【短(中)編集】井闥山学院
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それは本当に偶然のことだったーー。
聖臣くんを誘ったけど「予定があるから」と言われ、土曜の午後、私は一人でショッピングモールに来ていた。賑わうショッピングモールの人混みの中、ふと見覚えのある人がいると思えばーー
『聖臣、くん…っ?』
そこには、予定があると私の誘いを断った張本人がいて。
スラリと背が高く目立つ彼の隣には、これまたスラリと背の高い美人な女性がいることに、息をのむ。
絶句して動けずにいれば、不意に聖臣くんと目が合った。彼の目が大きく見開かれてーー
「聖臣、どうしたの?」と、美人さんが聖臣くんに声をかけた瞬間、頭が真っ白になって思わず駆け出していた。
ーーその女の人、誰…? ”聖臣”って呼び捨て…?
「おいっ、待てよ!」
背後から彼の声が響いたと思えば、いとも簡単に腕を掴まれた。『…っ、離して』と彼の顔を見たくなくて振りほどこうとすれば、グイっと強く抱き寄せられて、腕の中に閉じ込められ、彼の困ったような声が耳に届く。
「ーーお前、変な勘違いしてんだろ」
『…っ、なにが』
「あれは、俺の姉貴だ」
『…え?』
思わず目を丸くして彼の顔を見れば、彼は顔をしかめていて。
「浮気とかそんなんじゃねぇから」
びっくりして固まっていれば「ちょっと聖臣、勝手に走っていなくなんじゃないわよ…って、あら彼女さん?」と、さっきの美人さんがやってくるなり、目を輝かせて私にグイっと近寄る。
「ーーいおりが変な勘違いしたじゃねぇか」
そう言いながら顔をしかめる聖臣くんに対して、お姉さんは気に留めずマシンガンのように話し出す。
「あら、いおりちゃんてって言うのね。聖臣ってば、彼女の話ぜんぜんしてくれないんだもん。なのに、今日彼女にプレゼント買うから付き合ってほしい、なんて言っちゃってさ」
「…っ!姉貴!」
「あ、ごめん」
あっ、と口を抑えたお姉さんに、聖臣くんが盛大な溜息をついている。
「あ、じゃあお詫びに一緒にこれからカフェ行かない?あっちにね、美味しそうなタルト屋があるのよ」
「は?何言ってーー」
「ね、いおりちゃんも行きたいでしょう? 聖臣のマル秘エピソードも教えてあげるわよ」
「っ!教えなくていいだろ!」
「ほら、行くよ行くよ」
「~~~っ」
ーーあの聖臣くんが、こんなに振り回されている…
新鮮な姿に目を見開いていれば、しかめっ面をした彼が「なんだよ」と眉をひそめていて。
『ーー聖臣くんの末っ子らしいところ初めて見た』
と、しみじみ感心したように言えば
「ーーうるせぇ」
と、そっぽ向いた彼の耳が少し赤くなっていて、思わず口元が緩んだ。
〜FIN〜
聖臣くんを誘ったけど「予定があるから」と言われ、土曜の午後、私は一人でショッピングモールに来ていた。賑わうショッピングモールの人混みの中、ふと見覚えのある人がいると思えばーー
『聖臣、くん…っ?』
そこには、予定があると私の誘いを断った張本人がいて。
スラリと背が高く目立つ彼の隣には、これまたスラリと背の高い美人な女性がいることに、息をのむ。
絶句して動けずにいれば、不意に聖臣くんと目が合った。彼の目が大きく見開かれてーー
「聖臣、どうしたの?」と、美人さんが聖臣くんに声をかけた瞬間、頭が真っ白になって思わず駆け出していた。
ーーその女の人、誰…? ”聖臣”って呼び捨て…?
「おいっ、待てよ!」
背後から彼の声が響いたと思えば、いとも簡単に腕を掴まれた。『…っ、離して』と彼の顔を見たくなくて振りほどこうとすれば、グイっと強く抱き寄せられて、腕の中に閉じ込められ、彼の困ったような声が耳に届く。
「ーーお前、変な勘違いしてんだろ」
『…っ、なにが』
「あれは、俺の姉貴だ」
『…え?』
思わず目を丸くして彼の顔を見れば、彼は顔をしかめていて。
「浮気とかそんなんじゃねぇから」
びっくりして固まっていれば「ちょっと聖臣、勝手に走っていなくなんじゃないわよ…って、あら彼女さん?」と、さっきの美人さんがやってくるなり、目を輝かせて私にグイっと近寄る。
「ーーいおりが変な勘違いしたじゃねぇか」
そう言いながら顔をしかめる聖臣くんに対して、お姉さんは気に留めずマシンガンのように話し出す。
「あら、いおりちゃんてって言うのね。聖臣ってば、彼女の話ぜんぜんしてくれないんだもん。なのに、今日彼女にプレゼント買うから付き合ってほしい、なんて言っちゃってさ」
「…っ!姉貴!」
「あ、ごめん」
あっ、と口を抑えたお姉さんに、聖臣くんが盛大な溜息をついている。
「あ、じゃあお詫びに一緒にこれからカフェ行かない?あっちにね、美味しそうなタルト屋があるのよ」
「は?何言ってーー」
「ね、いおりちゃんも行きたいでしょう? 聖臣のマル秘エピソードも教えてあげるわよ」
「っ!教えなくていいだろ!」
「ほら、行くよ行くよ」
「~~~っ」
ーーあの聖臣くんが、こんなに振り回されている…
新鮮な姿に目を見開いていれば、しかめっ面をした彼が「なんだよ」と眉をひそめていて。
『ーー聖臣くんの末っ子らしいところ初めて見た』
と、しみじみ感心したように言えば
「ーーうるせぇ」
と、そっぽ向いた彼の耳が少し赤くなっていて、思わず口元が緩んだ。
〜FIN〜
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