会長選挙・アルカ編
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「なまえはゼブロのとこで待っててくれ。親父とは、オレ一人で話してくる」
試しの門の前で再会したキルアに頷くと、門に手をかけたまま銀髪が振り返る。
神妙な面持ちで揺れる瞳と視線がぶつかって、小首を傾ける。
「悪い…あとで詳しく話すから」
「大丈夫、アルカの名前が出た時点でおおよそ見当はつくよ。私こそいろいろと謝らなくちゃだけど、今は時間が惜しいでしょ?」
「ん、アルカを連れて戻ってくるよ」
不安げな表情のゼブロと一緒にキルアを見送り、事務室に入って湯を沸かす。
「なまえ様、キルア坊っちゃんに一体何が…?」
「ゴンがね、このままだと死ぬかもしれないの」
「ゴンくんが…!?」
それを助けるために動いてるとだけ伝えて、重たい湯呑みに指を重ねて握りしめる。
ケータイの着信が鳴り、ゼブロが固唾を呑んで見守る。
「やっとつながった!なまえ、今どこだ!?ゴンが大変なんだよ!すぐに来てくれ!」
「レオリオ。今ね、ゾルディック家にいるの」
「何…!?じゃあ、キルアも一緒か?」
「うん、すぐ近くにはいないけど。大丈夫、ゴンは必ず治るよ。キルアを信じて」
一方的に通話を切って息を吐き、額に手を当てながらヨロヨロとその場にしゃがみ込む。
あわてて声をかけるゼブロにヘーキだと笑って、窓からククルーマウンテンを見つめる。
瀕死のゴンを助けようと、みんな必死で躍起になって動いている。
もし私が記憶を失くしていたら、こんな冷静でいることなんてとてもじゃないけどできなかった。
◇
「お姉ちゃん!」
「アルカ!」
屋敷から無事に事務室へと降りてきたキルアとアルカを出迎える。
以前より大きくなったアルカに飛びつかれて、監禁されていた年月の長さを感じて抱きしめ返す。
何もしてあげられなかったのに、こうやってまたお姉ちゃんって笑顔で呼んでくれるんだな。
モラウに連絡した後、外出時警戒レベル4と判断されたキルアはゴトーとカナリアに加えて、ツボネとアマネが同行することになった。
「いい事!?なまえ様といえども、シルバ様の御申し付けがある以上譲れません事よ!違反即帰宅!ご覚悟あそばせ!」
「私はただの付き添いだから大丈夫だって。ね、キルア」
「キルアちゃんもいい事!?」
忠告するツボネちゃんの圧に押されて、ハイハイハイと汗をかきながら縮こまるキルアをアルカがかばう。
スッと私の目の前に、指先をそろえた手のひらが差し出された。
「アマネと申します。なまえ様、通信機器をお預かりいたします」
「私もダメなんだ」
「私共執事は、なまえ様をご家族同様対応するよう申し付けられています。今回に関しても例外ではありません」
「真面目ね」
今まで何も言ってこなかったゴトーとカナリアは、わざと知らんぷりしてくれてたわけだ。
ケータイを手渡して、短い眉をつり上げたアマネをじっと見つめる。
「…あの、何か?」
「いや、笑ったらもっとかわいいだろうなって」
「なっ…!?」
うしろにいるカナリアの小さな笑い声が聞こえて、初対面の執事二人が自己紹介をする。
このタイミングでアルカのおねだりが発動して、身を隠すことになったツボネ以外の6人で車に乗りゴンのいる病院へ向かう。
キルアのケータイに出たゴトーが一度通話を切り、再び着信音が鳴った。
「こちらレオリオと申しますがァァーア!!キルア君に代わっていただけますかァァー!?」
「この感じ懐かしいね、キルア」
「あー、うん…懐けーな」
キルアがゴトーに代わった方が早いと申し出て、ケータイが手渡される。
「詳しくは何も言えないけど、オレを信じてゴトーの言う通りにしてくれ。ああ、なまえも一緒に向かってるよ」
レオリオ、心配だろうけどここは任せて。
ゴンの元まで絶対無事に二人を送り届けるから。
「つーかなまえ、あれからゴンの親父に会った?」
「ん?いいや、まだ会ってないよ」
「見ろよ、ハンターサイトに動画載ってるぜ」
キルアと隣にいるアルカと一緒にタブレットをのぞき込み、レオリオの念により殴り飛ばされるジンを見て感嘆の声を上げて拍手する。
一日一回、この動画を見るの日課にしよう。
「ナイスアッパーだ、レオリオ」
「なまえまで笑ってるし…ゴンの親父って嫌われてんの?」
「いやいや、かなり愛されてるよ」
「ホントかよ…それにしても3位だって、すげーなアイツ」
「本人は不本意だろうけど、世の中レオリオみたいな人がもっと上に立って欲しいよ」
頬杖をついて愚痴混じりにつぶやくと、ケータイを耳に当てたゴトーの顔色が変わった。
「イルミ様…!」
一瞬にしてアマネの緊張度が上がり、キルアに代わると思いきや私の目の前にゴトーの腕が伸びてくる。
怪訝な顔をするキルアを安心させるよう、ニッと口の端を上げた。
「なまえ、家族内指令の事は父さんから聞いてるよね?」
「うん。イルミくんとこうやって話すの、久しぶりだね」
「何か言い残したことがあるなら、今のうちに言っておきなよ」
「やさしいのね。知ってのとおり、好きな人には好きっていつも言ってるから大丈夫」
「そう。じゃ、キルに代わって」
声色ひとつ変えないイルミに内心息を吐いて、キルアに手渡す。
私は視界の端にゴトーをとらえて、組んだ指先に力を込めた。
「家族内指令で家族は殺さないよ。家族はね」
車内の空気が張り詰めて、電撃のような殺気が肌を刺す。
一般人を犠牲に針人間とヒソカを引き連れて、イルミが殺しにやってくる。
「上等だ。返り討ちにしてやるよ…!」
「じゃ、始めるよー」
試しの門の前で再会したキルアに頷くと、門に手をかけたまま銀髪が振り返る。
神妙な面持ちで揺れる瞳と視線がぶつかって、小首を傾ける。
「悪い…あとで詳しく話すから」
「大丈夫、アルカの名前が出た時点でおおよそ見当はつくよ。私こそいろいろと謝らなくちゃだけど、今は時間が惜しいでしょ?」
「ん、アルカを連れて戻ってくるよ」
不安げな表情のゼブロと一緒にキルアを見送り、事務室に入って湯を沸かす。
「なまえ様、キルア坊っちゃんに一体何が…?」
「ゴンがね、このままだと死ぬかもしれないの」
「ゴンくんが…!?」
それを助けるために動いてるとだけ伝えて、重たい湯呑みに指を重ねて握りしめる。
ケータイの着信が鳴り、ゼブロが固唾を呑んで見守る。
「やっとつながった!なまえ、今どこだ!?ゴンが大変なんだよ!すぐに来てくれ!」
「レオリオ。今ね、ゾルディック家にいるの」
「何…!?じゃあ、キルアも一緒か?」
「うん、すぐ近くにはいないけど。大丈夫、ゴンは必ず治るよ。キルアを信じて」
一方的に通話を切って息を吐き、額に手を当てながらヨロヨロとその場にしゃがみ込む。
あわてて声をかけるゼブロにヘーキだと笑って、窓からククルーマウンテンを見つめる。
瀕死のゴンを助けようと、みんな必死で躍起になって動いている。
もし私が記憶を失くしていたら、こんな冷静でいることなんてとてもじゃないけどできなかった。
◇
「お姉ちゃん!」
「アルカ!」
屋敷から無事に事務室へと降りてきたキルアとアルカを出迎える。
以前より大きくなったアルカに飛びつかれて、監禁されていた年月の長さを感じて抱きしめ返す。
何もしてあげられなかったのに、こうやってまたお姉ちゃんって笑顔で呼んでくれるんだな。
モラウに連絡した後、外出時警戒レベル4と判断されたキルアはゴトーとカナリアに加えて、ツボネとアマネが同行することになった。
「いい事!?なまえ様といえども、シルバ様の御申し付けがある以上譲れません事よ!違反即帰宅!ご覚悟あそばせ!」
「私はただの付き添いだから大丈夫だって。ね、キルア」
「キルアちゃんもいい事!?」
忠告するツボネちゃんの圧に押されて、ハイハイハイと汗をかきながら縮こまるキルアをアルカがかばう。
スッと私の目の前に、指先をそろえた手のひらが差し出された。
「アマネと申します。なまえ様、通信機器をお預かりいたします」
「私もダメなんだ」
「私共執事は、なまえ様をご家族同様対応するよう申し付けられています。今回に関しても例外ではありません」
「真面目ね」
今まで何も言ってこなかったゴトーとカナリアは、わざと知らんぷりしてくれてたわけだ。
ケータイを手渡して、短い眉をつり上げたアマネをじっと見つめる。
「…あの、何か?」
「いや、笑ったらもっとかわいいだろうなって」
「なっ…!?」
うしろにいるカナリアの小さな笑い声が聞こえて、初対面の執事二人が自己紹介をする。
このタイミングでアルカのおねだりが発動して、身を隠すことになったツボネ以外の6人で車に乗りゴンのいる病院へ向かう。
キルアのケータイに出たゴトーが一度通話を切り、再び着信音が鳴った。
「こちらレオリオと申しますがァァーア!!キルア君に代わっていただけますかァァー!?」
「この感じ懐かしいね、キルア」
「あー、うん…懐けーな」
キルアがゴトーに代わった方が早いと申し出て、ケータイが手渡される。
「詳しくは何も言えないけど、オレを信じてゴトーの言う通りにしてくれ。ああ、なまえも一緒に向かってるよ」
レオリオ、心配だろうけどここは任せて。
ゴンの元まで絶対無事に二人を送り届けるから。
「つーかなまえ、あれからゴンの親父に会った?」
「ん?いいや、まだ会ってないよ」
「見ろよ、ハンターサイトに動画載ってるぜ」
キルアと隣にいるアルカと一緒にタブレットをのぞき込み、レオリオの念により殴り飛ばされるジンを見て感嘆の声を上げて拍手する。
一日一回、この動画を見るの日課にしよう。
「ナイスアッパーだ、レオリオ」
「なまえまで笑ってるし…ゴンの親父って嫌われてんの?」
「いやいや、かなり愛されてるよ」
「ホントかよ…それにしても3位だって、すげーなアイツ」
「本人は不本意だろうけど、世の中レオリオみたいな人がもっと上に立って欲しいよ」
頬杖をついて愚痴混じりにつぶやくと、ケータイを耳に当てたゴトーの顔色が変わった。
「イルミ様…!」
一瞬にしてアマネの緊張度が上がり、キルアに代わると思いきや私の目の前にゴトーの腕が伸びてくる。
怪訝な顔をするキルアを安心させるよう、ニッと口の端を上げた。
「なまえ、家族内指令の事は父さんから聞いてるよね?」
「うん。イルミくんとこうやって話すの、久しぶりだね」
「何か言い残したことがあるなら、今のうちに言っておきなよ」
「やさしいのね。知ってのとおり、好きな人には好きっていつも言ってるから大丈夫」
「そう。じゃ、キルに代わって」
声色ひとつ変えないイルミに内心息を吐いて、キルアに手渡す。
私は視界の端にゴトーをとらえて、組んだ指先に力を込めた。
「家族内指令で家族は殺さないよ。家族はね」
車内の空気が張り詰めて、電撃のような殺気が肌を刺す。
一般人を犠牲に針人間とヒソカを引き連れて、イルミが殺しにやってくる。
「上等だ。返り討ちにしてやるよ…!」
「じゃ、始めるよー」