第一話
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「やっ、命ちゃん。久しぶり」
『校長先生…』
鬼ヶ島について、羅刹学園への道を歩いているとある人物が迎えてくれた。
陰陽師のような服装で顔を布で覆ったその人は羅刹学園の校長である。
命も顔を見たことはなく、年齢も性別も謎の人だった。
「聞いたよ、無人君にスカウトされたんだって?」
『…私、先生なんて自信ないです』
「そうかな?僕は命ちゃんに適任の仕事だと思うな」
『え?私が?』
思いがけない言葉に命は思わず聞き返した。
表情がわからないまま校長は続ける。
「だって命ちゃん、鬼関の孤児施設でも下の子のお世話してたって聞いてるし」
『それは…』
「妹さんと重ねてた?」
『……』
「無人君厳しすぎるから、命ちゃんには緩衝材になってほしいな〜」
『善処します』
その後校長に「好きに使ってね〜」と部屋に案内され、命は荷物の片付けを行っていた。
その時、携帯が鳴った。
無陀野からだった。
『はい、命です』
(今戻った、これから一ノ瀬四季の審査を行う。お前は先に教室に行って待機しろ)
『審査って、半殺しにでもするんですか?』
(無駄話はしない、指示に従え)
プツッ
それだけ伝えてくると無陀野は通話を切った。
命は審査の内容を予想してため息をついた。
『死なないといいけど、その子』
一ノ瀬という子に同情しながらも、命は指示にしたがうことにした。
教官がどんな服装をすればいいかわからないので、私服のまま丈の長い上着を着て部屋を後にした。
『……』
新入生がいるであろう教室の前まで来ると、命は緊張で胸が高鳴り出す。
入りたくない、逃げ出したい気持ちになりながらもそんなこと無陀野が許すはずがない。
『行こう』
意を決して扉を開けて中に入った。
教室には男子四人、女子二人の計六人がそれぞれ思い思いの席に座っていた。
彼らは教室に入ってきた命に驚いたり、睨みつけたり、無反応だったり思い思いの反応を見せてきた。
ほとんどが鬼である証の黒いツノを生やしている。
『驚かせてごめんなさいね、私は蝶世命と言います。副教官ってヤツらしいです。教官はあと少ししたら来ます』
「副教官?ガキじゃん」
右眉にピアスを開けた男の子が悪態づく。
彼は矢颪碇、書類でも確認したがやはりヤンキーのようだ。
『(まあ、慣れてるからいいけどね)』
確かに命は童顔で、体型も細身で凹凸が少ない。
なんなら新入生女子二人のほうがスタイルが良い。
そんな命なので今でも町中を歩いていると高校生に間違われるほどだった。
『これでも成人してるし、貴方より年上よ。なんなら確認してみる?』
「か、確認って何する気だよバカが!///」
年齢がわかる書類を見せるつもりだったが、矢颪は何を想像したのか顔を真っ赤にして抗議する。
面白い子だな、と命は静観した。
「あの、蝶世先生、無陀野先生はどちらに?」
『新入生がもう一人増えるかもしれないから、その子の審査を行ってます。もう少し待ってね』
「なるほど……ところで先生、童貞に興味ありませんか?」
『……無い、かな』
命は顔を引きつらせた。
眼鏡をかけた彼は確か遊摺部従児、書類で見た印象は真面目そうな子だと思ってたが、どうやらかなり性に貪欲らしい。
よく見ると読んでいるのはただの小説ではなくおそらく官能小説だ。
あまり関わりたくないと思い、命が視線をずらすと隅の方に座る男の子に目が止まる。
皇后崎迅、マスクをした彼は何をするでもなくただ俯いて一点を見据えていた。
『(確か彼って…)』
命は彼の情報が鬼神の子の次に印象に残っていた。
あそこまで調べ上げる無蛇野も凄いが、あの経歴が事実だとすると今まで生きてきた彼も大したものである。
視線に気づいたのか、皇后崎がこっちを視線を向けてきた。
「…ジロジロ見てんじゃねぇよ」
『ごめんね、ツノ出してないから珍しいなぁって思って』
「フンッ」
彼は鼻を鳴らすと、視線を外してまた一点を見つめだした。
その他にオドオドしているピンク髪の女の子屏風ヶ浦帆稀、未成年のはずなのにタバコを吸う漣水鶏、体調が悪そうな手術岾ロクロなど、中々にキャラの濃い新入生が勢揃いした教室内を見渡し、命は深くため息をついた。
『(大丈夫かなこのクラス…)』
纏まる気配が皆無である。
命は仕方なく無陀野が来るのを待つのだった。
