The Origin Of Love

@なごり雪


結弦は、自分の中の大輔がゆっくりと出て行く感覚に、閉じていた瞼を開いた。

「結弦……」

大輔の優しい声がして、額に温かな手が当てられる。

「大輔さん……」

大輔がいなくなった感覚が寂しい。

どうして別々の身体なんだろう。

こんなに愛しいのに。

どうしてずっとひとつでいられないのか。

思わずそう口にすると、大輔の瞳が嬉しげに細められた。

「そやけど、ひとつになったら、こうして抱き合って口吸ったり、できひんで?」

からかうような口調で、口付けられる。

「気持ちええことも、なんもないし……」

「……あ、っん……」

「独りでいるんと、おんなじやんか……」

「……あ、あ………っ」

結弦は、甘い声を上げて大輔にしがみついた。

大輔の言葉は、結弦の中でもう意味を成さなかった。


It was a cold dark evening, such a long time ago...
それはもうあんなに昔 冷たくて暗い夜のこと…


It was the sad story how we became lonely two-legged creatures,
僕らがどうやって二本足の淋しい生き物になったのか それは哀しい物語

 
It's the story of the origin of love.
愛の始まりの物語

That's the origin of love.
それが愛の起源



終わり
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