ヨークシン編
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午後を過ぎても、雨音は鳴り止まない。
仮宿であるアジトに戻ると、みんなの視線が一斉に集まる。
なんだなんだ、そんな熱い視線向けられると照れるんですけど。
フランクリンの隣にいるシャルに尋ねられた。
「なまえ、どこに行っていた?」
「言えません」
「なぜ言えない?」
「プライベートのことなので」
この流れ、まさかな。
正面へ向き直ると、団長モードのクロロの視線に射抜かれる。
「ヒソカの占いに、なまえと鎖野郎のつながりを暗示する詩があった。いくつか質問する。答えろ」
はあ!?
口をわなわなと震わせて、奇術師を見上げる。
トランプを手に、ほくそ笑んで立っていた。
ヒソカのやつ、私を巻き込みやがったな!?
質問のほとんどが「言えない」内容だった。
盗賊の極意(スキルハンター)を片手に、クロロは思考を巡らせる。
「さっきまで鎖野郎と会ってたな、なまえ」
私含めたみんなが、驚きの表情を浮かべる。
「なまえにも掟の剣が刺さってるってこと?」
「確認はできないが、可能性は高い」
そうきましたか。
声をかけてきたマチに体を調べられて、両手を上げる。
マチちゃん、ボディチェックなんだろうけど刺さってるとしたら体内だから。
なんてツッコミは野暮か。
元々、白を切るつもりだったけど、結果的にヒソカと同じ立場になってしまった。
だからあれほど、凝をおこたるなと言ったのに。
まあ、100%当たる予知能力を改竄するとは誰も思わないわな。
「ヒソカ、コロス」
「なまえ、ステイステイ」
フーッと威嚇していると、シャルに羽交いじめされる。
そのまま手当たり次第その辺の瓦礫を投げつけるが、すべて避けられたりバンジーガムで受け止められた。
シャルと言う名の物理的なハンデを背負っていては厳しい。
「団員同士のマジ切れ禁止じゃなかった?」
「なまえは団員じゃないからな」
「あ、そっか」
シズクとフランクリンの声に、無謀な攻撃をやめて肩で息をする。
ヨークシンに残ると判断したクロロは、班を決める。
「単独行動は絶対に避けること。特になまえ、いいな」
「はーい…」
私はクロロのチームに入れられた。
勝手な行動しないよう、見張ってるからなってことだ。
かなりお怒りモードである。
マチがクロロに、この場所を知っているゴンとキルアの話を切り出す。
「子供?なまえが好きそうだな」
「そんなみんなして人をショタコンみたいに」
「そうだ忘れてたぜ団長!そいつの入団の推薦するぜ!」
「ちょっと!こっちはそんなつもりで話をしてんじゃないよ!」
「はいはい、そこケンカしないのー」
「さっきまでキレてた人が言うセリフ?」
クロロが疑問符を浮かべる中、コルトピのナイスツッコミに親指を立てた。
アジトを出て、目指す先はホテルベーチタクル。
追跡メンバーは7人。
たしか同じ車両にセンリツがいるはず、と電車に揺られながら思い出す。
だめだめ、気配を探ったら伝わっちゃう。
逆十字のコートに背中を預けて、腕を組んで目を閉じる。
駅を降りると、雨粒が肌にまとわりつく。
嫌な雨。
今もセンリツやキルア、クラピカたちが尾行しているはず。
濡れた前髪を、隣にいるクロロの指先に払われた。
「心配事か?」
口元を上げながら、指の背で頬をなでられる。
緋の目の動きを感知したコルトピの声に、ノブナガが先陣切って急かす。
雑踏を避けて壁伝いに走り出すと、クロロは前方をノブナガたちにまかせた。
ロングコートを翻すクロロと同時に足を止めて、うしろを振り返る。
「ごめんなさい、もう追っかけないから許してください!」
「こいつか、例の子供は」
クラピカのバカ…!
物陰から出てきたのは、やはりゴンとキルア。
二人はマチの念糸に拘束される。
ここでマチの勘が信用されていなかったら、二人は殺されていたんだよな。
なぜ関わりのない人を殺せるのかと、ゴンは敵意満々で質問する。
雷鳴が轟く。
なぜだろうなと、つぶやくクロロを私は眺める。
「関係ないからじゃないか?あらためて問われると、答え難いものだな。動機の言語化か…余り好きじゃないしな」
口元を覆うように手を置き、自問自答し始めたクロロ。
こういうところ、好きなんだけどな。
「クロロ」
ゴンとキルアの奇妙な視線の中、一人思考を巡らせる彼を呼び戻す。
雨に濡れながら十字の刺青の下、黒の瞳と視線が絡み合った。
「このままホテルまで行き、フィンクスたちを待つ」
ベーチタクルホテルのロビーへ移動して、柱を背に待機する。
ケータイ片手に怒号を飛ばすレオリオを見て、思わずクロロのコートに顔を埋めた。
耐えろ、私。
これでゴンたちの作戦がバレたら、切腹もんだぞ。
「ツボに入ったらしいな」
「消します?」
「ほっとけ。目を合わすな」
頭に手が降ってきて、胸がきしりと痛む。
私が今どんな顔をしているか、クロロは知らない。
意を決して、コートからそっと手を離した。
「パクたちが来た」
ラジオパーソナリティが19時まで、残り1分を知らせる。
パクがゴンとキルアのあごを鷲掴みにして、宙に浮かせる。
「さあ、質問よ。何を隠してるの?」
次の瞬間。
一瞬にして暗闇に包まれて、視界が奪われた。
停電と混乱の中、攻防の音が響き渡るがすぐに静まり返る。
雷の光が、ホテルの内部を照らした。
「あれ?団長は…?」
目を見開いたパクと、視線がぶつかり合う。
一歩も動かなかった私は、そっと人差し指を唇の上に当てた。
仮宿であるアジトに戻ると、みんなの視線が一斉に集まる。
なんだなんだ、そんな熱い視線向けられると照れるんですけど。
フランクリンの隣にいるシャルに尋ねられた。
「なまえ、どこに行っていた?」
「言えません」
「なぜ言えない?」
「プライベートのことなので」
この流れ、まさかな。
正面へ向き直ると、団長モードのクロロの視線に射抜かれる。
「ヒソカの占いに、なまえと鎖野郎のつながりを暗示する詩があった。いくつか質問する。答えろ」
はあ!?
口をわなわなと震わせて、奇術師を見上げる。
トランプを手に、ほくそ笑んで立っていた。
ヒソカのやつ、私を巻き込みやがったな!?
質問のほとんどが「言えない」内容だった。
盗賊の極意(スキルハンター)を片手に、クロロは思考を巡らせる。
「さっきまで鎖野郎と会ってたな、なまえ」
私含めたみんなが、驚きの表情を浮かべる。
「なまえにも掟の剣が刺さってるってこと?」
「確認はできないが、可能性は高い」
そうきましたか。
声をかけてきたマチに体を調べられて、両手を上げる。
マチちゃん、ボディチェックなんだろうけど刺さってるとしたら体内だから。
なんてツッコミは野暮か。
元々、白を切るつもりだったけど、結果的にヒソカと同じ立場になってしまった。
だからあれほど、凝をおこたるなと言ったのに。
まあ、100%当たる予知能力を改竄するとは誰も思わないわな。
「ヒソカ、コロス」
「なまえ、ステイステイ」
フーッと威嚇していると、シャルに羽交いじめされる。
そのまま手当たり次第その辺の瓦礫を投げつけるが、すべて避けられたりバンジーガムで受け止められた。
シャルと言う名の物理的なハンデを背負っていては厳しい。
「団員同士のマジ切れ禁止じゃなかった?」
「なまえは団員じゃないからな」
「あ、そっか」
シズクとフランクリンの声に、無謀な攻撃をやめて肩で息をする。
ヨークシンに残ると判断したクロロは、班を決める。
「単独行動は絶対に避けること。特になまえ、いいな」
「はーい…」
私はクロロのチームに入れられた。
勝手な行動しないよう、見張ってるからなってことだ。
かなりお怒りモードである。
マチがクロロに、この場所を知っているゴンとキルアの話を切り出す。
「子供?なまえが好きそうだな」
「そんなみんなして人をショタコンみたいに」
「そうだ忘れてたぜ団長!そいつの入団の推薦するぜ!」
「ちょっと!こっちはそんなつもりで話をしてんじゃないよ!」
「はいはい、そこケンカしないのー」
「さっきまでキレてた人が言うセリフ?」
クロロが疑問符を浮かべる中、コルトピのナイスツッコミに親指を立てた。
アジトを出て、目指す先はホテルベーチタクル。
追跡メンバーは7人。
たしか同じ車両にセンリツがいるはず、と電車に揺られながら思い出す。
だめだめ、気配を探ったら伝わっちゃう。
逆十字のコートに背中を預けて、腕を組んで目を閉じる。
駅を降りると、雨粒が肌にまとわりつく。
嫌な雨。
今もセンリツやキルア、クラピカたちが尾行しているはず。
濡れた前髪を、隣にいるクロロの指先に払われた。
「心配事か?」
口元を上げながら、指の背で頬をなでられる。
緋の目の動きを感知したコルトピの声に、ノブナガが先陣切って急かす。
雑踏を避けて壁伝いに走り出すと、クロロは前方をノブナガたちにまかせた。
ロングコートを翻すクロロと同時に足を止めて、うしろを振り返る。
「ごめんなさい、もう追っかけないから許してください!」
「こいつか、例の子供は」
クラピカのバカ…!
物陰から出てきたのは、やはりゴンとキルア。
二人はマチの念糸に拘束される。
ここでマチの勘が信用されていなかったら、二人は殺されていたんだよな。
なぜ関わりのない人を殺せるのかと、ゴンは敵意満々で質問する。
雷鳴が轟く。
なぜだろうなと、つぶやくクロロを私は眺める。
「関係ないからじゃないか?あらためて問われると、答え難いものだな。動機の言語化か…余り好きじゃないしな」
口元を覆うように手を置き、自問自答し始めたクロロ。
こういうところ、好きなんだけどな。
「クロロ」
ゴンとキルアの奇妙な視線の中、一人思考を巡らせる彼を呼び戻す。
雨に濡れながら十字の刺青の下、黒の瞳と視線が絡み合った。
「このままホテルまで行き、フィンクスたちを待つ」
ベーチタクルホテルのロビーへ移動して、柱を背に待機する。
ケータイ片手に怒号を飛ばすレオリオを見て、思わずクロロのコートに顔を埋めた。
耐えろ、私。
これでゴンたちの作戦がバレたら、切腹もんだぞ。
「ツボに入ったらしいな」
「消します?」
「ほっとけ。目を合わすな」
頭に手が降ってきて、胸がきしりと痛む。
私が今どんな顔をしているか、クロロは知らない。
意を決して、コートからそっと手を離した。
「パクたちが来た」
ラジオパーソナリティが19時まで、残り1分を知らせる。
パクがゴンとキルアのあごを鷲掴みにして、宙に浮かせる。
「さあ、質問よ。何を隠してるの?」
次の瞬間。
一瞬にして暗闇に包まれて、視界が奪われた。
停電と混乱の中、攻防の音が響き渡るがすぐに静まり返る。
雷の光が、ホテルの内部を照らした。
「あれ?団長は…?」
目を見開いたパクと、視線がぶつかり合う。
一歩も動かなかった私は、そっと人差し指を唇の上に当てた。