銀時
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◈初デートと繋ぐ手と初キス?◈
・・・ーーートントン、トンッ
銀「ん~・・・?」
目覚ましよりも早く起きたって珍しくねェ?
普段ならあり得ないな。頭を掻きながらまだ覚めきらない思考を動かす。
銀「(相変わらず早起きな奴)」
昨夜、隣に敷かれていた筈の布団は綺麗に片付けられていた。遠くに聞こえる音から察するに朝飯作ってんだろうな。
俺の嫁さん発言から一週間が経ち。今では定着してる。アイツの性格の良さなのか、人付き合いも上手くやってるようだ。いつの間にか、アイツを通して依頼があったりするしな。結果オーライってヤツ。
『・・・あ、銀。おはようございます。珍しいですね。こんな早くに起きてくるのは』
銀「はよ。なんか、目が覚めたんだよ」
『朝御飯もう少しで出来ますから』
銀「ん・・・」
嫁、なんて言うとは自分でも思わなかったなァ。
偽名ってことにだって出来たのに、そうしなかったのはアイツに此処に居ていい理由をやりたかったからだろうな。居場所がないって言うなら作っちまえばいい、そう思った。
だからってワケじゃねェけど。嫁ってコトなら俺と居ていい理由にはなるだろ? まぁ、この状況がメチャクチャ嬉しいとか思ってますけどねッ!!
だってよォ?ずっと惚れ込んでた女が今は嫁だよ?こんなおいしい状況ないじゃん。偽りってんなら本物に変えりゃいいだけだし。放ったらかしにして他の野郎に横取りされたくねェの。なんて、みっともねェ独占欲剥き出しにしてるクセに肝心な言葉は出て来ねぇってんだから情けないよねェ、銀さんって。
神「おはよ~アル」
『おはようございます。今、用意しますから顔洗ってくださいね』
神「は~い。銀ちゃんが起きてるのは珍しいネ。今日は槍でも降るんじゃない」
銀「んなもん、降ったら死ぬからね?」
『そもそも降りませんよ。ですが、頭上注意した方がいいかもしれせんね(微笑)』
銀「お前が言うとシャレになんないから止めてくんない・・・ι」
『ふふっ。さぁ、朝御飯にしましょうか』
神「いっただきま~す!」
酷い言われようだな、まったく。大体、頭上注意って怖いコト言うよなァ。アイツの言葉は当たるから怖いンだよ、マジで・・・。
銀「(やっぱ、うめェな。こうしてアイツと居る様になって幸せってヤツを感じる様になった。惚れた方が負けってヤツかな)」
『どうかしましたか?』
銀「いや、なんでもない・・・」
『?』
此処が少しでもコイツの居場所になってるならいいんだけどよ。本音はいつだって言わないような奴だ。俺の居ない間に居なくなってんじゃねーかって不安になる時がある。
ーーーーーー・・・
銀「・・・・・・ι」
気まずいんですけどォォォッ!!
元気に外へと飛び出して行った神楽と定春の居ない家に二人きりだよ?一週間は経つけどさぁ、未だに会話出来てないンだよねェ・・・。話題がないってのもあるけど、こんなにも話すコトないとは思わなかったよ。昔もそんなに話すコトってなかったけど、年取った分もう少し会話出来ると思ってたんだよねェ、実は。他の女?とは平気なのにコイツに限っては上手く言葉にならないとか。中学男子かァァァッ!?
チラリ、
ジャンプを読むフリして家事をするアイツをチラ見ーーー・・・。
銀「(働き者だねェ。そんなに忙しなく動いて疲れないんだろうか?)」
働きもしないでダラダラしてる俺が言うのもおかしいけど。
昔からだよな。休む暇さえ惜しいのかってくらい動いてはヅラの小言を流して休みもしねェで怪我人の世話してさ。人には休めって言っといて自分は平気だって笑うんだよ。最後には呆れた兄貴が強制的に休ませたっけな。アレには大人しく従ってたのがムカつくンだけどね。
銀「(そもそも俺ァ、そんな気遣いの言葉さえ掛けらんなかったんだけど・・・ι)」
あの頃よりは大人になったつもりではいるが、結局のところ、ヘタレは直ってないらしい。情けないぜ。
『銀?』
銀「ん~」
『家事を済ませたので買い物行きますけど、何かあります?』
銀「買い、物?一人で?」
『買い物くらい一人で出来ますよ?子供じゃないんですから』
銀「お前が行かなくても新八がいんだろう」
『今日はお通さんのライブだと言っていたじゃないですか』
銀「あ・・・」
『欲しい物、ありますか?』
銀「・・・」
『銀?』
一人で買い物なんかさせたら危ないンじゃ?
それどころか、帰って来なかったり・・・?
いやいやいやッ!!そんなワケないな!うん、だって、ほらッ、離さねェって約束したしな!一人で買い物くらい大丈夫だろう。・・・・・・ーーー否、待てよ? 一人で歩かせて他の野郎に言い寄られたりしないよね?一目惚れ、とか?
『ごめんなさい。わたし、貴方よりも彼を愛してるのvV』
ガーンッ・・・
なんか、妄想しただけでダメージデカイよ、コレ。現実だったら死ぬんじゃね?
つーか、こんなに好きなのかよ俺!?
もう大ッッッッッ好きじゃんか!?
大好き通り越す勢いじゃんかァァァッ!?
『銀?大丈夫ですか?』
銀「大丈夫、じゃない・・・//」
『具合悪いの?』
銀「違う・・・。買い物、行くんだろう?俺も行く」
『え?』
銀「置いてくぞ」
『・・・はい(微笑)』
あ~~~・・・クッソ、可愛いなァコノヤロー。
兄貴も低いがコイツも低いンだよ、身長。150ちょっと位か?小柄だよなァ。こんなんで刀振り回してたとか想像できないぜ、多分。長い黒髪は艶々だし。年の割に幼い顔してるし。性格良いし、料理も家事も万能だし。人に好かれやすいし。
銀「(完璧過ぎない?コイツの欠点っていやァ)」
頑固で、本音を言うのが苦手で、自分よりも他人で・・・頼ろうとしねェ。
『銀?どうかしたんですか?顔、怖いですよ?』
銀「・・・なんでもねーよ」
『ぁ・・・
「おや、あやめちゃんじゃないか。旦那と買い物かい?」
・・・はい。珍しく付き合ってくれて』
「そうかい。いや~、銀さんには勿体ない位の別嬪さんを嫁にするとは。逃げられないように気を付けなよ、銀さん!」
銀「うるせェ。余計なお世話だっつーの!」
『ふふっ』
逃げられないように、か。こんな茶番がいつまで続くか分からねェけど。今は少しでもコイツの傍に居たい。誰にも頼らずにずっと独りで生きていたんだ。せめて、一番近くに、直ぐ助けられる様に。
「あら、銀さん!奥さん連れてデートかい?若いねェ」
銀「で、デートじゃねェ///!?つーか、そのニヤニヤすんの止めてくんないッ!?」
「照れちゃって。新婚気分で良いじゃないかvV」
銀「~~・・・//」
『あらあら。(流石に恥ずかしい様ですね。こうなるとは考えなかったんでしょうから仕方ないですが・・・)』
銀「・・・ンだよ//」
『いえ、何も。(そんな顔されたら勘違いしてしまいそうになります)』
ッたく。年寄りってのはなんであーもからかいたくなるのかねェ。コッチはそれどころじゃねーっての。
偽りの夫婦であってデートじゃない。そもそも、告白してないし。付き合ってもない。寧ろ、コレが初デートなんだけ、ど・・・・・・。
・・・・デートだとォォォッーー!
『デート・・・初めてしました(微笑)』
銀「ッ!? ふ、ふ~ん。初めてなんだ。ヘェ~・・・」
『男性と二人並んで歩くなんてありませんでしたからね』
銀「いい奴居なかったのか?」
『居ませんね。というか、私が心から恋慕う方は今も昔もたった一人なので(微笑)』
銀「ヘェー、随分と惚れ込んでるってワケか。そんなにいい男なワケ?」
『私にとってはいい男ですよ』
そう言って笑うその横顔は女の顔だ。色っぽくて、俺の知らないアイツがいた。知れたことは嬉しいが、その顔が俺に向けられたものじゃないのが・・・悔しくて苦しい。
『ありがとうございます。・・・銀?』
銀「こんくらい持つ。稼ぎもない旦那なのに全部嫁さん任せってのも気が引けるからな」
『私は気にしませんけど。でも、ありがとうございます(微笑)』
銀「・・・おぅ//」
あ~~~・・・もうっ!!いちいち可愛いすぎんだよ!その笑顔に銀さん、ドッキドキです!
?「あら、銀さん」
銀「(げっ、お妙。なんか、嫌な予感しかしないんだけど・・・ι)」
妙「そちらが奥様ですね。初めまして志村 妙です。新ちゃんから事情は聞いてますよ。本当に綺麗な人で。銀さんったら居るなら教えてくれればいいのに」
『坂田 あやめです。新八君には苦労を掛けてしまって申し訳ありません。こんな夫ですがこれからも仲良くしてくださると助かります』
妙「まぁ・・・! 銀さんには勿体ない常識人じゃないですか。結婚詐欺じゃないですよね?銀さん」
銀「そんなことするように見えるのかよ?!」
妙「だって、銀さんだし」
銀「だって、じゃねェよ!俺ァそこまで腐ってませんーーッ!お前の中の俺ってどんななの?怖いンだけど。 例えばだよ。例えば、結婚詐欺だとしてもお前は選ばれない・・・グハァッ!!」
妙「・・・やだ、銀さんったら!」
本気の右ストレート決めといて何可愛いこっぶてんの?あの雌ゴリラ。ッたく、さっさと別れねーと俺の身が持たないーー・・・。
一人ではしゃいでるお妙を無視してアイツを探す。いつの間にか居ないって止めて欲しい、マジで。
銀「(何処行った・・・)
・・・ーーあ」
辺りを見渡して見つけたアイツは小さなガキといた。転んだらしいガキを慰めてる。
妙「優しい人ですね」
銀「まぁな。優しすぎて心配になるけど」
妙「銀さんでも心配したりするんですね」
銀「するわ。・・・嫁さん、だしな」
妙「ふふっ。私はこれで。奥さん泣かせちゃダメですよ」
銀「おう」
泣かすも何も、泣いたとこ見たことねーっての。我慢してんだろうけど、俺にくらいは見せて欲しいって思う。
『・・・銀』
銀「いきなり消えるなよ」
『すみません。ほっとけなくて。お話は済んだんですか?』
銀「ああ。買い物終わりだろ?帰ろうぜ」
『はい・・・! あの、銀』
銀「はぐれない様に、だ・・・//」
『そうですか』
ビックリしたァァァーー!?
だってよ!気が付いたら空いた手で掴んでたんだぜ?!無意識に!怖くない?身体が勝手に動くって怖いわ~。何気に初めて手、繋いだし・・・。柔らかいつーか、小さいつーか、嬉しいですッ!!
銀「(手汗大丈夫か?嫌だったり・・・!)」
チラリ、と見たアイツの顔はなんだか嬉しそうに笑ってた。
銀「(約束、守れそうだな)」
■□■□■
手を繋ぐなんていつ以来でしょうね。小さい頃はよく兄さんが引いてくれた。随分と昔が最後でしたね。まさか、銀から繋いでくるとは予想外でしたけど。
『(困った人・・・)』
偽りの夫婦だからと言って、それらしく振る舞えばいいだけでしょうに。買い物に付き合ってくれたり、手を繋いだり。予想外過ぎて困ってしまいますよ。本当に、困った人です。真意を確かめる勇気もない私の心をこうも乱してくるのだからタチが悪い。
なので、こうしていられることに少からず喜んでいるのは内緒です。
銀「笑い過ぎだ・・・」
『すみません。初めてですね。銀と手を繋ぐのは』
銀「ま、ま~ぁ、夫婦ッだから、な・・・//」
『無理にそうあろうとしなくてもいいのでは?』
銀「無理じゃねェし!このくらい余裕だしィ!」
『手汗凄いですよ?』
銀「き、気のせいだろ・・・アハハ」
『緊張してるじゃないですか。・・・いつも通りの銀で居てくれればいいだけですよ』
銀「・・・お前は、緊張しねェのかよ」
『銀を見てたら緊張も何処かへ行ってしまいました(笑)』
銀「あーそうかいそうかい。緊張してた俺が馬鹿でしたよ」
『そんなことは・・・』
マズイですね。完全に拗ねてしまいました。こうなると機嫌を直してもらうまで時間掛かるんですよねェ。
大きくて広い背中。前よりも逞しく感じるのはそれだけの年月が経っているのだと改めて感じる。ずっと見つめていた背中は何一つ変わっていなかった。きっと、他も変わってなどいないのだろう。道は違えども、きっと。
銀「・・・あのさァ」
『はい?』
銀「隣、歩いてくんない?無理矢理引いてるみたいで嫌なんだけど・・・」
『すみません・・・』
銀「・・・そういやァ、昔から後ろ歩いてたよな。話に混ざりもしないでよ。何考えてたんだ?」
『特に考えてはいませんよ。賑やかな背中を眺めてるのが好きだっただけです。女の私は混ざれない、そう思って見つめてました』
銀「そんなモン眺めて何がいいんだか。あ!その想い人眺めてたんだろ!」
『よく分かりましたね(微笑)』
ピシッ
銀「・・・・・・マジ?」
『ふふっ。情けないですが、告白も出来ない臆病な私は見つめることしか出来ないんですよ。昔も、今も・・・』
銀「・・・」
『銀は恋い焦がれる人居ましたか?』
銀「(それ聞くのかよ・・ι) あ~、まぁ、居るっちゃー居るよ・・・//」
『どんな方です?』
銀「(言えるかァーーッ!大体、言えてたらこんな拗れてねーよ!ッたく) ・・・笑顔が綺麗な女」
『そうですか。実るといいですね。
(それが誰なのか分かりませんが、妬いてしまいそうです)』
銀「(コイツ、絶対ェ分かってない上に勘違いしてるだろ。いつか必ず、伝えねェと・・・・・・いつだろι)」
いつか、この夢が覚める日が来ると思うと苦しい様な気もしますが。今はまだ貴方の隣に居ることを許して下さいね? その想いが実る、その日までーー・・・。
銀「何笑ってんの?」
『さぁ、何故でしょう(微笑)』
銀「(コッチの気も知らねェで。・・・笑ってんならいっか。この手だけは離さねェからな)」
繋いだ手の温もりを染々と感じながらたわいもない幸せを噛み締めて家へと帰る。
■□■□■□
神「それでね!」
『あらあら、ふふっ』
銀「・・・」
神「銀ちゃん、どうしたの?膨れっ面して。あ!あやめ取られて拗ねてるアルな!独占欲の強い男は嫌われるってマミーが言ってたヨ」
銀「拗ねてねーよ!それに独占欲強くもな・・・なくもないし!」
神「強いアルな」
『そう言えば、神楽ちゃん。新八くんの家にお泊まりするじゃなかったのですか?』
神「はっ!忘れてたネ!まだ用意してないアル!」
『用意してありますよ。あちらに』
神「ほんとネ!ありがとう、あやめ!」
嬉しそうに抱き付いてくる可愛い神楽ちゃんに癒されますね。上機嫌で定春くんと出て行った神楽ちゃんを見送り、戻ると呆れた溜め息を吐く銀に笑う。
銀「ッたく。騒がしい奴だな。お前もお前で甘やかし過ぎじゃね?」
『そうですか?可愛いのでつい、ですかね(微笑)』
銀「ついねェ・・・」
『何です?』
銀「・・・別に」
そう言ってソファに寝転んだ。
言いたいことがあるなら言えばいいのに。言わなくても察しろ、と言われてる気がしますね。一息吐いてソファへ。傍に座りそっと頭を撫でる。何も言わずにされるがまま。寝ているのか、いないのか。どちらにしても撫でらるのは嫌じゃないようです。
『寝てます?』
銀「寝そうです」
『そうですか。夕飯まで寝ていて構いませんよ?』
銀「ん~・・・なぁ」
『ん?』
銀「膝、貸してくんない?」
『構いませんが、どうしたんです?』
銀「いいだろ、別に。・・・嫁に甘えたって//」
『・・・//』
聞こえないと思ってるのでしょうけど、ちゃんと届いてますよ?と言ってしまいたいところですが。不意打ちのコトに顔が熱いので無理です。
何と言いますか、可愛い旦那様ですね(微笑)
まさか甘えたかったとは・・・。
『どこまで演技なんですか?』
銀「いいだろ減るもんじゃねェし。銀さんだって夢見たいんだよ」
ズキッ、と胸が痛む。誰でもいいってコトですか・・・。
『でしたら、夢の続きはさっちゃんさんに見せてもらってください』
銀「は??」
スッと立ち上がり押し入れを開ける。
『申し訳ないのですが甘えたいそうなのでお願いできます?』
猿「え?え~ェ?・・・任せてvV」
『・・・ごゆっくり』
台所で夕飯の支度をしながら騒がしい物音と声を無視して手を動かす。無心で。何も考えずに。
『(此処に残ったのは間違いだったのでしょうか?)』
一緒に居られるだけでいいと思ったのに。
一緒に居る方が欲が出てしまうなんて・・。
欲張りですね、私は。想いを伝えるコトが出来ない臆病者なのに。私にだけ、と思ってしまうなんて・・・。我ながら情けないです。
『偽りでなるものではないですね・・・(ポツリ』
銀「おい・・・」
『さっちゃんさんは?』
銀「窓から捨てた。そんなことは今はどッーでもいいんだよ」
あ、これは本気で怒ってますね。誰でもいいのだし、綺麗な人ではありますからいいと思うのですけど。
とんッ、
シンクに手を置き、閉じ込められた。逃げ出せるだけの隙はない。見下ろす表情は不機嫌だけを全面に出していた。
銀「俺言ったよな?嫁に甘えたいって。なんであの変態にバトンタッチしてんの?俺なんて興味ないワケ。偽りだろうが今は夫婦だろ?そんで嫁はお前だろ」
『夢を見たいと言っていたので誰でもいいのかと。ずっと視線を感じるもの正直気になりますから』
ずっと監視されてるようで気が休まらない。敵意はないと言っても慣れはしないでしょうね。
銀「・・・」
『銀?』
切なそうな表情をする彼から目が離せない。その表情が意味するのは何なのか、私には分からない。でも、今にも泣き出しそうで。無意識に手を伸ばして頬に触れていた。
銀「誰でもいいワケじゃねェ・・・あやめがいい」
『・・・ごめんなさい』
銀「俺も、言い方、悪かった・・・」
肩口に顔を埋めた銀にドキドキしながら頭を撫でる。この温もりが愛しいと感じてしまうのだから負けたのは私の方なのでしょうね。
『今日はどうしたんですか?らしくないですね』
銀「自分でも分かってるよ。・・・ただ、俺の、嫁なのに、神楽にばっか構うから・・・//」
『ヤキモチですか?』
銀「・・・・・・・・・悪ィかよ(ポツリ」
『(もう、諦めるしかないですね。信じると決めたのだから)
ヤキモチなんて可愛いコト出来たんですね』
銀「可愛いは余計だ//」
『仕方ない旦那様ですね』
銀「!?」
広い背中に手を回してトントン、と叩いてみる。
甘やかせと言われても何をしてあげればいいのだろう? そもそも、私は男性とのお付き合いの経験はない。何をしたら喜ぶのかも分からないので困ってしまう。
『(銀の匂いに酔いそうですね。心音が届いてしまわないか心配です・・・ι)』
銀「(あやめの匂い、落ち着くな。柔らかいし、小さい・・・離したくねェな)」
『銀?夕飯の支度、出来ないんですが・・・』
銀「・・・ん」
身体が離れるとまだ何か言いたそうな顔が見えた。
まだ甘えたりないのか。名残惜しいのか。なんだか、その顔が可愛らしいくて。襟元を軽く引いて、背伸びをすれば顔が近付いた。
チュ、
銀「・・・へ?」
『もう少しで終わりますから待っていてください』
銀「ぁ、あの、あやめさん?今ー・・・」
『私、男性の頬に口付けしたの初めてです(微笑)』
銀「・・・~~////!?」
『ふふっ』
我ながらやり過ぎたでしょうか? 他の方法が思い付かなかったのですが。軽々しくするものではないのですが、そうしたいと思ってしまったというか・・・今になって恥ずかしくなってきました///
『(真っ赤になった顔が可愛いと思ったのは言わないで置きましょう。拗ねてしまったら困りますからね)』
銀「(初チューが頬って嬉しいけど、もの足りねェな。意外と積極的な所あるよね。可愛くて仕方ないんだけど///)」
ーーーーー・・・
夕飯の支度を終えて、居間に戻れば銀はソファで寝ていた。
『銀?』
ソファの傍に座り、銀色を撫でた。ふわふわの天パ。
昔から私が見ていたのは貴方の背中だと言ったら、どんな顔をするのでしょうね。
銀「ん、ん~」
『銀?・・・ッ!?』
銀「スー・・・」
『・・・ι』
困りました。いきなり手を掴まれるから起きたのかと思えば、凄い力で引っ張られた挙げ句にソファと銀の間にすっぽり収まってしまった。収まったと言うか、収められた? 今日は一体、どうしたのでしょうね? ドキドキし過ぎて、心臓が壊れそうです///
『(温かい・・・。どうしてこうも、期待ばかりさせるのですか・・・?)』
いえ、違いますね。勝手に期待してはそれを振り払おうとしているだけです。
私は私が分からなくなりそうなんですよ?
幸せなどなってはいけない、そう言い聞かせるのに。貴方の傍に居ると揺らいでしまう。
ダメですね。全てを吐き出せたら、どれだけ楽になるだろうか。全てを吐き出して、貴方に助けを求められたらどれだけ、心強いだろうか。
『(身勝手もいいとこね・・・今は、この温もりに身を委ねるコトを許してください)』
心地良い心音を聞きながら眠りについた。
銀「・・・ι」
『スー・・・スー・・・』
銀「(我ながら、ズルいな。・・・コイツもコイツで俺をどうしたいんだか。まっ、いっか。今はこのままで)」
ちゅ、
銀「(いつか唇にしたいんだけど、いつになるんだろうι?) ・・・おやすみ」
二人仲良く眠って。起きたのは日が沈んでからだった。
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