📂file4
記録開始
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ここまでに起きたことを簡潔にまとめよう。
ダフネがペンダントを付けた状態で俺の手を握ると、原理は不明だが彼女の姿が変化した。元に戻る方法を模索した結果ダフネが編み出した方法は「戦いが終われば変身が解けるのでは」という荒唐無稽な物だった。そしてダフネは俺に向けてレーザー状の攻撃を仕掛けてきた…かに思われたがレーザーは俺の斜め後ろめがけて発射され…。
「痛ああ!!!!!絶対焦げたじゃんこれ!!!」
知らない声が部屋に響く。声はこの書斎内の窓側から聞こえるものの、姿は確認できない。
「な…誰だ…!?」
相手の出方が分からないため、俺は声のした方を向いて警戒態勢をとった。
「ダフネ、何か聞こえるか…」
「静かに。息もするな。」
ダフネの視線がゆっくり、声とは逆の方向へ動く。その手がいきなり何もない場所をつかんだ。直後、まるで幕が張られていたかのように彼女の掴んだ空間がゆがむ。動体視力にはそこそこ自信のある俺でも彼女の動きを目で追うことは出来なかった。
「見つけた。もう観念しろ。」
そう言って彼女は幕のようなものを掴んだまま思い切り引っ張った。先ほどまで周囲の風景を映していた幕がただの黒い布になる。その布の下からは黒いなにかが顔を出した。
「、あ…!えと、ああ…っ」
完全に布がはぎ取られると黒い生き物はその場で硬直し、なにかを言おうとああだのなんだの口籠もっていた。中性的な声だが服装から察するにおそらく少女であろう。そいつはヒトのような長い白髪を揺らめかせ、そのままでも十分なほど隠れている顔を、鋭利な形の両手で覆い隠した。
「恥ずかしがっているのか、あるいは怖がっているのだろうな。」
「うーむ…なぁ、これかぶってたら話せるか?」
さすがに可哀想に思えてきたのかダフネが黒い布を差し出しながら声をかけた。
黒い生き物は覆っていた手をすこし開き、氷のような色をした目を覗かせると、右手をさっと動かしダフネから黒い布をひったくるように受け取った。黒い生き物がそれを被ると布はまわりの景色と寸分違わず溶け込んだ。ただ先ほどとは違い、黒い顔と淡い空色の瞳が宙に浮かんで見えた。多分顔だけ外に出しているんだろう。なかなかシュールな光景だ。
「もー、話がちがうじゃないのさ。」
ちょうど黒い生き物の横から声が聞こえる。先ほど痛みに悶絶していたあの声だ。
「あのちっさい奴のことは気付かなかったじゃんかー!ていうか!おでこ痛いんですけど!!あなたを傷害罪で訴えますっ!!!理由はもちろんお分かりですねっ!!!!」
そう言いながら声の主は布を取り払い、短い腕を精一杯こちらに向けた。三日月をそのまま被ったような頭。両手と背中には羽衣のようなものがくっついている。先ほどから散々痛いとわめいている通り、額にはたしかに濃い桃色の楕円型の膨らみがあった。
「すごくおおきなたんこぶが出来ているな。私としてはちょっと焦げるくらいのつもりだったんだけど。」
「だからお前の力加減は信用ならんと…」
「む…すまない…えっと…三日月ぽい奴。」
「ちょっと待って。三日月っぽい奴って呼ぶのはまあいいわ。あたしの何見てたんこぶって言ってるのよ。」
「私はおまえのおでこを見て…。」
「俺も同じだ。額にある楕円形の…」
「これたんこぶじゃないし!!!そういう器官だし!!!」
「なら大丈夫だ。傷ついてなくてよかった。貫通してたらどうしようかと。」
「あんた焦げる程度とか言ってたのにそんなガバい算段で技撃ってたの!?ほんっっっとにさぁ…」
三日月頭は苦い顔をしながら盛大にため息をついた。そして先ほどから息をころしてクスクスと笑っている黒い奴に向き直ると、
「ちょっと!あんたも笑ってないでなんとか言いなさいよ!!!」
と、がなりながら短い手で必死につかみかかろうとしていた。
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ここまでに起きたことを簡潔にまとめよう。
ダフネがペンダントを付けた状態で俺の手を握ると、原理は不明だが彼女の姿が変化した。元に戻る方法を模索した結果ダフネが編み出した方法は「戦いが終われば変身が解けるのでは」という荒唐無稽な物だった。そしてダフネは俺に向けてレーザー状の攻撃を仕掛けてきた…かに思われたがレーザーは俺の斜め後ろめがけて発射され…。
「痛ああ!!!!!絶対焦げたじゃんこれ!!!」
知らない声が部屋に響く。声はこの書斎内の窓側から聞こえるものの、姿は確認できない。
「な…誰だ…!?」
相手の出方が分からないため、俺は声のした方を向いて警戒態勢をとった。
「ダフネ、何か聞こえるか…」
「静かに。息もするな。」
ダフネの視線がゆっくり、声とは逆の方向へ動く。その手がいきなり何もない場所をつかんだ。直後、まるで幕が張られていたかのように彼女の掴んだ空間がゆがむ。動体視力にはそこそこ自信のある俺でも彼女の動きを目で追うことは出来なかった。
「見つけた。もう観念しろ。」
そう言って彼女は幕のようなものを掴んだまま思い切り引っ張った。先ほどまで周囲の風景を映していた幕がただの黒い布になる。その布の下からは黒いなにかが顔を出した。
「、あ…!えと、ああ…っ」
完全に布がはぎ取られると黒い生き物はその場で硬直し、なにかを言おうとああだのなんだの口籠もっていた。中性的な声だが服装から察するにおそらく少女であろう。そいつはヒトのような長い白髪を揺らめかせ、そのままでも十分なほど隠れている顔を、鋭利な形の両手で覆い隠した。
「恥ずかしがっているのか、あるいは怖がっているのだろうな。」
「うーむ…なぁ、これかぶってたら話せるか?」
さすがに可哀想に思えてきたのかダフネが黒い布を差し出しながら声をかけた。
黒い生き物は覆っていた手をすこし開き、氷のような色をした目を覗かせると、右手をさっと動かしダフネから黒い布をひったくるように受け取った。黒い生き物がそれを被ると布はまわりの景色と寸分違わず溶け込んだ。ただ先ほどとは違い、黒い顔と淡い空色の瞳が宙に浮かんで見えた。多分顔だけ外に出しているんだろう。なかなかシュールな光景だ。
「もー、話がちがうじゃないのさ。」
ちょうど黒い生き物の横から声が聞こえる。先ほど痛みに悶絶していたあの声だ。
「あのちっさい奴のことは気付かなかったじゃんかー!ていうか!おでこ痛いんですけど!!あなたを傷害罪で訴えますっ!!!理由はもちろんお分かりですねっ!!!!」
そう言いながら声の主は布を取り払い、短い腕を精一杯こちらに向けた。三日月をそのまま被ったような頭。両手と背中には羽衣のようなものがくっついている。先ほどから散々痛いとわめいている通り、額にはたしかに濃い桃色の楕円型の膨らみがあった。
「すごくおおきなたんこぶが出来ているな。私としてはちょっと焦げるくらいのつもりだったんだけど。」
「だからお前の力加減は信用ならんと…」
「む…すまない…えっと…三日月ぽい奴。」
「ちょっと待って。三日月っぽい奴って呼ぶのはまあいいわ。あたしの何見てたんこぶって言ってるのよ。」
「私はおまえのおでこを見て…。」
「俺も同じだ。額にある楕円形の…」
「これたんこぶじゃないし!!!そういう器官だし!!!」
「なら大丈夫だ。傷ついてなくてよかった。貫通してたらどうしようかと。」
「あんた焦げる程度とか言ってたのにそんなガバい算段で技撃ってたの!?ほんっっっとにさぁ…」
三日月頭は苦い顔をしながら盛大にため息をついた。そして先ほどから息をころしてクスクスと笑っている黒い奴に向き直ると、
「ちょっと!あんたも笑ってないでなんとか言いなさいよ!!!」
と、がなりながら短い手で必死につかみかかろうとしていた。
