"細菌"を操って戦う。
武器を作ったり、飛ばしたりする者がいる中で、唾切は死体に細菌を入れることでその死体を操ることができる能力を持っていた。
「命、お前は今回前線に出るな。あくまでも援護部隊の護衛に徹底しろ」
『…了解です』
唾切の能力は命にとって非常に厄介である。
何故なら、彼女の能力である毒は生物に効果的だが、死体相手には通用しない。
毒は血液を巡って初めてその効果を発揮できるのに、操られているだけの死体には意味がないのだ。
無陀野もそれを理解しており、事実上の戦力外通告に命はガクリと項垂れる。
更に彼女を悩ませる問題がもう一つ京都にはあった。
『…無人さん』
「なんだ?」
『京都って確か…』
「ああ、
『(練馬に戻りたい…)』
これから起きるだろう出来事を想像して、命は憂鬱で仕方なかった。
