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「お兄さんこんばんは…」
よくお店に来てくれる後輩のお客さまが今日は若い男性を1人連れてきたらしい。
新規の方だからと黒服に言われ席に向かったが、その男性に私は見覚えがあり言葉を少し詰まらせた。
「どうも〜」
爽やかな笑顔で手を振る彼は同じマンションに住む南雲さんだった。
私たちが住むマンションには町内会みたいな組合が存在していて、彼とは去年からそこで一緒に書記の担当をしている。
まさかこんな風にお客さまとしてくると思わなかったから、南雲さんとは書記の仕事で話すときや、近所のコンビニで偶然会ったときも、私は完全にオフで醜いすっぴんだった。
そんな私のだらしない姿を知っている彼にオンモードの自分を見られるのはすごく気まずい。
弱みを握られているようなものだからだ。
まあ化粧をした姿を見られたのは過去に一瞬だけだしバレてないだろう。
「初めまして」
「初めましてじゃないでしょ〜」
速攻バレた。
それでもその日は同じマンションの住人だからなのか、友達だからなのか、南雲さんは私を場内指名してくれた。
一応LINEでお礼を伝えればスタンプが返ってきた。
その後も毎日南雲さんとはラインをするようになった。
寝坊したとか、仕事終わったとかそんな他愛もない内容だ。
同じ書記だから連絡先は交換していたけど、こんな風に毎日他愛もない会話をするのは不思議な感じだった。
そしてその後驚くことに南雲さんは私を本指名してくれて、ときどき1人でお店に来るようになった。
南雲さんは暇な時間に1時間だけ来て、いつも素飲みで帰っていたが、事態はある日突然急展開を迎える。
「君のこと好きなんだ」
書記の仕事で南雲さんと話すことがあり、カフェで会った帰りに彼は私に言った。
彼の言葉を聞いている今の私は、出勤時の煌びやかなドレスでもなくジーパンにパーカー。そして地味顔の足の裏みたいなすっぴんだ。
なんでこんな格好の時に言うんだと思っていれば
「着飾ってない君を最初に好きになったから今言ったんだよ」
と私の思っていることを読み取ったように南雲さんが答えた。
「この足の裏みたいな顔でも?」
「その顔もかわいいし、あそこまで変化するくらいに見た目も中身も努力してるところも好きだよ」
お客さんとして見えている一部の私を好きになったわけではなく、本当の私を好きになってくれて、努力する過程まで好きと言ってくれている。
嬉しくない訳なかった。
でも今の私は断る以外の選択肢を持っていない。
「ごめん、嬉しいけど私今の仕事本気でやりたいから彼氏は作らないって決めてるの」
私は仕事で色恋は絶対にしない。誰にでも友達のように接する営業スタイルだ。
それもお客さまもわかっているからこれまでちゃんと考えて断ることはなかった。
でも、仕事上の私だけじゃなくて本当の私も知る南雲さんに対しては、初めて向き合って本音で話したいと思ったし、だからこそはっきり断らなければと思っていた。
都合のいい逃げの言葉でもなく、本音だった。
今以上にたくさんの額を売り上げて、気楽に暮らしたかった。
来月に控えたバースデーのイベントはお客様も業績が不振で私の売り上げもそこまで行かない見込みだ。
本当の私を理解してくれる存在がいる未来も今南雲さんに告白されて考えたけど、やっぱり真剣にやらなきゃという気持ちが勝った。
だから年月をかけて目標の売り上げを達成していくために、彼氏を作る前に仕事を頑張りたかった。
「じゃあどのくらい使えば考えてくれる?」
「来年のイベントで1日で2億使ってくれるなら」
彼が食い下がったから私は現実的ではない額を伝えて引き離した。
一般人が知っているような、その界隈の女の子の憧れになるような1番すごい人でも、3日で2億3千万くらいだ。
ありがたいことにお店の看板と言われるまでには私もなったけど、そんな売り上げなんて夢のまた夢だった。
本当の私を好きになって気持ちを伝えてくれた彼に対して、お高く止まってる感じですごく嫌だった。
でもこう言えば諦めるだろうと思った。
「わかったよ」
南雲さんがにっこり笑って言ったから流石に諦めたと思っていた。
もう来てくれないかもしれないなと思ったのに、次の出勤日も南雲さんは普通にお店に来た。
「バースデーの分お願いしまーす」
南雲さんはケースを黒服に渡してサインしていた。
来月のバースデーで、何か高額のお酒を入れてくれるのかなと思い後から予約伝票を見たら、なんと2億分きっちり入金されていた。
「ちょ、南雲さん私来年て言った…てか本当に入金するの?」
入金の確認が終わった後で南雲さんに話せば平然とした顔で南雲さんは答えた。
「うん。一年も待ってらんないもん」
いきなり2億打ったとして、ファイナルイベントだってしないといけないのに。
それを説明すれば南雲さんは顔色を変えずにそっかーと言って続けた。
「ならそのときは3億だね〜」
なんでそんな簡単に言えるんだろう。
職業は知ってるけど、私と同じくらいの歳でそんな途方もない額をポンポン出せる彼は一体どれくらいすごい人なんだと考えていれば
「僕すごいってわかったでしょ〜?君の生活も全部保証するよ」
と南雲さんは言った。
現実的ではなかった口約束を簡単に現実に変えてしまった彼に私はもう逆らえない。
「わかった…約束だからね」
こんなありえないことを一瞬で魔法みたいに叶えてくれた彼の気持ちに、答えたい。
1人の人間として、本当の私を好きになってくれた彼に向き合おうと私は決めた。
よくお店に来てくれる後輩のお客さまが今日は若い男性を1人連れてきたらしい。
新規の方だからと黒服に言われ席に向かったが、その男性に私は見覚えがあり言葉を少し詰まらせた。
「どうも〜」
爽やかな笑顔で手を振る彼は同じマンションに住む南雲さんだった。
私たちが住むマンションには町内会みたいな組合が存在していて、彼とは去年からそこで一緒に書記の担当をしている。
まさかこんな風にお客さまとしてくると思わなかったから、南雲さんとは書記の仕事で話すときや、近所のコンビニで偶然会ったときも、私は完全にオフで醜いすっぴんだった。
そんな私のだらしない姿を知っている彼にオンモードの自分を見られるのはすごく気まずい。
弱みを握られているようなものだからだ。
まあ化粧をした姿を見られたのは過去に一瞬だけだしバレてないだろう。
「初めまして」
「初めましてじゃないでしょ〜」
速攻バレた。
それでもその日は同じマンションの住人だからなのか、友達だからなのか、南雲さんは私を場内指名してくれた。
一応LINEでお礼を伝えればスタンプが返ってきた。
その後も毎日南雲さんとはラインをするようになった。
寝坊したとか、仕事終わったとかそんな他愛もない内容だ。
同じ書記だから連絡先は交換していたけど、こんな風に毎日他愛もない会話をするのは不思議な感じだった。
そしてその後驚くことに南雲さんは私を本指名してくれて、ときどき1人でお店に来るようになった。
南雲さんは暇な時間に1時間だけ来て、いつも素飲みで帰っていたが、事態はある日突然急展開を迎える。
「君のこと好きなんだ」
書記の仕事で南雲さんと話すことがあり、カフェで会った帰りに彼は私に言った。
彼の言葉を聞いている今の私は、出勤時の煌びやかなドレスでもなくジーパンにパーカー。そして地味顔の足の裏みたいなすっぴんだ。
なんでこんな格好の時に言うんだと思っていれば
「着飾ってない君を最初に好きになったから今言ったんだよ」
と私の思っていることを読み取ったように南雲さんが答えた。
「この足の裏みたいな顔でも?」
「その顔もかわいいし、あそこまで変化するくらいに見た目も中身も努力してるところも好きだよ」
お客さんとして見えている一部の私を好きになったわけではなく、本当の私を好きになってくれて、努力する過程まで好きと言ってくれている。
嬉しくない訳なかった。
でも今の私は断る以外の選択肢を持っていない。
「ごめん、嬉しいけど私今の仕事本気でやりたいから彼氏は作らないって決めてるの」
私は仕事で色恋は絶対にしない。誰にでも友達のように接する営業スタイルだ。
それもお客さまもわかっているからこれまでちゃんと考えて断ることはなかった。
でも、仕事上の私だけじゃなくて本当の私も知る南雲さんに対しては、初めて向き合って本音で話したいと思ったし、だからこそはっきり断らなければと思っていた。
都合のいい逃げの言葉でもなく、本音だった。
今以上にたくさんの額を売り上げて、気楽に暮らしたかった。
来月に控えたバースデーのイベントはお客様も業績が不振で私の売り上げもそこまで行かない見込みだ。
本当の私を理解してくれる存在がいる未来も今南雲さんに告白されて考えたけど、やっぱり真剣にやらなきゃという気持ちが勝った。
だから年月をかけて目標の売り上げを達成していくために、彼氏を作る前に仕事を頑張りたかった。
「じゃあどのくらい使えば考えてくれる?」
「来年のイベントで1日で2億使ってくれるなら」
彼が食い下がったから私は現実的ではない額を伝えて引き離した。
一般人が知っているような、その界隈の女の子の憧れになるような1番すごい人でも、3日で2億3千万くらいだ。
ありがたいことにお店の看板と言われるまでには私もなったけど、そんな売り上げなんて夢のまた夢だった。
本当の私を好きになって気持ちを伝えてくれた彼に対して、お高く止まってる感じですごく嫌だった。
でもこう言えば諦めるだろうと思った。
「わかったよ」
南雲さんがにっこり笑って言ったから流石に諦めたと思っていた。
もう来てくれないかもしれないなと思ったのに、次の出勤日も南雲さんは普通にお店に来た。
「バースデーの分お願いしまーす」
南雲さんはケースを黒服に渡してサインしていた。
来月のバースデーで、何か高額のお酒を入れてくれるのかなと思い後から予約伝票を見たら、なんと2億分きっちり入金されていた。
「ちょ、南雲さん私来年て言った…てか本当に入金するの?」
入金の確認が終わった後で南雲さんに話せば平然とした顔で南雲さんは答えた。
「うん。一年も待ってらんないもん」
いきなり2億打ったとして、ファイナルイベントだってしないといけないのに。
それを説明すれば南雲さんは顔色を変えずにそっかーと言って続けた。
「ならそのときは3億だね〜」
なんでそんな簡単に言えるんだろう。
職業は知ってるけど、私と同じくらいの歳でそんな途方もない額をポンポン出せる彼は一体どれくらいすごい人なんだと考えていれば
「僕すごいってわかったでしょ〜?君の生活も全部保証するよ」
と南雲さんは言った。
現実的ではなかった口約束を簡単に現実に変えてしまった彼に私はもう逆らえない。
「わかった…約束だからね」
こんなありえないことを一瞬で魔法みたいに叶えてくれた彼の気持ちに、答えたい。
1人の人間として、本当の私を好きになってくれた彼に向き合おうと私は決めた。
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