ハンター試験編
名前変換
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キルア視点
99番のナンバープレートを、くるくると人差し指で回す。
単なる暇つぶしで受けに来たハンター試験。
試験開始まで特にすることもないので、エレベーターから試験会場へと足を踏み入れる受験生をちらりと見る。
まあ、だいたい見かけ倒しの筋肉ムキムキのおっさんばっか。
おもしろそうな奴はいない。
早く始まらないかなーとあくびが出たところ、受付係の誰かを呼ぶ声がやけに大きく聞こえた。
「これ、食べ終わってからでいいですかー?」
幼く、間の抜けた声に目を開ける。
エレベーターの中で、合言葉で用意された焼肉定食をぱくぱくと食べている小さな少女が目に映った。
のんきな奴、本当にハンター試験に受けに来たのかよ。
緊張感のない様子にあきれていると、さっきのおっさんがニタニタと笑いながらエレベーターの近くに寄っていった。
少し考えてそろそろ喉乾いたしな、と壁から背中を離して足を一歩踏み出した。
「もーまたこの人は…なまえさーん!そろそろ出てきてもらわないと困るんですけど!」
「はいはーい。ごちそうさまでした」
「お嬢ちゃん、食後にジュースでもどうだい?」
やっとのことで出てきたそいつは、300番のナンバープレートと下剤入りジュースを何の疑いもなく受け取った。
やっぱりな、見かけ通り世間知らずな奴。
「おっさん、もう一本もらうぜ」
ぼけっとしている少女の手から、一瞬でジュースを奪い取る。
答えを聞く前にその場でごくごくと飲み干してやる。
残念だったなおっさん、不思議そうな顔してもオレには効かないっつーの。
べーっと舌を出してその場から離れると、さっきの子供がぱたぱたと後ろからついてきた。
「たすけてくれて、ありがとうございました」
体に似つかない大きなカバンを肩にかけて、ぺこりと頭を下げる。
べつに、助けたとかそんなんじゃねーけど。
目が合ってそいつが笑った瞬間、どこかで見たことあるような顔だと思った。
記憶をたどるが、まるでモヤがかかったように思い出せない。
名前、さっきの受付係なんて言ったっけ。
ま、いっかとポケットに手をつっこみながら年齢を聞く。
一瞬、間が空いたあと答えが返ってきた。
ふーん、同い年ね。
見た感じすげー弱そうだし、たぶん一次試験で落ちるなこいつ。
名前を聞かれたので答える。
「オレ、キルア」
「なまえです。キルアってかっこいい名前だね」
「は」
「あ、かっこいいのはもちろん名前だけじゃないけどね!」
今、なんて言った?
なまえと名乗ったそいつは笑ったあと、扉が開いたエレベーターの方へ顔を向けていた。
次に来た受験生をじっと見ているようだったが、オレはそれどころじゃなくて。
目の前の少女が言った言葉が、しばらく頭の中をこだまして離れなかった。
初対面なのにかっこいいとか、フツーそういうこと言うか?
変なやつ。
99番のナンバープレートを、くるくると人差し指で回す。
単なる暇つぶしで受けに来たハンター試験。
試験開始まで特にすることもないので、エレベーターから試験会場へと足を踏み入れる受験生をちらりと見る。
まあ、だいたい見かけ倒しの筋肉ムキムキのおっさんばっか。
おもしろそうな奴はいない。
早く始まらないかなーとあくびが出たところ、受付係の誰かを呼ぶ声がやけに大きく聞こえた。
「これ、食べ終わってからでいいですかー?」
幼く、間の抜けた声に目を開ける。
エレベーターの中で、合言葉で用意された焼肉定食をぱくぱくと食べている小さな少女が目に映った。
のんきな奴、本当にハンター試験に受けに来たのかよ。
緊張感のない様子にあきれていると、さっきのおっさんがニタニタと笑いながらエレベーターの近くに寄っていった。
少し考えてそろそろ喉乾いたしな、と壁から背中を離して足を一歩踏み出した。
「もーまたこの人は…なまえさーん!そろそろ出てきてもらわないと困るんですけど!」
「はいはーい。ごちそうさまでした」
「お嬢ちゃん、食後にジュースでもどうだい?」
やっとのことで出てきたそいつは、300番のナンバープレートと下剤入りジュースを何の疑いもなく受け取った。
やっぱりな、見かけ通り世間知らずな奴。
「おっさん、もう一本もらうぜ」
ぼけっとしている少女の手から、一瞬でジュースを奪い取る。
答えを聞く前にその場でごくごくと飲み干してやる。
残念だったなおっさん、不思議そうな顔してもオレには効かないっつーの。
べーっと舌を出してその場から離れると、さっきの子供がぱたぱたと後ろからついてきた。
「たすけてくれて、ありがとうございました」
体に似つかない大きなカバンを肩にかけて、ぺこりと頭を下げる。
べつに、助けたとかそんなんじゃねーけど。
目が合ってそいつが笑った瞬間、どこかで見たことあるような顔だと思った。
記憶をたどるが、まるでモヤがかかったように思い出せない。
名前、さっきの受付係なんて言ったっけ。
ま、いっかとポケットに手をつっこみながら年齢を聞く。
一瞬、間が空いたあと答えが返ってきた。
ふーん、同い年ね。
見た感じすげー弱そうだし、たぶん一次試験で落ちるなこいつ。
名前を聞かれたので答える。
「オレ、キルア」
「なまえです。キルアってかっこいい名前だね」
「は」
「あ、かっこいいのはもちろん名前だけじゃないけどね!」
今、なんて言った?
なまえと名乗ったそいつは笑ったあと、扉が開いたエレベーターの方へ顔を向けていた。
次に来た受験生をじっと見ているようだったが、オレはそれどころじゃなくて。
目の前の少女が言った言葉が、しばらく頭の中をこだまして離れなかった。
初対面なのにかっこいいとか、フツーそういうこと言うか?
変なやつ。