第一話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ドオン
私達が助け出されると同時に、天井が崩れてコンクリートの破片がその場に散らばった。
『恵君!』
「伏黒!」
私と虎杖君が咄嗟に恵君の名前を呼ぶけど返事がない。
まさか…と思い、冷や汗がたらりと流れる。
しばらくして土煙が晴れると、そこにいたのは昼間のラグビー場にいた二級呪霊だった。
呪霊は恵君をしっかりと掴んだまま、離そうとしない。
《おっお》
「"鵺"」
そんな状況でも恵君は応戦しようと手印を組む。
けど、式神が発動されるより先に彼の体が思い切り壁に叩き付けられた。
ブンッ
バコォ
「がっ」
突然の出来事に気後れしてしまっていたが、痛め付けられる恵君を見てハッと我に返った。
『白びっ…』
ドゴォ
術式を発動させようとしたけど、それより先に呪霊は恵君ごと壁を突き破って外に出てしまう。
呪霊と恵君は渡り廊下の屋根に着地した。
恵君は額から血を流して辛そうに見える。
近くにいたはずの玉犬がいなくなっていたので、術式が途切れてしまったのがわかった。
(主、このままでは恵が…)
『わかってる!白灯、"刀"』
バッ
急いで白灯を刀に変えると、それを片手に壁の穴から外に飛び出す。
空中で私は刀を両手で握りしめると、呪霊の後頭部に着地と同時に切っ先を思い切り突き立てた。
ザクッ
けど思った以上に呪霊の表面は固く、刀身の半分も刺さらなかった。
浅い…と思ったのも束の間、私は呪霊に振り落とされてしまう。
ズシャアア
「芙蓉!!」
『大丈夫!』
幸い、受け身が取れたのでかすり傷程度で済んだ。
今度は切り付けようと、刀をかまえ直した時だった。
ゴン
突然虎杖君が下りてきて、そのままの勢いで呪霊を殴った。
相当強い力で殴ったのか、呪霊の頭は減り込んで足場はヒビが入っている。
『あ…ありえない』
(なんという馬鹿力じゃ)
唖然としていると、彼は私達の元へ降り立った。
「大丈夫か?」
『いや、こっちのセリフ』
「逃げろつったろ」
状況を改めて整理しよう。
目の前には二級呪霊、隣には血まみれで重傷を負った同級生。
手前には馬鹿力だけど呪力が無いに等しい一般人。
そして軽傷の私が二級に勝てる可能性は恐らくギリギリ。
…やるしかないか。
『…虎杖君、コイツは私が祓うから、貴方はお友達連れて逃げて』
「今帰ったら夢見悪ぃだろ。それにな、こっちはこっちで面倒くせぇ呪いがかかってんだわ」
そう言い捨てたかと思えば、戦闘体制に入り再び呪霊と戦い始める虎杖君。
バキィ
呪霊の攻撃を避けながら蹴りを喰らわせるが、そんなものでは呪いは祓えない。
ゴシャ
案の定、彼は迫ってきた呪霊の拳で殴り倒されてしまう。
殴られた額から流血させながら彼はスライディングして戻ってきた。
『呪いは呪いでしか祓えない』
「早く言ってくんない?」
「何度も逃げろつったろ」
ずっと座り込んでいた恵君が立ち上がろうとするので、右側で体を支える。
倒れないか心配だけど、恵君は「大丈夫だ」と言って自分の体から私の手を引きはがす。
…どう見ても大丈夫じゃないよ。
