[混ぜるな危険]イナホ×コナン[カオスの予感]
「梓さん、警察を呼んでください!」
「もう、亡くなってる。」
いつも通り、安室とコナンは周りに指示を出し、現場保存に努める。イナホはというと……
「ガチの殺人?!しかも、こんな間近で?!」
流石に目の前に起こった事件に驚いているが、その瞳の奥に好奇心が疼いているのを、USAピョンは見ていた。けれど、周囲の意識が向いていないことをいいことに、イナホは左腕を構え、右手でそのボタンを長押しする。
イナホがこれまで幾度となく繰り返した動作。
青い光が、辺りを照らす。
"普通の人"が視るのことのできない存在……妖怪を視つけるためのもの。しかし、期待する反応は一切なかった。そう、妖怪はいなかったのだ。
「この街で事件が多いのは、ミーたち妖怪のせいじゃないってことダニね。」
「だねぇ~。けど妖怪のせいじゃなくてこんなに事件が多いなんて……。人の業は恐ろしいもんですなぁ。」
調査をさっさと終えたイナホは、誰も気にしていないことをいいことに、USAピョンと話していた。イナホはケータ程妖怪が引き起こす不祥事案件やデカい事件に遭遇していない。
(それは偏にクラスの特徴や彼女の性格によるものだが。)
しかし、それでもハラハラするような事態に遭遇したり、命の危険を感じたりしたことはある。
だが、日常生活で人間からの恨みを買うことは殆どないし、同じ人間にやられるなど考えたこともなかった。だからこその、"恐ろしい"発言である。
閑話休題。
梓が通報してから数分後、白と赤に塗装された車が赤色灯を照らしながら道路に止まった。警察が来た証拠である。普通、緊張感が出る場面なのだが……。
「うひょ~!!本物のパトカー!!本物の刑事!!間近で見られるなんて感激であります!!」
イナホに、"普通"の反応を求める方が無理だ。もうこの数分で慣れた安室とコナンは呆れるだけで何も言わずにいた。パトカーから降り捜査を開始しようとした高木刑事と佐藤刑事は、イナホのテンションに押され戸惑っていたが。
「あれ?コナン君の知り合い?」
「ううん。僕は今日初めて会う人だよ!」
((……だろうな。))
高木刑事はコナンに尋ねながらも内心そう思っていたのだが、佐藤刑事もそれを察した。が、口に出したのはコナンに対する質問の方だったため、心の中でツッコむことになってしまったが。
そしてイナホはと言うと。
パトカーの中に興味津々で近付いたかと思うと窓ガラスにへばりついたまま動かず、中を覗こうとしていた。それにぎょっとした高木刑事は、落ち着きをとり戻すように首を振りイナホを引き離そうとするも、それを察した彼女も負けじと抵抗する。コナンとUSAピョンが慌ててイナホをパトカーから離そうとするがビクともしない。
その攻防を見かねてか、安室がため息まじりに口を出した。
「興奮する気持ちは分かりますが………未空さんは少し落ち着いてください?佐藤刑事達が戸惑ってますよ。」
「安室さんの言う通りダニ!」
「アハハハ……すみません。私って、いつもこうなんですよー。」
相棒にも指摘され、イナホは引き下がる。まだ、不満げではあるが………。その様子に、USAピョンは呆れていた。
現場から少し離れたところで事情聴取が行われ、容疑者と思われる人物が現れた。まぁ、”事情聴取“と言う単語を聞いてスイッチが入りかけたイナホは、USAピョンのベイダーモードで押さえ込まれることとなったが。
現場に入り、刑事と同等の視点で事件を捜査しているコナンと安室を尻目に、イナホは暇を持て余しウロウロしていた。けれどそれは普段とは少し違っていて、USAピョンはそれをすぐに感じ取った。
「イナホ、どうしたんダニ?」
「USAピョン。私、犯人分かったかも。」
「ダニ?!」
「多分なんだけどさ……あの人!」
イナホは周りに目を気にして指を刺す。それは一見事件とは無関係そうな女性であった。
「それ、ホントダニ?」
「私の勘を信じなさい!んで、証拠の事なんだけど、みちび鬼君とかどうかな?あと犯人から自白させるためにバクロ婆さんとか、口すべらしとか。あんま長時間場所拘束されるの、耐えらんないし。」
イナホは真剣な眼差しをしつつもどこか楽しげだ。USAピョンはその様子を見て、ため息をつくもののその提案を受け入れた。イナウサ不思議探偵社としての仕事はとっくに終わっている訳で。USAピョンとしては、イナホがこれ以上暴走しないうちに帰りたいのが本音。イナホに暴走されて周りに迷惑かけるくらいなら、とっとと帰ってしまった方がいいのは、長いとも短いとも言えない付き合いで分かっている。
「じゃ、喚びますか!」
笑顔でサムズアップして見せたイナホに、USAピョンは若干呆れ気味の言葉を返した。
「もう、亡くなってる。」
いつも通り、安室とコナンは周りに指示を出し、現場保存に努める。イナホはというと……
「ガチの殺人?!しかも、こんな間近で?!」
流石に目の前に起こった事件に驚いているが、その瞳の奥に好奇心が疼いているのを、USAピョンは見ていた。けれど、周囲の意識が向いていないことをいいことに、イナホは左腕を構え、右手でそのボタンを長押しする。
イナホがこれまで幾度となく繰り返した動作。
青い光が、辺りを照らす。
"普通の人"が視るのことのできない存在……妖怪を視つけるためのもの。しかし、期待する反応は一切なかった。そう、妖怪はいなかったのだ。
「この街で事件が多いのは、ミーたち妖怪のせいじゃないってことダニね。」
「だねぇ~。けど妖怪のせいじゃなくてこんなに事件が多いなんて……。人の業は恐ろしいもんですなぁ。」
調査をさっさと終えたイナホは、誰も気にしていないことをいいことに、USAピョンと話していた。イナホはケータ程妖怪が引き起こす不祥事案件やデカい事件に遭遇していない。
(それは偏にクラスの特徴や彼女の性格によるものだが。)
しかし、それでもハラハラするような事態に遭遇したり、命の危険を感じたりしたことはある。
だが、日常生活で人間からの恨みを買うことは殆どないし、同じ人間にやられるなど考えたこともなかった。だからこその、"恐ろしい"発言である。
閑話休題。
梓が通報してから数分後、白と赤に塗装された車が赤色灯を照らしながら道路に止まった。警察が来た証拠である。普通、緊張感が出る場面なのだが……。
「うひょ~!!本物のパトカー!!本物の刑事!!間近で見られるなんて感激であります!!」
イナホに、"普通"の反応を求める方が無理だ。もうこの数分で慣れた安室とコナンは呆れるだけで何も言わずにいた。パトカーから降り捜査を開始しようとした高木刑事と佐藤刑事は、イナホのテンションに押され戸惑っていたが。
「あれ?コナン君の知り合い?」
「ううん。僕は今日初めて会う人だよ!」
((……だろうな。))
高木刑事はコナンに尋ねながらも内心そう思っていたのだが、佐藤刑事もそれを察した。が、口に出したのはコナンに対する質問の方だったため、心の中でツッコむことになってしまったが。
そしてイナホはと言うと。
パトカーの中に興味津々で近付いたかと思うと窓ガラスにへばりついたまま動かず、中を覗こうとしていた。それにぎょっとした高木刑事は、落ち着きをとり戻すように首を振りイナホを引き離そうとするも、それを察した彼女も負けじと抵抗する。コナンとUSAピョンが慌ててイナホをパトカーから離そうとするがビクともしない。
その攻防を見かねてか、安室がため息まじりに口を出した。
「興奮する気持ちは分かりますが………未空さんは少し落ち着いてください?佐藤刑事達が戸惑ってますよ。」
「安室さんの言う通りダニ!」
「アハハハ……すみません。私って、いつもこうなんですよー。」
相棒にも指摘され、イナホは引き下がる。まだ、不満げではあるが………。その様子に、USAピョンは呆れていた。
現場から少し離れたところで事情聴取が行われ、容疑者と思われる人物が現れた。まぁ、”事情聴取“と言う単語を聞いてスイッチが入りかけたイナホは、USAピョンのベイダーモードで押さえ込まれることとなったが。
現場に入り、刑事と同等の視点で事件を捜査しているコナンと安室を尻目に、イナホは暇を持て余しウロウロしていた。けれどそれは普段とは少し違っていて、USAピョンはそれをすぐに感じ取った。
「イナホ、どうしたんダニ?」
「USAピョン。私、犯人分かったかも。」
「ダニ?!」
「多分なんだけどさ……あの人!」
イナホは周りに目を気にして指を刺す。それは一見事件とは無関係そうな女性であった。
「それ、ホントダニ?」
「私の勘を信じなさい!んで、証拠の事なんだけど、みちび鬼君とかどうかな?あと犯人から自白させるためにバクロ婆さんとか、口すべらしとか。あんま長時間場所拘束されるの、耐えらんないし。」
イナホは真剣な眼差しをしつつもどこか楽しげだ。USAピョンはその様子を見て、ため息をつくもののその提案を受け入れた。イナウサ不思議探偵社としての仕事はとっくに終わっている訳で。USAピョンとしては、イナホがこれ以上暴走しないうちに帰りたいのが本音。イナホに暴走されて周りに迷惑かけるくらいなら、とっとと帰ってしまった方がいいのは、長いとも短いとも言えない付き合いで分かっている。
「じゃ、喚びますか!」
笑顔でサムズアップして見せたイナホに、USAピョンは若干呆れ気味の言葉を返した。