天空闘技場編
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「ズシ!!」
鼓膜が張り裂けそうなほどの怒号。
会場全体が静まり返り、実況のお姉さんのマイクもキーンとハウリングする。
叫んだ本人の周囲は、まるで蜘蛛の子を散らしたように人が逃げていた。
スッと静かに腰を下ろしたウイングの隣で、私は座ったまま頬杖をついて笑っていた。
試合がおわり、ゴンとキルアにお弁当を渡して3人で食べる。
キルアが眉をよせながら、ズシ戦のイヤな感じについて話し出す。
つい意地になって本気を出したときも、またすぐに起き上がったズシ。
キルア曰く、あれは意志でどうこうできる問題ではない。
ふいにゴンが私の方を見た。
「なんか、魔法みたいだね」
「はあ?魔法とかガキかよ。なまえじゃあるまいし」
こらこら、それはキルアが先に言い出したことでしょーが。
それにしても、ゴンとキルアの会話に目を見張るものがある。
これだから子供たちと一緒に過ごすの、やめられねーんだわ。
数日後、ジェニー片手に本日の収益を計算する。
「そのお金、どうしたの?」
「ふっふっふ、キミたちのおかげで儲からせてもらったよ」
「完全に悪役の笑い方やめろ。まさか、賭けか?」
そう、キルアの言う通りギャンブルだ。
ひたすらゴンとキルアに賭け金を乗せ続けるという、簡単なお仕事。
まあ、あくまでお遊び程度のものだからこのへんで手を引く。
これ以上、あんまり敵も作りたくないし。
ジト目のキルアに、ギャンブルで身を破滅させるタイプの人間だなと予言された。
その言葉、そのままそっくりお返しいたします。
いまだにズシのイヤな感じの正体がわからないキルアは、ゴンに言われて直接本人に聞きに行くことになった。
こういう発想がすぐに出るの、ゴンらしい。
ズシが語る四大行に疑問符を浮かべていると、ウイングが苦言を呈しながら現れた。
キルアがウイングに、念について教えを乞う。
私は二人の肩にポンッと手を乗せて、頭を下げた。
「どうかご教授願います」
ウイングは眼鏡のふちを押さえたあと、説明しますと言ってくれたので一緒に宿についていく。
初心に返るって大事。
ま、ウソの方便の念なんだけどね。
もっともらしい話なのに、全然納得してないキルアはさすがだな。
それから二人は手こずることなく勝ち進み、あっという間に200階に到達した。
私はエレベーターには乗らず、ウイングの元へ向かっていた。
「ウイングさん。ゴンもキルアも次は200階ですよ」
「もう200階に?」
やっぱりあの二人はすごいっす!と興奮するズシに、ウイングはあごに手を当てて考え込んでいる。
「ちょっと様子を見てきます。なまえさんとズシはここに」
「ズシくんお留守番よろしくー」
ウイングと一緒にエレベーターに乗り込み、すぐに200のボタンを押す。
あきれたような顔で見つめられたが、上昇したエレベーターは止まらない。
「何かが目覚める瞬間って、どうしてこうワクワクするんですかね」
私の笑みとは裏腹に、ウイングは険しい表情で固唾を呑んでいた。
扉が開くと、正面にゴンとキルアの背中。
まっすぐ伸びた通路の一番奥に、右手を伸ばしたヒソカが陣取って座っていた。
その横には200階のフロアのお姉さんが立っている。
私はエレベーターから降りて、床に落ちていた拳のマークの帽子を拾い、落とし主の元へと向かう。
お姉さんの頭に乗せると、ありがとうございますとお礼を言われたので、腕を差し出して握手した。
「?」
「ファンなんです」
このお姉さん、目元がかわいいんだよな。
天空闘技場でずっと会いたかった人に会えてご満悦です。
「やあ。また会えると思ってたよ、なまえ」
ご満悦、終了。
お姉さんの隣にいるヒソカは、相変わらず嫌なオーラを放っている。
ストーカーしてたくせに、偶然みたいなセリフを吐いてから。
「なんてね、キミは気づいてたみたいだけど」
「なまえ!」
キルアに呼ばれて振り返ると、二人とも大量の汗をかいて苦しそうにその場から動けずにいる。
そう、ゴンとキルアはまだここには来られない。
「ウイングさん、あとよろしくお願いします」
「本当に、いいんですね?」
「二人のこと、見くびってもらったら困りますよ」
笑顔で答える。
私が威張って言うことじゃないのはわかってる。
さあ、眠っている怪物を起こしておいで。
鼓膜が張り裂けそうなほどの怒号。
会場全体が静まり返り、実況のお姉さんのマイクもキーンとハウリングする。
叫んだ本人の周囲は、まるで蜘蛛の子を散らしたように人が逃げていた。
スッと静かに腰を下ろしたウイングの隣で、私は座ったまま頬杖をついて笑っていた。
試合がおわり、ゴンとキルアにお弁当を渡して3人で食べる。
キルアが眉をよせながら、ズシ戦のイヤな感じについて話し出す。
つい意地になって本気を出したときも、またすぐに起き上がったズシ。
キルア曰く、あれは意志でどうこうできる問題ではない。
ふいにゴンが私の方を見た。
「なんか、魔法みたいだね」
「はあ?魔法とかガキかよ。なまえじゃあるまいし」
こらこら、それはキルアが先に言い出したことでしょーが。
それにしても、ゴンとキルアの会話に目を見張るものがある。
これだから子供たちと一緒に過ごすの、やめられねーんだわ。
数日後、ジェニー片手に本日の収益を計算する。
「そのお金、どうしたの?」
「ふっふっふ、キミたちのおかげで儲からせてもらったよ」
「完全に悪役の笑い方やめろ。まさか、賭けか?」
そう、キルアの言う通りギャンブルだ。
ひたすらゴンとキルアに賭け金を乗せ続けるという、簡単なお仕事。
まあ、あくまでお遊び程度のものだからこのへんで手を引く。
これ以上、あんまり敵も作りたくないし。
ジト目のキルアに、ギャンブルで身を破滅させるタイプの人間だなと予言された。
その言葉、そのままそっくりお返しいたします。
いまだにズシのイヤな感じの正体がわからないキルアは、ゴンに言われて直接本人に聞きに行くことになった。
こういう発想がすぐに出るの、ゴンらしい。
ズシが語る四大行に疑問符を浮かべていると、ウイングが苦言を呈しながら現れた。
キルアがウイングに、念について教えを乞う。
私は二人の肩にポンッと手を乗せて、頭を下げた。
「どうかご教授願います」
ウイングは眼鏡のふちを押さえたあと、説明しますと言ってくれたので一緒に宿についていく。
初心に返るって大事。
ま、ウソの方便の念なんだけどね。
もっともらしい話なのに、全然納得してないキルアはさすがだな。
それから二人は手こずることなく勝ち進み、あっという間に200階に到達した。
私はエレベーターには乗らず、ウイングの元へ向かっていた。
「ウイングさん。ゴンもキルアも次は200階ですよ」
「もう200階に?」
やっぱりあの二人はすごいっす!と興奮するズシに、ウイングはあごに手を当てて考え込んでいる。
「ちょっと様子を見てきます。なまえさんとズシはここに」
「ズシくんお留守番よろしくー」
ウイングと一緒にエレベーターに乗り込み、すぐに200のボタンを押す。
あきれたような顔で見つめられたが、上昇したエレベーターは止まらない。
「何かが目覚める瞬間って、どうしてこうワクワクするんですかね」
私の笑みとは裏腹に、ウイングは険しい表情で固唾を呑んでいた。
扉が開くと、正面にゴンとキルアの背中。
まっすぐ伸びた通路の一番奥に、右手を伸ばしたヒソカが陣取って座っていた。
その横には200階のフロアのお姉さんが立っている。
私はエレベーターから降りて、床に落ちていた拳のマークの帽子を拾い、落とし主の元へと向かう。
お姉さんの頭に乗せると、ありがとうございますとお礼を言われたので、腕を差し出して握手した。
「?」
「ファンなんです」
このお姉さん、目元がかわいいんだよな。
天空闘技場でずっと会いたかった人に会えてご満悦です。
「やあ。また会えると思ってたよ、なまえ」
ご満悦、終了。
お姉さんの隣にいるヒソカは、相変わらず嫌なオーラを放っている。
ストーカーしてたくせに、偶然みたいなセリフを吐いてから。
「なんてね、キミは気づいてたみたいだけど」
「なまえ!」
キルアに呼ばれて振り返ると、二人とも大量の汗をかいて苦しそうにその場から動けずにいる。
そう、ゴンとキルアはまだここには来られない。
「ウイングさん、あとよろしくお願いします」
「本当に、いいんですね?」
「二人のこと、見くびってもらったら困りますよ」
笑顔で答える。
私が威張って言うことじゃないのはわかってる。
さあ、眠っている怪物を起こしておいで。