ゾルディック家編
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カチャカチャと、部屋に響き渡るスティック音とボタン音。
「もっかい!」
「またかよ。もう帰ってくんない?オレ、疲れてんだけど」
「拷問された方より、してたミルキの方が疲れてるとか。ぷぷ」
「はー言ったな。いいぜ、二度とコントローラー持てなくなるようボッコボコにして泣かせてやる」
開始の合図とともに、再びスティック音と激しいゲーム音が流れる。
数分後、画面に浮かぶゲームセットの文字に、私は静かに息を吐く。
横に座るミルキを見上げて、にやりと笑った。
「今日はこの辺でおわりにしといてあげる」
「さんざん負けといて、その余裕はなんなんだよ」
怒るミルキを横目にコントローラーを置いて、まわりに飾られている大量のフィギュアを頬杖をついて眺める。
「おい、なまえ。オレのコレクションにさわったら殺すからな」
「はいはい、わかってますよー」
しばらく来ないうちに、また増えたみたいだ。
ポテチの袋を開けるミルキのお腹もひとまわり、いや昔からあれくらい大きかったな。
「キルに会いに来たんだろ?だいたい、じいちゃんもなまえも甘すぎるんだよ」
「私はみんなに甘々だよ」
フーッと汗をにじませながらお腹を押さえるミルキは、黒い目を細めて苛立っている。
私は手を伸ばして、シャツがはち切れんばかりの柔らかいお腹をむにっとつまんだ。
「腹を揉むな!傷口が開いたらどうすんだよ!」
「そこはちゃんと避けてるって。ねーミルキ、今度食べ歩きにでも行こうよ」
「やなこった。食べたいものがあるなら、うちに運ばせればいいだろ」
「外に誰かと一緒に食べに行くのがおいしいんだよー」
座っているミルキのお腹にもたれていると、椅子ごとうしろに引かれて床にぱたりと倒れ込む。
そのままカーペットの上でごろごろとしていたら、ミルキに転がされて部屋の外へポイッと追い出された。
寝そべる形で廊下に出ると、影が差しかかり、長い髪がカーテンのように顔まわりに降ってくる。
逆さまのイルミの顔が、視界いっぱいに映った。
「お仕事?」
「うん」
針の服を着て、どうやらお出かけみたいだ。
そういえば、次の仕事でハンターの資格が必要って言ってたな。
体を起こして、服をかるく手ではたいた。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
手を振るが、無言で立ち止まるイルミにじっと見下ろされる。
鍛えられた腕がゆっくりと上がり、私の喉元に突き立てられる。
そのままなぞるように鎖骨、胸元へと服越しに降りていき、指先は途中で止まった。
先日、キルアに刺されたばかりのところ。
ふさがった傷が、またうずいたかのように思えた。
「キルはこの家の大事な後継者だ。キルが生まれる前からいるなまえなら、わかるだろ?」
余計なことはするな、きっとそう言いたいのだろう。
私は胸に指先を突きつけられたまま、イルミを見上げる。
「キルア以外のゾルディック家の人間も、私にとって大事な人たちだよ」
そこに、もちろんイルミもいる。
「そういうこと、言ってるんじゃないんだけど」
イルミは思いっきり眉をひそめて、腕を下ろした。
じゃあね、と立ち去り揺れる黒髪を、私は一人さびしく見送った。
「もっかい!」
「またかよ。もう帰ってくんない?オレ、疲れてんだけど」
「拷問された方より、してたミルキの方が疲れてるとか。ぷぷ」
「はー言ったな。いいぜ、二度とコントローラー持てなくなるようボッコボコにして泣かせてやる」
開始の合図とともに、再びスティック音と激しいゲーム音が流れる。
数分後、画面に浮かぶゲームセットの文字に、私は静かに息を吐く。
横に座るミルキを見上げて、にやりと笑った。
「今日はこの辺でおわりにしといてあげる」
「さんざん負けといて、その余裕はなんなんだよ」
怒るミルキを横目にコントローラーを置いて、まわりに飾られている大量のフィギュアを頬杖をついて眺める。
「おい、なまえ。オレのコレクションにさわったら殺すからな」
「はいはい、わかってますよー」
しばらく来ないうちに、また増えたみたいだ。
ポテチの袋を開けるミルキのお腹もひとまわり、いや昔からあれくらい大きかったな。
「キルに会いに来たんだろ?だいたい、じいちゃんもなまえも甘すぎるんだよ」
「私はみんなに甘々だよ」
フーッと汗をにじませながらお腹を押さえるミルキは、黒い目を細めて苛立っている。
私は手を伸ばして、シャツがはち切れんばかりの柔らかいお腹をむにっとつまんだ。
「腹を揉むな!傷口が開いたらどうすんだよ!」
「そこはちゃんと避けてるって。ねーミルキ、今度食べ歩きにでも行こうよ」
「やなこった。食べたいものがあるなら、うちに運ばせればいいだろ」
「外に誰かと一緒に食べに行くのがおいしいんだよー」
座っているミルキのお腹にもたれていると、椅子ごとうしろに引かれて床にぱたりと倒れ込む。
そのままカーペットの上でごろごろとしていたら、ミルキに転がされて部屋の外へポイッと追い出された。
寝そべる形で廊下に出ると、影が差しかかり、長い髪がカーテンのように顔まわりに降ってくる。
逆さまのイルミの顔が、視界いっぱいに映った。
「お仕事?」
「うん」
針の服を着て、どうやらお出かけみたいだ。
そういえば、次の仕事でハンターの資格が必要って言ってたな。
体を起こして、服をかるく手ではたいた。
「いってらっしゃい。気をつけてね」
手を振るが、無言で立ち止まるイルミにじっと見下ろされる。
鍛えられた腕がゆっくりと上がり、私の喉元に突き立てられる。
そのままなぞるように鎖骨、胸元へと服越しに降りていき、指先は途中で止まった。
先日、キルアに刺されたばかりのところ。
ふさがった傷が、またうずいたかのように思えた。
「キルはこの家の大事な後継者だ。キルが生まれる前からいるなまえなら、わかるだろ?」
余計なことはするな、きっとそう言いたいのだろう。
私は胸に指先を突きつけられたまま、イルミを見上げる。
「キルア以外のゾルディック家の人間も、私にとって大事な人たちだよ」
そこに、もちろんイルミもいる。
「そういうこと、言ってるんじゃないんだけど」
イルミは思いっきり眉をひそめて、腕を下ろした。
じゃあね、と立ち去り揺れる黒髪を、私は一人さびしく見送った。