G・I編
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ぱちぱちと瞬きをする。
まぶたを開けると、黒髪黒目の美青年の顔が目と鼻の先にあった。
「おはよう」
「おはよー…」
隣で寝ているクロロの胸元に抱きつき、寝ぼけまなこで頬をすり寄せる。
ぽんぽんと頭をなでられたあと、コーヒーを淹れてくると言われてぬくもりが離れていった。
ベッドの上で体を起こして、あくびをしながら腕を伸ばす。
マグカップを受け取り、湯気と揺れる水面を見つめた。
「今日は船に乗るから、支度したら出発しよう」
真っ青な海原にエンジン音が響き渡る。
ヨークシンを出て現在、ひたすら東に向かって二人旅を進行中。
海に出たってことは、そろそろ目的地にたどり着くかな。
ていうか、東ってざっくりしすぎだよなー。
潮風を浴びながら波しぶきを眺めていると、船と並行して泳ぐ背びれが見えた。
「みてみて、クロロ!サメがいるー」
「イルカじゃない?ホラ」
ホントだ、と海面に頭上を出して呼吸する姿を観察する。
群れからはぐれたのだろうか。
あと鯨とか見たいな、どこかにいないかなー。
「地図にない島だな」
クロロが向いている方角を見ると、ヨークシンの真東にある島G・Iが見えてきた。
潮の流れの影響で船を止めて、ここからは泳いで上陸することに。
海に飛び込むと下から何かに体を押し上げられて、わっと声をあげた。
「大丈夫?」
「うん、ヘーキ。かわいい〜」
「ずいぶん人懐っこいイルカだな」
あそんでほしいのか、私のまわりをぐるぐると泳いで回っている。
なでながら背びれをつかむと、島に向かってすいすい進んでいく。
浅瀬で手を離して、かわいらしい顔をなでて別れを告げる。
連れてきてくれてありがとね。
砂浜に足をつけて歩くと、靴の中からビチャビチャと音がして顔をしかめる。
うしろからやってきた、同じく全身びしょ濡れで水滴をたらすクロロをじーっと見つめた。
「うーん、水もしたたるいい男」
「どうも。靴、気持ち悪いなら脱いじゃえば?」
「そうだね」
ポイッと脱いで服の海水をしぼりながら陸地を歩いていると、クロロの手が肩に置かれて立ち止まる。
森の奥から現れた人影を見て、思わず笑みが浮かんだ。
鍛えられたいい筋肉だこと。
「念のため聞くが漂流者じゃあないだろ?お二人さん」
「誰だ」
「このゲームの制作者の一人だ。レイザーと言う」
「ゲーム?」
「ほお?何も知らずにこの島までたどり着いたのか」
「G・Iね」
念能力者しかできないゲームだと伝えると、レイザーも説明してくれた。
「正しく入島するなら歓迎しよう。プレイするならそのうち戦うこともあるだろう。だが、カップルでのプレイはオススメしないな」
「どうして?」
「恋愛都市アイアイってところがあるんだが、あそこでだいたい破局する。もちろん全員が全員ってわけじゃあないがな」
なるほど。
でもそれ以前にクロロはプレイできないから、そこのところ大丈夫です。
にこにこと笑顔のままサッとカードを手にしたのを見て、クロロの前に立つ。
「排除(エリミネイト)」使用!と聞こえた瞬間、まぶしさに目を閉じる。
再び目を開けると、見知らぬ森の中にいた。
「グリードアイランドか。目指すべきはそこだな」
「うん。とりあえず街にいこっか」
たしか、どこかの大陸へ飛ばされたんだったよな。
歩き出そうとすると、横からクロロの腕が伸びてきてあっという間に横抱きにされる。
裸足とはいえ自分で歩けるのに。
笑顔で却下されて、おとなしくクロロの首に抱きついて森を降りた。
G・Iに除念師がいると確信したクロロと、街のホテルでソフト入手のために情報収集をする。
「サザンピースオークションで落札されてるな。落札価格305億だって」
「(どんまいミルキ…)フェイタンあたりが盗ってるかもね、興味あるって言ってたし」
「オレたちもそこの線から奪うか」
それから、数日後。
目の前にはG・Iがセットされた懐かしのジョイステーション。
空いてるメモリーカードの差し込み口は二つ、つまりあと二人セーブプレイが可能なんだけど。
「やだ!そんなの、ぜーったいイヤだ!」
「耳元で騒ぐな、なまえ」
座るクロロの背中に抱きついてしがみつき、正面にいる人物を威嚇しながらにらみつける。
「ボクも一人で遊ぶのは寂しいんだ。一緒にプレイしようよ、なまえ」
「オンラインゲームなんだから、そこのプレイヤーとお友達になればいいじゃん!」
「ホラ、ボク人見知りだから」
「ネットの世界なら、現実よりオープンになれるから大丈夫だってー!」
クロロがヒソカにG・Iにいる除念師探しを依頼したまでは、記憶通りだった。
問題は、ヒソカがなぜか私の同行を条件にしたこと。
うぐぐ、なんという嫌がらせ。
「クロロ、依頼するの他の人にしない?イルミくんとか」
「ゾルディック家は暗殺家業だろ?」
それがなんと、お友達のヒソカくんの変装依頼を受けていました。
「イルミとは付き合い長いからね」
「はあ!?私なんか、キキョウちゃんのお腹にいたときから知ってますぅー!」
「マウントの取り合いはやめろ」
「キミ、本当は何歳?」
「禁則事項です」
結局ヒソカは一歩も譲らず、渋々了承して一緒にゲームプレイすることに。
ちらり、とうしろを振り返る。
念の使えないクロロを一人置いてくのは心配であるが。
澄んだ瞳に見つめられて、笑顔で見送られる。
「いってらっしゃい」
「気をつけてね、クロロ」
「なまえこそ」
別れ際に、そっと繋いでいた手を離す。
そして、先に入ったヒソカと同じくゲーム機の前に座り両手をかざして練を行った。
まぶたを開けると、黒髪黒目の美青年の顔が目と鼻の先にあった。
「おはよう」
「おはよー…」
隣で寝ているクロロの胸元に抱きつき、寝ぼけまなこで頬をすり寄せる。
ぽんぽんと頭をなでられたあと、コーヒーを淹れてくると言われてぬくもりが離れていった。
ベッドの上で体を起こして、あくびをしながら腕を伸ばす。
マグカップを受け取り、湯気と揺れる水面を見つめた。
「今日は船に乗るから、支度したら出発しよう」
真っ青な海原にエンジン音が響き渡る。
ヨークシンを出て現在、ひたすら東に向かって二人旅を進行中。
海に出たってことは、そろそろ目的地にたどり着くかな。
ていうか、東ってざっくりしすぎだよなー。
潮風を浴びながら波しぶきを眺めていると、船と並行して泳ぐ背びれが見えた。
「みてみて、クロロ!サメがいるー」
「イルカじゃない?ホラ」
ホントだ、と海面に頭上を出して呼吸する姿を観察する。
群れからはぐれたのだろうか。
あと鯨とか見たいな、どこかにいないかなー。
「地図にない島だな」
クロロが向いている方角を見ると、ヨークシンの真東にある島G・Iが見えてきた。
潮の流れの影響で船を止めて、ここからは泳いで上陸することに。
海に飛び込むと下から何かに体を押し上げられて、わっと声をあげた。
「大丈夫?」
「うん、ヘーキ。かわいい〜」
「ずいぶん人懐っこいイルカだな」
あそんでほしいのか、私のまわりをぐるぐると泳いで回っている。
なでながら背びれをつかむと、島に向かってすいすい進んでいく。
浅瀬で手を離して、かわいらしい顔をなでて別れを告げる。
連れてきてくれてありがとね。
砂浜に足をつけて歩くと、靴の中からビチャビチャと音がして顔をしかめる。
うしろからやってきた、同じく全身びしょ濡れで水滴をたらすクロロをじーっと見つめた。
「うーん、水もしたたるいい男」
「どうも。靴、気持ち悪いなら脱いじゃえば?」
「そうだね」
ポイッと脱いで服の海水をしぼりながら陸地を歩いていると、クロロの手が肩に置かれて立ち止まる。
森の奥から現れた人影を見て、思わず笑みが浮かんだ。
鍛えられたいい筋肉だこと。
「念のため聞くが漂流者じゃあないだろ?お二人さん」
「誰だ」
「このゲームの制作者の一人だ。レイザーと言う」
「ゲーム?」
「ほお?何も知らずにこの島までたどり着いたのか」
「G・Iね」
念能力者しかできないゲームだと伝えると、レイザーも説明してくれた。
「正しく入島するなら歓迎しよう。プレイするならそのうち戦うこともあるだろう。だが、カップルでのプレイはオススメしないな」
「どうして?」
「恋愛都市アイアイってところがあるんだが、あそこでだいたい破局する。もちろん全員が全員ってわけじゃあないがな」
なるほど。
でもそれ以前にクロロはプレイできないから、そこのところ大丈夫です。
にこにこと笑顔のままサッとカードを手にしたのを見て、クロロの前に立つ。
「排除(エリミネイト)」使用!と聞こえた瞬間、まぶしさに目を閉じる。
再び目を開けると、見知らぬ森の中にいた。
「グリードアイランドか。目指すべきはそこだな」
「うん。とりあえず街にいこっか」
たしか、どこかの大陸へ飛ばされたんだったよな。
歩き出そうとすると、横からクロロの腕が伸びてきてあっという間に横抱きにされる。
裸足とはいえ自分で歩けるのに。
笑顔で却下されて、おとなしくクロロの首に抱きついて森を降りた。
G・Iに除念師がいると確信したクロロと、街のホテルでソフト入手のために情報収集をする。
「サザンピースオークションで落札されてるな。落札価格305億だって」
「(どんまいミルキ…)フェイタンあたりが盗ってるかもね、興味あるって言ってたし」
「オレたちもそこの線から奪うか」
それから、数日後。
目の前にはG・Iがセットされた懐かしのジョイステーション。
空いてるメモリーカードの差し込み口は二つ、つまりあと二人セーブプレイが可能なんだけど。
「やだ!そんなの、ぜーったいイヤだ!」
「耳元で騒ぐな、なまえ」
座るクロロの背中に抱きついてしがみつき、正面にいる人物を威嚇しながらにらみつける。
「ボクも一人で遊ぶのは寂しいんだ。一緒にプレイしようよ、なまえ」
「オンラインゲームなんだから、そこのプレイヤーとお友達になればいいじゃん!」
「ホラ、ボク人見知りだから」
「ネットの世界なら、現実よりオープンになれるから大丈夫だってー!」
クロロがヒソカにG・Iにいる除念師探しを依頼したまでは、記憶通りだった。
問題は、ヒソカがなぜか私の同行を条件にしたこと。
うぐぐ、なんという嫌がらせ。
「クロロ、依頼するの他の人にしない?イルミくんとか」
「ゾルディック家は暗殺家業だろ?」
それがなんと、お友達のヒソカくんの変装依頼を受けていました。
「イルミとは付き合い長いからね」
「はあ!?私なんか、キキョウちゃんのお腹にいたときから知ってますぅー!」
「マウントの取り合いはやめろ」
「キミ、本当は何歳?」
「禁則事項です」
結局ヒソカは一歩も譲らず、渋々了承して一緒にゲームプレイすることに。
ちらり、とうしろを振り返る。
念の使えないクロロを一人置いてくのは心配であるが。
澄んだ瞳に見つめられて、笑顔で見送られる。
「いってらっしゃい」
「気をつけてね、クロロ」
「なまえこそ」
別れ際に、そっと繋いでいた手を離す。
そして、先に入ったヒソカと同じくゲーム機の前に座り両手をかざして練を行った。