◈仮面の下の素顔
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加「最近、一部の女子から嫌味を言われてる様だな」
『!? 誰から聞いたの・・』
加「私のクラスの女子だ。アイツのファンが嫌味とも取れるコトを言っていたと私に教えてくれてな。あ、仁王には言っていないぞ」
『そう・・』
加「しかし、そんなモノはないと言っていただろう?隠していたのか?」
『大したことじゃないよ。それに嫌味と言っても私にというよりも雅治に問題があるからだしね・・・』
そう、雅治に問題があるんだ。
加「そうだな。彼女がいるのに他の女子からプレゼントを貰ってる辺り問題だろう。脈なしなら断るだろうからな」
『面倒くさいんじゃどうしようもないよ。それに、私のいない所で女子が集まってるのは知ってるし。告白も減らない。わざわざ報告に来ては宣戦布告して行く始末。
私としては、ケンカをしたくないから流してるつもり』
加「"いつかは終わる幸せだ" なんて思いながらか?」
『・・・・そう思ってる方が楽なのよ。
無駄なケンカして終わらせるよりは"いい思い出"の方が諦めつくし』
加「(アイツが聞いたら怒り狂いそうだなι しかし、冷静過ぎるというか、諦め早いというか・・ι)」
『なによ?』
加「いや、そろそろ帰るか」
『そうだね』
加「(一応、アイツにも言っておくか。このままだとアイツが不憫だからなι)」
ーーーーーー・・・
家に着いてから私の頭の中は加奈子との話でいっぱいだった。
分かってるんだ。雅治が悪いワケでもないコトは。私がちゃんと思っていることを言っていれば対処してはくれると思う。けれど、それは女の子達からしたら面白くはないだろう。今でこそ嫌味程度で済んではいるけど、そんなことになればどうなるか分からない。
臆病な私は雅治自身が断らないのなら仕方ないと思うコトにした。周りの女子が怖いからだ。
ズルいとは思う。彼女という立場ではあってもワガママばかりは通せない。雅治を困らせたくはないしね。
『(とはいえ、雅治が知ったら怒りそうだよね・・・)』
加奈子の言っていた嫌味というのは、雅治ファンの女子から言われたーー・・。
「副会長さぁ、本当に付き合ってんの?」
「普通は彼女いたら調理実習で作った物受け取らないと思うんだけどね~」
「詐欺師だからウソだったり?」
・・ーー等々。 挙げ句にはーー・・。
「仁王に告白したんだけど、フラれちゃった。何がダメなのかなぁ?」
「デートしてって言ったらさぁ。フラれちゃったの!悔しいからアピっていい!?」
「わたし、彼を諦めないから。あなたから奪ってみせるわ」
・・ーーと、宣戦布告をしに来るのだ。こんなのが立て続けに来れば嫌にもなる。恋する乙女は強いよね。私はそんな風にはなれそうもないもん。
『雅治のバカ・・・・』
嫌ならハッキリ断ればいいのに。曖昧にしてるから私が惨めになるんじゃない。彼女だと知っているクセにわざわざ報告しに来ては奪うなんて言われて。不安にならないワケないよ・・。まぁ、私が釣り合わないからっていうのも理由の1つなんだろうけどさ・・。会長ならみんな諦めたのかなぁ・・。
『・・・寂しい(ポツリ』
最近は雅治が一緒に居ることが多かったから余計に寂しさを感じやすくなってしまった。
もう寝よう。起きてるとロクなこと考えないし。
・・~~~♪
携帯の着信音が響く。画面を確認すれば雅治の文字。タイミングがいいのか、悪いのか。とりあえず、出る。
『部活お疲れ様、雅治』
仁【おぅ、疲れたナリ。今大丈夫か?】
『うん。どうしたの?電話なんて珍しい』
仁【あやめの声が聞きたくて。一緒に帰れんかったし】
『そうだね。でも、声聞いたら会いたくなるね』
仁【そうじゃなぁ。寂しくないか?】
『寂しいけど我慢するよ』
仁【あやめは我慢し過ぎぜよ。少しくらいワガママ言ってもいいと思うぞ】
『言ったら雅治、今すぐ家出そうだからやめとく。一応、規則は守らないとね』
仁【残念。俺は今すぐ会いたいんじゃがのぅ】
『明日、会えるよ』
仁【仕方ない。我慢するよ】
『うん。また、明日ね』
仁【ああ。明日・・。おやすみあやめ】
『おやすみなさい、雅治』
通話を切って溜め息。今すぐ会えるのなら私だって会いたい。不安を拭い去って欲しい。けれど、言葉や温もりで拭える不安じゃないコトは分かってる。それでも、気休めでいいから安心したいんだ。
†side:仁王†
翌朝。いつものようにあやめの自宅マンションに迎えに行き一緒に登校。朝練がないからそのまま教室へと向かい、まだ早いからあやめの教室で過ごしていた。
『今日のクリーン作戦サボらないでよ?』
仁「あやめが一緒ならサボらんよ?」
『居なくてもサボらないで。バレると厄介なのは知ってるでしょう?』
仁「会長だからなぁ。取り締まりも大変じゃな」
『分かってるならサボらないで』
呆れる彼女を見つめる。
生徒会の仕事も大変なんだろうが、最近特に疲れている様に見えるぜよ。心配事でもあるんかのぅ。俺にくらいは言って欲しいが、聞いても答えてくれんだろうなぁ。会長なら知っとるかもしれんし、聞いてみるか。
仁「なぁ、あやめ」
『ん?』
仁「次の休み部活ないんじゃ」
『そうなの?オフなんて珍しいね』
仁「ああ。だから、どっか行かんか?」
『デート?』
仁「そっ。たまにはいいだろ?」
『いいけど、何処行くの?』
仁「そうじゃなぁ。あやめは行きたいとこないんか?買い物とか」
『うーん・・。じゃあ、遊園地』
仁「は?」
『嫌いだった?』
仁「いや、意外だったから驚いた」
あやめの口から遊園地が出て来るとは思ってもいなかったからの。
人混みとか苦手じゃなかったか?
なんでまた遊園地なんじゃ?
『行ったことないから。ダメ?』
仁「家族とはなかったんか?」
『基本的に忙しい親だったからね。兄も・・色々あったから・・・・ι』
仁「複雑そうな顔じゃな。俺は構わんよ。あやめが行きたいところに俺も行きたいしな」
『ありがとう(微笑)
でも、雅治がデートに行こうなんて珍しいね。人混み苦手じゃなかった?』
仁「まぁな。だが、いつも部活ばかりでデートしとらんだろ? 何より、息抜きは必要だろ?」
『そうだね。楽しみ(微笑)』
笑ってくれるなら誘って良かった。部活にばかりかまけて寂しい思いをさせてたんじゃないかと気になってたんだ。あやめは優しいから俺に強制はしないし、ねだりもしない。それに甘えてる俺を責めもしない。ちゃんと理解して、優先してくれる。だから心配になるんじゃよ。本当は思うコトがあるんじゃないか、てな。
『そろそろ戻った方がいいんじゃない?』
仁「そうじゃな。寂しいが戻るとするか」
『お昼は?』
仁「一緒に食えるんか?」
『うん。一応、クリーン作戦が終わったら解散てコトになってるから』
仁「なら、屋上にするナリ」
『了解』
仁「じゃ、またな」
教室を出て、ふと、足を止めて振り返る。
仁「(笑ってる・・)」
デートがそんなに嬉しいんだろうか?
仁「(楽しみじゃな)」
早く休みが来ないか、なんて子供みたいなコトを思いながら教室へ。
加「おはよう、仁王」
仁「おはようさん。会長に聞きたいことがあるんじゃが」
加「あやめのコトか。それなら、丁度話したいことがある」
仁「何かあったんか?」
加「ああ。お前の知らない所でな。此処ではあれだな・・少し付き合ってくれ」
言われるままに教室を出て、近くの空き教室へと入る。
加「詳しく話す時間はないから簡単に話すぞ」
仁「ああ・・」
そう切り出した会長の話を黙って聞いた。
女子から嫌味とも取れるコトを言われているコト。
俺が振った女がわざわざ彼女に言いふらした挙げ句に宣戦布告しているコト。
俺の軽率な行動と態度が彼女を傷つけていたとは思わなかった。気にもしていない態度だったからな。
じゃが。一番、心に突き刺さったのは・・。
《いつかは終わる》
・・ーーそう思っていることだった。
加「あやめを責めるなよ? 高校生とはいえ子供だ。永遠の愛を誓える程大人じゃないからな」
仁「・・・・」
加「お前はモテるからあやめはそう思うコトで気持ちを落ち着かせているんだろう」
仁「そうか・・・」
理解できないワケじゃない。俺だって長続きするかは分からん。それでも、彼女ならって思ってただけに落ち込むぜよ。
そうさせたのは他でもない自分となれば責めるコトさえ出来ん・・。
加「本当にあやめが好きなんだな!」
仁「なんだ、いきなり・・」
加「分かりやすいくらい凹んでる仁王を見るのは初めてだ!珍しいものだな」
仁「はぁ~・・。凹んでる相手を前にしてからかうな」
加「すまない。だが、あやめはああ見えて繊細な子だ。お前が本気で想っているならそれなりの対応をしないと悲しませるぞ」
仁「ああ・・・。最近疲れてるのはそのせいか?」
加「だろうな(苦笑) お前とケンカしたくないから流してるとは言っていたが、立て続けにそんなコトがあれば疲れもするさ」
仁「そうじゃな・・」
俺のせいなのに何も言わず流して。
俺との時間を大切に思ってくれる。
そんな優しさに甘えて、何も知らなかったとはな。彼氏失格じゃ。そのくせ嫉妬はしっかりしとるんだから情けないぜよ。
加「(ふむ。もう少し手伝ってやるかな!)
さて、教室へ戻るぞ」
仁「ん・・・」
その後の事は覚えとらん。授業には出ていたものの上の空で聞いてなかった。幸村が気にかけていたが返事も曖昧で見かねた会長が大まかな説明をしていたナリ。
仁「(どんな気持ちだったんかのぅ・・)」
女からプレゼントを受け取ってた自分を責めもしなかった彼女。告白も減らない、誘いに来る。そんな彼氏に愛想も尽かさず、笑って傍にいてくれる。健気な彼女は女神様じゃな。
仁「(男子にはからかわれて、女子からは嫌味言われて・・辛くなかったんか・・)」
寂しがり屋で独占欲が強くて嫉妬深い彼女は一人で抱え込んだまま泣いていたんだろうか。そう思うと無性に自分自身に腹が立った。
仁「(あやめには嫌われたくないぜよ・・・)」
加「重症だな(ヒソ」
幸「どうするんだい?このままじゃ困るんだけど?(ヒソ」
加「あやめに任せるさvV(ヒソ」
幸「(神崎さんも苦労が絶えないなι)」
□■□■□■
雅治が加奈子とそんなやり取りをしていることも知らない私は、現在ー・・。
『もういいですか?チャイムが鳴りますので』
「Σ待って!?」
『まだ何か?』
「そんなに、彼が好きなのか?」
『貴方がどう思うかは勝手です。私がどう思うのかも。それに、大した関わりもないのに噂だけで惑わされる様な人に興味ありません。今更、私を見る目が変わったと言われても不快でしかないので』
「っ・・それでも、俺はっ!!」
『貴方は、本当に自分勝手な人ですね。
私が大切に想っているのは仁王 雅治です。貴方の言葉に揺らいだりしませんよ』
「・・結局!!顔さえ良ければいいってコトか」
『彼は見かけだけじゃなく。内面も魅力的なんですよ。周りが思っている様な人でもない。私は私が見たままを信じてるだけです。貴方が見ている私こそが幻なんじゃないですか』
そう言ってその場を立ち去った。
こんなにも告白されるのが気分の悪いモノとは思わなかった。雅治が教室へ帰った後に呼ばれて着いて行けば、この有り様。雅治の噂はウチの生徒なら知らない者はいない。それを理由に蹴落とそうとするやり方に腹が立つ。
そもそも、私が面食いだといつ言った?
雅治が本当に噂通りの人じゃないとダメなの?
というか、ロクに会話もしたことないのに何を好きになれるのか?
難解過ぎて、考えるのをやめた。
ーーーーー・・・
加「それでは、各部活ごとに分かれてゴミ拾いをお願いします。
顧問の先生方にはサボる生徒がいないよう監視役をお願いします」
会長の挨拶が終わると移動が始まった。
面倒だとこぼす生徒もいるだろうが、サボった後の方が怖い様で素直に持ち場へと向かっている。
加「さて、諸君!我々も持ち場へと向かうのだが。あやめには別の仕事があるぞ!」
『・・・はぃ??』
加「先程、先生から会議用の冊子が出来ていないと泣きつかれてな!あやめにはそっちを頼む」
『いや、一応授業よね?というか、自分でやらせなさいよ!』
加「アハハ!仕方ないさ!先生には許可貰ったから大丈夫。一人では流石に多いから手伝いも頼んである!」
『(用意周到過ぎて逆に悪意を感じるのは気のせいじゃないわねι)』
?「会長、お連れしました」
加「ん、悪いな、柳生」
振り返ると、柳生くんに連れられた雅治の姿があった。
『手伝いってまさか・・ι』
加「ああ。仁王には手伝いを頼んだ。どうせ気がついたら居ませんでした、ってなるだけだからな。あやめとなら大人しく手伝いをするだろう?」
『(するだろうか?)』
柳「私としても他の生徒の監視もとなれば仁王くんのコトまで見ていられませんから。助かります」
『さようでございますかι』
この二人には仁王 雅治はどう見えているんだろうか?
落ち着きのない子供くらいの認識なの?
それはそうと、何故に、連れられた本人は元気がないんだろうか?
朝は普通だったのに。気になることが多すぎるが、やること済ませないと話が出来ないか。
加「じゃ、行ってくる!」
『行ってらっしゃい・・ι』
意気揚々と繰り出す会長を止める者はいないだろうなぁ。
『さて、私達もやっちゃおうか』
仁「ん・・」
『・・・やりたくないなら今からでも行っていいんだよ?』
仁「やりたくないとは言ってないぜよ」
『じゃあ、私とが嫌なの?』
仁「なんでそうなるんじゃ・・」
『朝とは違うから。無理強いするのは好きじゃないの』
仁「・・・嫌じゃないし、無理強いでもない。あやめと居られるなら何でもいいナリ」
『そう?じゃあ、お手伝いよろしくね』
仁「プピーナ」
一度、職員室に寄り、先生に声を掛ければ泣きつかれた。なんでいい大人が、しかも、教師が生徒に泣きついているんだろうか?等と思った所で意味はない。あの先生はいつものコトだから。
仁「なぁ、あの先生って生徒会顧問じゃなかったか?」
『そうだよ』
仁「・・・・あやめに雑用任せてるのも」
『先生だね』
仁「顧問でいいのか?」
『さぁ?』
仁「慣れとは怖いのぅ」
『そうだね~』
箱一杯の書類を生徒会室へと運びいれて、机に順番に並べる。
何故このタイミングでやっていないのか不思議である。これは今日の会議用じゃないか。よく教師やってるよなぁ。毎回感心する。
珍しく黙々と作業する雅治も不思議なんだけど。また、加奈子が余計なコト言ったんだろうなぁ。後始末を投げて寄越されたワケだ。お決まりのパターンだね。
お互い無駄口を叩かずに黙々と作業すればあっという間に終わった。まだ、出ている生徒達は帰らない。終わるのが早かった様で時間が余ってしまった。
なので、とりあえず話をすることに。
『加奈子になに言われたの?』
仁「察しがいいのぅ」
『茶化さない。付き合いが長いだけよ』
仁「・・・何もないは嘘だったんじゃな」
『(やっぱり・・。話したのね)
大したことじゃないよ。それに、私がどうこうする問題でもないでしょう』
仁「そうだな。悪いのは俺だ・・」
『悪いなんて思ってないよ。面倒なのは理解できるし。私も後が怖いから貰わないでなんて言えないし・・』
仁「俺と居て辛くないんか・・・?」
『なんで?』
仁「男子にからかわれて、女子に嫌味言われて。俺じゃなければ、そんな思いしなかったんじゃないかと思っての」
そう言った雅治の顔はどこか寂しげで不安そうだ。そんな表情をする雅治にキュンとしたの内緒。可愛いなんて言おうモノなら拗ねてしまいそうだからね。
雅治は雅治なりに私を想ってくれている。それだけで十分だよ。見た目だけじゃなく。噂とは真逆の誠実な人。優しくて安心出来る私の居たい場所。
『雅治』
仁「なんだ?」
『ギュッてしてくれない?』
手を広げて言えば、少し驚いた後に立ち上がって座ったままの私をその広い胸で包んでくれた。雅治の匂いに包まれながら抱き締め返す。
こうしてると雅治が好きだなぁと再確認出来る。傍に居て、抱き締めて欲しいのは他でもない。仁王 雅治なのだとーー・・。
『ねぇ、雅治』
仁「ん?」
『私と居て辛くない?』
仁「あやめがいない方が辛いぜよ」
『私も同じ。雅治がいないと寂しい』
仁「・・・敵わんな、あやめには(苦笑)」
『そう?』
仁「好いとうよ」
『ありがとう(微笑)』
額にキスをしてくれる雅治に笑って返せば、優しく笑ってくれた。優しい彼氏を心配させてしまったのは申し訳ないと思ってる。それでも、私はよほどのコトがない限り雅治には言わないだろうなぁ。
ギュッ、
仁「何かあったら言ってくれんか?」
『ふむ。なら、呼び出しされたら言う』
仁「それだけじゃなくて・・・」
『嫌味くらいで一々報告しないわよ?』
仁「嫌味くらいて・・・ι」
『そんなもので雅治への気持ちは変わらないよ』
仁「(もう何なんじゃ、この嫁ッ///!!)」
『(ホントにもう可愛いなぁ~、この彼氏様///♪)』
幸せだなぁ。こんなにも大切に想ってくれる彼氏様が雅治で良かった。
クリーン作戦もせずに二人きりで抱き締め合っている私は副会長として失格だろうけど、今この瞬間は邪魔されたくないなぁ、と思ってしまった。
ーーーーー・・・
加「皆さん、お疲れ様でした!
HRは終えていると思います。これから下校する生徒も部活に向かう生徒も事故や怪我等ないように。では、解散!」
クリーン作戦は何事もなく終わって一安心。
頼まれていた書類も無事に間に合い、先生が泣いて喜んでいた。毎度の事ながら何とかならないんだろうか、あの顧問は・・・。
加「書類も間に合って良かったな!」
『それはそうだけど。そもそも、先生の仕事でしょう。なんで毎回生徒会を雑用係に呼ぶのか・・・』
加「仕方ないさ。あの人は毎度のコトだからな」
悟「何故教師を続けられるのかも疑問ですしねι」
舞「また、合コンにでも行って。羽目はずしてたんじゃないですか?」
加「だろうな」
『でしょうね』
悟「・・・・・ι」
恋に生きるのは先生の自由ですが、仕事をおろそかにするのは社会人としてどうなのだろうか?
悟の言う様によく教師を続けられるよね。
加「今日の生徒会活動は終了だ!みんなお疲れ様!」
悟「お疲れ様です」
舞「お疲れ様で~す」
『気を付けて帰ってね』
後輩二人を見送り、加奈子が言う。
加「仁王は大丈夫だったか?」
『・・・なんでわざわざ雅治に言ったの?』
加「後から知る方がダメージが大きいからな。ああ見えて、あやめのコトに関しては浮き沈みが激しいからな(笑)」
『はぁ~。まぁ、仕方ないか。いつかはバレることだし。とりあえずちゃんと話しはしたから大丈夫だと思うよ』
加「なら、良かった!
クリーン作戦中も仁王がいないコトに気付いた女子が騒いでな。アイツは別件で手伝いだと言ったら副会長と二人きりで、と言われた。女の勘は怖いな」
『・・・・・それ、私が一番危険なんじゃないの?』
呼び出しされたら、なんて言ったけど。
本当になったりしないわよね?ちょっと怖いんだけど・・・ι
加「大丈夫だ!私が親友の危機を見過ごすワケがないだろう?」
『そうね。頼りにしてますよ、会長』
加「任せておけ!」
心強いよ、ホントに。会長相手に逆らえる人はいないからね。雅治が頼りにならないというワケではない。女のいざこざに男が割り込むとロクなコトにならないと思うからだ。それが、原因であれば尚更だ。
雅治には悪いけど、辛いなと思わない限りは言うつもりはないのです。
加奈子と別れて約束の屋上へと向かう途中。早速とばかりに女子に捕まった。
その用件がーーー・・・、
「立場使うとかズルいですよ!」
「仁王とイチャついてたんでしょう!最低!」
「副会長のクセに風紀乱すとかあり得ないんですけど~」
・・・ーー等々。よくもまぁ、これだけ出てくるんだから感心しますね。同時に冷めます。寧ろ、ウザい。
「なんとか言ったらどうなのよ?」
『ではーー・・、
今、あなた方がしているコト自体が風紀を乱しているとは思わないんですか?
大体、先生の許可を得て作業していましたし、雅治を手伝いに選んだのは会長です。文句があるなら会長へどうぞ。
それから、私と雅治は付き合っていますがあなた方にどうこう言われる筋合いはないはずですよね?』
「~~ッ・・!!」
『あなた方が気に入らなかろうがどうでもいい。お互いの気持ちが大事であって他人の目を気にするものではないでしょうから』
言葉を失った女子達は悔しさからか泣きそうだ。先に食って掛かったのはそっちなのに・・悪者は私の方みたいじゃないか。溜め息を吐いて、フォローしようと口を開いた瞬間、塞がれた。
『Σむ~~!?(雅治ッ!?)』
「!?」
仁「あやめは優しいのぅ。先に食って掛かったのはおまんらだろ?こんな女どもに情けなんか必要ないぜよ。
わざわざあやめに文句言うとは、お門違いだとなんで分からんのか不思議ナリ」
「ッ!?」
嗚呼、フォローも出来ないまま去られてしまった。仕方ないけど。雅治が出てきては何も言えないだろうしね。なんか、可哀想だったなぁ。なんて思いながら口を塞ぐ手を離した。
『いつから居たの?』
仁「ちょっと前。文句言われとるんだろうとは思ったからな。割って入ったナリ」
『少し、可哀想だったね・・。言い過ぎた・・』
仁「あやめは間違ったこと言っとらんよ。アイツらが勝手なコト言い過ぎたんだからな」
『ぅん・・・』
それでも、彼女達は私よりも長く雅治に恋をしていたんだと思うと少し、罪悪感が・・ある。
ギュッ、
『雅治?』
仁「あやめはイイコじゃな。相手のコトも思いやれるんだから。偉いぜよ」
『そうかな・・・。ただの子供だよ。取られたくないだけ・・』
仁「俺はあやめのモンじゃ。嬉しかったぜよ」
『ありがとう(微笑)』
身勝手なのは私も同じなんだろうなぁ。
誰も傷つかない生き方なんて絶対ない。だからこそ、自分の気持ちには正直でいたい。
この腕の中がとても安心出来る場所だから・・・。
暖かな日差しの下でお弁当を広げていれば、雅治が言った。
仁「今日の朝、告白されてたんじゃな」
『・・・・あ~ぁ、されたね。雅治が戻った後に。それがどうかした?』
仁「そいつ、ウチのクラスでの。あやめを大切にしろって言われた」
『そう』
仁「かなり驚いたらしいぞ。
見かけだけじゃなく中身も魅力的だ、と言ったんだって?」
『・・・・まぁ、事実ですから///ι』
なんか、今思うとかなり恥ずかしいコトを真顔で言ってたなぁι
仁「そんなに魅力なんかあるか?」
『・・・・からかいたいんですか?』
仁「知りたいだけ。あやめがどんな所を好いてくれとるんか気になってな」
『笑ってますよ』
仁「嬉しさにニヤけてしまうんじゃよ。
なぁ、教えてくれないんか?」
ホントに可愛いを通り越してズルいんだけど。そんな優しい微笑み浮かべながら手を握ってねだるとか。ズル過ぎる。顔がいいって卑怯だ。まぁ、そんな所も好きですけど。
『人は第一印象でまず決めるじゃない。先入観、かな。
初めはやっぱり最低男のワードばっかり浮かんだ
同時に絶対関わりたくないとも思ってた』
仁「(分かってはいたが・・結構、キツいぜよ。ワードの中身は聞きたくないなι)
実際、関わってみてどうだ?」
『掴み所がないっていうのはよく分かった。どこまでが嘘なのか、本当なのか分からないんだもん』
仁王 雅治という人物はハッキリ言えば面倒くさい人だろう。自分を語らないし、踏み込ませない。否定も肯定もしない。非常に厄介な人物・・・・だったんだけど。
『噂の証明も出来ないし。聞いても回りくどい。短所ならいくらでも上げられるんじゃないかってくらいだったね』
仁「・・・・ι
(そう聞くと、俺ってかなり面倒な男くらいの認識しかされんなι)」
『だから、私が見て・話したままの仁王 雅治を信じることにした』
噂や先入観に囚われずに。私自身が雅治と関わってみて感じたモノを信じると決めた。
今回、加奈子が雅治を匿うと言い出さなかったら・・・恋人にはなれなかったと思う。
『噂の中にホントの雅治はなかった。だから、関わろうと思えた』
仁「それさえも嘘だとは思わなかったのか?」
『思わないよ。だって、雅治は私の嫌いな行動はしなかったでしょう?』
仁「嫌われたくなかったからな」
『これは私が見た仁王 雅治だけど。
一途で優しくて紳士。表情がコロコロ変わって、ヤキモチ焼きで。拗ねると可愛く見えて。私が安心出来る場所・・それが、凄く魅力的な理由です///』
仁「・・・聞いといてなんじゃが、恥ずかしいナリ///」
『言った私の方が恥ずかしいよ///』
二人で照れながら笑っていられるこの瞬間さえも幸せだって思える。
仁「あやめとならずっと一緒にいられそうだな」
『いてくれるの?』
仁「俺はいたいと思ってるよ」
『じゃあ、その思いが嘘じゃないと信じさせてね(微笑)』
仁「任せんしゃい」
雅治がそう思ってくれているなら信じられるからーー・・・。
ーーーーーー・・・
さて、生徒会の仕事もない私はというと。
「どうしたらいいのかしら・・・」
『いや、そもそも、私に言われても困りますよι』
「でもね~。このままだと追試になっちゃうのよ」
『追試でいいじゃないですか』
「だけどね。毎回、真田くんに叱られてるのを見ると。なんだか、可哀想で(苦笑)」
『・・・・どうしろと?』
「神崎さんから注意してもらえないかしら。切原くん、貴方の言うことは素直に聞くから(微笑)」
『はぁ~・・分かりましたι』
お願いねvV なんて笑って去った先生に二度目の溜め息が出た。
さっき話した先生は赤也の英語担当。小テストの結果があまりにも悪すぎる為、追試になる。けれど、多くの運動部は新人戦を控えているのだ。追試になれば、試合へは出れない決まり。先生なりに赤也を思ってのコトだとも分かってる。
それに、真田くんのお説教は周りからみても可哀想に見えるからね。廊下に正座させて怒鳴っていれば当たり前だ。何度か苦情も来てるし・・・どうしたものか。
『とりあえず、部室に行ってみるかな』
コートまでは距離がある。先に部室に寄っておけば後戻りする必要もないからね。
いつもより静かな校内を歩きながら部室へ。
コンコン、
『二年の神崎ーー・・!』
言い終える前にドアが開いたコトに驚き、出て来た人物にも驚いた。
仁「どうしたんじゃ?」
『~~・・・服着なさいッ///!!』
雅治が出てくるとは思わなかった。それ以上に驚いたのはーー・・
上半身裸だってことだ///!!
仁「なんか用か?」
『赤也にね。英語担当の先生からーー・・・キャッ!?』
いきなり腕を引かれたまま部室のドアが閉まる。正面にはドア。背後には雅治。
『(何故、こんな状況に・・・ι?)
・・雅治。とりあえず、退いてくれない? そして服着なさい』
仁「赤也に用って何・・」
『英語担当の先生から小テストの結果が悪くてこのままだと赤点確実だから何とかして欲しいって頼まれたの』
仁「そんなの真田に任せればよかろう」
『毎回お説教されてる姿があまりにも可哀想だからって言われた』
仁「・・・あやめじゃなくてもいいだろう」
『他にいないからでしょう』
仁「・・・・」
困ったなぁ・・・。赤也相手にヤキモチとは、まいった。
ギュッ、
『Σちょっ、雅治///!?』
仁「赤也ばっかズルいぜよ」
『(どこがよ。まったくもう。誰よこの詐欺師がクールなんて言ったのι)』
これのどこがクールなんだろうか。
可愛い・・・可愛い過ぎてニヤける///
お腹に回された腕。首筋に額を擦る。部室だと忘れてしまいそうですよ。
『雅治。部活は?』
仁「濡れたから着替えたくてな」
『そうだったの。そろそろ行かないと怒られるんじゃない?』
仁「・・・・あやめ、一緒に帰ろ」
『・・・ぅん。じゃあ、部活眺めて待ってる』
そっと腕に触れた。逞しくて、大きな手。男らしさにドキドキですよ///
仁「・・・・」
『雅治? 早くしないと怒られるよ?』
どうしたことか。まったく離れようとしないんですけど・・ι 困ったなぁ。流石に怒られるのは可哀想だから言ってるんだけど。
仁「キス、してくれたら行く・・」
『はい?』
・・ーーーキス、ですと? 此処で? 今?
仁「今すぐキスして欲しいナリ」
『あの・・出来れば、服を着てからにしてもらえませんかι? いくら付き合っているとは言え、目のやり場に困ります///』
仁「別に上半身裸くらい見れるだろ?プールの授業とかで」
『そうだけどι 男子がいるくらいの認識しかしてないし。そもそも、彼氏様の・・・となれば話は別でしょう・・///』
プールは授業なんだし、そんなに男子を見ていたコトはない。それに、好きな人が裸となれば意識しないわけないじゃない///
仁「今すぐじゃなきゃ嫌じゃ」
Σ駄々っ子か!!
可愛いけど、今はそれどころじゃない!
恥ずかしいし。部活に遅れるし。誰か探しに来るかもしれないし。どうしよう・・・ι
困り果てていると。回されていた腕が離れた。
『雅治?』
仁「すまん・・。困らせるつもりはなかったんじゃ。悪かった。
そろそろ戻らんと本当に怒られそうじゃな」
『(あ・・・)』
少し、トーンが下がった。
雅治は私が困ると直ぐに謝る所がある。そういう時、決まってトーンが少し下がるのだ。本当に残念がっている証拠だと勝手に思っている。私も寂しがりだと自覚しているけど。雅治も相当、寂しがりだと思う。困らせたいワケじゃないのは分かってる。離れたくないだけなんだよね。私も同じだよ。雅治が離れたら温もりがなくなって寂しいもん。
だからねーーー・・。
『雅治』
仁「ん? なんーー・・・」
チュッ、
『これでいい///?』
仁「・・・ぁ、ああ///」
『ほら、早く行こう』
仁「プリッ」
ーーーーー・・・
『(前から凄いとは思っていたけど・・ι)』
コートの周りには女の子の群れがあった。トキメキを隠せない程にキラキラした眼差しと黄色い声に圧倒される。遠くから見てる分には気にならなかったけど、これは、居づらいなぁι
アイドル並みの人気。この中で練習してるんだから尊敬しますよ。気が散らないんだから。
『(初めて近くで見るなぁ)』
フェンス越しの雅治は真剣だ。普段はあんなにのらりくらりしてるのに、部活だけはシャキッとするのね。そのギャップが雅治の魅力に繋がってるんだろう。見た目もいいから尚更だ。
?「珍しいね。あやめが部活見に来るのは」
『紗奈・・』
沙「彼氏の応援?」
『応援ではないなぁ。一緒に帰ろって言われたから待ってるだけ。後、赤也に用があって』
沙「赤也に?また何かやらかしたの?」
『英語の成績が悪いのよ。このままだと追試確定だから何とかして欲しいと頼まれたの。先生に』
沙「あ~ぁ。テストそろそろだもんね。試合も近いし」
『なんとかならないの?』
沙「赤也だからね~」
『それを言われると・・ι』
彼女はテニス部マネージャーの鈴木 紗奈。中学の時一緒で友人。さっぱりとした性格で一緒にいて気楽なのです。
沙「見に来るのはいいけど、一人は流石に危険じゃない?」
『危険、て・・ι こんな場所で騒げば目立つし、しないでしょう』
沙「そうとも限らないわよ。練習に集中してるから周りまで見てないし、あの女子達。あやめに気づいてヒソヒソと話してるもの」
『退散しようかなぁ・・・ι』
怖い。怖いけど、雅治に此処で待つって言っちゃったしなぁ。紗奈だってやることがあるだろうし。仕方ないから覚悟だけはしておこう。
沙「私もそろそろ行くけど大丈夫?」
『覚悟はしてるからなんとか。まぁ、なるようになるさ』
沙「流石、副会長。じゃあね」
『うん』
何事もなければそれで良し。あったとしても文句を言われるだけだと思えば少しは気も楽になる。
そう思っていたけど、まさか、男子が来るとは思わなかった。
「副会長じゃん!なになに、仁王のコト見てんの?」
「意外だよなぁ。興味なさそうに見えたけどな」
「つーかさ!仁王のドコがいいの?やっぱ顔?」
最悪だ。なんだって男子が来るのよ・・。ある意味、女子よりも面倒なんですけど。
「なぁ、無視すんなよ。ただの世間話じゃん」
『からかいたいだけの話が世間話ですか。そんな話しに何の意味があるんです?』
「ただの好奇心!副会長が恋に興味あるとは思わなかったしさ」
「相手が仁王ってのはかなり驚いたけどな」
「イケメン好きは本当だったんだな!」
ケラケラと笑う男子に溜め息が出る。何も知らないクセに勝手なこと言って笑って。何がしたいんだか。面倒になってきたから、無視しよう。
大体、そんなに気になるなら本人に聞けばいいのに。答えるかは分からないけど・・ι
「無視すんーー・・・!?」
『??』
なんか、青ざめてる?
言葉が切れたから見れば、何やら青い顔してるんだけど。私の後ろに何かいるのだろうか?
確かめようと振り返る瞬間に抱き締められていた。こんなことするのは一人しかいない。
『雅治、部活中じゃないの?』
仁「終わったぜよ。
・・ーーで?俺の嫁になんか用か?」
『(嫁?いつ嫁になったんだろう?)』
仁「嫌がらせしたいだけなら他当たってくれんかのぅ? 野郎が近寄るだけでムカつくんでな」
「わ、悪かったι」
「行こうぜ!」
「あぁ・・ι」
バタバタと逃げる姿に一息吐いて、抱き締める雅治に言う。
『ありがとう。しつこくて困ってたの。助かったよ』
仁「すまんな。嫌な思いさせて・・」
『気にしてないよ。雅治が悪いんじゃないし。それよりも、邪魔が入って雅治を見れなかった・・・』
仁「(可愛いのぅvV) いつでも見れるぜよ」
『そうだね。あ、戻らないと怒られるね。待ってるから着替えしといで(微笑)』
仁「直ぐ戻るナリ」
『うん(微笑)』
みんな、本当にテニスが好きなんだなぁ。一つに打ち込めるって羨ましい。
