G・I編
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「かんぱーい」
カチンッとグラスを鳴らして、クロロとシャンパンを飲む。
年末年始の時期になったので私は一旦G・Iから離脱して、二人で新年を迎えていた。
「今年はクロロと年越しできてよかったー」
「去年はなまえ、ハンター試験でバタバタしてたもんね」
月日が経つのは早いもので、懐かしいなぁとハンター試験の面子をしみじみと思い出す。
…今年の受験生は運が悪かった。
ゼパイルに助言しといてよかったよかったと、腕を組んで頷く。
「念が使えない生活、何か不便ない?」
「問題ないよ。なまえこそどう?」
「それが聞いてよ、いま恋愛都市に夢中なの。あの奇術師」
そのおかげで一人行動申し出ても驚くほどあっさり了承されたわけだが、新年を迎えても恋愛シュミレーションに勤しんでるとは。
なんと親近感を覚える男だろう。
ゲーム内に戻ったらどこまで攻略したか聞いてみよう。
大丈夫、シャルの言われたことを忘れたわけではない。
「楽しそうだね」
「本来の目的も忘れてないよ!?」
「でもなまえ、ゲーム好きだろ?」
「めっちゃ好き」
フッと口元を上げて笑うクロロだが、除念後どうしようかと頬杖をつく。
けわしい顔をしていると、クロロの指先が私の眉間へほぐすように押し当てられた。
ぽすんっと、そのまま背中からうしろのソファへと沈み込む。
このまま、アベンガネが見つからなかったらいいのに。
ふいに部屋の明かりがさえぎられたかと思えば、揺れるソファとともに顔の横へと手が置かれる。
覆い被さるクロロを見上げると、きれいな黒の瞳にやさしく微笑まれた。
「なまえ、何か悪いことでも考えてる?」
艶めいて唇の端をつり上げるクロロに見下ろされる。
そんなクロロに、にっと私も笑い返す。
「クロロのことしか考えてないよ」
「なんでそんなかわいいこと言うの?」
「えへへ、クロロは世界一かっこいいよ」
「もうG・Iに戻らなくてもいいんじゃない?」
「悪魔のささやきだ…セーブデータ消えちゃうから10日以内には戻らないと」
「なんだ、残念だな」
ホントにね。
そっと体重をかけられて、じんわりとぬくもりが伝わる。
ヒソカの元に戻るのがまた一段と憂鬱になったなと、くっついてきた黒Tシャツの背中をぎゅっと抱きしめ返すのであった。
◇
それから数日後、G・Iを再開。
ヒソカの元に向かうためバインダーから「磁力(マグネティックフォース)」の呪文カードを手にして唱える。
スッと地に足がついた感覚に目を開けるが、顔を青くする。
「おやおや…今日はお客さんが多い事だ」
しまった。
目の前には全裸で水浴びをしているヒソカ。
そして、驚いた顔のゴンとキルア、ビスケとゴレイヌの4人。
なんちゅータイミングだ。
「なまえ!?」
「や、やっほー」
「ぎゃ!出たわね!?この泥棒猫!」
「ビスケちゃま!ひさしぶりー!」
「こら!会う度に抱きつくんじゃないわさ!」
フリルの服を着た人形みたいな美少女、ビスケに飛びつこうとするも、がしりと手をつかまれる。
ぐぐぐと、手押し相撲のように攻防していると背後のヒソカから禍々しいオーラを感じ取ってビスケから離れる。
私はあわてて、ゴンとキルアの目元を両手で隠して視界をさえぎった。
ちなみにビスケは、目の保養とばかりによだれをたらしていた。
「バカ!子供になんてもの見せてんの!」
「何なんだこの変態ヤローは。まさかこいつが本物のクロロか!?」
「アレをクロロ呼びするの、やめてもらえます?」
「なんで静かにキレてんだアンタは!?というか、誰なんだ!」
このカオスな状況、一番困惑しているのはゴレイヌだろう。
猫被りモードのビスケが木の陰に隠れて、いまだ全開のヒソカにジト目になる。
「ホラ、さっさと服を着てくる」
「はいはい」
ヒソカが着替えている間、近くの岩に座ったゴレイヌと自己紹介する。
ヒズケとゴンたちがお互い不思議がらないあたり、私とビスケが知り合いなのは説明済みらしい。
「なんでなまえもG・Iにいるの?」
「久しぶりにまたあそびたくなったからね」
ゴンとキルアが目を合わせる。
「ほらキルア!だから言ったじゃん!やっぱり聞いてみなきゃわかんないんだってば!」
「あ、きたねーぞおめー!一体いつの話してんだよ!?それになまえのは結果論!たまたま合ってただけじゃねーか!」
「?」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めるゴンとキルアに、首を傾げつつも笑みを浮かべる。
相変わらず元気いっぱいでよろしい。
「お騒がせしてすみませんね」
不安げな表情のゴレイヌの隣の岩に腰かけて、そういえばと口を開く。
「ゴレイヌさんってゴンたちの他に仲間います?」
「いや、元々はオレ一人でプレイしていたが」
がしり、と彼の骨太な手を握り持ち上げて尊敬の眼差しで見つめる。
「すごい!一人でよくプレイしてましたね…!」
はあ、と引き気味のゴレイヌの手をぶんぶんと動かしていると、キルアに腕をつかまれ引き剥がされた。
「そーゆーなまえは?旅団のやつらと一緒じゃないのかよ。それこそ、クロロとかさ」
「いいや、今は旅団とは別行動。クラピカの件もあるしね」
「ふーん」
着替えおわったヒソカがやってきて、ビスケが仲間になってほしいと瞳を潤わせる。
それからヒソカに背を向けて念で文字を描くと、にやりと笑った。
「なまえも参加するんだわさ。どうせヒマでしょ?」
「ビスケちゃま私の扱い雑ー。でもいいよー」
「オレは反対」
キルアの方を見ると、眉をひそめてひどく不機嫌そうだった。
「あらどうして?たしかに気に入らないしたまに抜けてるとこあって気に入らないけど、戦力としては申し分ないわさ」
「気に入らないって二回も言われた…」
「そうだよ!なまえにも仲間になってもらおうよ、キルア」
ムッとするキルアを見て、ずいぶん嫌われちゃったなと眉を下げる。
寂しいけど、ヨークシンでの私の行動を思い返せば自業自得だな。
ビスケが腕を組んで、とがめるようにキルアの名前を呼ぶ。
「数が足りないっていうこの状況で、私情をはさむの禁止。正当な理由があるなら話はべつだけど。ホラ、あるの!?ないの!?」
うぐ、と声をつまらせるキルアを見て、私はビスケに声をかける。
「イヤがってるんだから、ムリはよくないよ」
「まったく!あんたは昔からすぐそうやって誰にでもいい顔して、外面だけはいい子ちゃんぶりやがって〜〜〜!」
「ヒソカがこっち見てるけど」
「みなさん。とりあえず、話しながら街に向かいませんこと?」
オホホホホと口に手を当てて歩き出すビスケを見て、いこうかとキルアたちに笑いかける。
ゴレイヌはやはり、ものすごく不安そうな顔をしていた。
「大丈夫ですよ、彼らもプロハンターですから」
「アンタもか?」
「はい」
詰まらずに、笑顔で答えることのできたのはゼパイルのおかげである。
そうだ、キルアに試験合格おめでとうって言わなきゃ!
カチンッとグラスを鳴らして、クロロとシャンパンを飲む。
年末年始の時期になったので私は一旦G・Iから離脱して、二人で新年を迎えていた。
「今年はクロロと年越しできてよかったー」
「去年はなまえ、ハンター試験でバタバタしてたもんね」
月日が経つのは早いもので、懐かしいなぁとハンター試験の面子をしみじみと思い出す。
…今年の受験生は運が悪かった。
ゼパイルに助言しといてよかったよかったと、腕を組んで頷く。
「念が使えない生活、何か不便ない?」
「問題ないよ。なまえこそどう?」
「それが聞いてよ、いま恋愛都市に夢中なの。あの奇術師」
そのおかげで一人行動申し出ても驚くほどあっさり了承されたわけだが、新年を迎えても恋愛シュミレーションに勤しんでるとは。
なんと親近感を覚える男だろう。
ゲーム内に戻ったらどこまで攻略したか聞いてみよう。
大丈夫、シャルの言われたことを忘れたわけではない。
「楽しそうだね」
「本来の目的も忘れてないよ!?」
「でもなまえ、ゲーム好きだろ?」
「めっちゃ好き」
フッと口元を上げて笑うクロロだが、除念後どうしようかと頬杖をつく。
けわしい顔をしていると、クロロの指先が私の眉間へほぐすように押し当てられた。
ぽすんっと、そのまま背中からうしろのソファへと沈み込む。
このまま、アベンガネが見つからなかったらいいのに。
ふいに部屋の明かりがさえぎられたかと思えば、揺れるソファとともに顔の横へと手が置かれる。
覆い被さるクロロを見上げると、きれいな黒の瞳にやさしく微笑まれた。
「なまえ、何か悪いことでも考えてる?」
艶めいて唇の端をつり上げるクロロに見下ろされる。
そんなクロロに、にっと私も笑い返す。
「クロロのことしか考えてないよ」
「なんでそんなかわいいこと言うの?」
「えへへ、クロロは世界一かっこいいよ」
「もうG・Iに戻らなくてもいいんじゃない?」
「悪魔のささやきだ…セーブデータ消えちゃうから10日以内には戻らないと」
「なんだ、残念だな」
ホントにね。
そっと体重をかけられて、じんわりとぬくもりが伝わる。
ヒソカの元に戻るのがまた一段と憂鬱になったなと、くっついてきた黒Tシャツの背中をぎゅっと抱きしめ返すのであった。
◇
それから数日後、G・Iを再開。
ヒソカの元に向かうためバインダーから「磁力(マグネティックフォース)」の呪文カードを手にして唱える。
スッと地に足がついた感覚に目を開けるが、顔を青くする。
「おやおや…今日はお客さんが多い事だ」
しまった。
目の前には全裸で水浴びをしているヒソカ。
そして、驚いた顔のゴンとキルア、ビスケとゴレイヌの4人。
なんちゅータイミングだ。
「なまえ!?」
「や、やっほー」
「ぎゃ!出たわね!?この泥棒猫!」
「ビスケちゃま!ひさしぶりー!」
「こら!会う度に抱きつくんじゃないわさ!」
フリルの服を着た人形みたいな美少女、ビスケに飛びつこうとするも、がしりと手をつかまれる。
ぐぐぐと、手押し相撲のように攻防していると背後のヒソカから禍々しいオーラを感じ取ってビスケから離れる。
私はあわてて、ゴンとキルアの目元を両手で隠して視界をさえぎった。
ちなみにビスケは、目の保養とばかりによだれをたらしていた。
「バカ!子供になんてもの見せてんの!」
「何なんだこの変態ヤローは。まさかこいつが本物のクロロか!?」
「アレをクロロ呼びするの、やめてもらえます?」
「なんで静かにキレてんだアンタは!?というか、誰なんだ!」
このカオスな状況、一番困惑しているのはゴレイヌだろう。
猫被りモードのビスケが木の陰に隠れて、いまだ全開のヒソカにジト目になる。
「ホラ、さっさと服を着てくる」
「はいはい」
ヒソカが着替えている間、近くの岩に座ったゴレイヌと自己紹介する。
ヒズケとゴンたちがお互い不思議がらないあたり、私とビスケが知り合いなのは説明済みらしい。
「なんでなまえもG・Iにいるの?」
「久しぶりにまたあそびたくなったからね」
ゴンとキルアが目を合わせる。
「ほらキルア!だから言ったじゃん!やっぱり聞いてみなきゃわかんないんだってば!」
「あ、きたねーぞおめー!一体いつの話してんだよ!?それになまえのは結果論!たまたま合ってただけじゃねーか!」
「?」
ぎゃいぎゃいと騒ぎ始めるゴンとキルアに、首を傾げつつも笑みを浮かべる。
相変わらず元気いっぱいでよろしい。
「お騒がせしてすみませんね」
不安げな表情のゴレイヌの隣の岩に腰かけて、そういえばと口を開く。
「ゴレイヌさんってゴンたちの他に仲間います?」
「いや、元々はオレ一人でプレイしていたが」
がしり、と彼の骨太な手を握り持ち上げて尊敬の眼差しで見つめる。
「すごい!一人でよくプレイしてましたね…!」
はあ、と引き気味のゴレイヌの手をぶんぶんと動かしていると、キルアに腕をつかまれ引き剥がされた。
「そーゆーなまえは?旅団のやつらと一緒じゃないのかよ。それこそ、クロロとかさ」
「いいや、今は旅団とは別行動。クラピカの件もあるしね」
「ふーん」
着替えおわったヒソカがやってきて、ビスケが仲間になってほしいと瞳を潤わせる。
それからヒソカに背を向けて念で文字を描くと、にやりと笑った。
「なまえも参加するんだわさ。どうせヒマでしょ?」
「ビスケちゃま私の扱い雑ー。でもいいよー」
「オレは反対」
キルアの方を見ると、眉をひそめてひどく不機嫌そうだった。
「あらどうして?たしかに気に入らないしたまに抜けてるとこあって気に入らないけど、戦力としては申し分ないわさ」
「気に入らないって二回も言われた…」
「そうだよ!なまえにも仲間になってもらおうよ、キルア」
ムッとするキルアを見て、ずいぶん嫌われちゃったなと眉を下げる。
寂しいけど、ヨークシンでの私の行動を思い返せば自業自得だな。
ビスケが腕を組んで、とがめるようにキルアの名前を呼ぶ。
「数が足りないっていうこの状況で、私情をはさむの禁止。正当な理由があるなら話はべつだけど。ホラ、あるの!?ないの!?」
うぐ、と声をつまらせるキルアを見て、私はビスケに声をかける。
「イヤがってるんだから、ムリはよくないよ」
「まったく!あんたは昔からすぐそうやって誰にでもいい顔して、外面だけはいい子ちゃんぶりやがって〜〜〜!」
「ヒソカがこっち見てるけど」
「みなさん。とりあえず、話しながら街に向かいませんこと?」
オホホホホと口に手を当てて歩き出すビスケを見て、いこうかとキルアたちに笑いかける。
ゴレイヌはやはり、ものすごく不安そうな顔をしていた。
「大丈夫ですよ、彼らもプロハンターですから」
「アンタもか?」
「はい」
詰まらずに、笑顔で答えることのできたのはゼパイルのおかげである。
そうだ、キルアに試験合格おめでとうって言わなきゃ!