番外編
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「ねえ、なまえ。死んだ後はどうなるの?」
錆びついた教会の礼拝堂。
まだ幼さが残る無垢な少年の声に振り返る。
クロロの口から出た質問に、私は物語の記憶をたどる。
「前までは、死んだらそこは無だと思っていた」
「じゃあ、今は?」
「会いたい人に会えるんじゃないかな」
「死んだ者同士、って事?」
「それもあるけど、輪廻転生だよ」
「りんねてんせい?」
「そう、生まれ変わり」
信じるか信じないかは自由だと言って、ステンドグラスを見上げる。
ほの暗い部屋の中、光が差し込んで色鮮やかさが目に映る。
「じゃあさ」
小さくやわらかな手が、私の指先をぎゅっとつかんだ。
「約束しよ!また会えるようにって」
「クロロ」
「オレ、信じるよ。死んでもまた、なまえに会いたいから」
少しだけ目を見開いた後、私は手を繋いだまましゃがみ込む。
「思い出した」
「何を?」
「誓いのキス」
互いの小指を絡ませて口ずさみ、最後に親指同士をくっつける。
「くじら島では、こうするんだって」
「へえ!じゃあ、これでいつ死んでも大丈夫だね」
そう言ってクロロは無邪気に笑う。
それは、子供だからこその発言だろうか。
もしくはすでに、死を享受しているからだろうか。
「なまえ、この約束みんなにはヒミツにしてね」
「別にいいけど、どうして?」
「なまえだけだから。特別!」
飛び込んできた小さな身体を受け止めて、しばらくしてから抱きしめ返す。
よしよしと、慣れない手つきでその黒髪をなでた。
「やっぱりなまえって、母さんみたい。ねえ……二人きりの時は母さんって呼んでいい?」
「好きに呼べばいい」
「やったー!母さん、大好きだー!」
母親か。
私には縁のないものばかりと思っていたけれど。
腕の中で頬ずり、はにかむ夜空のような少年を見下ろす。
前髪をかき分けて、まだ刺青のない額へそっと唇を落とした。
錆びついた教会の礼拝堂。
まだ幼さが残る無垢な少年の声に振り返る。
クロロの口から出た質問に、私は物語の記憶をたどる。
「前までは、死んだらそこは無だと思っていた」
「じゃあ、今は?」
「会いたい人に会えるんじゃないかな」
「死んだ者同士、って事?」
「それもあるけど、輪廻転生だよ」
「りんねてんせい?」
「そう、生まれ変わり」
信じるか信じないかは自由だと言って、ステンドグラスを見上げる。
ほの暗い部屋の中、光が差し込んで色鮮やかさが目に映る。
「じゃあさ」
小さくやわらかな手が、私の指先をぎゅっとつかんだ。
「約束しよ!また会えるようにって」
「クロロ」
「オレ、信じるよ。死んでもまた、なまえに会いたいから」
少しだけ目を見開いた後、私は手を繋いだまましゃがみ込む。
「思い出した」
「何を?」
「誓いのキス」
互いの小指を絡ませて口ずさみ、最後に親指同士をくっつける。
「くじら島では、こうするんだって」
「へえ!じゃあ、これでいつ死んでも大丈夫だね」
そう言ってクロロは無邪気に笑う。
それは、子供だからこその発言だろうか。
もしくはすでに、死を享受しているからだろうか。
「なまえ、この約束みんなにはヒミツにしてね」
「別にいいけど、どうして?」
「なまえだけだから。特別!」
飛び込んできた小さな身体を受け止めて、しばらくしてから抱きしめ返す。
よしよしと、慣れない手つきでその黒髪をなでた。
「やっぱりなまえって、母さんみたい。ねえ……二人きりの時は母さんって呼んでいい?」
「好きに呼べばいい」
「やったー!母さん、大好きだー!」
母親か。
私には縁のないものばかりと思っていたけれど。
腕の中で頬ずり、はにかむ夜空のような少年を見下ろす。
前髪をかき分けて、まだ刺青のない額へそっと唇を落とした。
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