Hallelujah 前編
彼女の名前を呼ぶダイの声がして、僕は目を開いた。
ダイが身じろぎして起き上がる。
「…あれ、寝てた? 俺……」
「うん。」
ほっとして身体を寄せると、ダイが優しく抱きしめてくれた。
「何か、思い出したの?」
「…………」
ダイは、少しばつが悪そうに黙った。
僕に気を遣っているらしい。
僕は、ダイの顔を覗き込んで微笑んだ。
「ダイ、せっかくだし、大尉と真桜さんのお墓参りに行く? 確か、近くだよ。」
僕たちは、ダイのお祖父さんに別れを告げて、関西空港からイギリスに向かおうと近くのホテルに泊まっていた。
フライトは予約しているけど、大学は休学したし、別に急ぐわけじゃない。
「……え。」
ダイは、大きな目を丸くした。
「……けど、俺たちにとっては、大尉のお墓は…、あの桜の樹じゃん…」
俯いて小さな声でぶつぶつ言っているダイは、なんだか可愛かった。
僕は、少し尖ったダイの唇にちゅっとキスをした。
「…ほんと言うとね、僕、行ったことないんだ。けど…、今なら…、ダイとなら、ちゃんとご挨拶できるかな…って。」
大尉の命を守れず、真桜さんを一人にしてしまった罪悪感は、消えはしないけど。
御台さまの想いを知った今は、真桜さんにも、たぶん真桜さんと一緒に眠っているだろう大尉にも、きちんと向き合いたいと思う。
そう言うと、ダイは嬉しそうに目を細めた。
僕は、ダイがシャワーを浴びている間に、こっそりタカヒコに電話して、大尉と真桜さんのお墓があるお寺の名前と場所を聞いた。
以前も聞いたことがあるんだけど、ずいぶん時間が経って、忘れてしまったんだ。
このホテルから電車で1時間もかからない場所にあると分かり、僕は急いで準備を始めた。
ダイが身じろぎして起き上がる。
「…あれ、寝てた? 俺……」
「うん。」
ほっとして身体を寄せると、ダイが優しく抱きしめてくれた。
「何か、思い出したの?」
「…………」
ダイは、少しばつが悪そうに黙った。
僕に気を遣っているらしい。
僕は、ダイの顔を覗き込んで微笑んだ。
「ダイ、せっかくだし、大尉と真桜さんのお墓参りに行く? 確か、近くだよ。」
僕たちは、ダイのお祖父さんに別れを告げて、関西空港からイギリスに向かおうと近くのホテルに泊まっていた。
フライトは予約しているけど、大学は休学したし、別に急ぐわけじゃない。
「……え。」
ダイは、大きな目を丸くした。
「……けど、俺たちにとっては、大尉のお墓は…、あの桜の樹じゃん…」
俯いて小さな声でぶつぶつ言っているダイは、なんだか可愛かった。
僕は、少し尖ったダイの唇にちゅっとキスをした。
「…ほんと言うとね、僕、行ったことないんだ。けど…、今なら…、ダイとなら、ちゃんとご挨拶できるかな…って。」
大尉の命を守れず、真桜さんを一人にしてしまった罪悪感は、消えはしないけど。
御台さまの想いを知った今は、真桜さんにも、たぶん真桜さんと一緒に眠っているだろう大尉にも、きちんと向き合いたいと思う。
そう言うと、ダイは嬉しそうに目を細めた。
僕は、ダイがシャワーを浴びている間に、こっそりタカヒコに電話して、大尉と真桜さんのお墓があるお寺の名前と場所を聞いた。
以前も聞いたことがあるんだけど、ずいぶん時間が経って、忘れてしまったんだ。
このホテルから電車で1時間もかからない場所にあると分かり、僕は急いで準備を始めた。