ハンター試験編
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太陽に照らされた木々が、風でざわざわと揺れる。
ゼビル島で、私はりんご片手に島生活を満喫していた。
絶を使い、他の受験生とかち合うことは避けている。
四次試験攻略の計画は、キルアのプレートを狙うアモリだかイモリだかウモリだか忘れたが、三兄弟とキルアが対面するのを待つこと。
ぶっちゃけハンゾーと同じ漁夫の利作戦。
なんだけど、私はキルアがプレートを投げる前に木の上から降りて交渉する。
ハンゾーとプレート交換とかも考えたけど、直接キルアに頼むことにした。
だってホラ、私人見知りだし。
地面に足をつけると、一瞬だけキルアの目が冷たくなった。
「なんだなまえか。いつからいたんだよ」
「今さっき。キルアくん、そのプレートいらないならわけてくれませんか?」
キルアが手にしている197番と198番のプレートを指差す。
「そっか。そういやなまえのターゲット、オレと一個違いだっけ」
「そうそう、一枚だけでいいので」
「このガキ!」
「たんま。あんたたちの兄弟、どうなってもいいわけ?」
キルアに人質とされてる、きみがアモリか?
三兄弟は膠着状態で、キルアは何やら考え込んでいる。
あ、もしかしてミッション失敗かも。
たしかにキルアにとって、この二枚のプレートをどう扱おうが彼の自由だ。
手の中にある食べ物を眺めてぐっと差し出したが、いるか!と即座に断られた。
それもそのはず、かじり跡のついた欠けたりんごだった。
「別にタダでなまえにあげてもいいんだけどさー」
なんだか嫌な予感がする。
振りかぶってキルアの手から離れたナンバープレートは、遥か彼方へ投げ飛ばされた。
ナイススロー…。
「あのプレート探すくらいできないと、次の試験どうなるかわからないぜ?ま、どうしてもって言うなら一緒に探してやらないこともないけど」
「まかせて!これくらい余裕なんだから!」
意気込んで、飛んでいったプレートの方角へ走り出す。
引き止める声が聞こえるが、一人でも大丈夫と手をぶんぶん大きく振る。
キルアにいいとこ見せなきゃ!
次会う時は、四次試験の合格者としてだね。
走っている地面から、見晴らしのいい木の幹の頂上へと跳躍する。
よし、見つけた。
回転しながら飛んでいるプレートを、腕伸ばしてキャッチ。
あとは終了日まで残ればいい簡単なお仕事だ。
カバンに入れようとプレートを見たその手が、ぴたりと止まる。
197番、コレジャナイ。
膝と手のひらを地面について、うなだれた。
キルアのところに戻ろうかと考えていると、勢いよくこちらに向かってくる気配を感じる。
姿を確認して、なんとなくこの先の展開が読めた。
「追いついてよかったぜ。オレと取引しねーか」
現れたのは、ジャポン出身の忍者であるハンゾー。
はい、と197番のプレートを差し出すとハンゾーは木から踏み外したように落っこちそうになる。
大丈夫か、この忍者。
「お前な、普通先に条件とか聞くだろうが」
あ、そっか。
話を合わせるために一応聞いておくと、どうやらキルアから198番のプレートを獲得したみたいで、それと私の197番を交換しないかという内容だった。
大方、予想通りである。
お互い一定の距離は保ったまま、197番のプレートをハンゾーの元へ投げる。
「こらこら、先に渡したら取引になんねーだろ」
「ハンゾーさんも早く投げればいいんですよ」
「おっと、それはどうかな」
ハンゾーの目が一気に鋭くなる。
プレートはそのままで、ペラペラとしゃべり始めた。
このまま逃げたらどうするだとか、ライバルを蹴落とすために油断させてお前のナンバープレートも奪うかもしれないだとか。
言いたいことはわかる。
彼はあまりに無用心な私に対して、親切に忠告してくれているだけ。
ライバルである受験生の私に。
「いいから早く渡してくれませんか?」
「このガ…お嬢ちゃんよォ。今の話、聞いてたか?」
「聞いてましたよ。でも本当に騙すつもりなら、とっくにやってるはずですから。私はハンゾーさんのこと信じてますよ」
青筋を立てるハンゾーにそう言えば、しばらくの沈黙。
両手を上げて、やれやれと観念したような動きをしてプレートを投げてくれた。
よっしゃ、これで6点分ゲットだぜ。
「ったく、オレみたいなやつは稀だからよ。そうやって簡単に人を信用しない方が身のためだぜ」
「わかってますよ。でもね、ハンゾーさん」
「何だ」
「取引っていうのはお互いの信用が必要なんですよ。ご存知のとおり。だから、私を信用して、話を持ちかけてくれてありがとうございます」
にっこりと笑って見せれば、はぁと聞こえるため息。
顔を上げたハンゾーは、今度は口の端を上げていた。
「アンタ、たしかなまえっていったな」
「はい」
「その6点分のプレート、他の受験生にやすやすと取られるんじゃねーぞ」
「もちろん」
「じゃ、お互いがんばろーな」
最後にニッと笑い、俊敏な動きで去っていく後ろ姿に、手を降り別れる。
ハンゾー、私の名前知ってたんだな。
うれしいや。
やるべきことは半分ほどやったので、イルミのところへ行こうと軽い足取りで木々の間を抜けていった。
ゼビル島で、私はりんご片手に島生活を満喫していた。
絶を使い、他の受験生とかち合うことは避けている。
四次試験攻略の計画は、キルアのプレートを狙うアモリだかイモリだかウモリだか忘れたが、三兄弟とキルアが対面するのを待つこと。
ぶっちゃけハンゾーと同じ漁夫の利作戦。
なんだけど、私はキルアがプレートを投げる前に木の上から降りて交渉する。
ハンゾーとプレート交換とかも考えたけど、直接キルアに頼むことにした。
だってホラ、私人見知りだし。
地面に足をつけると、一瞬だけキルアの目が冷たくなった。
「なんだなまえか。いつからいたんだよ」
「今さっき。キルアくん、そのプレートいらないならわけてくれませんか?」
キルアが手にしている197番と198番のプレートを指差す。
「そっか。そういやなまえのターゲット、オレと一個違いだっけ」
「そうそう、一枚だけでいいので」
「このガキ!」
「たんま。あんたたちの兄弟、どうなってもいいわけ?」
キルアに人質とされてる、きみがアモリか?
三兄弟は膠着状態で、キルアは何やら考え込んでいる。
あ、もしかしてミッション失敗かも。
たしかにキルアにとって、この二枚のプレートをどう扱おうが彼の自由だ。
手の中にある食べ物を眺めてぐっと差し出したが、いるか!と即座に断られた。
それもそのはず、かじり跡のついた欠けたりんごだった。
「別にタダでなまえにあげてもいいんだけどさー」
なんだか嫌な予感がする。
振りかぶってキルアの手から離れたナンバープレートは、遥か彼方へ投げ飛ばされた。
ナイススロー…。
「あのプレート探すくらいできないと、次の試験どうなるかわからないぜ?ま、どうしてもって言うなら一緒に探してやらないこともないけど」
「まかせて!これくらい余裕なんだから!」
意気込んで、飛んでいったプレートの方角へ走り出す。
引き止める声が聞こえるが、一人でも大丈夫と手をぶんぶん大きく振る。
キルアにいいとこ見せなきゃ!
次会う時は、四次試験の合格者としてだね。
走っている地面から、見晴らしのいい木の幹の頂上へと跳躍する。
よし、見つけた。
回転しながら飛んでいるプレートを、腕伸ばしてキャッチ。
あとは終了日まで残ればいい簡単なお仕事だ。
カバンに入れようとプレートを見たその手が、ぴたりと止まる。
197番、コレジャナイ。
膝と手のひらを地面について、うなだれた。
キルアのところに戻ろうかと考えていると、勢いよくこちらに向かってくる気配を感じる。
姿を確認して、なんとなくこの先の展開が読めた。
「追いついてよかったぜ。オレと取引しねーか」
現れたのは、ジャポン出身の忍者であるハンゾー。
はい、と197番のプレートを差し出すとハンゾーは木から踏み外したように落っこちそうになる。
大丈夫か、この忍者。
「お前な、普通先に条件とか聞くだろうが」
あ、そっか。
話を合わせるために一応聞いておくと、どうやらキルアから198番のプレートを獲得したみたいで、それと私の197番を交換しないかという内容だった。
大方、予想通りである。
お互い一定の距離は保ったまま、197番のプレートをハンゾーの元へ投げる。
「こらこら、先に渡したら取引になんねーだろ」
「ハンゾーさんも早く投げればいいんですよ」
「おっと、それはどうかな」
ハンゾーの目が一気に鋭くなる。
プレートはそのままで、ペラペラとしゃべり始めた。
このまま逃げたらどうするだとか、ライバルを蹴落とすために油断させてお前のナンバープレートも奪うかもしれないだとか。
言いたいことはわかる。
彼はあまりに無用心な私に対して、親切に忠告してくれているだけ。
ライバルである受験生の私に。
「いいから早く渡してくれませんか?」
「このガ…お嬢ちゃんよォ。今の話、聞いてたか?」
「聞いてましたよ。でも本当に騙すつもりなら、とっくにやってるはずですから。私はハンゾーさんのこと信じてますよ」
青筋を立てるハンゾーにそう言えば、しばらくの沈黙。
両手を上げて、やれやれと観念したような動きをしてプレートを投げてくれた。
よっしゃ、これで6点分ゲットだぜ。
「ったく、オレみたいなやつは稀だからよ。そうやって簡単に人を信用しない方が身のためだぜ」
「わかってますよ。でもね、ハンゾーさん」
「何だ」
「取引っていうのはお互いの信用が必要なんですよ。ご存知のとおり。だから、私を信用して、話を持ちかけてくれてありがとうございます」
にっこりと笑って見せれば、はぁと聞こえるため息。
顔を上げたハンゾーは、今度は口の端を上げていた。
「アンタ、たしかなまえっていったな」
「はい」
「その6点分のプレート、他の受験生にやすやすと取られるんじゃねーぞ」
「もちろん」
「じゃ、お互いがんばろーな」
最後にニッと笑い、俊敏な動きで去っていく後ろ姿に、手を降り別れる。
ハンゾー、私の名前知ってたんだな。
うれしいや。
やるべきことは半分ほどやったので、イルミのところへ行こうと軽い足取りで木々の間を抜けていった。