会長選挙・アルカ編
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「オレだ。状況が少し変わった、キルア様とはぐれた」
針人間の襲撃により、私たちが乗っていた車は崖上から転落して大破。
イルミがいる場所は(ヒソカのおかげってのがちょっと癪だけど)、漏れ出す殺気からその位置がわかった。
森の中でゴトーが執事と通話中、背中に視線を感じて振り返る。
「なんだか不思議そうな顔ね?アマネ」
「!いえ、その…なまえ様は、真っ先にキルア様を追いかけて行かれると思ったのですが」
「うーん、あの速さじゃまともに追っかけても追いつけないだろうし」
「もしかして、何かお考えでも?」
「そこは優秀な執事たちに任せます」
「…はあ」
生返事のアマネへカナリアが声をかけるのを横目に、通話を終えて携帯を懐にしまったゴトーを見る。
今この場にいるのはこの3人。
アルカを抱えたキルアは記憶通り、電光石火で一足先に空港へ向かっている。
鬱蒼とした茂みの奥から気配を感じて、にらみつけるように顔を向ける。
「やあ、なまえ。今日は逃げないのかい?」
「…お知り合いですか?」
「嫌々ながらね」
「つれないこと言うなよ。最近までずっと顔合わせたくせに」
「誰のせいだと思ってんの」
「まあ散々焦らされたけど、クロロとは天空闘技場で決闘の約束したからもうイイよ」
何も良くないけれど、今そのことは置いといて。
飄々としたヒソカはピアスを揺らして、愉快そうに目を細める。
「イルミ、キミを殺しても構わないそうだよ?」
「そんなの知ってる」
「なんだ。もっと驚くと思ったのに、残念…G・Iの時にも思ったんだけどさ」
「?」
急に何の話だと、距離を取ったまま訝しげにヒソカを見上げる。
「ボクとしては、キミにマネージャーやってもらいたいんだよねェ。クロロとの決闘のあとでも構わないからさ」
「絶ッ対にヤダ!てゆーか、決闘はクロロが勝つからあとの話なんてないでしょ」
フンッと腰に手を当ててそう言うと、ヒソカは笑みを絶やさないまま手の中のトランプを宙へと並べる。
「ま、できればの話なんだけどね」
トランプが投げ飛ばされて、瞬時に後方から弾く音を耳にする。
ヒソカの攻撃はよける前にすべて、コインにより食い止められた。
「させるかよ、お前はオレが遊んでやる。お前等、何ボサッと突っ立ってやがる。なまえ様をお連れしてキルア様を追え!」
「待って、ゴトー」
「なまえ様、ここはゴトーに任せましょう」
ヒソカと対峙するゴトーの背中を目にして、唇を噛みしめる。
ここで戦わずに逃げてと訴えたとしても、彼はゾルディック家ゼノ直属の執事。
任務を放棄して退くことなど、彼の選択肢にないだろう。
「走るよりも祖母のバイクの方が速い。祖母と合流しましょう」
「オッケー、二人はツボネちゃんと先にキルアを追ってて」
「!?」
「なまえ様!」
ゴトーの隣に立ち、驚くアマネとカナリアに笑いながら手を振る。
小さなため息の主へ顔を向けると、少しうつむきメガネの縁を押さえていた。
「ゴトー、小言はあとからいくらでも聞いてあげるから」
「とんでもございません。お前等、先に行け。なまえ様のことはオレに任せろ」
「ゴトーも先にキルアを追ってて構わないよ?」
「またご冗談を」
冗談じゃなくて本気なんだな、コレが。
この場から立ち去る二人の足音を耳に、再びトランプを構えるヒソカを見据える。
こちらへ向けられている、明確な殺意。
そう、決して忘れてなどいない。
ヒソカとは元からこういう人間だ。
「キミを殺したら、クロロはどんな顔するだろうね?」
「どうもしないでしょ」
「やってみないとわからないだろ?」
「指一歩触れさせるかよ、エセマジシャン」
たとえ世界を壊したとしても。
ここで出来ること何もせず、嘆いている場合ではないから。
「さあ、ボクを楽しませてくれよ?なまえ」
針人間の襲撃により、私たちが乗っていた車は崖上から転落して大破。
イルミがいる場所は(ヒソカのおかげってのがちょっと癪だけど)、漏れ出す殺気からその位置がわかった。
森の中でゴトーが執事と通話中、背中に視線を感じて振り返る。
「なんだか不思議そうな顔ね?アマネ」
「!いえ、その…なまえ様は、真っ先にキルア様を追いかけて行かれると思ったのですが」
「うーん、あの速さじゃまともに追っかけても追いつけないだろうし」
「もしかして、何かお考えでも?」
「そこは優秀な執事たちに任せます」
「…はあ」
生返事のアマネへカナリアが声をかけるのを横目に、通話を終えて携帯を懐にしまったゴトーを見る。
今この場にいるのはこの3人。
アルカを抱えたキルアは記憶通り、電光石火で一足先に空港へ向かっている。
鬱蒼とした茂みの奥から気配を感じて、にらみつけるように顔を向ける。
「やあ、なまえ。今日は逃げないのかい?」
「…お知り合いですか?」
「嫌々ながらね」
「つれないこと言うなよ。最近までずっと顔合わせたくせに」
「誰のせいだと思ってんの」
「まあ散々焦らされたけど、クロロとは天空闘技場で決闘の約束したからもうイイよ」
何も良くないけれど、今そのことは置いといて。
飄々としたヒソカはピアスを揺らして、愉快そうに目を細める。
「イルミ、キミを殺しても構わないそうだよ?」
「そんなの知ってる」
「なんだ。もっと驚くと思ったのに、残念…G・Iの時にも思ったんだけどさ」
「?」
急に何の話だと、距離を取ったまま訝しげにヒソカを見上げる。
「ボクとしては、キミにマネージャーやってもらいたいんだよねェ。クロロとの決闘のあとでも構わないからさ」
「絶ッ対にヤダ!てゆーか、決闘はクロロが勝つからあとの話なんてないでしょ」
フンッと腰に手を当ててそう言うと、ヒソカは笑みを絶やさないまま手の中のトランプを宙へと並べる。
「ま、できればの話なんだけどね」
トランプが投げ飛ばされて、瞬時に後方から弾く音を耳にする。
ヒソカの攻撃はよける前にすべて、コインにより食い止められた。
「させるかよ、お前はオレが遊んでやる。お前等、何ボサッと突っ立ってやがる。なまえ様をお連れしてキルア様を追え!」
「待って、ゴトー」
「なまえ様、ここはゴトーに任せましょう」
ヒソカと対峙するゴトーの背中を目にして、唇を噛みしめる。
ここで戦わずに逃げてと訴えたとしても、彼はゾルディック家ゼノ直属の執事。
任務を放棄して退くことなど、彼の選択肢にないだろう。
「走るよりも祖母のバイクの方が速い。祖母と合流しましょう」
「オッケー、二人はツボネちゃんと先にキルアを追ってて」
「!?」
「なまえ様!」
ゴトーの隣に立ち、驚くアマネとカナリアに笑いながら手を振る。
小さなため息の主へ顔を向けると、少しうつむきメガネの縁を押さえていた。
「ゴトー、小言はあとからいくらでも聞いてあげるから」
「とんでもございません。お前等、先に行け。なまえ様のことはオレに任せろ」
「ゴトーも先にキルアを追ってて構わないよ?」
「またご冗談を」
冗談じゃなくて本気なんだな、コレが。
この場から立ち去る二人の足音を耳に、再びトランプを構えるヒソカを見据える。
こちらへ向けられている、明確な殺意。
そう、決して忘れてなどいない。
ヒソカとは元からこういう人間だ。
「キミを殺したら、クロロはどんな顔するだろうね?」
「どうもしないでしょ」
「やってみないとわからないだろ?」
「指一歩触れさせるかよ、エセマジシャン」
たとえ世界を壊したとしても。
ここで出来ること何もせず、嘆いている場合ではないから。
「さあ、ボクを楽しませてくれよ?なまえ」