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恋になるまで、側にいて。【Main Story】















「……あぁ、知ってたぜ。」









今度は自然に、瞼を閉じた。

何も見えない暗闇でも怖くない。

帝統の温かさと存在を、0cmの距離で感じるから。



後悔と罪悪感と、苦しさでいっぱいだった私の部屋。
いつの間にか、開いていた窓から心地いい風が流れ込んできて、
ふわふわとした軽い空気に変わったみたいだった。

先に眠ってしまったテレビの暗い画面も、優しく見える。
帝統が、私の汚い感情を全部、無くしてくれたお陰だ。


“大好き”は、なんだか少し安い言葉に聞こえるけれど、
私の本心で、一番伝えたかったこと。
同時に今まで、伝えられなかったこと。
誰にどう思われようが、これが私の全部だ。

それ以外に表現出来ないくらい、私は帝統が好きで、
ずっと恋をしている。

きっと、これからも。











「…………俺も、ずっと好きだ。」













二回目の、ちょっと長いキスの終わり、
帝統が言った。
私たちは映画や漫画みたいに、最初から綺麗な恋は出来なかったけど、

なんとなく、幸せって、こういう気持ちのことを言うんだろうと思った。
初めて、帝統の諦めが悪くて救われた日だった。



































それから月に見守られて2人、同じベッドに潜った。
眠るまでの間、私も帝統も、何も言わなかった。

…元々、情熱的に語り合うキャラじゃないし。

もう悲しくも、苦しくもなかったけど、
私はベッドに入った後、帝統の腕の中でまた少し、泣いた。
多分、安心したのと、ちょっと疲れたせいだ。

明日、休みだし、
今日くらいはまぁ、仕方無い。
涙って、止めようと思って止められるものじゃない。
流せる時に流して、もう一度笑えれば、それで。







『…おやすみ、帝統。』







既に私の頭上で寝息を立てていた帝統。
明日、隣に帝統がいて、起きても消えない想いがある。

嬉しくて、幸せで、
幸せすぎてちょっと怖い気もするけど、大丈夫。

複雑な思いが、心を埋め尽くしていた。










(明日……、

朝ご飯、何にしよう…。)












私は月明かりの下でもう少し、そんな気持ちを噛み締めていたいと思った。
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