G・I編
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ツェズゲラ組との交渉をゴレイヌに任せて、ツェズゲラのマネをして高く跳び始めたゴンとキルアを見上げながら頬をゆるめる。
「若い子の成長ってのはいいもんだよねー」
「あんた…見た目若くしてるんだから、ちょっとは自分のキャラ保ちなさいよ」
「これもビスケのおかげだね。ありがとう」
「何言ってんの。あの子たち自身の、努力の賜物だわさ」
ビスケに抱きつくと、やはりすぐにはたき落とされた。
そして一週間後。
「やあ、そろそろ来る頃かと思ってたよ」
ソウフラビの灯台を改造した要塞の中に入ると、体育館を模した施設で久しぶりにレイザーと再会する。
ツェズゲラ組のメンバーが試合している間、レイザーの元に近寄る。
「なんだ、今日はあの彼氏と一緒じゃないんだな」
「今はボクがなまえの彼氏だからね」
「ぶっ飛ばしますよ」
「おお、怖い怖い」
「ケンカするほど仲がいいってやつか」
「違います」
適当に負けていいぞ、と部下に合図するレイザーに丸みを帯びた巨体の男が帽子を脱ぎ捨てて唾を吐く。
ボポボ、そうそう確かそんな名前をしていた彼の頭はレイザーの念弾により爆散した。
ゲームマスターであるレイザーからテーマはドッジボールだと告げられ、7体の念人形が現れる。
「やってられねーよ!オレは死にたくねェ!帰るぜ!」
数合わせのメンバーが、呼び止める声も聞かずに急ぎ足で逃げていく。
まあ、殺人現場を目の当たりにして恐怖するのは当然だわな。
オレが二人分になるとゴレイヌが念獣を出し、これで8対8のメンバーがそろった。
白線のコートに入り、屈伸して軽くジャンプする。
さあ、命懸けのドッジボールの始まりだ。
記憶通り、ゴレイヌとツェズゲラの二人が先にアウトとなる。
結果はどうあれ、本来ならばゴレイヌはもう一体の念獣でリベンジするチャンスがあったのに。
ぐっと、自身の拳を固く握る。
「行くぞ、ゴン!」
硬でガードしたゴンは壁まで飛ばされて、ボールは天井に大きな穴を開けてめり込む。
内野は4対3だが明らかにこちらが押されている状況、まずはあの殺人級のボールを何とかしなければ勝ち目はない。
横一列に並ぶキルア、ビスケ、ヒソカを見て私は一歩足を踏み出す。
「ビスケ、隣に並んで」
「なまえ!?」
「ったく、アンタといるとろくな目に遭わないわさ」
「ホウ、女の子二人が前に出たか。誰が相手だろうが手加減はなしだ。さて、次は誰かな!?」
ビスケに向かって、豪速球のボールが凄まじい音を立てて飛んでいく。
大丈夫、ビスケならよけられる。
ザッとスカートがはためいた瞬間、直角に曲がったボールがこちら目掛けて飛んできた。
「なまえ!よけろ!」
来るのがわかってるなら、やることは一つ…!
衝撃が全身にビリビリと伝わり、靴の底が熱くなるのを感じつつ滑り勢いを殺す。
シュウ…と煙が上がり、両手にボールを抱えてコートの上に立ったたまま、ふーっと息を吐く。
うん、息ができるなら大丈夫なんだけど。
「いったーい!」
「ウソだろ…」
「レイザーのボールを受け止めやがった。しかも、無傷で…」
「なまえ選手、アウト!」
「なんでだよ!ちゃんとコート内でボール受け止めてるだろ!?」
キルアが声をあげてくれたが、審判のNo.0が私の足元の踏んでいる白線を指差した。
「ラインを踏んだ時点で、エリア外に触れた状態での捕球とみなし反則!アウトです!」
「オーバーラインだ。惜しかったな」
「審議!私の地元じゃセーフでした!」
「公式ルールに則ってアウトです」
ちぇっ、ローカルルールはなしか。
「一度曲がって勢いが衰えたとはいえ、オレのボールを受け止めるとは大したお嬢さんだ」
「くっそー!くやしー!」
「ビスケ選手アウト!外野へ移動です!」
「何!?」
「衣服も体の一部…ってことだわね?不覚…」
ビスケ、うまくよけたと思ったんだけどな。
内野が2人となり、手当てを受けて休んでいたゴンがバックを宣言する。
あーあ、ゴンのあの顔完全に頭にきてる。
「なまえ」
「ん?」
ビスケの言葉にうん、としか返さないゴンに急に名前を呼ばれて少し驚いた。
「アイツをカンペキに負かしてくる」
「うん、いってらっしゃい」
こくりと頷いて、パシッとゴンとタッチを交わして内野から出る。
靴底はすり切れて穴が空いてしまったので、壁際にポイッと脱ぎ捨て裸足になって外野へ移動する。
「なまえ、あんたは休んでなさい」
「え?なんで?」
「肋骨、何本か折れてるでしょ」
バレてたか。
念でガードしたとはいえ、さすがに無傷でレイザーのボールを受け止めることなんてできなかった。
動けるくらいにはヘーキと笑うと、ため息をつかれた。
「レイザーのボール、初めからよける気なんてなかったわね?まったく、あんたもゴンも似た者同士なんだから」
「えへへ、褒められちゃった」
「べつに褒めてないわさ」
真っ向勝負以外で勝とうとしても、ゴンはよろこばないからね。
最後にヒソカがおいしいところを全部持っていって、見事勝利となった。
試合が終わると、すぐにキルアの元に走っていく。
「なんて顔してるんだよ、なまえ」
「みんなもそうだけど、キルアはホントによくがんばったよ」
連携プレイで一番負担が大きかったキルアの、ひどく腫れ上がった手にそっとオーラを込める。
手当てするためその場に座らせると、ちらりとレイザーと話すゴンを見ていた。
「気になるだろうけど、手当てが先ね」
「痛〜〜〜」
「キルア、ゴンのために本当にありがとね」
「…なんでなまえが礼を言うんだよ。てか、そうやってかしこまるの、ナシじゃなかったのかよ」
そっぽを向くキルアを見て、まばたきしたあと目を細める。
そうだね、友達だもんね。
「でも、両手がこんなになるまでムチャしたのは感心しないなー!」
「それ、なまえに言われたくないんだけど」
「私は例外なの!こうして元気してるからいーの!」
「あっ、ずりー!なまえまでゴンみたいなこと言うなよなー」
包帯を巻いてキルアの手当てが終わったあと、ヒソカに声をかける。
何きょとんとした顔してんの。
「ほら、手出して」
「珍しいこともあるもんだね」
「これはゴンのお礼」
ていうか、このあと除念師との交渉してもらわないと困るからそれも含めてだ。
ヒソカの長い指を手当てしていると、耳元に息がかかる。
「怪我の功名ってやつかな」
「だから、わざわざ顔を近づけてささやかない!」
「なまえ、忘れ物だ」
レイザーの言葉に顔を向けると、彼の部下から見覚えのあるものを渡される。
それはクロロと一緒に島に不法侵入した時の私の靴。
そういや、あの時海岸に脱ぎ捨てっ放しだった。
ちょうどいいやと、持ってきてくれた人にお礼を言ってその場で履く。
「というか、わざわざ取っておいてくれたんですか?」
「戦うことになるかもしれないから、一応な」
「うれしい!ありがとうございます、レイザーさん。ドッジボールとっても楽しかったです」
手を差し出すと、一瞬レイザーの動きが止まる。
がしりと握手を交わした彼は、元死刑囚とは感じられないほどいい顔をして笑っていた。
「若い子の成長ってのはいいもんだよねー」
「あんた…見た目若くしてるんだから、ちょっとは自分のキャラ保ちなさいよ」
「これもビスケのおかげだね。ありがとう」
「何言ってんの。あの子たち自身の、努力の賜物だわさ」
ビスケに抱きつくと、やはりすぐにはたき落とされた。
そして一週間後。
「やあ、そろそろ来る頃かと思ってたよ」
ソウフラビの灯台を改造した要塞の中に入ると、体育館を模した施設で久しぶりにレイザーと再会する。
ツェズゲラ組のメンバーが試合している間、レイザーの元に近寄る。
「なんだ、今日はあの彼氏と一緒じゃないんだな」
「今はボクがなまえの彼氏だからね」
「ぶっ飛ばしますよ」
「おお、怖い怖い」
「ケンカするほど仲がいいってやつか」
「違います」
適当に負けていいぞ、と部下に合図するレイザーに丸みを帯びた巨体の男が帽子を脱ぎ捨てて唾を吐く。
ボポボ、そうそう確かそんな名前をしていた彼の頭はレイザーの念弾により爆散した。
ゲームマスターであるレイザーからテーマはドッジボールだと告げられ、7体の念人形が現れる。
「やってられねーよ!オレは死にたくねェ!帰るぜ!」
数合わせのメンバーが、呼び止める声も聞かずに急ぎ足で逃げていく。
まあ、殺人現場を目の当たりにして恐怖するのは当然だわな。
オレが二人分になるとゴレイヌが念獣を出し、これで8対8のメンバーがそろった。
白線のコートに入り、屈伸して軽くジャンプする。
さあ、命懸けのドッジボールの始まりだ。
記憶通り、ゴレイヌとツェズゲラの二人が先にアウトとなる。
結果はどうあれ、本来ならばゴレイヌはもう一体の念獣でリベンジするチャンスがあったのに。
ぐっと、自身の拳を固く握る。
「行くぞ、ゴン!」
硬でガードしたゴンは壁まで飛ばされて、ボールは天井に大きな穴を開けてめり込む。
内野は4対3だが明らかにこちらが押されている状況、まずはあの殺人級のボールを何とかしなければ勝ち目はない。
横一列に並ぶキルア、ビスケ、ヒソカを見て私は一歩足を踏み出す。
「ビスケ、隣に並んで」
「なまえ!?」
「ったく、アンタといるとろくな目に遭わないわさ」
「ホウ、女の子二人が前に出たか。誰が相手だろうが手加減はなしだ。さて、次は誰かな!?」
ビスケに向かって、豪速球のボールが凄まじい音を立てて飛んでいく。
大丈夫、ビスケならよけられる。
ザッとスカートがはためいた瞬間、直角に曲がったボールがこちら目掛けて飛んできた。
「なまえ!よけろ!」
来るのがわかってるなら、やることは一つ…!
衝撃が全身にビリビリと伝わり、靴の底が熱くなるのを感じつつ滑り勢いを殺す。
シュウ…と煙が上がり、両手にボールを抱えてコートの上に立ったたまま、ふーっと息を吐く。
うん、息ができるなら大丈夫なんだけど。
「いったーい!」
「ウソだろ…」
「レイザーのボールを受け止めやがった。しかも、無傷で…」
「なまえ選手、アウト!」
「なんでだよ!ちゃんとコート内でボール受け止めてるだろ!?」
キルアが声をあげてくれたが、審判のNo.0が私の足元の踏んでいる白線を指差した。
「ラインを踏んだ時点で、エリア外に触れた状態での捕球とみなし反則!アウトです!」
「オーバーラインだ。惜しかったな」
「審議!私の地元じゃセーフでした!」
「公式ルールに則ってアウトです」
ちぇっ、ローカルルールはなしか。
「一度曲がって勢いが衰えたとはいえ、オレのボールを受け止めるとは大したお嬢さんだ」
「くっそー!くやしー!」
「ビスケ選手アウト!外野へ移動です!」
「何!?」
「衣服も体の一部…ってことだわね?不覚…」
ビスケ、うまくよけたと思ったんだけどな。
内野が2人となり、手当てを受けて休んでいたゴンがバックを宣言する。
あーあ、ゴンのあの顔完全に頭にきてる。
「なまえ」
「ん?」
ビスケの言葉にうん、としか返さないゴンに急に名前を呼ばれて少し驚いた。
「アイツをカンペキに負かしてくる」
「うん、いってらっしゃい」
こくりと頷いて、パシッとゴンとタッチを交わして内野から出る。
靴底はすり切れて穴が空いてしまったので、壁際にポイッと脱ぎ捨て裸足になって外野へ移動する。
「なまえ、あんたは休んでなさい」
「え?なんで?」
「肋骨、何本か折れてるでしょ」
バレてたか。
念でガードしたとはいえ、さすがに無傷でレイザーのボールを受け止めることなんてできなかった。
動けるくらいにはヘーキと笑うと、ため息をつかれた。
「レイザーのボール、初めからよける気なんてなかったわね?まったく、あんたもゴンも似た者同士なんだから」
「えへへ、褒められちゃった」
「べつに褒めてないわさ」
真っ向勝負以外で勝とうとしても、ゴンはよろこばないからね。
最後にヒソカがおいしいところを全部持っていって、見事勝利となった。
試合が終わると、すぐにキルアの元に走っていく。
「なんて顔してるんだよ、なまえ」
「みんなもそうだけど、キルアはホントによくがんばったよ」
連携プレイで一番負担が大きかったキルアの、ひどく腫れ上がった手にそっとオーラを込める。
手当てするためその場に座らせると、ちらりとレイザーと話すゴンを見ていた。
「気になるだろうけど、手当てが先ね」
「痛〜〜〜」
「キルア、ゴンのために本当にありがとね」
「…なんでなまえが礼を言うんだよ。てか、そうやってかしこまるの、ナシじゃなかったのかよ」
そっぽを向くキルアを見て、まばたきしたあと目を細める。
そうだね、友達だもんね。
「でも、両手がこんなになるまでムチャしたのは感心しないなー!」
「それ、なまえに言われたくないんだけど」
「私は例外なの!こうして元気してるからいーの!」
「あっ、ずりー!なまえまでゴンみたいなこと言うなよなー」
包帯を巻いてキルアの手当てが終わったあと、ヒソカに声をかける。
何きょとんとした顔してんの。
「ほら、手出して」
「珍しいこともあるもんだね」
「これはゴンのお礼」
ていうか、このあと除念師との交渉してもらわないと困るからそれも含めてだ。
ヒソカの長い指を手当てしていると、耳元に息がかかる。
「怪我の功名ってやつかな」
「だから、わざわざ顔を近づけてささやかない!」
「なまえ、忘れ物だ」
レイザーの言葉に顔を向けると、彼の部下から見覚えのあるものを渡される。
それはクロロと一緒に島に不法侵入した時の私の靴。
そういや、あの時海岸に脱ぎ捨てっ放しだった。
ちょうどいいやと、持ってきてくれた人にお礼を言ってその場で履く。
「というか、わざわざ取っておいてくれたんですか?」
「戦うことになるかもしれないから、一応な」
「うれしい!ありがとうございます、レイザーさん。ドッジボールとっても楽しかったです」
手を差し出すと、一瞬レイザーの動きが止まる。
がしりと握手を交わした彼は、元死刑囚とは感じられないほどいい顔をして笑っていた。