天空闘技場編
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モニターに映るゴンとギドの姿に、腕を組み青筋を浮かべながら隣に立つウイングをジト目で見る。
まだ修行も何もしてないのに、うちのゴンが200階の試合に出ているのですが。
「ウイングさん?」
「2ヶ月は我慢するよう、言ったんですが…」
困ったなと、頬に汗をかき頭のうしろに手を置いている。
彼のせいではないことは、わかってる。
記憶通りだし、好奇心旺盛のゴンのことだ。
負けるとわかった上での挑戦、自分でも止められなかったのだろう。
「全治4ヶ月だとさ。このドアホ」
部屋に入ると、ちょうどキルアが怒りにまかせてまくし立てていた。
言いたいことは、ほとんど言ってくれている。
このあと、ウイングさんも叱りに来るからほどほどにしておこう。
ベッドのふちに腰かける。
「キルアと私がどうしてこんなに怒ってるか、わかる?」
「うん。心配かけて、ごめんなさい」
ゴンは人の気持ちを無視して、同じムチャをするような子じゃない。
たしか、掃除夫のゼブロも言ってたな。
「ゴン、私の言うことは聞かなくても構わないけど、ウイングさんとの約束ごとだけは守って。それが物事を教わる、人としての姿勢よ」
「うん」
ゴンは私の目を見て、力強くうなずく。
よし、もう大丈夫だ。
次はキルア。
自分に矛先が向くと思っていなかったのか、イスに座ったまま目を丸くしている。
「ゴンが試合登録したとき、一緒にいたよね?」
「あー、オレも同罪ってことか。悪かったよ」
はいはい、と頭をかくキルアにベッドに座ったまま近づく。
「次は殴ってでも止めてあげて。友達が危険な道に進もうとしてたら、引きとめるのも友達だと思うの。キルアはどう思う?」
これは勝手なお願い。
今回ムチャな戦い方をしたのはゴン自身だし、それに関してキルアに非はない。
ぱちぱちと瞬きをしたあと、居心地悪そうに目を伏せる。
小さくうなずいたのを確認して、パンッと手のひらを胸の前で合わせて叩いた。
はい、お説教モードはおわり。
「なんか、説教慣れしてやがる」
できれば慣れたくなかったな、と眉を下げて笑う。
「つーか、なまえ。念のこと知ってたんだよな」
「そーだよ!言ってくれればよかったのに」
「言語化は苦手なの。それに感覚でなんとなく覚えた私より、筋道立てて的確なアドバイスくれる人に教えてもらう方が、何億倍もいいっしょ」
「なんとなくで念を覚えたのかよ!」
そんなんで先こされてんのムカつくと、キルアは頭を抱えている。
コンコンと、ノック音が聞こえて扉を開けるとウイングが立っていた。
部屋に入り、最初にゴンの頬を叩いてから叱りつける。
「なまえさん、ゴンくんの完治はいつ位になるか知ってますか?」
「いえ。キルア、知ってる?」
「医者は全治2ヶ月って言ってたけど」
まあ1ヶ月で治しちゃうんですけどね。
誓いの糸をゴンに結んだあと、ちょっといいですかとウイングに部屋の外へ呼ばれる。
キルアじゃないのは、当たり前か。
ウイングはうしろで手を組み、私はベンチに座る。
「ゴンくんたちの本当の目的は何ですか?」
ゴンはヒソカを倒しに、キルアは小遣い稼ぎのつもりだったけど、結果二人とも武者修行という形で今ここにいると簡略的に伝える。
「それで、二人には何も言わず、念の洗礼を受けさせようとしたと。私がいなければ、今ごろどうなっていたことか」
黙ってた理由はいろいろとある。
記憶通りにするためとか、自力でたどりつかせたいとか、そもそも人に教えるのが苦手だとか。
でも、いま目の前に素晴らしい指導者がいる。
それだけなんだよな。
「笑ってる場合ではありません。何も教えないという自分の行為があの二人をどれほど危険な目に合わせたか、わかっているのですか」
「もしかして、ウイングさん叱ってくれてます?」
「あたりまえです」
見てわかりませんか、というようにぐっと怒ってる顔を近づけてきた。
私は頬杖をついたまま、ますます笑みを深める。
「いやー、身内以外から怒られるのなんて久しぶりなもんで。本気でゴンとキルアのこと、心配してくださってありがとうございます。やっぱりあの二人の師匠が、ウイングさんでよかった」
「まったく、この人は…」
「それに、私がしゃべったら裏ハンター試験にならないじゃないですか」
やだなーもう、と笑うとウイングは固まっていた。
ハンター試験合格者のゴンと私、それからキルアについて、すでにネテロ会長から話は聞いてるはずだ。
するとなぜか、肩をがっくりと落とされた。
「いえ、師範の言う通りのお人だなと…」
どっちの方だろ。
まあ、十中八九ネテロの方か。
どちらにしろ、ろくでもないこと言われてそうだ。
「任せっきりで悪いですけど、あらためて二人のことよろしくお願いしますね」
「もちろん、ここまで来て途中で降りる気なんてありませんよ」
そうそう、始めから教える気満々なんだよね。
師範代、子供たちのおそろしさに震えるのはこれからですよ。
「そうだ。ウイングさんがいい先生だって、ズシくんを見てもわかりますよ」
「ズシ、ですか」
「子供の目は正直ですから。宝石みたいにキラキラしてますもん」
今ごろ元気に宝石集めでもしてるかな、ビスケちゃま。
まだ修行も何もしてないのに、うちのゴンが200階の試合に出ているのですが。
「ウイングさん?」
「2ヶ月は我慢するよう、言ったんですが…」
困ったなと、頬に汗をかき頭のうしろに手を置いている。
彼のせいではないことは、わかってる。
記憶通りだし、好奇心旺盛のゴンのことだ。
負けるとわかった上での挑戦、自分でも止められなかったのだろう。
「全治4ヶ月だとさ。このドアホ」
部屋に入ると、ちょうどキルアが怒りにまかせてまくし立てていた。
言いたいことは、ほとんど言ってくれている。
このあと、ウイングさんも叱りに来るからほどほどにしておこう。
ベッドのふちに腰かける。
「キルアと私がどうしてこんなに怒ってるか、わかる?」
「うん。心配かけて、ごめんなさい」
ゴンは人の気持ちを無視して、同じムチャをするような子じゃない。
たしか、掃除夫のゼブロも言ってたな。
「ゴン、私の言うことは聞かなくても構わないけど、ウイングさんとの約束ごとだけは守って。それが物事を教わる、人としての姿勢よ」
「うん」
ゴンは私の目を見て、力強くうなずく。
よし、もう大丈夫だ。
次はキルア。
自分に矛先が向くと思っていなかったのか、イスに座ったまま目を丸くしている。
「ゴンが試合登録したとき、一緒にいたよね?」
「あー、オレも同罪ってことか。悪かったよ」
はいはい、と頭をかくキルアにベッドに座ったまま近づく。
「次は殴ってでも止めてあげて。友達が危険な道に進もうとしてたら、引きとめるのも友達だと思うの。キルアはどう思う?」
これは勝手なお願い。
今回ムチャな戦い方をしたのはゴン自身だし、それに関してキルアに非はない。
ぱちぱちと瞬きをしたあと、居心地悪そうに目を伏せる。
小さくうなずいたのを確認して、パンッと手のひらを胸の前で合わせて叩いた。
はい、お説教モードはおわり。
「なんか、説教慣れしてやがる」
できれば慣れたくなかったな、と眉を下げて笑う。
「つーか、なまえ。念のこと知ってたんだよな」
「そーだよ!言ってくれればよかったのに」
「言語化は苦手なの。それに感覚でなんとなく覚えた私より、筋道立てて的確なアドバイスくれる人に教えてもらう方が、何億倍もいいっしょ」
「なんとなくで念を覚えたのかよ!」
そんなんで先こされてんのムカつくと、キルアは頭を抱えている。
コンコンと、ノック音が聞こえて扉を開けるとウイングが立っていた。
部屋に入り、最初にゴンの頬を叩いてから叱りつける。
「なまえさん、ゴンくんの完治はいつ位になるか知ってますか?」
「いえ。キルア、知ってる?」
「医者は全治2ヶ月って言ってたけど」
まあ1ヶ月で治しちゃうんですけどね。
誓いの糸をゴンに結んだあと、ちょっといいですかとウイングに部屋の外へ呼ばれる。
キルアじゃないのは、当たり前か。
ウイングはうしろで手を組み、私はベンチに座る。
「ゴンくんたちの本当の目的は何ですか?」
ゴンはヒソカを倒しに、キルアは小遣い稼ぎのつもりだったけど、結果二人とも武者修行という形で今ここにいると簡略的に伝える。
「それで、二人には何も言わず、念の洗礼を受けさせようとしたと。私がいなければ、今ごろどうなっていたことか」
黙ってた理由はいろいろとある。
記憶通りにするためとか、自力でたどりつかせたいとか、そもそも人に教えるのが苦手だとか。
でも、いま目の前に素晴らしい指導者がいる。
それだけなんだよな。
「笑ってる場合ではありません。何も教えないという自分の行為があの二人をどれほど危険な目に合わせたか、わかっているのですか」
「もしかして、ウイングさん叱ってくれてます?」
「あたりまえです」
見てわかりませんか、というようにぐっと怒ってる顔を近づけてきた。
私は頬杖をついたまま、ますます笑みを深める。
「いやー、身内以外から怒られるのなんて久しぶりなもんで。本気でゴンとキルアのこと、心配してくださってありがとうございます。やっぱりあの二人の師匠が、ウイングさんでよかった」
「まったく、この人は…」
「それに、私がしゃべったら裏ハンター試験にならないじゃないですか」
やだなーもう、と笑うとウイングは固まっていた。
ハンター試験合格者のゴンと私、それからキルアについて、すでにネテロ会長から話は聞いてるはずだ。
するとなぜか、肩をがっくりと落とされた。
「いえ、師範の言う通りのお人だなと…」
どっちの方だろ。
まあ、十中八九ネテロの方か。
どちらにしろ、ろくでもないこと言われてそうだ。
「任せっきりで悪いですけど、あらためて二人のことよろしくお願いしますね」
「もちろん、ここまで来て途中で降りる気なんてありませんよ」
そうそう、始めから教える気満々なんだよね。
師範代、子供たちのおそろしさに震えるのはこれからですよ。
「そうだ。ウイングさんがいい先生だって、ズシくんを見てもわかりますよ」
「ズシ、ですか」
「子供の目は正直ですから。宝石みたいにキラキラしてますもん」
今ごろ元気に宝石集めでもしてるかな、ビスケちゃま。