ゾルディック家編
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キルア視点
親父の部屋を出て廊下を歩いていると、ゼノじいちゃんとなまえのうしろ姿が見えた。
子供じゃない、本来の大人の姿のなまえ。
オレに気づいたじいちゃんが笑って、その場から立ち去ると、残ったなまえがこちらを振り向いた。
オレは緊張して、視線を落とし立ち尽くしてしまった。
なまえが生きていることは、すでに親父たちから聞いていた。
それでも、どんな顔をして会えばいいかわからなかった。
ポケットから手を出して、固く握りしめる。
うつむいた顔を上げた瞬間、飛び込んできたのは泣きそうな顔で両手を広げるなまえの姿だった。
「わーん、会いたかったよー!キルアー!元気?ってミルキからのお仕置き受けたんだったよね。もー顔中すり傷だらけ!体の方もちゃんと消毒した?そのままにしてちゃダメだよ。あ!そうだ、実は通販でキルアの好きなチョコロボ君買ってあってね、」
「なまえ!」
言葉をさえぎるように、喉から声をふりしぼる。
苦虫を噛みつぶしたように、唇をかみしめる。
なんで、死にそうになったのに、オレのこと責めないんだよ。
なんで、どうして。
オレは今まで、大事ななまえのことを忘れてたんだよ。
「ごめん」
静寂が耳に突き刺さる。
おそるおそる、視線をなまえの足から徐々に上へあげる。
うーん、とあごに指を当てて何やら考えてこんでいた。
「私が勝手に動いただけだから、キルアが謝るのは違くない?」
「でも!」
「それにさ、ささいなことで謝ったり、かしこまるのはなしにしようよ。だってほら、友達でしょ」
ニッと悪戯っ子みたいに笑うなまえを見て、目頭が熱くなった。
今のオレ、かなりかっこ悪い。
ゴシゴシと腕で目をこすっていると、やわらかな手に頭をなでられる。
次の瞬間、なまえの顔が近くにあり、甘い匂いとともにぬくもりが全身に広がる。
抱きしめられてると気がついて、体温が一気に上昇した。
「バカ!そうやってすぐに抱きつくの、やめろ!」
はははと笑うなまえを、腕の中から必死ににらみつける。
なまえのやつ、完全に子供扱いしてやがる…!
そういや、最終試験日前にも同じようなことがあったが、あの時は子供同士。
今は胸が思いっきりあたってんだよ!
気づけよドアホ!
なんか、くやしい。
ハンター試験中は、ずっと同じ目線で過ごせたのに。
あたりまえだけど、嫌でも歳の差を感じる。
「シルバともう話はした?」
「ん。親父、なまえからちゃんと話せって言われたって、珍しくぼやいてたな」
「キルアのことだもん。私が言わなくても、きっと話は聞いてくれてたよ」
あれ、じゃあ親父がなまえの言葉に聞く耳持たなかったのって何のことだっけ。
「ゴンたち、もう来てるって。いこう」
疑問を頭のすみへ追いやって、なまえの言葉にこくりと頷く。
ゴトーのいる執事の屋敷まで、足取り軽く向かう。
ゴン、クラピカ、レオリオの三人と顔を合わせて再会した。
「もー!ゴンまで顔ボロボロ!」
「ホントだ、すげー顔してるぜ。ゴン」
「あはは、キルアだって」
オレがレオリオのことをリオレオと呼んだら、なまえのツボに入ったらしい。
忘れてた、とかよくわかんねーこと言ってたけど、なまえが楽しそうならそれでいいや。
ゴンがなぜか、なまえを満足そうに見上げてる。
「約束通り、また集合できてよかったね!」
「約束?」
「キルアの家でしゅーごー!ってやつ」
「ハンター試験がおわったあと、四人で決めたのだよ」
「んな勝手な」
とか言いつつ、またこうやって集まれたのはすげー嬉しい。
三人が来てくれてよかったね、と他人事みたい笑うなまえに、お前もだよ、とめちゃくちゃかるーく頭をチョップした。
以前、なまえにやられたことのあるやつ。
いたーい!と笑うなまえは、至極うれしそうに頭を抱えていた。
執事邸を出る前、ゴトーにおふくろに何言われてもついてくんなよと、釘を刺す。
本当についてきかねないからな。
なまえ、べつに謝んなくていいから。
「だってゴトー、キルアのこと息子みたいにかわいがってるんだもん」
「滅相もございません。執事が雇い主にそのような感情抱くなど」
「一生懸命キルアに自分の名前の呼ばせて、うまく言えた時なんかケーキでお祝い、むぐ」
「そーゆーの、こっちまで恥ずいからやめろ」
「なまえ様。それ以上はどうかご勘弁を」
オレが直接なまえの口を手でふさいで、ゴトーもタジタジになって柄になく顔を赤らめている。
なまえが昔、うちにいた記憶はぼんやりとあるけど、そんなことまでよく覚えてるよな。
一緒に過ごした時間は、何年か前のほんの少しなはずなのに。
五人でククルーマウンテンの山を降りて、クラピカは旅団を追うため、レオリオは医者を目指すためにそれぞれ別れる。
次に会うのは9月1日、ヨークシンシティで!
「んじゃ、私もこのへんで」
「はあ!?」
思わず声が出た。
だって、ここまで来たらついてくると思うじゃん。
つーか、こんなとこで別れるのとか嫌なんだけど。
「なまえは、何してる人なの?」
「しがない旅人さ」
「ニートじゃん」
なまえに頭を抱えられて、胸に顔面をうめられる。
いちいち心臓に悪いから、これマジでやめろ。
「なまえ、金ある?」
「え、ごめん。ハンターライセンス売ればなんとか」
「売んなくていいから。一石二鳥の場所があるんだよ。天空闘技場!」
鍛えられるし小遣い稼ぎもできる、今のオレたちにうってつけの場所。
ゴンは予想通りポカンとしていたが、なまえは頷いてどうやら知ってるようだった。
「ヒマならなまえも来いよ」
「えー、ゴンはどう思う?」
「オレはなまえが来てくれるならうれしいよ!」
「よし、決まり!」
なんだよそれ、ゴンがそう言わなかったら来なかったわけ?
ムカつく。
「キルアはもう小さな子供じゃないんだし、そこまでついていくのはどうかなーって思ったんだけど。実はまだ、一緒にいたかったんだよね。えへへ、うれしいや」
満面の笑みのなまえを見て思う。
あーもう、やっぱりなまえには敵わない。
親父の部屋を出て廊下を歩いていると、ゼノじいちゃんとなまえのうしろ姿が見えた。
子供じゃない、本来の大人の姿のなまえ。
オレに気づいたじいちゃんが笑って、その場から立ち去ると、残ったなまえがこちらを振り向いた。
オレは緊張して、視線を落とし立ち尽くしてしまった。
なまえが生きていることは、すでに親父たちから聞いていた。
それでも、どんな顔をして会えばいいかわからなかった。
ポケットから手を出して、固く握りしめる。
うつむいた顔を上げた瞬間、飛び込んできたのは泣きそうな顔で両手を広げるなまえの姿だった。
「わーん、会いたかったよー!キルアー!元気?ってミルキからのお仕置き受けたんだったよね。もー顔中すり傷だらけ!体の方もちゃんと消毒した?そのままにしてちゃダメだよ。あ!そうだ、実は通販でキルアの好きなチョコロボ君買ってあってね、」
「なまえ!」
言葉をさえぎるように、喉から声をふりしぼる。
苦虫を噛みつぶしたように、唇をかみしめる。
なんで、死にそうになったのに、オレのこと責めないんだよ。
なんで、どうして。
オレは今まで、大事ななまえのことを忘れてたんだよ。
「ごめん」
静寂が耳に突き刺さる。
おそるおそる、視線をなまえの足から徐々に上へあげる。
うーん、とあごに指を当てて何やら考えてこんでいた。
「私が勝手に動いただけだから、キルアが謝るのは違くない?」
「でも!」
「それにさ、ささいなことで謝ったり、かしこまるのはなしにしようよ。だってほら、友達でしょ」
ニッと悪戯っ子みたいに笑うなまえを見て、目頭が熱くなった。
今のオレ、かなりかっこ悪い。
ゴシゴシと腕で目をこすっていると、やわらかな手に頭をなでられる。
次の瞬間、なまえの顔が近くにあり、甘い匂いとともにぬくもりが全身に広がる。
抱きしめられてると気がついて、体温が一気に上昇した。
「バカ!そうやってすぐに抱きつくの、やめろ!」
はははと笑うなまえを、腕の中から必死ににらみつける。
なまえのやつ、完全に子供扱いしてやがる…!
そういや、最終試験日前にも同じようなことがあったが、あの時は子供同士。
今は胸が思いっきりあたってんだよ!
気づけよドアホ!
なんか、くやしい。
ハンター試験中は、ずっと同じ目線で過ごせたのに。
あたりまえだけど、嫌でも歳の差を感じる。
「シルバともう話はした?」
「ん。親父、なまえからちゃんと話せって言われたって、珍しくぼやいてたな」
「キルアのことだもん。私が言わなくても、きっと話は聞いてくれてたよ」
あれ、じゃあ親父がなまえの言葉に聞く耳持たなかったのって何のことだっけ。
「ゴンたち、もう来てるって。いこう」
疑問を頭のすみへ追いやって、なまえの言葉にこくりと頷く。
ゴトーのいる執事の屋敷まで、足取り軽く向かう。
ゴン、クラピカ、レオリオの三人と顔を合わせて再会した。
「もー!ゴンまで顔ボロボロ!」
「ホントだ、すげー顔してるぜ。ゴン」
「あはは、キルアだって」
オレがレオリオのことをリオレオと呼んだら、なまえのツボに入ったらしい。
忘れてた、とかよくわかんねーこと言ってたけど、なまえが楽しそうならそれでいいや。
ゴンがなぜか、なまえを満足そうに見上げてる。
「約束通り、また集合できてよかったね!」
「約束?」
「キルアの家でしゅーごー!ってやつ」
「ハンター試験がおわったあと、四人で決めたのだよ」
「んな勝手な」
とか言いつつ、またこうやって集まれたのはすげー嬉しい。
三人が来てくれてよかったね、と他人事みたい笑うなまえに、お前もだよ、とめちゃくちゃかるーく頭をチョップした。
以前、なまえにやられたことのあるやつ。
いたーい!と笑うなまえは、至極うれしそうに頭を抱えていた。
執事邸を出る前、ゴトーにおふくろに何言われてもついてくんなよと、釘を刺す。
本当についてきかねないからな。
なまえ、べつに謝んなくていいから。
「だってゴトー、キルアのこと息子みたいにかわいがってるんだもん」
「滅相もございません。執事が雇い主にそのような感情抱くなど」
「一生懸命キルアに自分の名前の呼ばせて、うまく言えた時なんかケーキでお祝い、むぐ」
「そーゆーの、こっちまで恥ずいからやめろ」
「なまえ様。それ以上はどうかご勘弁を」
オレが直接なまえの口を手でふさいで、ゴトーもタジタジになって柄になく顔を赤らめている。
なまえが昔、うちにいた記憶はぼんやりとあるけど、そんなことまでよく覚えてるよな。
一緒に過ごした時間は、何年か前のほんの少しなはずなのに。
五人でククルーマウンテンの山を降りて、クラピカは旅団を追うため、レオリオは医者を目指すためにそれぞれ別れる。
次に会うのは9月1日、ヨークシンシティで!
「んじゃ、私もこのへんで」
「はあ!?」
思わず声が出た。
だって、ここまで来たらついてくると思うじゃん。
つーか、こんなとこで別れるのとか嫌なんだけど。
「なまえは、何してる人なの?」
「しがない旅人さ」
「ニートじゃん」
なまえに頭を抱えられて、胸に顔面をうめられる。
いちいち心臓に悪いから、これマジでやめろ。
「なまえ、金ある?」
「え、ごめん。ハンターライセンス売ればなんとか」
「売んなくていいから。一石二鳥の場所があるんだよ。天空闘技場!」
鍛えられるし小遣い稼ぎもできる、今のオレたちにうってつけの場所。
ゴンは予想通りポカンとしていたが、なまえは頷いてどうやら知ってるようだった。
「ヒマならなまえも来いよ」
「えー、ゴンはどう思う?」
「オレはなまえが来てくれるならうれしいよ!」
「よし、決まり!」
なんだよそれ、ゴンがそう言わなかったら来なかったわけ?
ムカつく。
「キルアはもう小さな子供じゃないんだし、そこまでついていくのはどうかなーって思ったんだけど。実はまだ、一緒にいたかったんだよね。えへへ、うれしいや」
満面の笑みのなまえを見て思う。
あーもう、やっぱりなまえには敵わない。