【短(中)編集】その他の高校
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
小学3年生の時、新しく引っ越した家の隣には2つ年下の京治くんが住んでいた。
「いおりちゃん、京治のことよろしくね」と、京治くんのお母さんに言われて、私は当時1年生の京治くんと手を繋いで登校していた。
癖っ毛でお目目がくりくりしてて可愛い京治くん。ずっと兄弟が欲しかった私は弟ができたみたいで本当に嬉しくて。最初はあまり私と喋らなかった彼だけど、私がいつも喋りかけるうちに段々と自分から話すようになってくれて、半年後にはすっかり懐かれていた。
それはもう本当に、
びっくりするくらいの懐き具合でーー
「いおりさんのことが大好きです」
『ふふっ、私も好きだよ~』
かわいー、と彼のふわふわの黒髪を撫でる。
「僕と結婚してください!」
『京治くん、結婚の意味分かってるの~?』
「僕のお嫁さんになるってことです」
と、真剣な顔をして言う1年生の京治くん。当時の私は弟みたいに思っていたから、笑いながら受け流していて。
そしたら、また次の日も、その次の日もーー
「僕のお嫁さんになってください」
「一生に幸せにします!」
と、毎日プロポーズの言葉がポンポンと飛び出すもんだから『わ、わかった!わかった!京治くんのお嫁さんになるから!』と、言えば、
「約束ですよ」
と、指切りげんまんをさせられた。
ーーと、過去の記憶を思い出して『ふふっ懐かしい』と思わず笑みが零れた。すると、ソファに座っていた京治くんが怪訝そうな顔をした。
『あ、ちょっと昔のこと思い出してて。小学生の頃、京治くん毎日プロポーズしてきたじゃない?あれ、当時は友達との罰ゲームなのかなって思ってて。プロポーズ受け入れるまで罰ゲーム終わらないのかな?って』
「そんな訳ないじゃないですか…」
眉をひそめた彼が「こっち来て」と、彼の足の間のソファをポンポンと叩いた。
ここに座れ、ということだろう。言われるがままに、彼の足の間に座れば、ふわりと後ろから抱き締められた。
彼が私の首元に顔を埋める。彼の癖っ毛がくすぐったくて、思わず肩を竦めそうになる。
「ーーあの頃、貴女に振り向いてもらうために必死だったんですから」
『ふふっ、私にぞっこんじゃん』
「そうですよ。だからあの頃の約束をこうして叶えられて、幸せです」
そして、彼が私の首元にチュッと口付けをした。
「昔も今も、悪い男がひっつかないように苦労している俺を労わってくださいね」
ーFinー