Depth of Life
ユヅとダイに会うのは、ほぼ1年ぶりだった。
彼らはダイを変身させるため、無人島にこもったきり、出てこなかったのだ。
…まぁ、俺もジェーニャと巡り会った後はしばらく2人きりで引きこもっていたし、人のことは言えない。
便りがないのは上手く行っている証拠だと思っていたから、それは別に構わないんだが。
「やぁ、久しぶり。」
仲良く並んで現れた2人に、俺は驚きを隠せなかった。
肉体的な変化が大きかったのはダイのはずなのに、ユヅのあまりの変貌ぶりに目が釘付けになってしまう。
「ほんとに久しぶりね。元気だった?」
ぼんやりしている俺の脇腹を小突いて、隣のジェーニャがにこやかに応じた。
「うん、元気だったよ。…ね、ダイ。」
ユヅが甘えるように隣に立つダイを見やる。
「うん。思った以上にうまく行った。」
微笑んで頷くダイをうっとりと見つめて、ユヅが顔を近づける。
そのまま、キスし始めた2人に、さすがのジェーニャもかける言葉を失っていた。
これまでもダイへの気持ちを隠そうとはしなかったユヅだけど、なんていうか…、これは全然違う。
ユヅは、すべてが満ち足りているように見えた。
何の気負いも照らいもなく、ごく自然にダイの側にいるのだ。
それはそれは幸せそうに。
ダイと想いが通じ合っても、いつもどこかで、やがて来る別れを覚悟しているのか、時折横顔によぎっていた憂いは、跡形もなく消えていた。
不思議なことに、並んだ2人は、生きてきた年数には300年以上の差があるというのに、年相応に見えた。
ダイの方が大人っぽく落ち着いた雰囲気で、ユヅが年下に見えるのだ。
「…あのぅ、おふたりさん。今日呼び出した理由は分かってるわよね?」
ようやく立ち直ったらしいジェーニャが、わざとらしく明るい声を出した。
「…そうだった。ダイ、どうしようか?」
ぴったりと抱き合っていた体を少しだけ離して、ユヅが首をかしげる。
「うーん…。嘘はつきたくないし。言えないことは黙ってるけど、ユヅはちゃんと紹介したいな。」
ダイが穏やかな口調で爆弾発言をする。
しかし、ユヅはすべてをダイに預けて、安心しきっているようだった。
「ダイの好きにすればいいよ。…ね?」
ダイにもたれかかったまま、俺たちの方を見て同意を求めるユヅに、俺たちは黙って顔を見合わせた。
「…ダイとユヅがいいなら、いいんだけど……」
珍しくジェーニャが歯切れの悪い言い方をする。
俺はといえば、あまりに予想外の2人に、まだ一言も発することができないでいた。
彼らはダイを変身させるため、無人島にこもったきり、出てこなかったのだ。
…まぁ、俺もジェーニャと巡り会った後はしばらく2人きりで引きこもっていたし、人のことは言えない。
便りがないのは上手く行っている証拠だと思っていたから、それは別に構わないんだが。
「やぁ、久しぶり。」
仲良く並んで現れた2人に、俺は驚きを隠せなかった。
肉体的な変化が大きかったのはダイのはずなのに、ユヅのあまりの変貌ぶりに目が釘付けになってしまう。
「ほんとに久しぶりね。元気だった?」
ぼんやりしている俺の脇腹を小突いて、隣のジェーニャがにこやかに応じた。
「うん、元気だったよ。…ね、ダイ。」
ユヅが甘えるように隣に立つダイを見やる。
「うん。思った以上にうまく行った。」
微笑んで頷くダイをうっとりと見つめて、ユヅが顔を近づける。
そのまま、キスし始めた2人に、さすがのジェーニャもかける言葉を失っていた。
これまでもダイへの気持ちを隠そうとはしなかったユヅだけど、なんていうか…、これは全然違う。
ユヅは、すべてが満ち足りているように見えた。
何の気負いも照らいもなく、ごく自然にダイの側にいるのだ。
それはそれは幸せそうに。
ダイと想いが通じ合っても、いつもどこかで、やがて来る別れを覚悟しているのか、時折横顔によぎっていた憂いは、跡形もなく消えていた。
不思議なことに、並んだ2人は、生きてきた年数には300年以上の差があるというのに、年相応に見えた。
ダイの方が大人っぽく落ち着いた雰囲気で、ユヅが年下に見えるのだ。
「…あのぅ、おふたりさん。今日呼び出した理由は分かってるわよね?」
ようやく立ち直ったらしいジェーニャが、わざとらしく明るい声を出した。
「…そうだった。ダイ、どうしようか?」
ぴったりと抱き合っていた体を少しだけ離して、ユヅが首をかしげる。
「うーん…。嘘はつきたくないし。言えないことは黙ってるけど、ユヅはちゃんと紹介したいな。」
ダイが穏やかな口調で爆弾発言をする。
しかし、ユヅはすべてをダイに預けて、安心しきっているようだった。
「ダイの好きにすればいいよ。…ね?」
ダイにもたれかかったまま、俺たちの方を見て同意を求めるユヅに、俺たちは黙って顔を見合わせた。
「…ダイとユヅがいいなら、いいんだけど……」
珍しくジェーニャが歯切れの悪い言い方をする。
俺はといえば、あまりに予想外の2人に、まだ一言も発することができないでいた。