番外編
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ポンズ視点
三次試験終了後のホテルの一室。
トントン、と扉をノックする音がして返事をする。
そこにいたのは小さな来訪者で、一瞬目を丸くする。
「あなたが相部屋の相手?」
「はい!」
「ポンズよ」
「なまえです、よろしくお願いします」
300番の彼女、なまえはぺこりとお辞儀をする。
女同士、しかもこの子でよかったと私は内心ホッとしていた。
実は一次試験前から気になってた子。
このハンター試験を受験しに来た者は大半が筋骨隆々の男性ばかり。
まるで偶然迷い込んだと言われても不思議じゃないくらい、場違いな雰囲気を放っていた。
もちろん見た目ですべてを判断するわけじゃないし試験会場までたどり着くくらいだから、多少の実力はあるようだけれど。
だから、私は忠告してあげることにした。
「!」
「安心して、今は何もしないから。ただ私が悲鳴を上げたり倒れたりしたら、このコ達があなたを襲うから」
羽音が部屋に響き渡る。
帽子から出した毒ハチのシビレヤリバチを再び戻した。
「わかりました!気をつけますね!そんなことより」
「そんなことって」
本当にわかったのか、わかってないのか。
なまえは怖気付くことなく私の側まで来て、体に似つかない大きなカバンをベッドへと下ろす。
「ポンズさん、シャワーは浴びました?」
「いえ、まだよ」
「じゃあ、ジャンケンしましょ」
「え?いいわよ、べつにあなたが先に浴びても」
「ダメです!はい、最初はグー!」
なまえの声に思わずグーの手を出してしまう。
ジャンケンの結果、私が勝ってしまった。
「だから、私はべつに」
「いーから、いーから!あ、何なら私も一緒に入りましょうか?」
「…遠慮するわ」
なまえに背中を押されて仕方なく浴室へ足を運ぶ。
なんだか落ち着かない。
よくわからない子だわ、と思いながらシャワーを浴びて湯船に浸かる。
とはいえ久々の入浴にサッパリとして、身も心も気持ちよくなった。
「あがったわよ」
タオルで髪を拭きながら部屋に戻る。
待ってましたとばかりに、なまえが両手を広げていた。
「何?」
「髪、乾かしますよ」
「いいわよ、それくらい自分でやるから」
「最初はグー!」
「またそれ?」
ため息を吐きながらも、体はかけ声に合わせて動いてしまう。
今度はなまえの勝利だった。
「えへへ、やったー!」
スイッチと共にあたたかい風に包まれる。
慣れない出来事。
なんだかくすぐったい。
なまえを見ると、ドライヤー片手にルンルンと上機嫌だ。
「あなた、歳のわりにやたらと世話を焼きたがるわね」
「なまえお姉さんって呼んでもいいんですよ」
「…それ、やめない?」
「へ?」
「敬語、使わなくていいって言ってんの」
なまえはぱちぱちと瞬きした後、花を咲かせたように笑顔を見せる。
ハンター試験のライバル同士。
馴れ合うつもりは決してないけれど、一晩くらいならいいじゃない。
「ポンズちゃん、ポンズちゃん」
「何よ」
「えへへ、なんでもない」
「変なの」
本当はうれしかった。
昔から周りの子と違っていた私は、変な子と言われて避けられ続けてきた。
特に同年代の女の子たちは虫が嫌いな子が多い。
もし、なまえみたいな子が近くにいたらこんな風に毎日楽しく過ごしていられたのかな。
スイッチと共に風が止み、ぬくもりが消えていく。
「アリガト」
「ポンズちゃん」
「だから、何よ」
またヘラヘラ笑ってるだろうなまえを鏡越しに見る。
その真剣な眼差しに一瞬、息を呑んだ。
「NGLには行かないでほしい」
「NGL?」
急になんの話だろう。
それにしてもどこかで聞いたことある名前にああ、と思い出す。
NGL自治国。
たしか、機械文明に頼らない自給自足生活を行ってるという国。
「いいわよ」
「そうだよね、やっぱダメだよねって…えぇ!?」
「何、驚いてるのよ。行かなきゃいいんでしょ?そもそも行くつもりもないけど」
「そ、そうだけど理由も聞かずに」
「じゃあ聞くわ」
「…言えない」
しゅんとしたなまえは祈るように両手を握りしめる。
「あとポックルにも伝えて欲しいの」
「ポックル?」
「53番。帽子を被った青年」
「ああ、彼ね」
わかったわ、と了承するとなまえにぐっと手を両手で掴まれる。
「なんでかわかんないけど、よかった!約束、だからね!」
「なんでかわかんないのはこっちの方だけどね。えぇ、約束ね」
なぜか泣き顔のなまえに掴まれた手を上下にぶんぶんと振られる。
なぜ私がなまえの突拍子もない話を了承したかというと、彼女に感謝したからだ。
これも何かの縁だろう。
たまたま相部屋になって少しだけ友達のような関係になれた。
それが私にとってかけがえのない体験だったから。
ただ、それだけ。
「なまえ、ここまで来たんだからハンター試験合格しましょうね」
「うん!」
だから、この先何があってもあなたに会えてよかった。
そう心から思ったの。
三次試験終了後のホテルの一室。
トントン、と扉をノックする音がして返事をする。
そこにいたのは小さな来訪者で、一瞬目を丸くする。
「あなたが相部屋の相手?」
「はい!」
「ポンズよ」
「なまえです、よろしくお願いします」
300番の彼女、なまえはぺこりとお辞儀をする。
女同士、しかもこの子でよかったと私は内心ホッとしていた。
実は一次試験前から気になってた子。
このハンター試験を受験しに来た者は大半が筋骨隆々の男性ばかり。
まるで偶然迷い込んだと言われても不思議じゃないくらい、場違いな雰囲気を放っていた。
もちろん見た目ですべてを判断するわけじゃないし試験会場までたどり着くくらいだから、多少の実力はあるようだけれど。
だから、私は忠告してあげることにした。
「!」
「安心して、今は何もしないから。ただ私が悲鳴を上げたり倒れたりしたら、このコ達があなたを襲うから」
羽音が部屋に響き渡る。
帽子から出した毒ハチのシビレヤリバチを再び戻した。
「わかりました!気をつけますね!そんなことより」
「そんなことって」
本当にわかったのか、わかってないのか。
なまえは怖気付くことなく私の側まで来て、体に似つかない大きなカバンをベッドへと下ろす。
「ポンズさん、シャワーは浴びました?」
「いえ、まだよ」
「じゃあ、ジャンケンしましょ」
「え?いいわよ、べつにあなたが先に浴びても」
「ダメです!はい、最初はグー!」
なまえの声に思わずグーの手を出してしまう。
ジャンケンの結果、私が勝ってしまった。
「だから、私はべつに」
「いーから、いーから!あ、何なら私も一緒に入りましょうか?」
「…遠慮するわ」
なまえに背中を押されて仕方なく浴室へ足を運ぶ。
なんだか落ち着かない。
よくわからない子だわ、と思いながらシャワーを浴びて湯船に浸かる。
とはいえ久々の入浴にサッパリとして、身も心も気持ちよくなった。
「あがったわよ」
タオルで髪を拭きながら部屋に戻る。
待ってましたとばかりに、なまえが両手を広げていた。
「何?」
「髪、乾かしますよ」
「いいわよ、それくらい自分でやるから」
「最初はグー!」
「またそれ?」
ため息を吐きながらも、体はかけ声に合わせて動いてしまう。
今度はなまえの勝利だった。
「えへへ、やったー!」
スイッチと共にあたたかい風に包まれる。
慣れない出来事。
なんだかくすぐったい。
なまえを見ると、ドライヤー片手にルンルンと上機嫌だ。
「あなた、歳のわりにやたらと世話を焼きたがるわね」
「なまえお姉さんって呼んでもいいんですよ」
「…それ、やめない?」
「へ?」
「敬語、使わなくていいって言ってんの」
なまえはぱちぱちと瞬きした後、花を咲かせたように笑顔を見せる。
ハンター試験のライバル同士。
馴れ合うつもりは決してないけれど、一晩くらいならいいじゃない。
「ポンズちゃん、ポンズちゃん」
「何よ」
「えへへ、なんでもない」
「変なの」
本当はうれしかった。
昔から周りの子と違っていた私は、変な子と言われて避けられ続けてきた。
特に同年代の女の子たちは虫が嫌いな子が多い。
もし、なまえみたいな子が近くにいたらこんな風に毎日楽しく過ごしていられたのかな。
スイッチと共に風が止み、ぬくもりが消えていく。
「アリガト」
「ポンズちゃん」
「だから、何よ」
またヘラヘラ笑ってるだろうなまえを鏡越しに見る。
その真剣な眼差しに一瞬、息を呑んだ。
「NGLには行かないでほしい」
「NGL?」
急になんの話だろう。
それにしてもどこかで聞いたことある名前にああ、と思い出す。
NGL自治国。
たしか、機械文明に頼らない自給自足生活を行ってるという国。
「いいわよ」
「そうだよね、やっぱダメだよねって…えぇ!?」
「何、驚いてるのよ。行かなきゃいいんでしょ?そもそも行くつもりもないけど」
「そ、そうだけど理由も聞かずに」
「じゃあ聞くわ」
「…言えない」
しゅんとしたなまえは祈るように両手を握りしめる。
「あとポックルにも伝えて欲しいの」
「ポックル?」
「53番。帽子を被った青年」
「ああ、彼ね」
わかったわ、と了承するとなまえにぐっと手を両手で掴まれる。
「なんでかわかんないけど、よかった!約束、だからね!」
「なんでかわかんないのはこっちの方だけどね。えぇ、約束ね」
なぜか泣き顔のなまえに掴まれた手を上下にぶんぶんと振られる。
なぜ私がなまえの突拍子もない話を了承したかというと、彼女に感謝したからだ。
これも何かの縁だろう。
たまたま相部屋になって少しだけ友達のような関係になれた。
それが私にとってかけがえのない体験だったから。
ただ、それだけ。
「なまえ、ここまで来たんだからハンター試験合格しましょうね」
「うん!」
だから、この先何があってもあなたに会えてよかった。
そう心から思ったの。
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