G・I編
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灯台もと暗し。
展望台から昇る朝日を眺めて、NPCが「一坪の海岸線」のカードへと変化する。
オリジナルはゴンたちが所持して、ツェズゲラとゴレイヌがコピーを手にする。
「なまえとヒソカは本当に何もいらないの?」
「ああ、楽しかったからね」
「右に同じく」
「もう行くよ」
何かあったら呪文カードで連絡してくれよとゴンたちに伝えて、ヒソカはアイコンタクトを送って階段を降りていく。
はいはい、わかってますよ。
「ビスケ、ゴンとキルアのことよろしくね」
「あんたに言われるまでもないわさ」
「え!なまえも行っちゃうの?もっと一緒にG・Iプレイできると思ったのに」
「ゴン〜」
正面からゴンを抱きしめていると、あ!とキルアが声をあげてヒソカのウソに気づいた。
「キルア、嘘つきには意味ある嘘しかつかないタイプと、意味のない嘘もつくタイプと二通りいるの。あんたとあたしは前者、アイツとなまえは後者」
「そうそう」
「…肯定するってことは、ウソついてること自体は認めるんだな?」
「はっ、しまった…!」
半目のキルアに何を隠してるんだよと、容赦なく額を指でつつかれる。
「実はね、探してる人がいるの」
眉をつり上げていたキルアの表情がこわばって、じっと見つめられる。
「ジンっていうんだけど」
「え!知ってるの!?ジンのこと」
「ゴン、お前親父の話なまえに言ってなかったのかよ」
「うん、そういえば」
ゴンから期待の眼差しを向けられて、ごめんねと謝る。
「さっき言ったとおり私も探してて、今どこにいるかは知らないんだ。あの人、2年に1回は行方不明になるから」
「なまえはジンと知り合いなの?」
「私も昔ちょっと荒れてた時期があってね。ジンに出会って世界が360度変わったの。まあ、レイザーと同じようなもんだよ」
「それってただ元の位置に戻ってねーか?言うなら180度だろ?」
「いーや、360度でいいの!んで、その後はこっちが一方的に追いかけてるだけ」
「そうなんだ…」
驚きつつも落胆の表情を隠しきれないゴンを見て、大丈夫だよと小さな肩をぽんぽんと叩く。
「ゴンなら必ず探し出せるから。会ったら、一度くらい息子に顔見せろって殴ってやんなさい」
「なんか、天空闘技場でも同じようなこと言ってたな」
「そうだっけ?」
「ありがとう、なまえ。オレ、なまえができるって言ったら何でもできる気がするんだ」
「ゴン、お前またそんなこと言ったら…」
「ゴン〜」
「ほらな」
ゴンを腕の中におさめていると、ぱんぱんっと手を叩く音が聞こえて顔を上げる。
「あんたたちの美しい友情関係はよーくわかったから。とりあえず灯台から降りましょ?」
「ビスケも大事な友達だよー」
「はいはい。なまえ、いつまでもぐずぐず泣いてないで別れるならキッパリと別れる!じゃないと、いつまで経っても同じことくり返す気でしょ」
急かすビスケに背中を押されて、その通りだと笑いながら階段を降りる。
これも、ビスケなりのやさしさだ。
下にいたツェズゲラ組とゴレイヌとも挨拶を交わすと、爆弾魔に気をつけろと忠告してもらってお礼を言う。
みんなと別れて少し歩いたあとちらりと振り返ると、目が合ったキルアは困ったように笑っていた。
「なまえっていつも寂しそうな顔するよな」
「だってさびしいんだもん。ねえ、キルア」
「何だよ?」
開いた唇を震わせて、また閉じる。
言いたいこと、言えないこと、言っちゃいけないこと。
ゴンとキルアの顔を見て、精一杯笑いかける。
「またね!今日みたいなムチャもうしないよーに!助けが必要だったら、いつでも呼んでね」
「ん、なまえもな」
「なまえ、またね!バイバイ!」
「今度会ったら、高くて美味しいケーキ奢りなさいよ」
「ちなみにここでの私の名前、みょうじだからー!」
大きく手を振り、足早に立ち去る。
彼らたちがNGLにいる間、私には何ができるのだろう。
そばにいて守ることが真っ先に思い浮かぶあたり、ヒソカの言う通り過保護だな、私。
灯台からヒソカの待っている森の中へと一人歩いていった。
◇
フィンクスからヒソカへ連絡があり、「同行(アカンパニー)」で旅団の元に合流する。
「なまえ、ヒソカの動向を監視しとけ」
「おっけー」
フィンクスの言葉に頷いて、マチの念糸をたどり森の中で気づかれないよう除念師を尾けているノブナガとマチの元へと着いた。
大木の幹にもたれているマチに飛びつく。
「どうやって見つけたんだい?」
「教えるわけねェだろ、ボケ」
抱きしめ返してくれたマチの横に立って、望遠鏡をのぞくヒソカと同じく、親指と人差し指で輪っかにして食事中のアベンガネを眺める。
楽しいバトルを終えたばかりで、見ず知らずの人間なら壊してもいい気分だと言うヒソカに指摘されて、木陰から絶をしていたカルトが姿を現した。
「キミも美味そうだ…」
「ヒソカ、カルトちゃんに手出したらダメからね…って、いてっ」
背中でかばっていたカルトから、閉じた扇子でぺしっと叩かれた。
前会った時と変わらず、猜疑心の宿った瞳で見上げられる。
負けじと笑顔でなでようとすると、今度は真正面から額を強打された。
ヒソカがマチに、もしクロロを殺したらという記憶にある質問を投げかけている。
刻一刻と運命の時が近づいている。
もしその時が来たら、私はきっと─。
「ヒソカさ〜、交渉なら一対一の方がよくない?」
「なまえみたいな子がいた方が安心するだろ?」
「それ、よく言われるんだけど褒めてる?」
「褒めてる、褒めてる」
マチたちと別れて、今はヒソカと二人アベンガネの元へ。
街の中心から人気のない森の中へ移動して、現在交渉中。
周りに自生している木の黄色の果実をもぎ取ると、いい香りが広がった。
「なるほど。その依頼受けてもいいが、今オレも爆弾魔にやられていてな。すぐにG・Iからは出られない。この念獣を消すには条件があって、オレは今その機会を伺っている」
「いくらでも待つよ」
「そこは手伝いますって言いなよ」
「いや、相手はすでに50人以上殺しているプレイヤーだ。迂闊に近づいても返り討ちに遭うだけだろう」
「なまえ、何か言いたそうだね?」
「いえ、べつに」
「?まあ、とにかくこちらとしてはその除念の話、時間さえ与えてもらえれば断るつもりはない。さっき提示した金額に、間違いはないんだな?」
「もちろん。交渉成立だね」
「ありがとうございます」
頭を下げて、うごうごとフードを外したアベンガネの体を這いずり回る念獣を見る。
爆弾魔の念獣でこの大きさなら、クラピカのは…。
久々に大金が入るとほくそ笑むアベンガネを見て私は考えるのをやめて、手にしていた紡錘形の檸檬をそっと彼に手渡した。
展望台から昇る朝日を眺めて、NPCが「一坪の海岸線」のカードへと変化する。
オリジナルはゴンたちが所持して、ツェズゲラとゴレイヌがコピーを手にする。
「なまえとヒソカは本当に何もいらないの?」
「ああ、楽しかったからね」
「右に同じく」
「もう行くよ」
何かあったら呪文カードで連絡してくれよとゴンたちに伝えて、ヒソカはアイコンタクトを送って階段を降りていく。
はいはい、わかってますよ。
「ビスケ、ゴンとキルアのことよろしくね」
「あんたに言われるまでもないわさ」
「え!なまえも行っちゃうの?もっと一緒にG・Iプレイできると思ったのに」
「ゴン〜」
正面からゴンを抱きしめていると、あ!とキルアが声をあげてヒソカのウソに気づいた。
「キルア、嘘つきには意味ある嘘しかつかないタイプと、意味のない嘘もつくタイプと二通りいるの。あんたとあたしは前者、アイツとなまえは後者」
「そうそう」
「…肯定するってことは、ウソついてること自体は認めるんだな?」
「はっ、しまった…!」
半目のキルアに何を隠してるんだよと、容赦なく額を指でつつかれる。
「実はね、探してる人がいるの」
眉をつり上げていたキルアの表情がこわばって、じっと見つめられる。
「ジンっていうんだけど」
「え!知ってるの!?ジンのこと」
「ゴン、お前親父の話なまえに言ってなかったのかよ」
「うん、そういえば」
ゴンから期待の眼差しを向けられて、ごめんねと謝る。
「さっき言ったとおり私も探してて、今どこにいるかは知らないんだ。あの人、2年に1回は行方不明になるから」
「なまえはジンと知り合いなの?」
「私も昔ちょっと荒れてた時期があってね。ジンに出会って世界が360度変わったの。まあ、レイザーと同じようなもんだよ」
「それってただ元の位置に戻ってねーか?言うなら180度だろ?」
「いーや、360度でいいの!んで、その後はこっちが一方的に追いかけてるだけ」
「そうなんだ…」
驚きつつも落胆の表情を隠しきれないゴンを見て、大丈夫だよと小さな肩をぽんぽんと叩く。
「ゴンなら必ず探し出せるから。会ったら、一度くらい息子に顔見せろって殴ってやんなさい」
「なんか、天空闘技場でも同じようなこと言ってたな」
「そうだっけ?」
「ありがとう、なまえ。オレ、なまえができるって言ったら何でもできる気がするんだ」
「ゴン、お前またそんなこと言ったら…」
「ゴン〜」
「ほらな」
ゴンを腕の中におさめていると、ぱんぱんっと手を叩く音が聞こえて顔を上げる。
「あんたたちの美しい友情関係はよーくわかったから。とりあえず灯台から降りましょ?」
「ビスケも大事な友達だよー」
「はいはい。なまえ、いつまでもぐずぐず泣いてないで別れるならキッパリと別れる!じゃないと、いつまで経っても同じことくり返す気でしょ」
急かすビスケに背中を押されて、その通りだと笑いながら階段を降りる。
これも、ビスケなりのやさしさだ。
下にいたツェズゲラ組とゴレイヌとも挨拶を交わすと、爆弾魔に気をつけろと忠告してもらってお礼を言う。
みんなと別れて少し歩いたあとちらりと振り返ると、目が合ったキルアは困ったように笑っていた。
「なまえっていつも寂しそうな顔するよな」
「だってさびしいんだもん。ねえ、キルア」
「何だよ?」
開いた唇を震わせて、また閉じる。
言いたいこと、言えないこと、言っちゃいけないこと。
ゴンとキルアの顔を見て、精一杯笑いかける。
「またね!今日みたいなムチャもうしないよーに!助けが必要だったら、いつでも呼んでね」
「ん、なまえもな」
「なまえ、またね!バイバイ!」
「今度会ったら、高くて美味しいケーキ奢りなさいよ」
「ちなみにここでの私の名前、みょうじだからー!」
大きく手を振り、足早に立ち去る。
彼らたちがNGLにいる間、私には何ができるのだろう。
そばにいて守ることが真っ先に思い浮かぶあたり、ヒソカの言う通り過保護だな、私。
灯台からヒソカの待っている森の中へと一人歩いていった。
◇
フィンクスからヒソカへ連絡があり、「同行(アカンパニー)」で旅団の元に合流する。
「なまえ、ヒソカの動向を監視しとけ」
「おっけー」
フィンクスの言葉に頷いて、マチの念糸をたどり森の中で気づかれないよう除念師を尾けているノブナガとマチの元へと着いた。
大木の幹にもたれているマチに飛びつく。
「どうやって見つけたんだい?」
「教えるわけねェだろ、ボケ」
抱きしめ返してくれたマチの横に立って、望遠鏡をのぞくヒソカと同じく、親指と人差し指で輪っかにして食事中のアベンガネを眺める。
楽しいバトルを終えたばかりで、見ず知らずの人間なら壊してもいい気分だと言うヒソカに指摘されて、木陰から絶をしていたカルトが姿を現した。
「キミも美味そうだ…」
「ヒソカ、カルトちゃんに手出したらダメからね…って、いてっ」
背中でかばっていたカルトから、閉じた扇子でぺしっと叩かれた。
前会った時と変わらず、猜疑心の宿った瞳で見上げられる。
負けじと笑顔でなでようとすると、今度は真正面から額を強打された。
ヒソカがマチに、もしクロロを殺したらという記憶にある質問を投げかけている。
刻一刻と運命の時が近づいている。
もしその時が来たら、私はきっと─。
「ヒソカさ〜、交渉なら一対一の方がよくない?」
「なまえみたいな子がいた方が安心するだろ?」
「それ、よく言われるんだけど褒めてる?」
「褒めてる、褒めてる」
マチたちと別れて、今はヒソカと二人アベンガネの元へ。
街の中心から人気のない森の中へ移動して、現在交渉中。
周りに自生している木の黄色の果実をもぎ取ると、いい香りが広がった。
「なるほど。その依頼受けてもいいが、今オレも爆弾魔にやられていてな。すぐにG・Iからは出られない。この念獣を消すには条件があって、オレは今その機会を伺っている」
「いくらでも待つよ」
「そこは手伝いますって言いなよ」
「いや、相手はすでに50人以上殺しているプレイヤーだ。迂闊に近づいても返り討ちに遭うだけだろう」
「なまえ、何か言いたそうだね?」
「いえ、べつに」
「?まあ、とにかくこちらとしてはその除念の話、時間さえ与えてもらえれば断るつもりはない。さっき提示した金額に、間違いはないんだな?」
「もちろん。交渉成立だね」
「ありがとうございます」
頭を下げて、うごうごとフードを外したアベンガネの体を這いずり回る念獣を見る。
爆弾魔の念獣でこの大きさなら、クラピカのは…。
久々に大金が入るとほくそ笑むアベンガネを見て私は考えるのをやめて、手にしていた紡錘形の檸檬をそっと彼に手渡した。