仁王
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なんで‥‥。
恋なんか、しちゃったのかな‥。
私には、あの人の傍に居ることは出来ないよ
■□■□■□
今日も朝から黄色声が響くテニスコート。
立海の男子テニス部はレギュラー全員が女子に絶大な人気を誇る。毎日毎日‥よく叫ぶと思う‥。
テニスコートを走り回る女子に目が行く。
あ‥‥転んだι
あれは、私の姉で立海テニス部マネージャーにして部長の幸村 精市先輩の彼女。可愛くて、優しい‥ちょっと天然な自慢の姉。その点、私は‥地味で可愛いわけでもなくて、素直じゃない‥姉とは全く反対。そんな私を姉はいつも可愛がってくれる‥‥というか、シスコンなんだよねι
あ‥気付いた‥‥。
『嫌な予感‥ι』
「あやめ――‥!!」
『やっぱり‥‥ι』
満面の笑みで大きく手を振る姉に対して、周りからの視線が凄く突き刺さる。
聞こえてくるのはいつも言われてきた台詞。
“似てない”
“姉とは大違い”
“地味で暗い子”
知らず知らず、私は他人を避けた‥そうでもしないと、私は、息をすることが出来ないから‥‥。だからといって、姉を恨んだことは一度もない‥大好きな、姉さんだから。
「来てたなら近くで見れば良かったのに?」
『姉さんにお弁当届けに来ただけだから‥』
「あら~‥。また、やっちゃった☆」
『‥‥ハァ~‥』
天然過ぎるのも困りものだよ‥。呆れる私をよそに、目の前の姉の柔らかい笑みを浮かべてる。なんだかんだ言ってコレに弱いんだよね‥私。
幸「また、やったのかい?」
「精市!そうみたいなの(笑)」
相変わらず仲いいね。
幸村先輩は姉の彼氏さん。二年から付き合ってる。天然過ぎる姉にはぴったりだけどね。
『少しはしっかりして欲しいんだけど‥』
「あやめが居るからいいの☆」
『良くない‥』
まったくこの人は‥‥ι
なんて、思いながらも嬉しいのは事実‥素直には、なれないから‥いつも冷たい言い方になる。可愛くないな‥少しは、素直になれたらいいんだけど‥。
「いつもありがとう、あやめ☆」
姉さんは良く理解してくれてる。私の言いたいことも、素直じゃなくても私を一番にわかってくれる‥自慢の姉。
口が裂けても言えないけど‥‥ι
呆れながら、視線をテニスコートに移した。
凄いな‥‥真剣に打ち込む姿は女子が黄色い声を上げるのも無理はないけど‥。
「ふふっ‥。みんなカッコイイでしょ?」
『なんで私に振るの。
‥‥それに、重い』
「だって~。抱き心地いいんだもん☆」
『暑苦しい‥』
「ふふっ(微笑)」
幸「本当に仲がいいね(微笑)」
「でしょう!」
後ろから抱き付く姉さんに溜め息吐きながらそっぽを向く‥。
ホント、可愛くないな‥。
楽しげに話す姉さん達をよそに、私の視線はある人に向く‥‥。
―……‥仁王先輩‥。
よく話す訳じゃない、むしろ‥ただ、見てるだけ‥。
でも‥私にはそれで、いい。あの人にしたら私は神崎の妹―‥でしかないから‥。
「また、見てるvV」
『‥‥別に、見てない』
「もぅ~~ッ。可愛いわね!」
『苦しい‥ι』
いつから、あの人を目で追うようになったのかな‥?
気が付いたら惹かれてた。
銀色の髪が陽の光で透き通って綺麗‥‥。
決して触れられない‥‥遠い存在―‥‥。
けれど、だからといって私は辛いとは思わない。
例えどんなに想っていても‥彼の隣は、私じゃ釣り合いはしないから。だから、今のこの距離が私にはちょうどいい‥。
見てるだけで、いい‥‥。
――――――――――‥
相変わらず、ウチのマネージャーは抜けとるな‥ι
よく転ぶし、忘れっぽいし。
見てて飽きんが‥あんな天然な性格なのに、怒らすと幸村よりも怖いんじゃからな。
しかも、極度のシスコン。
妹は逆に冷めた性格。滅多に笑いもしない‥地味、と言えば地味だろうな。あれを可愛いと言ってる神崎がよくわからんぜよ。
じゃが‥‥まさか、自分が次第に神崎妹に惹かれて行くとは、思わんかった。
仁「最悪じゃ‥‥」
購買に行こうと財布を出そうと鞄を漁ったが見当たらん‥‥。
どうやら、忘れたらしいの‥‥ハァ~‥。柳生にでも借りるとするか。
教室を出て直ぐに見知った連中を見つけた。
その中に、神崎妹の姿もある。
仁「なんじゃ、揃って」
「仁王君!あやめがね、クッキー持って来てくれたのvV」
幸「結構な量だから俺達にも持って来てくれたんだ」
丸「‥ん~‥。美味いッ!」
ジ「もう食ってんのかよι」
真「いいのか?俺達まで貰っても」
『作り過ぎただけですから‥』
蓮「すまないな」
柳「ありがとうございます!」
「はい!仁王君」
仁「おぉ‥。ありがとさん」
クッキーね。‥‥意外というか、想像つかんのぅ。
丸「そういや、仁王購買に行くんじゃなかったのかよ?」
仁「あ~‥。財布、忘れたみたいでの」
「それじゃ、お昼抜きになっちゃう!」
仁「まぁな‥。
だから、柳生にでも‥
『あの‥』
‥ん?なんじゃ」
不意に声を掛けてきた神崎妹に視線を移した。
身長差があるから、神崎妹は必然的に見上げる状態になる。
『これ‥。よければどうぞ』
仁「じゃが、それはお前さんの弁当じゃろ?いいのか」
『食べる気、なかったので‥。私が作ったから口に合うかわかりませんけど』
「良かったじゃない!」
いや、いいのかι
まぁ、俺としては有り難いが‥‥。
『気にしないで下さい元々、昼ご飯はあまり食べないので』
仁「‥‥なら、有り難く貰おうかの」
『どうぞ‥。
じゃあ、私行くから』
「ありがとうね☆」
神崎妹が去った後、各々教室に戻る。
手渡された弁当を手に俺も教室に戻った。自分で作っといて食う気がないってのはどういうことだか、わからんぜよ。
席に着いて、弁当を広げる。
丸「へぇ―‥アイツ、料理得意なんだな」
仁「みたいじゃの」
彩りよく作られた弁当は素直に美味そうだ。実際、食ってみると味もちょうどいい。
料理が得意とは、意外じゃな‥。
丸「アイツも愛想よければいいのに、話しかけずらいしよι」
仁「確かに‥言い方も冷たいしのォ
「そうかなぁ?」
そうじゃ‥‥‥‥プリッι」
丸「神崎ι」
‥しまったι
後ろに居るとは気づかなかったナリ‥。
笑ってはいるが‥‥黒いモンが見えるの‥。流石、立海テニス部マネージャーぜよ。
「あやめは言い方は冷たいけど、優しい子だよ」
丸「そうなのか?俺にはわかんねーぜ」
仁「お前さんは一番身近な存在なんじゃしわかるだろうが、俺らじゃわからんぞ」
「わかろうとしないからでしょう?
あの子、ちょっと他人を避けてるところあるけど。なんだかんだ言って面倒見のいい子だよ」
仁「まぁ、お前さんが言うんだ間違いないだろ」
確かに、他人を避けてる。
‥それは、見てれば何となくわかるが、避ける理由が何なのかはわからんナリ。ま、関わりがあんまりないからの。
理解しようってのが無理な話‥。
丸「避けてるって、なんでなんだよ」
「うーん…。
あやめってただ、甘えるのがちょっと下手なだけなんだよね‥」
仁「そう見えるかもな」
「でしょう?小さい頃から私がおっちょこちょいだから両親も結構大変みたいで、その点あやめは大人しくて手を焼かなかったの」
丸「あ―‥わかる気がする」
姉さんの様に‥‥なんて、何度思っただろ。なれるはず‥ないのに‥‥馬鹿ね‥。
『今は、このままが‥‥』
消えてしまうまでは辛いかもしれないけど、深入りしなければ傷は浅くて済むから‥。
??「あやめ!」
『‥ぇ‥』
私を名前で呼ぶなんて姉さんか幸村先輩しか居ない。
でも、呼ぶ声の主を確認する前に飛んで来たボールをとっさに腕で庇った。
そのお陰で頭に当たることは免れた。
『‥‥ッ‥』
仁「大丈夫か!」
『‥‥仁王、先輩‥?』
仁「悪い。
隣で野球やっとたんじゃが、俺の打った球がフェンス越えてな‥本当に、すまんかった」
『頭に当たったりしてないから大丈夫です』
仁「とりあえず、保健室に行くぞ」
『平気です』
仁「腕に野球の球が当たったんじゃから、平気なわけあるか」
『保健室行くほどでもないです』
仁「‥‥ハァ~‥。なら、仕方ないのぅ」
『‥‥』
仁「抱き上げてでも連れて行くぞ」
『‥‥‥は‥?』
‥抱き上げて?
それって、お姫様抱っこのこと?
目の前の彼はニヤリと笑い、周りの女子は騒ぎ立てる。
顔が、熱い‥。
完全に注目の的になってる。仕方ない‥。
『保健室‥行きます』
仁「おぉ、そんじゃ行くぜよ」
『Σ‥ちょっ‥!?』
ひとりで行けるのにと思いつつ、手を引いている先輩を見上げる。
あの時、名前で呼んだのは先輩だったのかな‥?
保健室に着くなり、座らせられ大人しく従う。
仁「手、出しんしゃい」
『‥‥‥』
仁「まったく、どこが大丈夫だι腫れとるな」
『‥‥ッ‥』
仁「すまん、少し我慢してくれ」
結構腫れてたんだ。
優しい手つきで手当てする手元を見つめる。
触れてる所が熱い‥胸の音は高鳴る‥息が、出来ない‥。
お願い‥触れないで‥
優しくしないで‥
でないと―‥
溢れてしまうから
仁「ほれ、終わったぜよ」
『‥ありがとうございます』
仁「礼は言うな。
元々、怪我をさせたのは俺だからな。悪かった」
『気にしないで下さい』
そう言って立ち上がる。
苦しい‥‥。
本当、恋なんてしなきゃ良かったね‥‥。
仁「ちょい待ち」
『‥‥??』
仁「少し話でもせんか」
『話??』
別に話すことないんだけど‥。手を掴まれてるから逃げられないし、振り払おうにも男子相手じゃそうもいかない‥。
どうしたらいいか、なんて考えながらジッと触れている部分を見つめる。
振り解けないんじゃない、振り解かないだけ―‥。
出来ることなら、離さないで欲しい‥。
でも、私じゃ、釣り合わないから‥‥。
『離して、下さい』
仁「それは出来んな。離したら逃げるじゃろ」
『話すこと、ありませんから』
仁「つれないのぅ」
『~~~‥逃げ、ないから‥離して、下さい‥‥//』
流石に、恥ずかしくなって‥へたり込む様に座った。
顔が、熱い。
仁「あ、あぁ‥」
『‥‥‥』
離れた手に寂しい、と感じ‥キュッと掴まれてた所に手を重ねる。
胸の音が、うるさい。
好きになんて‥‥
『‥‥ならなきゃよかった‥』
仁「何がだ?」
『なんでも、ないです‥』
仁「ふっ。‥‥神崎が言った通りか」
『??』
仁「お前さんをちゃんと見ようとすれば、可愛い所がわかるそうだ」
何を言ってるんだか‥姉さんは。
それから、たわいもない世間話をしていると授業が終わり着替える為に更衣室に向かった。
視線が痛かったなぁ。
チラチラとこっちを見ては、ヒソヒソ話す―‥‥。こんなことしてるくらいならアピールでもすればいいじゃない‥。
『‥‥‥』
ふと、掴まれてた所に視線が行く―‥‥。
あのまま‥離されなかったら、想いが溢れてたよね‥。
伝えられたら、どんなに楽か―‥。
――――――――――‥
仁「ハマってしまったかのぅ」
まさか、あんな一面があるとは思わんかったぜよ。
確かに、言い方は素っ気ないが。仕草に可愛らしさがある。
あの表情-カオ-は反則じゃろ‥?
一瞬ドキッとしたナリι
ったく、神崎よりあやめの方が天然じゃないのか?時折、寂しそうな表情-カオ-してたの‥‥。嫌われとるわけじゃないとは思うが‥気になる。
まるで、好きな奴が居る-コイ-しとるみたいな。
仁「‥‥」
細い腕、柔らかな感触が手に残っとる。出来るなら誰にも見せたくない。
独占欲―‥‥
参った。
こんなあっさりと本気になるなんて思いもせんかったぜよ。
ギャップがありすぎる、一見クールに見えて気遣い上手。家庭的な一面もあったのぅ。
それに‥‥
仁「ふっ‥恥ずかしがり屋じゃし」
頬を染め、恥じらう姿は俺を虜にさせる。
最近じゃ、毎日のように図書室に向かうのが日課になりつつあるな(笑)
キィィィ―――ッ‥
『話って?』
ん?あやめか?
俺が居るのは貯水タンクがある場所。4人の女子に囲まれとるな。嫌な予感がする。
パァンッ
やっぱりか‥。
仁「‥‥さて、姫さんを助けるか」
好きな奴が傷つくのは、気分が悪いしのぅ‥。
――――――――――‥
何度目かの呼び出し。
毎回毎回、みんな言うことは同じなんだから‥。
“仁王先輩に近づかないでよ!”
“神崎先輩の妹だから優しいだけなんだから!”
“ブスのくせに!”
そんなの‥‥言われなくてもわかってる―‥‥どんなに、好きでも伝えるなんて―‥‥‥出来やしない‥。
パァンッ
『‥ッ‥』
「コレに懲りて、金輪際、仁王先輩に近づかないで」
『‥‥馬鹿らしい』
「‥ぇ?」
『私なんか気にして‥馬鹿らしいって言ったの』
「「「「なっ!?」」」」
『私‥ブスなんでしょう?
なら気にする必要ないじゃない。
姉さんの妹だから優しいだけなんでしょう?
なら問題ないじゃない。
そんなに気になるなら仁王先輩にでも直接聞いたらいい』
本当、馬鹿らしい―‥‥。こんなことに意味なんてないじゃない‥いつも、いつも‥何回も言われなくても‥何回も思ってたこと。私自身が一番わかってるんだよ?
何度も泣きたくなった‥‥けど、姉さんや仁王先輩、幸村先輩達の優しさがあったから辛くても泣かないで済んだ。
仁王先輩への想いがなくなれば‥
恋なんかしなければ‥そう思ってたけど‥
「何よ、偉そうに!!」
『‥‥‥』
‥‥‥あれ?
振り上げられた手に反射的に目を閉じたけど、なかなか痛みが来ない。
仁「そこまでにしてくれるかのぅ」
『‥ぇ‥?』
「に、仁王先輩?!」
振り上げられた手はどこからか現れた仁王先輩によって叩かれることはなかった。
混乱する私をよそに仁王先輩は続ける。
仁「俺があやめに近づいてるんじゃよ。
第一、お前さんらのやってること自体迷惑なんじゃがな」
「‥ッ‥」
仁「それに、俺は神崎の妹だから優しいわけじゃない。
惚れとるんよ」
‥‥‥‥何、言ってるの?
余計混乱する私に仁王先輩はニヤリと笑う。
どこまで本気か、わからない。
肩に腕を回し引き寄せられるも抵抗するのも忘れ、彼の胸に寄りかかる形になる。
ナニガオコッテルノ―‥。
気付けば彼女達は居なくなってた。
仁「ハァ~‥‥。大丈夫だったか?」
『‥‥‥Σ!!?』
仁「Σっと‥‥あやめ?」
ドンッと突き飛ばした。
心臓の音がうるさいよ。恥ずかしさから腰が抜けたようにへたり込み、赤に染まっているだろう頬を隠すように俯いた。
仁「‥‥あ~‥すまんな。
俺のせいで痛い思いさせて」
『‥‥いつから、居たんですか』
仁「始めから。ちょうど寝とったんじゃ、あそこでな」
あんな場所じゃ気づかないわけだ。
『別に‥仁王先輩のせいじゃないですし、初めてじゃないから平気です。助け下さってありがとうございます』
とりあえずこの場から逃げたくて、礼を言って去ろうとしたけど仁王先輩に手を掴まれ‥呆気なく逃走は失敗。
仁「返事、聞きたいんじゃけど」
『何の‥‥ですか?』
仁「さっき言ったじゃろ。
俺、あやめに惚れとるんよ」
『‥‥からかわないで下さい‥』
仁「からかってなんかない。本気じゃよ、本気であやめが好きなんじゃ」
いつもよりも低い声。
ゆっくりと振り返ると真剣な瞳があった。
本気、なんだ‥‥。
まだ、夢を見てるような気がする。
仁「あやめは俺のことどう思ってるんじゃ」
『‥‥好き、です‥///』
仁「あぁ‥‥俺も好いとうよ。」
近づいた距離
(離れて下さい///)
(ん~‥ヤダ)
((Σ楽しんでる!!))
(お前さん、俺の前だと恥ずかしがり屋じゃのぅ)
(う~~‥//)
(睨んでも可愛いだけじゃぞ?)
(もう、帰ります//)
(帰さんよ)
(ぅッ‥ι)
(学校じゃなかなか2人っきりにさせてくれんからのぅ。あの2人)
(‥‥)
(ん?どうした)
―‥ギュッ
(私も、雅治先輩と同じ気持ちですよ?)
(なら、もう少しこのまま)
(はぃ‥(微笑))
(‥‥寝とる(笑))
(ん‥‥スゥ―‥)
(好いとうよ、あやめ)
