◎世界観説明３　人外とは

１　世界霊魂とは

　ここでは、一般的に「人外（じんがい）」と呼称されている生命体について解説します。
「人外」とは、基本的には人間や一般の動物とは異なる生まれ方をします。
　そして通常は、人間始め普通の生き物の平均を大きく超える能力を持った特殊な生き物です（例外は存在します）。

　通常の「人外」が生まれるには、我々が暮らすこの地球という惑星の魂である「世界霊魂」と、その噴出孔となる「門」が必要になります。

「世界霊魂」は、文字通り、この地球という惑星事態の霊魂です。
　見えないし、現在の技術では計測もできないのですが、確固として存在します。
　地球そのものはもちろんのこと、地球上に生きるありとあらゆる生き物を支えている、生命の根源が「世界霊魂」です。

「世界霊魂」は、人間などの個々の生命体とは比べ物にならないほどの巨大さを持つ霊魂す。
　人間はもちろん、人外を含む全ての生命を飲み込んで存在しています。
　登場するほとんどの人外の個別の霊魂は、地球の巨大な霊魂に由来するものです。
　ほとんどの人外は、世界霊魂が、後述の「門」を通じて噴出した姿です。



２　門とは

「門」とは、人外が生まれるのに際して機能する、その人外の性質や外見を決定する霊的な要素です。
　この「門」を通じて「世界霊魂」の一部が噴出することにより、新たな生命となり、「人外」が誕生するという仕組みになっています。

「門」は通常、特定の集団の文化や宗教、神話、伝説伝承、迷信などの広く共有されている精神的要素です。
　それ以外にも、理念、美意識、またはダイレクトに集合無意識なども「門」になることがあります。

　また、海や山、火山や湖、巨大な岩、森、広大な大地や天空、気候、天文現象などの自然も、また「門」に成り得ます。

　基本的に一個人の妄想などでは「門」にはなりえません。
　ある一定の規模の集団の、集合無意識レベルに浸透した霊的・自然的要素が「門」となりうるのです。

「村の鎮守の神様」程度のものでも、「ある一定以上の文化的水準を保つことが可能な集団の集合無意識に根ざすもの」であるので、「門」になることが可能です。

　この「門」は、無論支えるものが巨大であればあるほど、強力な人外を生み出せます。
「門」がこの地球そのものである自然現象などから生まれる人外は、おしなべて人間の集合無意識などに根ざす妖怪よりもはるかに強力で、性質も超然として人間離れしている傾向にあります。
　こうした存在は、通常「人外」というより「神」として認識される場合が多いのです。

　こうした存在は、一種世界の秩序そのものを司るものとして存在しています。
　有名どころだと、中国の四方位を司る四神などでしょうか。

　人間の精神活動由来のものでも、例えば世界規模の巨大宗教などを「門」にして生まれる人外などは、自然由来の妖怪に匹敵する力を持つ場合があります。
　この場合も、宗教に根ざす強力な存在は「神」、もしくはそれに準じる「神的存在」などとされるのです。
　一神教の神話の天使たちや、各地の神話の半神たちがそれに当たります。

　例外として、妖怪の両親または片親から生まれる妖怪は、その親を「門」として生まれるため、親の影響を強く受けた外見性質を持って生まれます。
　その一方、「世界霊魂」との繋がりもあるため、場合によっては両親の形質や性質を超えた形質・性質を持って生まれてくる場合もありうるのが面白いところです。
　つまり、両親の性質に加え、彼らにはなかったものが世界霊魂によって上乗せされて生まれてくる場合もあるのです。
　この場合、当然人外としての力量は、両親を上回るものとなります