第二話
夢小説設定
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皇后崎はともかく、四季は攻撃を受けたのかボロボロだった。
彼は自分の右手を地面の砂利に当てながら走り出す。
ガガガガガガ
どうやら砂利で手を引っ掻いて出血を試みている様子だった。
思惑通りに手の平を傷つけると、彼は傷ついた手を拳にして目の前に差し出す。
…しかし、何も起こらない。
『一ノ瀬君って血ぃ使えるんですか?』
「審査の際に一度だけ使っていた。まぁ、あんなの100回中1回できるかどうかの荒業だ。まぁ、あの場でできた強運は認めるが…」
『あー…感覚タイプですね』
命は知っている。そういうタイプは頭で考えるのが苦手なのだ。
だからコツを掴むのが遅い。
圧倒的に不利だ。
すると巨人が地面に手を突き刺して、地面を抉りだす。
ゴルッ
ボッ
巨大な手に飛ばされた土や枝や石が宙を舞って四季を襲う。
打ちどころが悪かったのか、血を吐き出している。
現状で一番弱いのは彼であろう。
四季自身もそれをわかっているのか、涙が溢れ出していた。
『(悔しいよね…)』
何もできないもどかしさは命も経験がある。
どうすれば良いのか分からないのだ。
暗闇の中で、懸命に藻掻く四季を命は心苦しい思いで見守る。
「泣きてぇならどっか他所で泣け」
「あ!?泣いてねーし!殺すぞ」
皇后崎は涙を流す四季に冷たく吐き捨てると、手袋を取り袖をまくる。
するとツギハギだらけの腕が露わになった。
彼は両腕の繋ぎ目に親指を突き立てて、横に動かすとそこから溢れ出た血がそれぞれ丸ノコとチェンソーの形になる。
血蝕解放をしたのだ。
『(大口を叩くだけあるな…)』
それぞれ別の形状物を同時に造るのはかなりの高等技術。
命ですら卒業間際にやっとものにした技術を、皇后崎は入学早々にやってのけたのだ。
トットットッ
皇后崎は地面を跳ぶように移動すると、巨人の攻撃を避けると巨人の腕に丸ノコを突き刺す。
ギャルルルルと音を立てて回転して、巨人の腕に傷をつけながら皇后崎ごと上に移動した。
その勢いのまま宙に飛んだ皇后崎は巨人の首を狙ってチェンソーを振りかざす。
しかし、巨人は自分の腕を犠牲にしてそれを阻止した。
『あれ…?』
その流れを見ていた命は四季の異変に気づいた。
明らかに何かに気づいた顔をしているのだ。
『(何か掴んだのかな)』
四季はニィと笑い腕まくりをする。
一方で皇后崎対巨人は、巨人が息を吸う動作をするのを見た皇后崎がまた血を吐いて攻撃する気かと身構える。
しかし、巨人が吐いたのは血ではなく咆哮だった。
凄まじい衝撃が彼を襲い、鼓膜が破れる。
「俺がアレを止める。お前は屏風ヶ浦を保護しろ」
『了解です!』
これ以上は厳しいと判断した無陀野が、人差し指にしている指輪の仕込み針を出して戦闘態勢に入ろうとする。
その間四季は再度拳を突き出し、今度は力を込めて拳に集中する。
巨人が再び咆哮した時だった。
『無人さん!!』
命が無陀野の腕を掴んで四季を指差す。
そこには…
「喚くなよ」
右腕に巨大な機関銃を付けた四季が笑っていた。
彼は掴んだのだ、自身の血蝕解放を。
「掴んだか…」
『この土壇場で…』
鬼の血は普通の人間とは異なる性質を持ち、鬼の血は"血液の形や強度を自由に変えられる"
自分がイメージした物が脳から発信され、神経だけじゃなく血液にも伝わっていく
そして傷口から溢れた血液にイメージが流れ込み形を造る
脳からの発信だから、その者の趣味嗜好·経験にトラウマ等で造れるものが変わる
トラウマが反映される者
趣味嗜好が反映される者
経験が反映される者
造り出す物でその人の人生が垣間見えるとも言われている
そうして独自の武器を血液で造り出すことをいつからかこう呼ぶ
血蝕解放
四季は銃が好きらしいので、銃が反映されたということだ。
『(私と同じタイプだな…)』
命は幼い頃から蝶や蛇等の生物が好きだった。
その生物達には毒を持つものがいると母に教わった。
毒を持つ目的は2つ、"攻めること"と"守ること"である。
『(憧れたんだろうな)』
強い力を持てなくても、体が小さくても毒を持てば大切なものを守ることができる。
その強い思いが、自身の血液を毒に変化させたのだ。
『(無人さんは何が影響されてるんだろう…)』
命はチラッと隣に立つ無陀野を見た。
彼の血蝕解放"繚乱時雨"は血液で傘を発現し、血の雨を操るもので、傘を開いていないと操ることはできない。
かなり汎用性が高く、彼が鬼機関最強と言われる所以だ。
何故雨なのか、傘がないと操れないのかは今もまだわからない。
『(もし、雨が戦争を表してて…傘を閉じることが終戦を意味しているなら)』
早く戦争が終わって、彼の戦いが一日でも早く終わることを命は切に願った。
