📂file6

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「おい…起きろ…」

肩をゆすられる感覚。俺はゆっくりと体を起こした。
どうやら2人そろって書斎で寝落ちしてしまったらしい。まどろんでいる間、俺はこの屋敷に来たときのことを思い出していた。はじめて彼女と出会い、その姿に童話に描かれるような天使を重ねてしまった日のことを。
まだあの余韻から戻ってこられないでいるとダフネが口を開いた。

「おまえ、さっきまで何をしてたか覚えてるか?」
「どうしたんだダフネ、いきなりそんなこと言って…。ダフネの部屋で服が見つかってそれで…そのあとは互いに部屋に戻ったはずだったが。」

彼女はすこし考えるようなそぶりをして、「そうだった。」とつぶやいた。彼女自身もあまり覚えていないのだろう。
にしても2人揃って寝落ちしたのであれば…頑張れば彼女の寝顔を拝むことが出来たかもしれない。惜しいことをしたと思いつつ、ふと先程からダフネが妙に項垂れて見えることが気になった。

「大丈夫か?ダフネ、元気がなさそうに見えるが…。」
「ここで寝落ちしたから寝違えたんだ。首が痛い。」
「そうか…俺の手ではマッサージしてやれないのが残念だ。」
「ん、平気。たぶん軽いやつだから。」

そう言って彼女は部屋に戻っていった。その背中を見送りつつ、今日は外に誘えなかったなと、ほんの少し後悔した。



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