ハンター試験編
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「ついたよ」
ぱちっと目を開ける。
イルミの腕の中で軽く寝ていたら、あっという間にビスカ森林公園に到着していた。
お腹を支えていた腕が消え、そのまま地面へと足から着地する。
ヒソカも担いでいたレオリオを木の根元へと下ろす。
バイバイ、と手を振り去っていくヒソカと無言のイルミに手を振り返す。
自由奔放なお兄さんたちだこと。
いまだ意識を失っているレオリオの顔を見て、カバンを肩から下ろす。
こういうときのため持ってきた包帯と消毒液を取り出して、応急処置をする。
今となってはもう慣れたものなのだが、この体少々やりにくい。
よし、何もしてないよりはマシだろう。
カバンを閉じて周りをきょろきょろと見渡すと、ふわふわの銀髪と目が合った。
わかってたけど、キルアも無事にたどり着いたのを確認して安心した。
「ゴンを助けに行ったんじゃなかったのか?」
頭の後ろで腕を組んだキルアを見て、そうだったと頭を下げる。
「一人にしてごめんなさい」
「なんでなまえが謝るわけ?」
「だってキルア、拗ねてる」
「は?べつに拗ねてねーし」
真顔で見つめ合ったあと、ふいっとそっぽを向いたキルア。
にらめっこは私の勝ちである。
しばらくして、レオリオの香水の匂いを頼りにゴールしたゴンとクラピカがやってきた。
さすが野生児。
目を覚ましたレオリオの元にゴンたちが集まり、金髪美少年クラピカと初めて対面する。
「うっ、まばゆいほどの美人さん」
「どうした、具合でも悪いのか?」
「気にすんな。こういう病気だ」
「やはり病気か?」
だんだん楽しくなってきたな、ハンター試験。
気を取り直してお互い自己紹介をする。
「しっかしオレ、どうしてこんなにケガしてんだ?あとこの包帯も。どうも記憶がはっきりしなくてよー」
「ケガは知らねーけど、手当てしたのはなまえだろ?」
「え、キルア見てたの」
「見てたも何も、針男に抱えられてすげー目立ってたし」
うわーはずかし!
「ありがとよ、お嬢ちゃん」
「なまえです。どういたしまして、レオリオさん」
「レオリオでいいぜ」
「貴様、私の時はやたらと敬称に文句をつけて食い下がったくせに」
「それはお前がだなぁ!」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めたレオリオとクラピカを眺める。
私はレオリオにお礼を言われた時の、裏表のない良い笑顔に感動していた。
顔ボコボコの包帯まみれだけど。
正午になり、二次試験が開始される。
開始前から獣のうなり声のような音でお腹を鳴らしていた巨体のブハラと、対照的に手足をスラリとさせたメンチの美食ハンター二人が現れた。
「私もお腹ペコペコ」
「お前は朝っぱらから焼肉定食、食ってただろ」
どうしてそれを知ってるんだ、キルアくん。
豚の丸焼きは、暴れ豚を狩って焼くだけの工程なのでほとんどの受験生が難なくクリア。
問題は次の課題だった。
「スシだって。なまえ知ってる?」
純真無垢なゴンに聞かれて、うーんとあごに手を当てて首を横に振る。
知ってるけれど、美食ハンターの舌を納得させるスシが作れるかと聞かれれば答えはノーだ。
そもそもハンゾーがお手軽料理と言って作り方バラして、それにメンチがキレて熱くなるもんだからもうお手上げ状態。
手に塩を取り、せっせと白米を三角形に握る。
「あっ!てめー握り飯作ってるってことは、スシも知ってた口だな!?」
おにぎりでも作って食べていようと思ったら、ハゲの忍者に絡まれた。
何で怒ってるか知らないが、そのまま海苔を巻いてぱくりと食べる。
「知らねーですよ。第一ハゲのせいでメンチさんマジギレじゃないですか。あれじゃ合格者ゼロですよ」
「オレはハゲてねー!」
そんなこんなで、作ったおにぎりをゴンやキルアにおすそ分けしつつ、メンチにより二次試験の合格者ゼロが決定された。
受験生のトードーと一悶着あったが、ハンター試験最高責任者であるネテロ会長の登場により、再試験が行われることに。
断崖絶壁からクモワシの卵が垂れ下がる谷底を見下ろす。
みんな次々と飛び降りるが、中には辞退者も出ていた。
やめるのも勇気じゃ、というネテロ会長の言葉を耳にする。
「ヒモなしバンジーか。たのしそう」
「そうだね。いってらっしゃい」
え、と返事をする前に、背中をトンッと押される感触。
スローモーションのなか振り返ると、笑みを浮かべたヒソカに口元を引きつらせる。
何してんの、この人。
足場をなくした体は宙へ浮き、私は人差し指を突き立てて無意識に叫んでいた。
「ヤロー!テメー!ぶっ殺ーす!」
浮遊感とともに風を感じて、真っ逆さまに谷底へと落ちていく。
糸をつかむ前に落下がぴたりと止まり、ぶらーんと人形のように手足を揺らす。
私の背中についてあるバンジーガムを確認して、ため息をつく。
何がしたかったんだ、あの男。
近くにある卵を一つもぎ取り、バンジーガムを引っ張ると崖上まで引き上げてくれた。
この奇術師、意外とやさしい。
「楽しかったかい?」
「どちらかといえば」
なんだか不正したみたいで納得いかないので、手にした卵をヒソカに渡してからもう一回自力で崖から飛んだ。
二度手間である。
ゴンたちも余裕で卵をゲットする姿を、横目で確認。
とろけるようなおいしいゆで卵を食べて、二次試験が終了した。
ぱちっと目を開ける。
イルミの腕の中で軽く寝ていたら、あっという間にビスカ森林公園に到着していた。
お腹を支えていた腕が消え、そのまま地面へと足から着地する。
ヒソカも担いでいたレオリオを木の根元へと下ろす。
バイバイ、と手を振り去っていくヒソカと無言のイルミに手を振り返す。
自由奔放なお兄さんたちだこと。
いまだ意識を失っているレオリオの顔を見て、カバンを肩から下ろす。
こういうときのため持ってきた包帯と消毒液を取り出して、応急処置をする。
今となってはもう慣れたものなのだが、この体少々やりにくい。
よし、何もしてないよりはマシだろう。
カバンを閉じて周りをきょろきょろと見渡すと、ふわふわの銀髪と目が合った。
わかってたけど、キルアも無事にたどり着いたのを確認して安心した。
「ゴンを助けに行ったんじゃなかったのか?」
頭の後ろで腕を組んだキルアを見て、そうだったと頭を下げる。
「一人にしてごめんなさい」
「なんでなまえが謝るわけ?」
「だってキルア、拗ねてる」
「は?べつに拗ねてねーし」
真顔で見つめ合ったあと、ふいっとそっぽを向いたキルア。
にらめっこは私の勝ちである。
しばらくして、レオリオの香水の匂いを頼りにゴールしたゴンとクラピカがやってきた。
さすが野生児。
目を覚ましたレオリオの元にゴンたちが集まり、金髪美少年クラピカと初めて対面する。
「うっ、まばゆいほどの美人さん」
「どうした、具合でも悪いのか?」
「気にすんな。こういう病気だ」
「やはり病気か?」
だんだん楽しくなってきたな、ハンター試験。
気を取り直してお互い自己紹介をする。
「しっかしオレ、どうしてこんなにケガしてんだ?あとこの包帯も。どうも記憶がはっきりしなくてよー」
「ケガは知らねーけど、手当てしたのはなまえだろ?」
「え、キルア見てたの」
「見てたも何も、針男に抱えられてすげー目立ってたし」
うわーはずかし!
「ありがとよ、お嬢ちゃん」
「なまえです。どういたしまして、レオリオさん」
「レオリオでいいぜ」
「貴様、私の時はやたらと敬称に文句をつけて食い下がったくせに」
「それはお前がだなぁ!」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めたレオリオとクラピカを眺める。
私はレオリオにお礼を言われた時の、裏表のない良い笑顔に感動していた。
顔ボコボコの包帯まみれだけど。
正午になり、二次試験が開始される。
開始前から獣のうなり声のような音でお腹を鳴らしていた巨体のブハラと、対照的に手足をスラリとさせたメンチの美食ハンター二人が現れた。
「私もお腹ペコペコ」
「お前は朝っぱらから焼肉定食、食ってただろ」
どうしてそれを知ってるんだ、キルアくん。
豚の丸焼きは、暴れ豚を狩って焼くだけの工程なのでほとんどの受験生が難なくクリア。
問題は次の課題だった。
「スシだって。なまえ知ってる?」
純真無垢なゴンに聞かれて、うーんとあごに手を当てて首を横に振る。
知ってるけれど、美食ハンターの舌を納得させるスシが作れるかと聞かれれば答えはノーだ。
そもそもハンゾーがお手軽料理と言って作り方バラして、それにメンチがキレて熱くなるもんだからもうお手上げ状態。
手に塩を取り、せっせと白米を三角形に握る。
「あっ!てめー握り飯作ってるってことは、スシも知ってた口だな!?」
おにぎりでも作って食べていようと思ったら、ハゲの忍者に絡まれた。
何で怒ってるか知らないが、そのまま海苔を巻いてぱくりと食べる。
「知らねーですよ。第一ハゲのせいでメンチさんマジギレじゃないですか。あれじゃ合格者ゼロですよ」
「オレはハゲてねー!」
そんなこんなで、作ったおにぎりをゴンやキルアにおすそ分けしつつ、メンチにより二次試験の合格者ゼロが決定された。
受験生のトードーと一悶着あったが、ハンター試験最高責任者であるネテロ会長の登場により、再試験が行われることに。
断崖絶壁からクモワシの卵が垂れ下がる谷底を見下ろす。
みんな次々と飛び降りるが、中には辞退者も出ていた。
やめるのも勇気じゃ、というネテロ会長の言葉を耳にする。
「ヒモなしバンジーか。たのしそう」
「そうだね。いってらっしゃい」
え、と返事をする前に、背中をトンッと押される感触。
スローモーションのなか振り返ると、笑みを浮かべたヒソカに口元を引きつらせる。
何してんの、この人。
足場をなくした体は宙へ浮き、私は人差し指を突き立てて無意識に叫んでいた。
「ヤロー!テメー!ぶっ殺ーす!」
浮遊感とともに風を感じて、真っ逆さまに谷底へと落ちていく。
糸をつかむ前に落下がぴたりと止まり、ぶらーんと人形のように手足を揺らす。
私の背中についてあるバンジーガムを確認して、ため息をつく。
何がしたかったんだ、あの男。
近くにある卵を一つもぎ取り、バンジーガムを引っ張ると崖上まで引き上げてくれた。
この奇術師、意外とやさしい。
「楽しかったかい?」
「どちらかといえば」
なんだか不正したみたいで納得いかないので、手にした卵をヒソカに渡してからもう一回自力で崖から飛んだ。
二度手間である。
ゴンたちも余裕で卵をゲットする姿を、横目で確認。
とろけるようなおいしいゆで卵を食べて、二次試験が終了した。