第二話
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騒動から一夜明けて、私は地元の病院に来ていた。
虎杖君のことは兄さんに任せて、私と恵君は自転車で転んだ、という嘘の理由で病院で治療を受けることになった。
私はかすり傷程度だったので治療はすぐに済んだが、恵君は頭から流血していたので、治療が長引いている。
恵君を待っている間も、私の頭の中は虎杖君のことでいっぱいだった。
(心配せずとも恵なら大丈夫じゃ、すぐに戻って来る)
『!! うん…そうだね』
(それとも、主の不安事はあの虎杖という童のことか?)
『…』
あの後、報告を受けた上層部は虎杖君の即刻死刑を求めた。
保守的で臆病な連中らしい決定だ。
けど悟兄さんが駄々をこね…説得してくれたおかげで条件付きで執行猶予が着くことになった。
宿儺の指は全部で20本、「どうせ殺すなら、全て取り込ませてから殺せばいい」と兄さんが提言して上層部は了承したとのこと。
今頃、虎杖君が兄さんから経緯と説明を受けている頃だろう。
良い機会だし、私は改めて宿儺について聞いてみることにした。
『…ねぇ、白灯。両面宿儺ってやっぱり強い?』
(そうじゃのう…呪術全盛期、平安の世に多くの呪術師が総力をあげて奴に挑み、そして敗れた)
『……』
(奴は呪物となり、今も生きつづけている。現代に復活すればどうなることか…だが、呪肉しても自我を保てる器などこの先二度と現れぬことだろう)
今すぐ死ぬか、指を全部取り込んで死ぬか。
どちらにしろ虎杖君は死ななければならない。
「芙蓉」
不意に名前を呼ばれて顔を上げると、治療を終えた恵君が立っていた。
頭に包帯を巻いて痛々しい。
『…大丈夫?』
「問題ない。後は高専で治療してもらう」
『そっか』
「虎杖達は?」
『もう話終わってると思うけど…あ、位置情報送られてきた』
スマホの画面に兄さんと虎杖君の位置を示す画面が表示される。
付近にある火葬場にいるらしい。
多分、昨日亡くなったお爺さんの火葬をしているんだろう。
恵君と一緒に病院を後にして、その場所に向かった。
………___。
火葬場に着くと、外のベンチに腰掛けている二人がいた。
声をかけようとしたところで、思わず動きを止めてしまった。
虎杖君が宿儺の指を手にしてまじまじと見ていたから。とてつもなく…嫌な予感がする。
パクッ
案の定、彼はそれを口に含んで丸呑みした。
2本目…どうなるんだろう?
恵君を見ても、手を出すなと私の前に手をかざして様子を伺っている。
虎杖君を見ると昨日と同じように宿儺の入れ墨が浮かび上がる。
けどそれは一瞬だった。
「クッ、ククッ
まっず、笑えてくるわ」
おえっと吐く素振りを見せる虎杖君はいつも通りだ。
これで確定した、彼は千年生まれてこなかった逸材である。
兄さんも同じことを考えたらしく、楽しげに笑っていた。
「どったの?」
「いや、なんでもない」
くっくっくっと笑いをこらえながら、兄さんは虎杖君に改めて問い掛けた。
「"覚悟はできた"ってことでいいのかな?」
「……全然。なんで俺が死刑なんだって思ってるよ、でも呪いは放っとけねぇ。本当、面倒くせぇ遺言だよ」
遺言とはお爺さんのだろう。
「宿儺の指は全部喰ってやる。後は知らん。
昨日から思ってたけど、本当に潔い人だ。
自己犠牲の精神が強い…そんな虎杖君が心配だし、巻き込んでしまって申し訳なかった。
「いいね。君みたいのは嫌いじゃない」
兄さんも彼を気に入ったみたいで、にんまりと笑うとよっこいしょとベンチから腰を上げた。
「楽しい地獄になりそうだ。今日中に荷物まとめておいで」
「? どっかいくの?」
「『東京』」
此処でようやく私達も会話に介入した。
「伏黒!!欺波!!元気そうじゃん!」
「
バッチグーと親指を立ててくる虎杖君に対し、恵君が冷静に返す。
「元気じゃないのか…」
『一応、重傷…』
温度差にしょぼんとする虎杖君にやんわりとフォローを入れてあげてる。
「オマエはこれから俺達と同じ、呪術師の学校に転入するんだ」
「ちなみに一年生は君で4人目」
「少なっ!!」
こうして《宿儺の器》というイレギュラーな同級生ができることとなった。
続く
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