天空闘技場編
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ゴンの怪我から2ヶ月が経って、3人そろっての修行が始まる。
「なまえはメガネニイさんの修行、受けねーの?」
「こらキルア。ウイングさん、でしょ」
「キルアくん、それはちょっと」
「?」
頬に汗をかくウイングに、疑問符を浮かべる子供たち。
ある程度の基礎応用はすでにマスターしてるよ、と簡単に説明する。
「ふーん」
「ということで、私は見学で」
なんか、授業参観に来てるみたいでたのしい。
こちらを神妙な面持ちで見ているウイングに、眉を下げて笑う。
やりづらかったら退散しますけど、と人差し指を扉の方に向ける。
首を横に振ってもらったので、そのまま居座ることにした。
本日の修行がおわり、宿から天空闘技場にあるキルアの個室に向かう。
まだまだ元気があり余ってるゴンから、私からも何か教えてほしいと言われてあごに手を当てて考える。
よし、と思いサッと眼鏡を取り出して顔にかけた。
どこから出したんだよ、と言うキルアのツッコミは聞き流して、指を一本を立てる。
「何が見える?」
二人にはまだ見えないよう隠を使い描く。
「数字の…5っす!」
「よくできました」
少し時間がかかったが、上出来だ。
ゴンとキルアは、あっと声をあげた。
「ウイングさんも言ってた通り、凝は戦闘の初歩。自然に素早く!何事にも凝をおこたらない!ってのが常だけど、これがまた難しい」
「自分も、まだまだっす!」
汗をかいて、ぜーぜーと息を切らすズシの頭をなでる。
「キルアが上手に足音消すみたいに、長年の経験で身につくものだからね。焦る必要はないけど、まずはこれを習得しちゃいましょう」
キルアは頭のうしろで手を組んで、そっぽを向いた。
照れてる、照れてる。
「そっか。まずはウイングさんの課題、クリアしなくちゃだね」
「そうそう。我慢してた分、いろんなこと覚えたいってゴンの気持ちもわかるけど、一個ずつクリアしていこうね」
「うん!」
今はまだ、師匠は一人いれば充分。
ウイングが教えること以外、私から何か言うつもりはない。
キルアが猫顔をして、こっちを見ていた。
「苦手とか言っといて、なまえもすげー先生っぽいじゃん」
「今のは全部ただの受け売りだもん」
エレベーターからすでに嫌なオーラを感じる。
200階に到着すると、このクラスの闘士3人が待ち構えていた。
新人潰しってどこの世界にもいるもんだ。
挑発に乗らないのえらいぞ、ゴン。
夜が更けて、いつものように3人と別れて私は自分の宿に向かう。
つけられてる。
数は二人。
人通りの中、何の気なくうしろを振り返ったら、素人の方と普通に目が合った。
尾行、ヘタクソか。
名前、名前、えーと…。
「ズッコケ3人組のだれかさん」
「誰がズッコケ3人組だ!リールベルトだ!」
車椅子の闘士がそこにいた。
私は選手でもない、ただの一般人だからな。
こまった。
「おっと、動くなよ。大事な人質なんだ。うっかり殺すようなマネ、させないでくれよ?」
「はいはいストップ。なまえは関係ねーだろ」
建物の角から、音もなく銀髪が現れた。
キルアが私の前へと背中を向けて、立ちふさがるように立つ。
しまった。
もう一人の尾行者はキルアだったのなら、今ごろズシは。
「こんなカビ臭くてせこいマネしなくてもさ。オレが相手してやるよ」
「なんだ、キルアちゃんもいるのか。ちょうどいい」
仲間のサダソが、意識のないズシを担いでやってきた。
大丈夫、気絶してるだけで息はある。
冷めた目で敵を見据える。
「おー怒ったママはこわいねー。でも、オレたちキルアちゃんにただ戦ってもらいたいだけなんだよ。断ったら、しめ殺しちゃうかもしれないけど」
「わかったって。あんたら全員に一勝ずつプレゼント、でいいんだろ?」
キルアは要求を呑んで、試合の受付登録をしに天空闘技場へ向かう。
今ごろ残りの一人が、ゴンに電話で脅迫してるんだよな。
むー、ズシを無事に宿に届けるまで、手出しできないのがもどかしい。
登録を済ませて、私はズシを抱っこして受け取る。
「これで誰も殺すことなく終えられたね。最初からオレたちに申し込んでくれれば、こんな目に遭わずに済んだのにねー」
その言葉に、いい加減カチンときた。
「さっきから殺す殺すって平気で口にしない!子供の前でしょーが!」
ズシを腕に抱えたまま、思いっきり脚を振り上げてサダソの急所を蹴る。
反撃されると思ってなかったのだろう、ノーガードだった。
よし、帰るぞキルア。
蹴られていないリールベルトとキルアも、顔を真っ青にしていた。
静かな暗い夜道。
すやすやと眠るズシの背中を抱きしめながら、キルアと並んで歩く。
空気が澄んで、星がきれいだ。
「えらいね、キルア」
「ん?あー、まあゴンが念を教わるのやめたら、困るしさ」
「それもあるけど、ほら。殺すって言わなかったし、殺さなかったでしょ?」
キルアは口をへの字にしたまま、照れたように頬をかく。
ダメって言われたしな、なんて小さくつぶやいてる。
言われなくても、キミはちゃんとできる子だよ。
「殺しやめるのって、大変なんだな」
「そうそう。大変よね」
苦笑いしながら歩き、ズシを無事に宿へ送り届けて外に出る。
「本当にここで別れていいわけ?」
「すぐそこだから大丈夫だって。キルアも気をつけてね。おやすみ」
「ん、おやすみ」
「なまえはメガネニイさんの修行、受けねーの?」
「こらキルア。ウイングさん、でしょ」
「キルアくん、それはちょっと」
「?」
頬に汗をかくウイングに、疑問符を浮かべる子供たち。
ある程度の基礎応用はすでにマスターしてるよ、と簡単に説明する。
「ふーん」
「ということで、私は見学で」
なんか、授業参観に来てるみたいでたのしい。
こちらを神妙な面持ちで見ているウイングに、眉を下げて笑う。
やりづらかったら退散しますけど、と人差し指を扉の方に向ける。
首を横に振ってもらったので、そのまま居座ることにした。
本日の修行がおわり、宿から天空闘技場にあるキルアの個室に向かう。
まだまだ元気があり余ってるゴンから、私からも何か教えてほしいと言われてあごに手を当てて考える。
よし、と思いサッと眼鏡を取り出して顔にかけた。
どこから出したんだよ、と言うキルアのツッコミは聞き流して、指を一本を立てる。
「何が見える?」
二人にはまだ見えないよう隠を使い描く。
「数字の…5っす!」
「よくできました」
少し時間がかかったが、上出来だ。
ゴンとキルアは、あっと声をあげた。
「ウイングさんも言ってた通り、凝は戦闘の初歩。自然に素早く!何事にも凝をおこたらない!ってのが常だけど、これがまた難しい」
「自分も、まだまだっす!」
汗をかいて、ぜーぜーと息を切らすズシの頭をなでる。
「キルアが上手に足音消すみたいに、長年の経験で身につくものだからね。焦る必要はないけど、まずはこれを習得しちゃいましょう」
キルアは頭のうしろで手を組んで、そっぽを向いた。
照れてる、照れてる。
「そっか。まずはウイングさんの課題、クリアしなくちゃだね」
「そうそう。我慢してた分、いろんなこと覚えたいってゴンの気持ちもわかるけど、一個ずつクリアしていこうね」
「うん!」
今はまだ、師匠は一人いれば充分。
ウイングが教えること以外、私から何か言うつもりはない。
キルアが猫顔をして、こっちを見ていた。
「苦手とか言っといて、なまえもすげー先生っぽいじゃん」
「今のは全部ただの受け売りだもん」
エレベーターからすでに嫌なオーラを感じる。
200階に到着すると、このクラスの闘士3人が待ち構えていた。
新人潰しってどこの世界にもいるもんだ。
挑発に乗らないのえらいぞ、ゴン。
夜が更けて、いつものように3人と別れて私は自分の宿に向かう。
つけられてる。
数は二人。
人通りの中、何の気なくうしろを振り返ったら、素人の方と普通に目が合った。
尾行、ヘタクソか。
名前、名前、えーと…。
「ズッコケ3人組のだれかさん」
「誰がズッコケ3人組だ!リールベルトだ!」
車椅子の闘士がそこにいた。
私は選手でもない、ただの一般人だからな。
こまった。
「おっと、動くなよ。大事な人質なんだ。うっかり殺すようなマネ、させないでくれよ?」
「はいはいストップ。なまえは関係ねーだろ」
建物の角から、音もなく銀髪が現れた。
キルアが私の前へと背中を向けて、立ちふさがるように立つ。
しまった。
もう一人の尾行者はキルアだったのなら、今ごろズシは。
「こんなカビ臭くてせこいマネしなくてもさ。オレが相手してやるよ」
「なんだ、キルアちゃんもいるのか。ちょうどいい」
仲間のサダソが、意識のないズシを担いでやってきた。
大丈夫、気絶してるだけで息はある。
冷めた目で敵を見据える。
「おー怒ったママはこわいねー。でも、オレたちキルアちゃんにただ戦ってもらいたいだけなんだよ。断ったら、しめ殺しちゃうかもしれないけど」
「わかったって。あんたら全員に一勝ずつプレゼント、でいいんだろ?」
キルアは要求を呑んで、試合の受付登録をしに天空闘技場へ向かう。
今ごろ残りの一人が、ゴンに電話で脅迫してるんだよな。
むー、ズシを無事に宿に届けるまで、手出しできないのがもどかしい。
登録を済ませて、私はズシを抱っこして受け取る。
「これで誰も殺すことなく終えられたね。最初からオレたちに申し込んでくれれば、こんな目に遭わずに済んだのにねー」
その言葉に、いい加減カチンときた。
「さっきから殺す殺すって平気で口にしない!子供の前でしょーが!」
ズシを腕に抱えたまま、思いっきり脚を振り上げてサダソの急所を蹴る。
反撃されると思ってなかったのだろう、ノーガードだった。
よし、帰るぞキルア。
蹴られていないリールベルトとキルアも、顔を真っ青にしていた。
静かな暗い夜道。
すやすやと眠るズシの背中を抱きしめながら、キルアと並んで歩く。
空気が澄んで、星がきれいだ。
「えらいね、キルア」
「ん?あー、まあゴンが念を教わるのやめたら、困るしさ」
「それもあるけど、ほら。殺すって言わなかったし、殺さなかったでしょ?」
キルアは口をへの字にしたまま、照れたように頬をかく。
ダメって言われたしな、なんて小さくつぶやいてる。
言われなくても、キミはちゃんとできる子だよ。
「殺しやめるのって、大変なんだな」
「そうそう。大変よね」
苦笑いしながら歩き、ズシを無事に宿へ送り届けて外に出る。
「本当にここで別れていいわけ?」
「すぐそこだから大丈夫だって。キルアも気をつけてね。おやすみ」
「ん、おやすみ」