ヨークシン編
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クラピカ視点
旅団は死んだ。
ゴンにそれだけ伝えて、ケータイの電源を切る。
本当は旅団だけではない。
仲間であるなまえも死んだ。
彼女が旅団と組んでいることは、すでに知っていた。
協定を結んでいるヒソカから、ゴンとキルアが旅団に捕まったときの電話から。
決定的だった。
「久々!とりあえず4人集合だね!」
夜が明けて、デイロード公園を経てホテルで再会を果たした。
ゴンの言葉に、キルアもレオリオも何とも言えぬ表情をしている。
仮に生きていたとして、なまえと会おうなどとは思わなかった。
オレは皆に彼女の死を伝えるべきか、決めかねていた。
個室へ移動して、自身の能力について話をする。
キルアに旅団の残党狩りについて急かされたが、ゴンの言う通りこれからは同胞の目をとり戻すことに専念する。
「クラピカ、なまえのことだけど」
遠慮なく切り出したゴンに、真っ先に反応したのはキルアだった。
当然だろう。
この中で一番なまえと親しく、家族絡みで関係があったようだった。
先ほどまで晴れていたのが嘘のように、雷雨が聞こえ始める。
「まず、私から伝えたいことがある」
黙っていたとして、いずれ知ることになる。
なまえの死を口にしようとした瞬間、着信音が鳴る。
メッセージの送り主はヒソカ。
死体は偽物(フェイク)。
光に遅れて、雷鳴が轟いた。
「おい、クラピカ!」
部屋を飛び出したあと、センリツから連絡が入る。
旅団が流星街出身者とわかり、十老頭が直々に終戦命令を下した。
やつらの傍らにあった、なまえの死体の意味。
「なまえも流星街出身だ」
「リュウセイガイって?」
首を傾げるゴンたちに、情勢を知っているレオリオが説明をする。
そうか、とキルアが納得した様子で口を開いた。
「ヨークシンに着いて最初に連絡とったとき、家族と会ってるって言われたんだ」
「なまえは、旅団の誰かと家族ってこと?」
肯定も否定も、どちらも同じ意味を示していた。
「流星街出身者同士、たとえ家族でなくても強靭なつながりを持っている」
「たしか、仲間の報復に集団の自爆テロだったか」
レオリオの言葉に頷く。
3年間不当に拘束された仲間一人の報復に、関係者31人が同時に別々の場所で自爆して命を奪ったと聞いたことがある。
彼らの絆は、他人より細く家族より太い。
異質都市、流星街。
マフィアとの蜜月関係を壊した旅団は、さらに特異な存在と言えるだろう。
「まー、家族って言った方がわかりやすいと思ってね」
それは、場違いなほど明るい声色。
突如聞こえてきた声に、勢いよく振り返る。
周りが見えなくなるほど、気を緩めていたわけではない。
以前と変わらぬ様子で、なまえが立っていた。
手を振る姿に、オレは固く拳を握りしめる。
「や、ゾル家ぶり」
「貴様、よくも平然と…!」
「落ち着け、クラピカ!」
オレが鎖野郎だと、なまえは知らない。
だが、旅団に同胞を皆殺しにされて復讐心を抱いていることは知っている。
ハンター試験の時から。
「ゴンもキルアも、無事でよかったよ」
「なまえ」
「ん?」
「これで、全員集合だね!」
半目になったキルアが、手放しによろこぶゴンの頭を殴る。
なまえは変わらない。
ずっと、穏やかに笑っていた。
「約束したからね」
強くなった雨脚が、うるさいほど頭に響いた。
旅団は死んだ。
ゴンにそれだけ伝えて、ケータイの電源を切る。
本当は旅団だけではない。
仲間であるなまえも死んだ。
彼女が旅団と組んでいることは、すでに知っていた。
協定を結んでいるヒソカから、ゴンとキルアが旅団に捕まったときの電話から。
決定的だった。
「久々!とりあえず4人集合だね!」
夜が明けて、デイロード公園を経てホテルで再会を果たした。
ゴンの言葉に、キルアもレオリオも何とも言えぬ表情をしている。
仮に生きていたとして、なまえと会おうなどとは思わなかった。
オレは皆に彼女の死を伝えるべきか、決めかねていた。
個室へ移動して、自身の能力について話をする。
キルアに旅団の残党狩りについて急かされたが、ゴンの言う通りこれからは同胞の目をとり戻すことに専念する。
「クラピカ、なまえのことだけど」
遠慮なく切り出したゴンに、真っ先に反応したのはキルアだった。
当然だろう。
この中で一番なまえと親しく、家族絡みで関係があったようだった。
先ほどまで晴れていたのが嘘のように、雷雨が聞こえ始める。
「まず、私から伝えたいことがある」
黙っていたとして、いずれ知ることになる。
なまえの死を口にしようとした瞬間、着信音が鳴る。
メッセージの送り主はヒソカ。
死体は偽物(フェイク)。
光に遅れて、雷鳴が轟いた。
「おい、クラピカ!」
部屋を飛び出したあと、センリツから連絡が入る。
旅団が流星街出身者とわかり、十老頭が直々に終戦命令を下した。
やつらの傍らにあった、なまえの死体の意味。
「なまえも流星街出身だ」
「リュウセイガイって?」
首を傾げるゴンたちに、情勢を知っているレオリオが説明をする。
そうか、とキルアが納得した様子で口を開いた。
「ヨークシンに着いて最初に連絡とったとき、家族と会ってるって言われたんだ」
「なまえは、旅団の誰かと家族ってこと?」
肯定も否定も、どちらも同じ意味を示していた。
「流星街出身者同士、たとえ家族でなくても強靭なつながりを持っている」
「たしか、仲間の報復に集団の自爆テロだったか」
レオリオの言葉に頷く。
3年間不当に拘束された仲間一人の報復に、関係者31人が同時に別々の場所で自爆して命を奪ったと聞いたことがある。
彼らの絆は、他人より細く家族より太い。
異質都市、流星街。
マフィアとの蜜月関係を壊した旅団は、さらに特異な存在と言えるだろう。
「まー、家族って言った方がわかりやすいと思ってね」
それは、場違いなほど明るい声色。
突如聞こえてきた声に、勢いよく振り返る。
周りが見えなくなるほど、気を緩めていたわけではない。
以前と変わらぬ様子で、なまえが立っていた。
手を振る姿に、オレは固く拳を握りしめる。
「や、ゾル家ぶり」
「貴様、よくも平然と…!」
「落ち着け、クラピカ!」
オレが鎖野郎だと、なまえは知らない。
だが、旅団に同胞を皆殺しにされて復讐心を抱いていることは知っている。
ハンター試験の時から。
「ゴンもキルアも、無事でよかったよ」
「なまえ」
「ん?」
「これで、全員集合だね!」
半目になったキルアが、手放しによろこぶゴンの頭を殴る。
なまえは変わらない。
ずっと、穏やかに笑っていた。
「約束したからね」
強くなった雨脚が、うるさいほど頭に響いた。