天空闘技場編
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「大人一枚、子供二枚で」
じっと、こちらを見つめるゴンのいたいけな視線が突き刺さる。
窓口で飛行船に乗船するチケットを購入して、二人に手渡す。
さすがに子供に払わすようなマネはしないけど、タダなのもきっと納得しないだろうな。
この乗船賃、預かっといてあとでこっそり返そう。
「船を降りたらゼロからスタートだ」
「うん!」
船の中でも、いまだに不思議そうな顔をしているゴン。
お姉さんに興味津々なのはわかるけど、ほどほどにしたまえ。
というか、単純に照れる。
ゴンの隣にいるキルアが、頭のうしろで手を組みながら口を開いた。
「なまえの姿に見慣れてないだけだろ」
なるほど。
「四次試験のゼビル島で助けてくれたよね」
小石も何もないに、その場でズッコケそうになった。
うそォ、気づかれてないと思ってたのに。
「やっぱり!あの時もなまえかなーって思ったけど、ありがとう!」
「あの時もって、ゴン。なんでなまえってわかったわけ?」
「うしろ姿しか見えなかったけど、匂いが同じだったんだ」
「変態かよ」
「む」
忘れてた。
ゴンって湿原の中でもレオリオの香水たどれるくらい、野生の獣並みに鼻いいんだったわ。
「また子供に戻ったりできる?」
「うん、できるよ」
「できんのかよ!?」
たぶん、もうする機会ないからしないけど。
どうやるの?と、ド直球に聞いてきたゴンの頭をぽんぽんとなでる。
それを教えるのはまだちょっと早い。
それに、もうすぐ素晴らしい指導者に出会えるからね。
キルアも眉をよせていたが、私が口を割らないとわかるとすぐに興味をなくしたようだ。
「ま、なまえだからな。魔法でも使ったんだろ」
「イルミの針の変装も、魔法ちっくだよね」
「兄貴のは、すっげー邪悪なやつだけどな」
なかなかいい線いってるぞ、キルアくん。
ていうか、私のは教えてって言われても、詳しい仕組みは正直よくわかりません。
船から降りると、一瞬ほんのわずかに嫌なオーラを感じる。
尾行されてる。
ゴンとキルアは気づいていない。
せっかく電脳ネットを使わないでこの空港までやって来たのに、どうやって嗅ぎつけたのか。
まあ今ここで騒ぎ立てても仕方がない、と内心ため息を吐く。
あんなストーカーはスルーだ、スルー。
天空闘技場に到着して、モニター越しに熱狂する試合や歓声の様子を眺める。
ここも、記憶通り変わってないな。
行列に並び、受付で参加登録する二人をうしろからのぞきこんだ。
キルアはもちろん再登録ね。
「なまえは本当に参加しなくていいの?」
「いーの、いーの」
「小遣い稼ぎどうすんだよ。一応ハンター試験合格する腕前はあるんだから、挑戦すればいいのに」
キルアはどちらかというと、私の力量を測りたいっていう目をしていた。
お金の件は、秘策があるから大丈夫。
あと二人には言わなかったけど、まだ口座に貯金は残ってる。
これでも私、一応働いてた大人ですから。
6年前に無一文で放り出されて200階まで来たことのあるキルアは、ここの仕組みを熟知している。
いってらっしゃい、と手を振って私は観客席へと向かう。
ふとモニターに目を向けると、いが栗頭の柔道着を来た少年が目に入った。
がんばれ、小さな修行者よ。
ゴンとキルアの試合は一瞬でおわり、一気に50階まで進む。
二人に付き添ってエレベーターを降りると、先ほど見たばかりの少年と出会った。
押忍、とズシはポーズをとって頭を下げる。
ゴンとキルアよりもさらに小さいズシが、流派は何なのかと聞いてきた。
私に。
ゴンがきょとんとして、キルアは私とズシを交互に見ている。
上着のポケットに手を入れて肩を震わせたあと、私は大きく笑った。
「え!お二人の師範代じゃないんすか!?」
「お前な、こいつのどこが師匠に見えるわけ?」
「いや、てっきり。しかし、誰の指導もなくあの強さなんすか…」
ズシの師匠も、一見ぽくないもんね。
噂をすればなんとやら。
ショックを受けたズシのうしろかろ、眼鏡に寝ぐせ、ズボンから半分シャツをはみ出した青年ウイングがやってきた。
彼によるとズシもたしか、何十万に一人の逸材じゃなかったっけ。
そう気を落とさない、落とさない。
二言三言、会話したあとキルアにちょいちょいと服をつままれる。
「どうした?」
「オレたち前の試合でダメージなかったから、きっともう一試合組まされてる。早く行こーぜ」
またすぐ会うことになるしな、と思い手を振り別れる。
ズシとは同じ控え室なんだし、そんな引っ張って急かさなくても。
忘れてたけど、キルアってけっこう人嫌いだ。
次の試合が始まる前に、私は売店に向かうことにした。
「ここのからあげ弁当、おいしいんだよー。店主が変わってなかったらの話だけど」
「へー、お腹すいてきちゃった」
「ちょい待ち。なまえ、天空闘技場は初めてじゃないわけ?」
人差し指を上げたまま、ぴしりと笑顔が固まる。
そのまま笑ってごまかして、足早に立ち去る。
再会した売店のおばちゃんは、私を覚えていてくれてハイタッチを交わした。
「キャー!なまえちゃんじゃない、久しぶり!あらやだ。全然変わってないのは、なまえちゃんの方じゃない〜。懐かしいわねぇ、前来たのはもう6年前とかじゃないかしら」
世間話をして、お弁当を三人分注文する。
寝ぐせ頭を見つけてその隣に座り、キルア対ズシの試合開始の合図を聞いた。
じっと、こちらを見つめるゴンのいたいけな視線が突き刺さる。
窓口で飛行船に乗船するチケットを購入して、二人に手渡す。
さすがに子供に払わすようなマネはしないけど、タダなのもきっと納得しないだろうな。
この乗船賃、預かっといてあとでこっそり返そう。
「船を降りたらゼロからスタートだ」
「うん!」
船の中でも、いまだに不思議そうな顔をしているゴン。
お姉さんに興味津々なのはわかるけど、ほどほどにしたまえ。
というか、単純に照れる。
ゴンの隣にいるキルアが、頭のうしろで手を組みながら口を開いた。
「なまえの姿に見慣れてないだけだろ」
なるほど。
「四次試験のゼビル島で助けてくれたよね」
小石も何もないに、その場でズッコケそうになった。
うそォ、気づかれてないと思ってたのに。
「やっぱり!あの時もなまえかなーって思ったけど、ありがとう!」
「あの時もって、ゴン。なんでなまえってわかったわけ?」
「うしろ姿しか見えなかったけど、匂いが同じだったんだ」
「変態かよ」
「む」
忘れてた。
ゴンって湿原の中でもレオリオの香水たどれるくらい、野生の獣並みに鼻いいんだったわ。
「また子供に戻ったりできる?」
「うん、できるよ」
「できんのかよ!?」
たぶん、もうする機会ないからしないけど。
どうやるの?と、ド直球に聞いてきたゴンの頭をぽんぽんとなでる。
それを教えるのはまだちょっと早い。
それに、もうすぐ素晴らしい指導者に出会えるからね。
キルアも眉をよせていたが、私が口を割らないとわかるとすぐに興味をなくしたようだ。
「ま、なまえだからな。魔法でも使ったんだろ」
「イルミの針の変装も、魔法ちっくだよね」
「兄貴のは、すっげー邪悪なやつだけどな」
なかなかいい線いってるぞ、キルアくん。
ていうか、私のは教えてって言われても、詳しい仕組みは正直よくわかりません。
船から降りると、一瞬ほんのわずかに嫌なオーラを感じる。
尾行されてる。
ゴンとキルアは気づいていない。
せっかく電脳ネットを使わないでこの空港までやって来たのに、どうやって嗅ぎつけたのか。
まあ今ここで騒ぎ立てても仕方がない、と内心ため息を吐く。
あんなストーカーはスルーだ、スルー。
天空闘技場に到着して、モニター越しに熱狂する試合や歓声の様子を眺める。
ここも、記憶通り変わってないな。
行列に並び、受付で参加登録する二人をうしろからのぞきこんだ。
キルアはもちろん再登録ね。
「なまえは本当に参加しなくていいの?」
「いーの、いーの」
「小遣い稼ぎどうすんだよ。一応ハンター試験合格する腕前はあるんだから、挑戦すればいいのに」
キルアはどちらかというと、私の力量を測りたいっていう目をしていた。
お金の件は、秘策があるから大丈夫。
あと二人には言わなかったけど、まだ口座に貯金は残ってる。
これでも私、一応働いてた大人ですから。
6年前に無一文で放り出されて200階まで来たことのあるキルアは、ここの仕組みを熟知している。
いってらっしゃい、と手を振って私は観客席へと向かう。
ふとモニターに目を向けると、いが栗頭の柔道着を来た少年が目に入った。
がんばれ、小さな修行者よ。
ゴンとキルアの試合は一瞬でおわり、一気に50階まで進む。
二人に付き添ってエレベーターを降りると、先ほど見たばかりの少年と出会った。
押忍、とズシはポーズをとって頭を下げる。
ゴンとキルアよりもさらに小さいズシが、流派は何なのかと聞いてきた。
私に。
ゴンがきょとんとして、キルアは私とズシを交互に見ている。
上着のポケットに手を入れて肩を震わせたあと、私は大きく笑った。
「え!お二人の師範代じゃないんすか!?」
「お前な、こいつのどこが師匠に見えるわけ?」
「いや、てっきり。しかし、誰の指導もなくあの強さなんすか…」
ズシの師匠も、一見ぽくないもんね。
噂をすればなんとやら。
ショックを受けたズシのうしろかろ、眼鏡に寝ぐせ、ズボンから半分シャツをはみ出した青年ウイングがやってきた。
彼によるとズシもたしか、何十万に一人の逸材じゃなかったっけ。
そう気を落とさない、落とさない。
二言三言、会話したあとキルアにちょいちょいと服をつままれる。
「どうした?」
「オレたち前の試合でダメージなかったから、きっともう一試合組まされてる。早く行こーぜ」
またすぐ会うことになるしな、と思い手を振り別れる。
ズシとは同じ控え室なんだし、そんな引っ張って急かさなくても。
忘れてたけど、キルアってけっこう人嫌いだ。
次の試合が始まる前に、私は売店に向かうことにした。
「ここのからあげ弁当、おいしいんだよー。店主が変わってなかったらの話だけど」
「へー、お腹すいてきちゃった」
「ちょい待ち。なまえ、天空闘技場は初めてじゃないわけ?」
人差し指を上げたまま、ぴしりと笑顔が固まる。
そのまま笑ってごまかして、足早に立ち去る。
再会した売店のおばちゃんは、私を覚えていてくれてハイタッチを交わした。
「キャー!なまえちゃんじゃない、久しぶり!あらやだ。全然変わってないのは、なまえちゃんの方じゃない〜。懐かしいわねぇ、前来たのはもう6年前とかじゃないかしら」
世間話をして、お弁当を三人分注文する。
寝ぐせ頭を見つけてその隣に座り、キルア対ズシの試合開始の合図を聞いた。