会長選挙・アルカ編
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※回想
ゾルディック家の私有地であるククルーマウンテン。
砂場で遊ぶキルアと一緒にいると、青ざめた執事のミツバからすぐに来てほしいと急ぎ足で呼ばれた。
「なまえ様…!アルカ坊ちゃんのカオが突然…!」
「あー、大丈夫オレに任せて!アルカ!お兄ちゃんを高い高いしてー」
「あい」
「ね、戻った。誰にもナイショな」
すでに誰かに連絡したかと聞けば、ミツバはいいえと首を横に振る。
「お願いミツバ、キルアの言うとおりキキョウちゃんたちにも秘密にしてね」
「しかし…」
「オレたちだけのヒミツ!」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん。ダッコしてー」
腕を伸ばすアルカの小さな身体を抱き上げる。
わかりましたと頷くミツバの顔を見て、隠すのもそろそろ限界だと悟った。
「えー!何でみんな知ってるの!?オレたちだけのヒミツだったのにー!」
シルバとキキョウに呼ばれて、和室の座布団へと腰を下ろす。
脚の上にぽすんっと座ったキルアが、アルカのおねだりとお願いについて二人に説明する。
その後、アルカの能力の全容を掴むため私が把握する限りミツバを始め98人が死んだ。
「もう十分でしょ。アルカを自由にしてあげて」
「無理だ。あれは誰にも制御出来ない」
「誰も何もお願いをしなければ済む話なのに」
「どうしてそういう発想になる?」
心底不思議そうにつぶやくシルバに、自分でも綺麗事を言っている自覚はあった。
制限なく何でも願いが叶うという能力を知ってしまった以上、誰しも願わずにはいられない。
それはゾルディック家とて例外ではなかった。
「あれを家族だと思ってはいけない」
心底ふざけた話だと思った。
私とゾルディック家を結ぶ縁は、流星街で殺されそうだった幼い少女キキョウを逃したこと。
赤の他人である私を家族のように受け入れてくれたシルバだが、自分の子供をその能力のせいでいともたやすく切り離した。
アルカの話題はこれで終わりだと告げられて、シルバの部屋を半ば強制的に出る。
「アルカを解放?お前はゾルディック家を全滅させたいの?」
「イルミの弟でしょ。監禁だなんてキルアだって悲しむよ」
「うん。だから父さんの言うとおり、矯正が必要なんだよねー」
まだ黒の髪が肩にもかからないイルミを見上げて、眉をひそめる。
「もしかして怒ってる?やっぱりなまえって、オレたちとは思考がズレてるね。お前も針で矯正してやってもいいけど、そこまで面倒見てやる必要性もないしね。父さんたちと違ってオレ、お前のこと家族だなんて思ったことないから」
光を灯さない瞳に見下ろされて、彼の言うことも尤もだと思った。
私がいくらこの世界の人間のフリをしても所詮、外側の人間でしかないのだ。
アルカはもう、今まで通りの暮らしには戻れない。
「お姉ちゃん!ナデナデしてー」
「うん、いいよ」
甘えてくる小さな身体を抱きしめて頭をなでると、彼女はとてもうれしそうに笑う。
うしろで腕を組み監視するイルミの視線を受けながら、ごめんねと眉を下げて謝る。
「私もキルアも、アルカのことずっと大好きだよ。またね」
ゾルディック家の私有地であるククルーマウンテン。
砂場で遊ぶキルアと一緒にいると、青ざめた執事のミツバからすぐに来てほしいと急ぎ足で呼ばれた。
「なまえ様…!アルカ坊ちゃんのカオが突然…!」
「あー、大丈夫オレに任せて!アルカ!お兄ちゃんを高い高いしてー」
「あい」
「ね、戻った。誰にもナイショな」
すでに誰かに連絡したかと聞けば、ミツバはいいえと首を横に振る。
「お願いミツバ、キルアの言うとおりキキョウちゃんたちにも秘密にしてね」
「しかし…」
「オレたちだけのヒミツ!」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん。ダッコしてー」
腕を伸ばすアルカの小さな身体を抱き上げる。
わかりましたと頷くミツバの顔を見て、隠すのもそろそろ限界だと悟った。
「えー!何でみんな知ってるの!?オレたちだけのヒミツだったのにー!」
シルバとキキョウに呼ばれて、和室の座布団へと腰を下ろす。
脚の上にぽすんっと座ったキルアが、アルカのおねだりとお願いについて二人に説明する。
その後、アルカの能力の全容を掴むため私が把握する限りミツバを始め98人が死んだ。
「もう十分でしょ。アルカを自由にしてあげて」
「無理だ。あれは誰にも制御出来ない」
「誰も何もお願いをしなければ済む話なのに」
「どうしてそういう発想になる?」
心底不思議そうにつぶやくシルバに、自分でも綺麗事を言っている自覚はあった。
制限なく何でも願いが叶うという能力を知ってしまった以上、誰しも願わずにはいられない。
それはゾルディック家とて例外ではなかった。
「あれを家族だと思ってはいけない」
心底ふざけた話だと思った。
私とゾルディック家を結ぶ縁は、流星街で殺されそうだった幼い少女キキョウを逃したこと。
赤の他人である私を家族のように受け入れてくれたシルバだが、自分の子供をその能力のせいでいともたやすく切り離した。
アルカの話題はこれで終わりだと告げられて、シルバの部屋を半ば強制的に出る。
「アルカを解放?お前はゾルディック家を全滅させたいの?」
「イルミの弟でしょ。監禁だなんてキルアだって悲しむよ」
「うん。だから父さんの言うとおり、矯正が必要なんだよねー」
まだ黒の髪が肩にもかからないイルミを見上げて、眉をひそめる。
「もしかして怒ってる?やっぱりなまえって、オレたちとは思考がズレてるね。お前も針で矯正してやってもいいけど、そこまで面倒見てやる必要性もないしね。父さんたちと違ってオレ、お前のこと家族だなんて思ったことないから」
光を灯さない瞳に見下ろされて、彼の言うことも尤もだと思った。
私がいくらこの世界の人間のフリをしても所詮、外側の人間でしかないのだ。
アルカはもう、今まで通りの暮らしには戻れない。
「お姉ちゃん!ナデナデしてー」
「うん、いいよ」
甘えてくる小さな身体を抱きしめて頭をなでると、彼女はとてもうれしそうに笑う。
うしろで腕を組み監視するイルミの視線を受けながら、ごめんねと眉を下げて謝る。
「私もキルアも、アルカのことずっと大好きだよ。またね」