天空闘技場編
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サダソが天空闘技場から姿を消し、ギド戦はゴンの勝利。
サダソに関しては、約束破った向こうが悪いので私は知らんぷり。
そして、たった今リールベルト戦もキルアの見事な勝利におわった。
「キルアにお姫様抱っこされていいなー」
「100万ボルトの電流つきですけどね」
刺激的でいいじゃないですか、と一緒に観戦していたウイングに答える。
眼鏡の奥で笑ったまま、ノーコメントだった。
「おつかれさま。かっこよかったぞーキルア」
「サンキュ」
「キルアさん!なまえさんがお姫様抱っこしてもらいたいそうっす!」
「ズシくん!?」
何を言い出すんだ、この子は。
あわててズシの口をふさいだが、ばっちり聞いてたみたいで両手を差し出している。
えーん、身長差逆お姫様抱っこはさすがに恥ずかしい!
「ホラ、こいよなまえ」
「ムリムリ!私、重いから!持ち上がらないって!」
「いや、さすがにそれはない。さっきの試合、見てたろ?」
どちらかと言えば、私がキルアをお姫様抱っこしたい側!
追いかけてくるキルアから逃げて、ウイングの背中に隠れる。
「私を隠れみのにするのは、やめていただけませんか」
「あなたの門下生が言い出したことです!」
「も、申し訳ないっす!」
「謝らなくていいんですよ、ズシ」
そんなこともありつつ、今日は発の修行。
水見式を行い、それぞれの系統を調べた。
「なまえは何系なの?」
「えへへー、秘密」
「なんだよ、ケチ」
「自分の能力は本来、自らそう簡単に明かさないものですよ。持つ能力によりますが、弱点や生死に関わる問題に発展しかねますからね」
系統といえば、ヒソカの系統別性格診断とか好きだな。
占いみたいでおもしろい。
それから4週間後、鍛錬を行い続けたある日ついに卒業を言い渡される。
ゴン、裏ハンター試験合格おめでとう。
もちろんキルアもね。
ウイングからネタばらしをされて、二人とも目を丸くしている。
「ちなみに、心源流拳法の師範はネテロ先生ですよ。なまえさんは師範の弟子の一人です」
「そうなの!?」
「なんでなまえが驚いてんだよ…」
いや、驚いたのはホント。
だって正式に弟子入りした覚えはないし。
あそびと称して、山岳で地獄のような日々を送った記憶しかない。
何回死んだと思ったことか。
そのおかげで、嫌でも力は身についたけれども。
「そんなことより、改めて二人ともおめでとう。でもって、今日でおわかれだ」
「え!」
「どういうことだよ。ヒソカとの試合は明日だぜ?」
キルアの言う通り、ゴンとヒソカの試合を目前に控えていた。
記憶で結果を知っているから、見ないわけではない。
「今のゴンなら、ヒソカにプレート返すことできるって信じてるから。思いっきりぶん殴ってやんなさい」
ぐっと拳を突き出せば、ゴンもうなずいてコツンと拳同士を合わせる。
次に会うのは、ヨークシンだ。
またこうやって笑顔でいられることは、たぶんできない。
不満そうなキルアに腕を伸ばして、抱きしめる。
いつものように抗議の声があがるが、腕の中から無理に離れようとはしなかった。
ふわふわの銀髪をなでてから、ゴンも同じように抱きしめて背中をぽんぽんと叩く。
沈みゆく西日が、まぶしいほど私たちを照らす。
「今までありがとう。二人といると、ホントに子供に戻ったみたいでたのしかったよ」
「やめろよ、その今生の別れみたいな言い方」
「なまえ。9月にクラピカたちとヨークシンで会う約束、忘れてないよね?」
「もちろん」
クラピカも念を習得して、着々と力をつけている。
旅団を殺すための、力を。
「何があっても、どこにいても、私は二人の友達だし味方だよ」
「うん!オレたちだって!」
「たりまえじゃん」
ああ、ダメだ。
これ以上、一緒にいたら涙腺が崩壊しちゃう。
ビスケは親の気持ちになっちゃう、なんて言ってたけど私は最初からそのつもりなんだよな。
「ウイングさん、本当にお世話になりました。この天空闘技場で、二人が最高の師匠に巡り会えてよかったです」
深く頭を下げると、ウイングから手を差し出された。
「こちらこそ、あなたに出会えて光栄でした。一つだけ、以前言ったことを訂正させてください。なまえさんほど、ゴンくんとキルアくんを大切に思ってる方はいません。どうかこの先も、力になってやってください」
「言いたかったこと、先に言われちゃいました」
眉を下げながら笑って、固く手を握り返す。
ズシにも別れの挨拶をする。
「ズシくんはよくがんばってるし、すごい子だよ。次、会うときをたのしみにしてるね。これからも、元気でね」
「押忍!なまえさんも、どうかお元気で!」
またね、と大きく手を振り、茜色の夕焼けを背に天空闘技場をあとにする。
ここを出たら、うしろは振り返らない。
元から、後戻りなどできない世界なのだから。
サダソに関しては、約束破った向こうが悪いので私は知らんぷり。
そして、たった今リールベルト戦もキルアの見事な勝利におわった。
「キルアにお姫様抱っこされていいなー」
「100万ボルトの電流つきですけどね」
刺激的でいいじゃないですか、と一緒に観戦していたウイングに答える。
眼鏡の奥で笑ったまま、ノーコメントだった。
「おつかれさま。かっこよかったぞーキルア」
「サンキュ」
「キルアさん!なまえさんがお姫様抱っこしてもらいたいそうっす!」
「ズシくん!?」
何を言い出すんだ、この子は。
あわててズシの口をふさいだが、ばっちり聞いてたみたいで両手を差し出している。
えーん、身長差逆お姫様抱っこはさすがに恥ずかしい!
「ホラ、こいよなまえ」
「ムリムリ!私、重いから!持ち上がらないって!」
「いや、さすがにそれはない。さっきの試合、見てたろ?」
どちらかと言えば、私がキルアをお姫様抱っこしたい側!
追いかけてくるキルアから逃げて、ウイングの背中に隠れる。
「私を隠れみのにするのは、やめていただけませんか」
「あなたの門下生が言い出したことです!」
「も、申し訳ないっす!」
「謝らなくていいんですよ、ズシ」
そんなこともありつつ、今日は発の修行。
水見式を行い、それぞれの系統を調べた。
「なまえは何系なの?」
「えへへー、秘密」
「なんだよ、ケチ」
「自分の能力は本来、自らそう簡単に明かさないものですよ。持つ能力によりますが、弱点や生死に関わる問題に発展しかねますからね」
系統といえば、ヒソカの系統別性格診断とか好きだな。
占いみたいでおもしろい。
それから4週間後、鍛錬を行い続けたある日ついに卒業を言い渡される。
ゴン、裏ハンター試験合格おめでとう。
もちろんキルアもね。
ウイングからネタばらしをされて、二人とも目を丸くしている。
「ちなみに、心源流拳法の師範はネテロ先生ですよ。なまえさんは師範の弟子の一人です」
「そうなの!?」
「なんでなまえが驚いてんだよ…」
いや、驚いたのはホント。
だって正式に弟子入りした覚えはないし。
あそびと称して、山岳で地獄のような日々を送った記憶しかない。
何回死んだと思ったことか。
そのおかげで、嫌でも力は身についたけれども。
「そんなことより、改めて二人ともおめでとう。でもって、今日でおわかれだ」
「え!」
「どういうことだよ。ヒソカとの試合は明日だぜ?」
キルアの言う通り、ゴンとヒソカの試合を目前に控えていた。
記憶で結果を知っているから、見ないわけではない。
「今のゴンなら、ヒソカにプレート返すことできるって信じてるから。思いっきりぶん殴ってやんなさい」
ぐっと拳を突き出せば、ゴンもうなずいてコツンと拳同士を合わせる。
次に会うのは、ヨークシンだ。
またこうやって笑顔でいられることは、たぶんできない。
不満そうなキルアに腕を伸ばして、抱きしめる。
いつものように抗議の声があがるが、腕の中から無理に離れようとはしなかった。
ふわふわの銀髪をなでてから、ゴンも同じように抱きしめて背中をぽんぽんと叩く。
沈みゆく西日が、まぶしいほど私たちを照らす。
「今までありがとう。二人といると、ホントに子供に戻ったみたいでたのしかったよ」
「やめろよ、その今生の別れみたいな言い方」
「なまえ。9月にクラピカたちとヨークシンで会う約束、忘れてないよね?」
「もちろん」
クラピカも念を習得して、着々と力をつけている。
旅団を殺すための、力を。
「何があっても、どこにいても、私は二人の友達だし味方だよ」
「うん!オレたちだって!」
「たりまえじゃん」
ああ、ダメだ。
これ以上、一緒にいたら涙腺が崩壊しちゃう。
ビスケは親の気持ちになっちゃう、なんて言ってたけど私は最初からそのつもりなんだよな。
「ウイングさん、本当にお世話になりました。この天空闘技場で、二人が最高の師匠に巡り会えてよかったです」
深く頭を下げると、ウイングから手を差し出された。
「こちらこそ、あなたに出会えて光栄でした。一つだけ、以前言ったことを訂正させてください。なまえさんほど、ゴンくんとキルアくんを大切に思ってる方はいません。どうかこの先も、力になってやってください」
「言いたかったこと、先に言われちゃいました」
眉を下げながら笑って、固く手を握り返す。
ズシにも別れの挨拶をする。
「ズシくんはよくがんばってるし、すごい子だよ。次、会うときをたのしみにしてるね。これからも、元気でね」
「押忍!なまえさんも、どうかお元気で!」
またね、と大きく手を振り、茜色の夕焼けを背に天空闘技場をあとにする。
ここを出たら、うしろは振り返らない。
元から、後戻りなどできない世界なのだから。