ハンター試験編
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「では、これよりハンター試験を開始いたします」
ジリリリリリ、と甲高いベル音のあとに宣言された言葉。
このときを、何年も待ち焦がれていた。
ついに始まった第287期ハンター試験。
道草を大いに楽しめ。
憧れの人に私はそう教わった。
「あれ、なまえ。ついて来れてたんだ」
「わっ」
多くの受験生たちの足音と息づかいの中。
突然聞こえたキルアの声に、驚いて振り向く。
一次試験、私はサトツさんの背中をひたすら眺めながら、ぴたりとくっついて走っていた。
足音しないで走るもんなー、この子。
スケートボードを小脇に息切れ一つもしてないキルアと、その近くにいるツンツン頭の少年と目が合う。
ゴン=フリークスだ。
内心感極まっていると、もっと後ろにいるかと思ったとキルアに笑われた。
「知り合い?」
「数時間前からのな」
「なまえです」
「オレ、ゴン!よろしく!」
「よろしく。ゴンは元気でかわいいね」
「へ?」
「こいつ、こういうやつなんだよ」
何やらかわいそうなものを見る目で見られた。
元気いっぱいに挨拶するゴンの姿に、自然と笑みがこぼれる。
ゴンもキルアと同じく4時間以上走っているというに、まったく疲れた様子はない。
ということは、レオリオたちは最後尾にいて、脱落者もすでに出てる頃合いか。
「若いっていいねー」
「なに年寄りみたいなこと言ってんだよ」
「なまえって何歳?」
「何歳に見える?」
「うわ、めんどくせー返し方」
「キルアくん、うるちゃい」
「うーんと、12かな!」
「正解!」
「やった!オレと同い年だね!」
クールな表情のキルアの隣で、ゴンと私はにこにこと笑い合う。
「さて、ちょっとペースをあげますよ」
見えてきたのは、一般人からしたら気が遠くなるような長い上り階段。
必死に息を切らす受験生の中、私たち三人は自然と先頭へ出る。
まるで機械のように上るサトツさんから離れないよう駆け上がり、飛び込んできた光に目を細めて地上へと到着した。
ヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒。
みんな、だまされないようにしましょうね。
「ウソだ!そいつはウソをついている!」
突如そこに現れたのは、満身創痍の自称試験官。
迫真の演技も虚しく、顔面へ投げられたトランプにより偽試験官はサクッと殺された。
死体のフリをした人面猿ともども。
ここは奇術師ヒソカのことを嫌でも誰もが注目する瞬間だ。
私はそっと、キルアの背後へとその身を隠した。
「ビビってんの?」
「私、ピエロ恐怖症なの」
「ふーん、そっち?つーか、これから先ずっと顔を合わせることになるぜ?どっちかが失格でもしないかぎり」
「顔は好みなんだけどね」
「おまえなぁ」
鳥たちが死体を貪る中、はぁとキルアのため息が聞こえた。
ヒソカとは、個人的な理由で関わり合いたくない相手No. 1である。
逆に関わり合いたい受験生なんて、ここに一人もいないだろうけど。
サトツさんは見事にキャッチしたトランプを、パチンッと弾き飛ばす。
ひゅー、かっこいい。
今後、試験官へのむやみな攻撃は、いかなる理由があっても失格だとヒソカは注意される。
「それではまいりましょうか。二次試験会場へ」
そう言って再び歩み出したサトツさんを追って、一斉に走り出す。
地面はぬかるみ、ここに住み着く捕食生物の魔の手が襲いかかる。
さらに霧まで発生して、目の前の人物さえかすんできた。
「ゴン、なまえ。もっと前へ行った方がいい。ヒソカの野郎、人を殺したくてうずうずしてるぜ」
不思議そうな顔をするゴンに、自分もヒソカと同類だからと冷たい笑みを浮かべている。
そんなキルアの頭を、私はえいっとチョップした。
「いってー!いきなり何すんだよ、なまえ!」
「キルアとヒソカが同じなわけないでしょ」
「オレも、そんな風には見えないよ」
走りながらゴンはうしろを振り返って、大声をあげる。
「クラピカー、レオリオー!キルアがもっと前の方に来た方がいいってさー!」
「どアホー!行けるもんならとっくに行っとるわーい!!」
ごもっとも。
ゴンはやっぱり、クラピカたちを助けるために先頭集団から抜けてしまった。
キルアは消えていくゴンを目で追うも、すぐに前へ向き直った。
「バカだな、あいつ。もう戻ってこれねーよ」
「私もちょっとバカになってくる」
「あ、おい!なまえ!」
キルアの制止を聞かず、謝りながら今来た道を逆走する。
片手を上げて、霞ゆく銀髪に向かって叫んだ。
「ごめんね!放任主義だけど、目の前の子供は放っておけない性質なのー!」
「…おまえも子供だっつーの」
ジリリリリリ、と甲高いベル音のあとに宣言された言葉。
このときを、何年も待ち焦がれていた。
ついに始まった第287期ハンター試験。
道草を大いに楽しめ。
憧れの人に私はそう教わった。
「あれ、なまえ。ついて来れてたんだ」
「わっ」
多くの受験生たちの足音と息づかいの中。
突然聞こえたキルアの声に、驚いて振り向く。
一次試験、私はサトツさんの背中をひたすら眺めながら、ぴたりとくっついて走っていた。
足音しないで走るもんなー、この子。
スケートボードを小脇に息切れ一つもしてないキルアと、その近くにいるツンツン頭の少年と目が合う。
ゴン=フリークスだ。
内心感極まっていると、もっと後ろにいるかと思ったとキルアに笑われた。
「知り合い?」
「数時間前からのな」
「なまえです」
「オレ、ゴン!よろしく!」
「よろしく。ゴンは元気でかわいいね」
「へ?」
「こいつ、こういうやつなんだよ」
何やらかわいそうなものを見る目で見られた。
元気いっぱいに挨拶するゴンの姿に、自然と笑みがこぼれる。
ゴンもキルアと同じく4時間以上走っているというに、まったく疲れた様子はない。
ということは、レオリオたちは最後尾にいて、脱落者もすでに出てる頃合いか。
「若いっていいねー」
「なに年寄りみたいなこと言ってんだよ」
「なまえって何歳?」
「何歳に見える?」
「うわ、めんどくせー返し方」
「キルアくん、うるちゃい」
「うーんと、12かな!」
「正解!」
「やった!オレと同い年だね!」
クールな表情のキルアの隣で、ゴンと私はにこにこと笑い合う。
「さて、ちょっとペースをあげますよ」
見えてきたのは、一般人からしたら気が遠くなるような長い上り階段。
必死に息を切らす受験生の中、私たち三人は自然と先頭へ出る。
まるで機械のように上るサトツさんから離れないよう駆け上がり、飛び込んできた光に目を細めて地上へと到着した。
ヌメーレ湿原、通称詐欺師の塒。
みんな、だまされないようにしましょうね。
「ウソだ!そいつはウソをついている!」
突如そこに現れたのは、満身創痍の自称試験官。
迫真の演技も虚しく、顔面へ投げられたトランプにより偽試験官はサクッと殺された。
死体のフリをした人面猿ともども。
ここは奇術師ヒソカのことを嫌でも誰もが注目する瞬間だ。
私はそっと、キルアの背後へとその身を隠した。
「ビビってんの?」
「私、ピエロ恐怖症なの」
「ふーん、そっち?つーか、これから先ずっと顔を合わせることになるぜ?どっちかが失格でもしないかぎり」
「顔は好みなんだけどね」
「おまえなぁ」
鳥たちが死体を貪る中、はぁとキルアのため息が聞こえた。
ヒソカとは、個人的な理由で関わり合いたくない相手No. 1である。
逆に関わり合いたい受験生なんて、ここに一人もいないだろうけど。
サトツさんは見事にキャッチしたトランプを、パチンッと弾き飛ばす。
ひゅー、かっこいい。
今後、試験官へのむやみな攻撃は、いかなる理由があっても失格だとヒソカは注意される。
「それではまいりましょうか。二次試験会場へ」
そう言って再び歩み出したサトツさんを追って、一斉に走り出す。
地面はぬかるみ、ここに住み着く捕食生物の魔の手が襲いかかる。
さらに霧まで発生して、目の前の人物さえかすんできた。
「ゴン、なまえ。もっと前へ行った方がいい。ヒソカの野郎、人を殺したくてうずうずしてるぜ」
不思議そうな顔をするゴンに、自分もヒソカと同類だからと冷たい笑みを浮かべている。
そんなキルアの頭を、私はえいっとチョップした。
「いってー!いきなり何すんだよ、なまえ!」
「キルアとヒソカが同じなわけないでしょ」
「オレも、そんな風には見えないよ」
走りながらゴンはうしろを振り返って、大声をあげる。
「クラピカー、レオリオー!キルアがもっと前の方に来た方がいいってさー!」
「どアホー!行けるもんならとっくに行っとるわーい!!」
ごもっとも。
ゴンはやっぱり、クラピカたちを助けるために先頭集団から抜けてしまった。
キルアは消えていくゴンを目で追うも、すぐに前へ向き直った。
「バカだな、あいつ。もう戻ってこれねーよ」
「私もちょっとバカになってくる」
「あ、おい!なまえ!」
キルアの制止を聞かず、謝りながら今来た道を逆走する。
片手を上げて、霞ゆく銀髪に向かって叫んだ。
「ごめんね!放任主義だけど、目の前の子供は放っておけない性質なのー!」
「…おまえも子供だっつーの」